打ち合わせで決まらない原因|エンジニアが確かめる決め方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

エンジニアとして働いていると、打ち合わせを何度重ねても話が前に進まないことがあります。原因は取り上げる議題の内容よりも、誰がどの基準で決めるかという決め方が、話し合いの前に用意されていないことにある場合が少なくありません。持ち込む材料の型と、決める人をどう確かめるかに絞って見ていきます。
打ち合わせの決まりやすさを分けているのは、内容の質そのものではなく、誰がどの基準で決めるかという決め方であり、材料の型はその決め方が定まったあとで効いてきます。
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この記事のポイント
- 決まらない打ち合わせの原因の多くは、話し合う内容ではなく、誰がどの基準で決めるかという決め方が整っていないことにあります
- 案を2つ以上持ち込み、選ぶ基準を場に置くと、打ち合わせは決まりやすくなります
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1. 決まらない打ち合わせは、決め方の有無で見分けられます
打ち合わせが決まらないかどうかは、話し合う議題の内容ではなく、誰がどの基準で決めるかという決め方が場の前に用意されているかどうかで見分けられます。決め方が無いまま始まる打ち合わせほど、案が並んだまま終わりやすくなります。
打ち合わせを開いても結論が出ないとき、原因は議題の難しさそのものよりも、誰がどの基準で決めるかという決め方が、始まる前に共有されていない点にあることがあります。
決め方が共有されていない打ち合わせでは、参加者それぞれが意見を出す段階までは進みますが、その意見をどう扱うかを決める人がはっきりしないまま時間が過ぎやすくなります。
逆に、決める人と、その人が何を基準に選ぶかがあらかじめ場に置かれていると、同じ意見の数でも結論に着地しやすくなります。次に、決める人の関わり方で打ち合わせの進み方がどう分かれるかを見ていきます。
決め方が事前に共有されている打ち合わせでは、参加者はその基準に沿って意見を整理してから臨みやすくなります。決め方が共有されないまま始まる打ち合わせでは、当日になって初めて基準を探すことになり、話が広がりやすくなります。
決め方が場に無いことに気づいた時点で、参加者側から決める人や基準を提案してみることもできます。提案が通るかどうかは打ち合わせごとに異なりますが、決め方を待つだけでなく、持ち込む選択肢として持っておくと動きやすくなります。
2. 決める人の関わり方で、打ち合わせの進み方が分かれます
決める人がその場にどう関わっているかは、打ち合わせが始まる前の招集や議題の書き方からある程度読み取れます。関わり方によって、当日の進み方は次の3つに分かれます。
決める人が場に同席している打ち合わせでは、出た意見をその場で比べ、結論まで進めやすくなります。決める人が別にいる場合は、その回は意見をそろえて持ち帰り、あらためて確認する回として扱うほうが、無理に結論を出そうとするより実際の進み方に近くなります。
もっとも扱いにくいのは、決める人がいてもいなくても、何を基準に選ぶかという決める基準そのものが場に無い場合です。この場合は、意見や案がいくつ並んでも比べる物差しが無いため、時間だけが過ぎて次の回に持ち越されやすくなります。
決める人の有無は打ち合わせの前に分かることが多いため、この回が結論まで進む回なのか、持ち帰る回なのかを先に見分けておくと、話す内容の準備にも差をつけられます。
どのパターンに当たるかは、打ち合わせの前に議題や参加者の顔ぶれを見ておくと、ある程度見当がつきます。決める人が参加者に含まれているかどうかは、招集の時点で分かることが多いためです。
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3. 案を複数持ち込むと、選ぶ基準しだいで決まりやすくなります
打ち合わせに持ち込まれる案が1つだけの場合、その場での判断は採用するかしないかという二択になりがちです。二択になると、その場で決めきる自信が持てず、持ち帰りの判断に流れやすくなります。
案が2つ以上そろっていると、比べる相手ができるため、どちらを選ぶかという形の判断に変わります。比べる形になるだけで、その場で結論まで進む見込みは高くなります。
ただし、案が複数あっても、何を優先して選ぶかという基準が場に無ければ、結局は案が並んだままになりやすくなります。基準は決める人だけが持っているとは限らず、案を持ち込む側があらかじめ言葉にして添えておくこともできます。
基準が複数出てくる場合は、基準どうしに優先順位をつけておくと、案を比べる場面で判断が止まりにくくなります。優先順位が無いまま基準だけが並ぶと、案が並ぶときと同じように結論が先送りされます。
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4. 決まらない様子は、次に用意するものを表で確かめます
打ち合わせが決まらないときの様子は、いくつかの型に分けられます。
様子ごとに何が足りていないかと、次に用意することを4行に分けて並べます。
決まらない様子・足りていないもの・次に用意すること
| 決まらない様子 | 足りていないもの | 次に用意すること |
|---|---|---|
| 案が1つしか出ない | 比べる相手 | 案をもう1つ用意します |
| 意見が並んだまま終わる | 選ぶ基準 | 基準を先に言葉にします |
| 決める人が分からない | 決める役割の所在 | 誰が決めるかを先に確認します |
| 持ち帰りが続く | その場で決める権限 | 決める人に判断を渡す場面を作ります |
表の4行は、打ち合わせが決まらないときによく見られる様子と、そこで足りていないもの、次に用意することを並べたものです。
「案が1つしか出ない」と「意見が並んだまま終わる」は、比べる相手や選ぶ基準という材料の不足に関わります。材料をもう1つ用意するだけで、その場の進み方が変わることがあります。
「決める人が分からない」と「持ち帰りが続く」は、材料ではなく、決める役割や権限の所在に関わります。材料がそろっていても、誰がその場で判断するかが曖昧なままだと、結論には至りません。
4行に共通しているのは、決まらない様子を放置するのではなく、その様子から足りていないものを見分け、次の打ち合わせまでに用意することに変えられる点です。
4つの様子は、同じ打ち合わせのなかで重なって現れることもあります。案が1つしかないうえに決める人も分からない場合は、材料と役割の両方をあわせて用意することになります。
この4行は、打ち合わせを開く側だけでなく、参加する側から見ても使えます。次に何を用意すればよいかが分かれば、参加者側からも打ち合わせの前に声をかけやすくなります。
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5. 決める場に持ち込む材料は、3つの型で備えられます
打ち合わせを決まりやすくする材料は、あれこれ増やすよりも、3つの型に絞って備えておくと持ち込みやすくなります。
打ち合わせに持ち込みたい3つの材料
- 案:比べられる案を2つ以上そろえておきます
- 基準:何を優先して選ぶかを先に言葉にしておきます
- 渡し方:決める人に判断してもらう形で持ち込みます
3つの型は、それぞれ単独でも効きますが、そろえて持ち込むと打ち合わせの進み方がまとまりやすくなります。
案は比べる相手があってはじめて選ぶ判断に変わり、基準はその比べ方の物差しになります。渡し方は、案と基準を用意したうえで、最終的に誰が選ぶ形にするかという持ち込み方です。
渡し方まで用意しておくと、決める人がその場にいる場合はその場で結論まで進みやすくなり、決める人が別にいる場合でも、持ち帰った先で判断しやすい形が残ります。
3つのうち一部だけをそろえた場合でも、無いよりは進みやすくなります。案だけを持ち込んだ場合は比べる形にはなりますが、基準が無いと選ぶ決め手を欠いたまま終わることがあります。
3つの材料は、必ずしも一度にそろえる必要はありません。案だけ先に用意しておき、基準は打ち合わせの場で参加者と一緒に言葉にする、という順番でも成り立ちます。
6. 決める人への渡し方は、土台から順に積み上がります
決める人への渡し方は、いきなり用意するのではなく、土台から順に積み上げると整理しやすくなります。
土台になるのは、いまの打ち合わせで何が決まっていないのかをまず書き出すことです。決まっていないことが言葉になっていないと、案や基準を用意する対象そのものが曖昧なままになります。
中段は、書き出した決まっていないことに対して、比べられる案と選ぶ基準をそろえる段階です。案と基準がそろってはじめて、決める人が選びやすい形が整います。
頂点にあたるのが、そろえた案と基準を、決める人に判断してもらう形で渡すことです。3段は下から積み上がってはじめて意味を持ち、書き出しを飛ばして渡し方だけ整えても、決める人が比べる材料を持たないまま判断を求められることになります。
書き出す段階では、決まっていないことを大きくまとめすぎず、なるべく具体的な言葉にしておくと、次の段階で案や基準をそろえやすくなります。
3段のうち、どこで止まっているかを振り返ると、次に何を用意すればよいかも見えてきます。土台の書き出しで止まっているなら、まずそこを言葉にすることが次の一歩になります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 決める人が誰かは、必ず打ち合わせの前に決めておく必要がありますか。
A. 必須ではありませんが、決める人が場の中ではっきりしていないと、案が並んだまま終わりやすくなります。
Q2. 案が1つしかない打ち合わせは、決まりにくくなりますか。
A. 比べる相手がないため、採用するかしないかという二択になりやすく、判断が先送りされることがあります。
Q3. 選ぶ基準は、決める人だけが用意するものですか。
A. 決める人だけに限らず、案を持ち込む側が基準を添えて、場で擦り合わせることもできます。
Q4. 基準が複数あるときは、どう扱えばよいですか。
A. 基準どうしに優先順位をつけておくと、案を比べる場面で判断が止まりにくくなります。
8. まとめ:決まらない打ち合わせは、決め方を先に整えます
この記事の要点
- 打ち合わせが決まらない原因の多くは、誰がどの基準で決めるかという決め方が整っていないことにあります
- 決める人がその場にいるかどうかで、打ち合わせの終わり方は変わります
- 案を2つ以上持ち込み、選ぶ基準を場に置くと、打ち合わせは決まりやすくなります
- 決める場に持ち込む材料は、案・基準・渡し方という3つの型に整理できます
- 基準に優先順位をつけておくと、案を比べる場面で判断が止まりにくくなります
決まらない打ち合わせは、話し合う内容そのものよりも、誰がどの基準で決めるかという決め方が整っていないことに原因がある場合が少なくありません。案を複数そろえ、選ぶ基準を場に持ち込み、決める人に判断を渡す形にしておくと、打ち合わせは決まりやすくなります。案が1つしか用意できない回でも、選ぶ基準だけを先に場へ置いておくと、それだけで進み方が変わることもあります。基準の立て方や持ち込み方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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