繰り返しの予定がある求人|31日がない月の扱い
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

毎月同じ日に来る予定を繰り返し設定しておくと、31日のように月によっては存在しない日付に当たる場面が出てきます。消えたと見なすか、月末に寄せるか、翌月に回すか。決め方はシステムの都合ではなく、業務側の言葉として先に決めておく必要があります。
テレワークを導入している企業は47.3%です*1。判断に加わる担当者が同じ場所に集まれない場面も増えており、決め方を残しておく重要性は上がっています。
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この記事のポイント
- テレワークを導入している企業は47.3%です*1。予定の扱いを決める会議に、関係者が同じ場所で集まれるとは限らなくなっています。
- 一般労働者の賃金は60〜64歳で月329.3千円です*2。毎月繰り返し発生する例外の扱いを、長く判断してきた年齢層でもあります。
- 転職入職者のうち賃金が変わらない割合は28.4%です*3。賃金だけでは測れない経験として、この種の判断を重ねてきたことが評価される場合があります。
1. 毎月31日の繰り返し予定は、無い月で扱いが分かれます。
毎月31日に置いた予定を繰り返し設定すると、31日が無い月ではその日付が存在せず、扱いを事前に決めておく必要があります。総務省の通信利用動向調査では、テレワークを導入している企業は47.3%でした*1。判断に加わる担当者が同じ場所にいない場面も増えており、決め方を文書に残しておく重要性は高まっています。
毎月31日に予定を繰り返し設定する機能そのものは、開発の難易度としては高くありません。難しいのは、4月・6月・9月・11月と2月のように31日が存在しない月に予定が来たとき、システムがどう振る舞うかを決める部分です。
候補になる振る舞いは複数あります。月末(30日や28日)に寄せる、その月は予定を作らずスキップする、翌月の1日に回す。どれも実装としては可能ですが、正しい答えは仕様書のどこにも書かれていないことがあります。
この判断を後回しにしたまま実装を進めると、公開後に「先月は予定が来たのに今月は来ない」という問い合わせを受けてから、業務側の意向を確認する順番になります。決める作業を設定より先に置くことが、手戻りを減らします。
社内のカレンダー機能に限らず、請求書の発行日や定期レポートの送信日など、毎月同じ日を指定する繰り返し予定は、いろいろな機能に潜んでいます。1つの画面だけを直しても、他の機能で同じ判断が食い違っていれば、利用者は不整合に気づきます。
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2. 月末に寄せるか、当月を外すかで軸を整理します。
31日が無い月にどう転ぶかを、日付の扱いと通知の扱いという2つの軸で整理します。
月末に寄せる案を選ぶと、当月にも予定が残るため、利用者から見て消えたという印象は避けられます。一方で記録上の日付が本来の31日とは違う日になるため、後から検索する際に注記が必要になります。
当月を外す案を選ぶと、記録は正確なままですが、利用者から見ると今月は動いていないように見えます。通知を出すか出さないかの判断も、この軸と組み合わせて決める必要があります。
4つの組み合わせのうち、どれが正解というものはありません。業務側が、利用者にとっての分かりやすさと、記録の正確さのどちらを優先するかを選ぶことで、初めて実装の方針が決まります。
通知の軸を先に決めておくと、日付の軸を後から変更しても、利用者に伝える内容の骨格は変わりません。逆に通知の設計を後回しにすると、日付の扱いを変えるたびに、伝える文言まで作り直す羽目になります。
3. 求人票で確かめたいのは、決める場面と期限です。
毎月同じ日に来る予定を扱う機能の求人票を見るときに確かめたい1つ目は、31日が無い月の扱いを最終的に誰が決めるかです。企画側が中心の求人では、利用者にとっての分かりやすさを軸に決まりやすくなります。開発側が中心の求人では、記録の正確さを軸にした案が採用されやすくなります。
2つ目は、この判断にいつまでに答えを出すと書かれているかです。リリースの時期が明記されている求人は、決める作業にかけられる期間も定まっています。時期が書かれていない求人は、判断そのものがまだ固まっていない場合があります。
テレワークを導入している企業は47.3%です*1。判断に加わる担当者が同じ場所に集まれない場面が増えており、決めた内容を文書に残しておく重要性も上がっています。
3つ目は、既存の仕組みからの移行か、新しく作る機能かです。移行の場合は、これまでどう扱ってきたかという実績があるため、そこから外れない案が選ばれやすくなります。新しく作る場合は、繰り返し予定の判断そのものを最初から任されることになります。
求人票に、既存の繰り返し予定機能を持つシステムが複数あると書かれている場合、システムごとに扱いが揃っているかも確認したい点です。片方は月末に寄せ、もう片方はスキップしているような食い違いは、利用者からの問い合わせが増える原因になります。
4. 月末に寄せる案と、翌月に回す案を比べます。
31日が無い月にどう転ぶかの主な案を、観点ごとに表で比較します。
【表1】月末に寄せる案と、当月をスキップする案の比較
| 確認する観点 | 月末に寄せる案 | 当月をスキップする案 |
|---|---|---|
| 見た目のわかりやすさ | 当月にも予定が残り、抜け漏れに見えにくい | 当月だけ予定が消え、抜けたように見える場合がある |
| 通知の扱い | 日付を動かした上で、いつもと同じ通知を送れる | その月は通知を出さないという決定が別に必要になる |
| 過去データとの整合 | 月末に寄せた記録として、後から検索しやすい | 記録そのものが無い月として扱われる |
表のとおり、月末に寄せる案は当月にも予定が残るため、抜け漏れのように見えにくい一方、過去の記録を検索する際に本来の日付ではないという注記が必要になります。当月をスキップする案は記録そのものが無くなるため、後から確認する人が動いていなかった月だと誤解する可能性があります。
一般労働者の賃金は60〜64歳で月329.3千円です*2。長く運用を見てきた年齢層が、こうした過去の運用と整合する案を選ぶ判断に加わることがあります。
翌月に回す案は、当月と翌月の両方に予定が並ぶため、利用者が二重に受け取ったと誤解する可能性があります。3つの案のどれを選ぶ場合も、想定される誤解を先に洗い出しておくことが、公開後の問い合わせを減らします。
5. 転職しても、賃金が変わらない例があります。
31日の扱いを決める判断力は、賃金の数字だけでは伝わりません。転職時の賃金の変化を確認します。
厚生労働省の雇用動向調査では、転職入職者のうち賃金が『変わらない』割合は28.4%でした*3。転職をしても賃金の水準がそのまま変わらない例は珍しくありません。
31日が無い月にどう転ぶかを決めてきたような、仕様書に書かれていない判断を重ねた経験は、賃金の数字だけでは伝わりません。面談で、どの場面で判断を任されたかを具体的に伝えることが、賃金以外の評価点として働くことがあります。
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6. 確認する5点を、求人票の記載から探します。
毎月同じ日に来る予定を扱う求人票を読むときに、確認しておきたい5点を整理します。
求人票で確認する5点
- 決める人:31日が無い月の扱いを最終的に誰が決めるか(企画側か開発側か)を、求人票や面談で確認します。
- テストケースの有無:31日が無い月を含むテストケースが用意されているかを確認します。無ければ洗い出しから始まります。
- 既存システムかどうか:新規開発か、既存の仕組みからの移行かで、決める作業の量が変わります。
- 通知の設計:予定が転んだ月に通知をどう扱うかも、日付の扱いとセットで確認します。
- 移行データの扱い:過去に登録済みの繰り返し予定に、新しい扱い方をどこまで遡って適用するかを確認します。
5点はどれも、設定画面の操作そのものではありません。31日が無い月にどう転ぶかを、誰が最終的に決めるかを読み取るための材料です。
テストケースが用意されている求人ほど、過去に一度は同じ判断を下した実績があります。用意されていない求人では、判断そのものから任される場面が出てきます。
5点のうち、移行データの扱いは見落とされやすい項目です。新しい判断を今後の予定にだけ適用するのか、過去の記録まで書き換えるのかで、必要な作業量は大きく変わります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 31日に設定した繰り返し予定は、31日が無い月ではどう表示されるか。
A. 表示の仕方は実装によって分かれます。月末の日付に寄せる、その月は表示しない、翌月に回すのいずれかになりますが、どれを選ぶかはシステムの決まりではなく、業務側が決める判断です。
Q2. 判断を後回しにして実装を始めても問題はないか。
A. 後から手戻りが増えやすくなります。日付の扱いが後で変わると、既に組んだ通知やデータの検索条件をやり直すことになるため、決める作業を先に済ませておく方が手間は少なくなります。
Q3. 2月のように28日や29日しかない月も、同じ考え方で扱えるか。
A. 考え方は同じです。29日・30日・31日のいずれかが無い月がある以上、対象となる日付ごとに、月末へ寄せるか外すかを決めておく必要があります。
Q4. この判断をリモートワークで進める場合、注意することはあるか。
A. 決める人が離れた場所にいる場合、口頭でのすり合わせが難しくなります。決めた内容を文書やチケットに残し、後から確認できる形にしておくことが欠かせません。
Q5. 求人票にこの判断の有無は書かれているか。
A. 判断の有無まで明記されている例は少数です。募集背景や既存システムの有無を読み取り、面談で決める作業がどこまで残っているかを確認する必要があります。
Q6. 過去に登録済みの予定にも、新しい扱い方を適用すべきか。
A. 適用の範囲も、業務側が判断する項目です。過去に登録済みの繰り返し予定のうち、今後の分だけに適用する方法と、既存の記録まで書き換える方法とでは、必要な作業量が大きく変わるため、範囲を先に決めておく必要があります。
8. まとめ:判断は仕様書でなく、業務側が下します。
この記事の要点
- 毎月31日のように、月によって存在しない日付に来る繰り返し予定は、月末に寄せる・当月を外す・翌月に回すといった扱いに分かれます。
- テレワークを導入している企業は47.3%です。判断に加わる担当者が同じ場所にいない場面も増えています*1。
- 一般労働者の賃金は60〜64歳で月329.3千円です。長く運用を見てきた年齢層が、この種の判断に加わることがあります*2。
- 転職入職者のうち賃金が変わらない割合は28.4%です。判断を重ねた経験をどう言葉にするかが、賃金以外の評価点になります*3。
31日が無い月にどう転ぶかを決める作業は、設定画面の外側にあります。次の一歩は、気になる求人で、この種の判断を任されているかどうかを求人票や面談で確かめることです。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省「通信利用動向調査(令和6年)」(2025年公表)
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)
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