退職証明書はいつ使う?離職票との違いと転職での提出先
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

退職したあと、次の勤務先や公的な手続きの窓口から、退職証明書の提出を求められる場面があります。よく似た書類として離職票を思い浮かべる方もいますが、作成する側も使う場面も異なります。どんな場面で求められ、どこに依頼すればよいかを、順を追って確かめていきます。求められる場面ごとに整理します。
退職証明書は、離職票とは別の書類で、退職した勤務先に依頼して受け取るものだという点に絞って確かめると、依頼する場面や頼む先も具体的になります。
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この記事のポイント
- この書類は、離職票とは異なり、退職した勤務先が作成する書類です
- 使う場面は、転職先への提出や、国民健康保険・国民年金の手続きなど複数あります
- 依頼する先は、退職した勤務先の人事・総務です
1. 退職証明書は、離職票とは別の書類です
退職証明書は、退職した本人の請求に応じて勤務先が作成する書類です。離職票とは作成する側も使う場面も異なるため、混同せずに、どこで求められ、どこに依頼するのかを順番に確かめていきます。
転職の場面や、公的な手続きの窓口で、この書類の提出を求められることがあります。求人票や離職票と混同されやすい書類ですが、指しているものは異なります。
離職票は雇用保険の手続きに関わる書類で、退職証明書とは作成に関わる窓口が異なります。名前が似ているため、どちらを求められているのかが分かりにくい場面もあります。
決まった書式が一律にあるわけではなく、退職した勤務先が本人の請求を受けて作成します。何を書いてもらうかは、使う場面によって変わります。
どんな場面で使われ、どこに依頼すればよいかを、これから順番にたどっていきます。
証明書という言葉が付く点も、離職票と混同されやすい理由のひとつです。名称が似ていても、書いてもらう内容や提出先は場面ごとに変わります。
求められて初めて存在を知る書類でもあるため、依頼の連絡をする前に、何が求められているのかを整理しておくと、勤務先とのやり取りも一度で済みやすくなります。
2. 使う場面を確かめる手順を、4段に分けます
依頼するまでの流れは、4つの段階に分けられます。
最初の段階は、使う場面を確かめることです。使う場面によって、書いてもらいたい内容も変わります。先に確かめておくと、あとの段取りも決めやすくなります。
次の段階は、書いてもらいたい内容を決めることです。使う場面ごとに必要な項目は本文3で扱います。先に決めておくと、依頼するときの伝え忘れを防げます。
3つ目の段階は、退職した勤務先の人事・総務に退職証明書を依頼することです。依頼のときに伝える項目は本文6で扱います。依頼するタイミングは、退職の前後どちらでも進められます。
最後の段階は、受け取った記載内容を確認することです。使う場面に必要な項目が書かれているかを見ます。記載に不足があれば、その場で人事・総務に確かめる方法もあります。
3. 退職証明書を使う場面を、4つ並べます
この書類は、複数の場面で使われます。使う場面ごとに、何のために求められるかと、頼む先を並べます。
使う場面・何のために求められるか・頼む先
| 使う場面 | 何のために求められるか | 頼む先 |
|---|---|---|
| 転職先への提出 | 前の勤務先での雇用の状況を確認するため | 退職した勤務先の人事・総務 |
| 国民健康保険の手続き | 資格を取得する手続きに使うため | 退職した勤務先の人事・総務 |
| 国民年金の手続き | 第1号被保険者への切替に使うため | 退職した勤務先の人事・総務 |
| 本人確認を求められる場面 | 退職の事実を示す書類として求められるため | 退職した勤務先の人事・総務 |
表の4つの場面に共通しているのは、頼む先がどれも退職した勤務先の人事・総務であることです。使う場面が変わっても、依頼する相手は変わりません。
「転職先への提出」は、次の勤務先が前の勤務先での雇用の状況を確認するために求める場面です。求められる項目は、転職先の案内に沿って確かめます。
「国民健康保険の手続き」と「国民年金の手続き」は、退職にあわせて資格を切り替える手続きで使われる場面です。窓口で求められた場合に、この書類が必要になることがあります。
「本人確認を求められる場面」は、退職の事実を示す書類として、この書類が求められる場合です。求める側の窓口によって、必要な項目が変わることもあります。
4つのどの場面でも、用意できるのは、退職した勤務先の人事・総務だけです。使う場面が分かれば、依頼するときに伝える内容も具体的になります。
求める側の窓口が変わっても、書いてもらう相手が変わらない点は、依頼するときの目印になります。どこに聞けばよいか迷ったときは、まず退職した勤務先を思い出すとよいでしょう。
複数の場面で同時に必要になる場合は、必要な部数をまとめて依頼しておくと、あとから何度も依頼する手間を減らせます。手元に控えを残しておくと、別の場面で求められたときにも見返せます。
退職後は、雇用保険の手続きも別に進むことになります。窓口での書類の順番については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 雇用保険の手続きと転職活動|窓口と書類の順番
4. 離職票と混同されるのは、出どころが違うからです
この書類と離職票が混同されやすいのは、どちらも退職にあわせて出てくる書類だからです。ただし、作成する側と、使う場面はそれぞれ異なります。
この書類は、退職した本人の請求に応じて、勤務先が作成する書類です。決まった書式が一律に定められているわけではなく、勤務先ごとに用意している場合もあります。
離職票は、雇用保険の手続きに関わる書類で、この書類とは作成に関わる窓口が異なります。名前も内容も似ているようで、指しているものは別の書類です。
この書類は、転職先への提出や、公的な手続きの窓口で求められる場面で使われます。離職票が必要な場面であっても、この書類だけで済むとは限らないため、どちらを求められているのかを、窓口や勤務先に確かめておくと迷いにくくなります。
作成のタイミングも異なります。この書類は請求を受けてから作成されるのに対し、離職票は退職にあわせた手続きが進んだ結果として交付されます。手元に届くまでの時間の感覚も、そのため変わってきます。
同じ退職という出来事から生まれる書類でも、請求して初めて作られるものと、手続きの結果として交付されるものがある、という違いを覚えておくと、混同しにくくなります。
提出先から「証明書」という言葉だけで案内された場合も、どちらの書類を指しているのかを、そのまま確かめておくと、あとから慌てずに用意できます。
退職したあとに整えておきたいことは、書類だけではありません。社内の情報を返す・消す・渡すという整理についても、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 退職のときの情報の整え方|返す・消す・渡す
5. 依頼までの考え方を、土台から3段で組み上げます
依頼するまでの考え方は、土台から積み上がる3段で整理できます。
土台になるのは、使う場面を確かめる段階です。使う場面が分かれば、書いてもらいたい内容も具体的になります。
中段は、書いてもらいたい内容を先に決めておく段階です。使う場面に必要な項目を、依頼する前に整理しておきます。
頂点は、退職した勤務先に退職証明書を依頼し、受け取って記載内容を確認する段階です。土台と中段を整理してから依頼すると、伝える内容も具体的になります。
3段を土台から順に整理しておくと、依頼するときに何を伝えればよいかが、漠然としたままにならずに済みます。
3段のどこかを飛ばして依頼を進めると、記載してもらった内容が使う場面に合わず、依頼し直すことにもなりかねません。
6. 依頼のときに伝える3つの項目を書き出します
依頼するときは、次の3つを伝えておくと、記載してもらう内容の相談がしやすくなります。
依頼のときに伝える3つの項目
- 退職日:いつ退職したかを、書いてもらう日付として伝えます
- 使用目的:退職証明書を提出する先と、その目的を伝えます
- 記載してほしい内容:使う場面に必要な項目を、具体的に伝えます
3つの項目を伝えておくと、退職した勤務先の人事・総務も、記載する内容を判断しやすくなります。
「退職日」は、書いてもらう証明の基準になる日付です。退職した日を、正確に伝えておきます。
「使用目的」は、この書類を提出する先と、その目的です。転職先への提出なのか、公的な手続きの窓口への提出なのかによって、必要な項目が変わることがあります。
「記載してほしい内容」は、使用目的に応じて必要になる項目です。退職した勤務先に、使う場面をあわせて伝えておくと、記載の相談がしやすくなります。
3つの項目をまとめて伝えておくと、退職した勤務先も、何を書けばよいかを一度で把握できます。伝える順番に決まりはありませんが、使用目的から伝えると、記載してほしい内容も自然に絞り込めます。
退職にあわせて確かめておきたい書類は、健康保険にも関わります。資格喪失証明書の頼む先については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 健康保険の資格喪失証明書|頼む先を確かめる
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 退職証明書と離職票は、同じ書類ですか。
A. いいえ、別の書類です。この書類は退職した勤務先が作成する書類で、離職票は雇用保険の手続きに関わる書類です。どちらを求められているかは、提出先の案内で確かめられます。提出先によっては、どちらか一方で足りる場合もあります。
Q2. 退職証明書は、どこに依頼すればよいですか。
A. 退職した勤務先の人事・総務に依頼します。依頼のときに伝える項目や、受け取りまでの流れは、勤務先によって異なるため、事前に確かめておくとよいでしょう。在職中に依頼しておくと、受け取りまでの時間を短くできる場合もあります。
Q3. 退職証明書がなくても、雇用保険の手続きはできますか。
A. 雇用保険の手続きに関わる書類は、基本的には離職票です。この書類が必要かどうかは場面によって異なるため、ハローワークの窓口に確かめる方法があります。提出先の案内に、必要な書類が具体的に示されている場合もあります。
Q4. 退職証明書は、いつまでに受け取ればよいですか。
A. 受け取る時期に一律の決まりはなく、勤務先によって対応が異なります。必要になった時点で、退職した勤務先の人事・総務に依頼して確かめる方法があります。早めに依頼しておくと、提出の期限に余裕を持って対応できます。
8. まとめ:退職証明書は使う場面を確かめて依頼します
この記事の要点
- 退職証明書は、退職した本人の請求に応じて勤務先が作成する書類です
- 離職票とは、作成する側も使う場面も異なります
- 使う場面は、転職先への提出や、国民健康保険・国民年金の手続きなど複数あります
- 依頼する先は、退職した勤務先の人事・総務です
- 雇用保険の手続きについて迷う点があれば、ハローワークの窓口に確かめる方法があります
- 一般労働者の賃金は全国計で月340.6千円です*1。退職後の手続きを進める前提として押さえておく数字です
退職証明書は、離職票とは別の書類として、使う場面を確かめてから依頼すると、伝える内容も具体的になります。依頼する先は、退職した勤務先の人事・総務です。使う場面が変わっても、依頼する相手と確かめる相手は変わりません。雇用保険の手続きについて迷う点は、ハローワークの窓口に確かめられます。使う場面や依頼の進め方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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