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復旧手順が属人化する原因|手順書の置き場と転職での確認

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

復旧手順が属人化しているとき|置き場を見るのイメージ写真

復旧手順が属人化しているかどうかは、担当者の力量では判断できません。手順が書かれているか、なぜその手順を選んだかという判断の理由がどこに残っているかを聞けば、置き場を確かめる手がかりになります。個人の力量を評価する話ではなく、記録の置き場を確かめる話です。確かめ方を整理します。

復旧手順が属人化しているかどうかは、判断の理由がどこに置かれているかを聞けば見分けられます。手順が書かれていても、置き場が分からなければ担当者の力量の差にはなりません。

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数字で見る属人化の確かめ方 この記事の要約 確かめる観点 2 つの軸 本文3で解説 手順の有無×理由の有無 聞く段階 4 つの段階 本文5で解説 求人票→面接→現場→入社後 人材不足の前提*1 85.5 % IPA DX推進人材が不足と回答した企業 手順が残っていても、判断の理由が分かるかどうかで、引き継ぎやすさは変わります *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 属人化は個人の力量の問題ではなく、手順や判断の理由がどこに置かれているかの問題です
  • 手順が残っていても、判断の理由まで書かれていなければ、引き継ぎにくさは残ります
  • DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、うち大幅に不足は50.1%です*1。人材の状況の前提として示すもので、属人化の有無とは別に扱います

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1. 属人化は、手順と判断の理由の置き場で確かめられます

属人化は、担当者の力量ではなく、手順と判断の理由がどこに残っているかという置き場の問題です。復旧手順が書かれているか、なぜその手順を選んだかが分かるかどうかを聞けば、引き継ぎやすさの手がかりが見えてきます。

復旧手順が属人化しているというとき、多くは担当者一人の力量が語られます。実際に確かめられるのは力量ではなく、手順と判断の理由がどこに書かれているか、あるいは書かれていないかという点です。

手順書に沿って作業できても、なぜその順番なのか、なぜその設定を選んだのかという理由が書かれていなければ、担当者が変わったときに同じ判断を再現しにくくなります。属人化かどうかは、この理由の置き場を聞くことで見えてきます。

求職者がこの点を確かめるには、面接で運用を聞く、社内規程や手順の置き場を確かめる、勤務先の人事・採用担当に確かめるという進め方があります。特定の担当者を評価するための質問ではなく、置き場を確かめるための質問です。

復旧手順は、平常時の手順と違い、判断を急ぐ場面で使われます。理由が書かれていなければ、担当者が変わったときに、同じ判断をその場で再現しにくくなります。書かれているかどうかを聞くことは、業務の性質を踏まえた確認です。

求人票の記載だけで判断がつかないときは、面接でこの点を尋ねる進め方があります。担当者一人に負担が集中しているかどうかではなく、記録がどこにあるかを尋ねる形にすると、答えやすくなります。

2. 確かめることと聞き方を、4点に整理します

確かめること・どこで分かるか・聞き方の例

確かめることどこで分かるか聞き方の例
復旧手順が書かれているか社内規程や手順書の置き場「復旧手順はどこに書かれていますか」
手順を選んだ理由が書かれているか手順書や設計メモの記載欄「この手順を選んだ理由はどこに書かれていますか」
担当者が変わっても手順を追えるか引き継ぎ資料や運用ドキュメント「担当者が変わっても同じ手順で対応できますか」
更新の記録が残っているか手順書の変更履歴欄「手順書の更新はどこで確認できますか」

4点はいずれも、担当者本人ではなく、手順と理由が置かれている場所を確かめるための項目です。属人化しているかどうかを判断するのは、置き場の有無であって、担当者の力量ではありません。

復旧手順に限らず、判断の理由が書かれた記録が残っているかどうかは、ドキュメントが残る職場を見分けるときの手がかりと重なります。職場全体の記録の残し方については、別の記事で扱っています。

聞き方の例は、そのまま質問文として使える形にしてあります。面接で聞きにくい場合は、内定後に受け取る資料の中に、同じ内容の記載があるかどうかを確かめる進め方もあります。

書かれているという答えだけでは、実際に運用されているかどうかまでは分かりません。更新履歴が新しいかどうかを併せて聞くと、記載が実務に追いついているかどうかの手がかりが増えます。

あわせて読みたい | ドキュメントが残る職場の見分け方|求人と面接で

3. 手順と理由の有無で、引き取りやすさが分かれます

手順が書かれているかどうかと、判断の理由が書かれているかどうかは、別の軸として分けて考えられます。手順があっても理由がなければ、担当者が変わったときに同じ判断を再現しにくくなります。逆に、理由だけが口頭で伝えられていて、手順が書面に残っていない場合もあります。

手順と理由の有無で、引き取りやすさが分かれます 理由だけ残る型 手順は書かれていなくても、担当者に聞けば判断の理 由は説明してもらえる状態です。 両方残る型 手順と判断の理由がどちらも残っており、担当者が変 わっても引き取りやすい状態です。 どちらも残らない型 手順も判断の理由も残っておらず、置き場を確かめる 必要が大きい状態です。 手順だけ残る型 手順は残っていても、なぜその手順を選んだかという 理由が書かれていない状態です。 手順が書かれていない 手順が書かれている どちらの軸が抜けているかを聞くと、引き取りやすさの見え方が変わります

2つの軸のどちらが抜けているかによって、聞くことは変わります。手順が書かれていない場合は、まず手順そのものを聞き、理由が書かれていない場合は、なぜその手順を選んだかを聞くことになります。

属人化という言葉は、担当者一人に負担が集中している状態を指して使われることがあります。ここで扱っているのは、その担当者を評価する話ではなく、手順と理由がどこに残っているかという置き場の話です。

右上の型に近いほど、担当者が変わっても同じ判断を再現しやすくなります。左下の型に近いほど、置き場を確かめる項目が増えることになります。

面接で聞くときは、どちらの軸が抜けているかを先に見極めると、次に聞くことを絞りやすくなります。両方が抜けている場合は、置き場そのものがまだ定まっていない可能性があります。

4. 手順が残っていても、決めた理由までは伝わりません

手順書に沿って作業を進められる状態であっても、なぜその順番で進めるのか、なぜその設定を選んだのかという理由までは、手順書だけでは伝わらない場合があります。手順と理由は、別の場所に書かれていることがあります。

理由が書かれていない手順書は、担当者が変わったときに同じ判断を再現しにくくなります。これは担当者の力量の問題ではなく、判断の理由を書き残す仕組みがあるかどうかの問題です。

求職者がこの点を確かめるには、面接で運用を聞く、社内規程や手順の置き場を確かめるという進め方があります。手順書の有無だけでなく、理由が書かれた記録の有無まで聞くと、手がかりが増えます。

理由が書かれていない状態は、そのまま属人化していると決められるものではありません。理由が別の場所にある場合や、口頭で共有される運用になっている場合もあるため、面接で聞いて確かめる必要があります。

復旧のような判断を急ぐ業務では、理由が書かれていないことの影響がより大きく出ることがあります。落ち着いて確認できる場面であれば聞き直せますが、対応の最中はその場で判断せざるを得ない場合があります。

手順書を書くときに何を書けばよいか迷う場合の観点は、別の記事で扱っています。

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5. 置き場を確かめる順番をたどります

置き場を確かめる順番をたどります 求人票を読む 復旧手順や運用に関する記 載があるかどうかを確かめ ます 面接で聞く 手順と、それを選んだ理由 がどこに書かれているかを 聞きます 現場の人に聞く 実際に手順を使う立場の人 に、運用の実際を聞きます 入社後に確かめる 社内規程や手順書の置き場 を、実際に確認します 順番通りに進めなくても、聞けた段階から次に進めば手がかりは増えます

4つの段階は、求人票→面接→現場→入社後の順で聞くと、抜けが少なくなります。すべての段階で答えが得られるとは限らないため、聞けた段階までをいったんの手がかりとして扱います。

現場の人に聞く機会が面接の中にある場合は、担当者本人ではなく、手順を使う立場の人に運用の実際を聞くと、書面とのずれに気づきやすくなります。

入社後に確かめる段階では、社内規程や手順の置き場を実際に確認することになります。書かれている場所が分かれば、担当者が変わっても手順を追いやすくなります。

4つの段階のどこかで答えが得られなくても、次の段階で別の手がかりが見つかる場合があります。答えが得られた段階までを、いったんメモに残しておくと、あとで見返しやすくなります。

6. 面接で聞く言い方をそろえます

復旧手順の置き場を面接で聞くときは、聞き方をそろえておくと、聞き取れる内容が増えます。次の3つを揃えておきます。

聞くときの3つの言い方

  • 手順を聞く:復旧手順がどこに書かれているかを聞きます
  • 理由を聞く:その手順を選んだ理由がどこに書かれているかを聞きます
  • 引き継ぎを聞く:担当者が変わっても同じ手順で対応できるかを聞きます

3つの言い方は、手順・理由・引き継ぎという3つの角度に対応しています。どれか1つだけを聞くより、3つを順に聞いておくと、答えの抜けに気づきやすくなります。

面接の場で聞きにくいと感じる場合は、内定後に労働条件通知書や社内規程を受け取った段階で、同じ3つの角度から記載を確かめる進め方もあります。

聞いた内容は、その場でメモに残しておくと、あとで社内規程や手順書の記載と見比べるときの手がかりになります。

同じ3つの言い方を複数の面接で使うと、会社ごとの答えの詳しさを比べる材料になります。聞き方をそろえておくことが、あとで比べるための前提になります。

引き継ぎ資料に何を残すかについては、別の記事で扱っています。

あわせて読みたい | 引き継ぎ資料に何を残すか|後任が困らない順

7. よくある質問|置き場と聞き方が手がかりです

Q1. 復旧手順が属人化しているかどうかは、面接で聞いてもよいのでしょうか。

A. 聞いてかまいません。手順・理由・引き継ぎの3つの角度から聞くと、答えの抜けに気づきやすくなります。聞きにくい場合は、内定後の資料で確かめる進め方もあります。

Q2. 求人票に復旧手順に関する記載がない場合はどうすればよいですか。

A. 記載がない場合は、面接で運用を聞く進め方があります。内定後に受け取る資料や、入社後の社内規程・手順書の記載を確かめることもできます。

Q3. 手順を選んだ理由が書かれているかどうかは、誰に確かめればよいですか。

A. 面接の場や、勤務先の人事・採用担当に確かめる進め方があります。社内規程や手順書に記載がある場合は、そこでも確認できます。書かれた記録が新しいかどうかも、合わせて確かめておくと手がかりになります。

Q4. 属人化しているかどうかは、担当者の力量で判断するものですか。

A. 力量で判断するものではありません。手順と、それを選んだ理由がどこに書かれているかという置き場の問題として確かめる進め方があります。社内規程や手順書の記載、面接での説明を見比べておくと手がかりになります。面接で聞きにくい場合は、内定後の資料で確かめる進め方もあります。

8. まとめ:手順と理由の置き場を聞きます

この記事の要点

  • 属人化は個人の力量の問題ではなく、手順と判断の理由がどこに置かれているかという問題です
  • 手順が書かれていても、なぜその手順を選んだかという理由が書かれていなければ、引き継ぎにくさは残ります
  • 確かめる進め方は、面接で運用を聞く、社内規程や手順の置き場を確かめる、勤務先の人事・採用担当に確かめるという3つです
  • 求人票→面接→現場の人→入社後の順で聞くと、抜けが少なくなります
  • DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、うち大幅に不足は50.1%です*1。人材の状況の前提として示すもので、ここでの話とは別に扱います

復旧手順の運用が担当者一人に依存しているかどうかは、担当者の力量では判断できません。手順と、それを選んだ理由がどこに書かれているかという置き場を、面接で聞く、社内規程や手順の置き場を確かめる、勤務先の人事・採用担当に確かめるという進め方で確かめられます。手順だけが残っていても、理由が書かれていなければ、担当者が変わったときに同じ判断を再現しにくくなります。分からない点が残るときは、社内規程や手順書の記載を見るか、勤務先の人事・採用担当に確かめる進め方があります。

手順の置き場と判断の理由は、面接や社内規程で確かめられます

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