四半期の区切りをまたぐものはどこに置く?求人の中身
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

ITエンジニアが正社員の求人に応募するとき、勤務条件や給与欄は目に入りますが、社内の3か月ごとの区切りがいつからいつまでかは書かれていません。この区切りは会社が独自に決める会計上の期間で、暦の1〜3月とはずれることがあります。四半期をまたいで進んでいる仕事は、入社した直後にその置き場所を確かめる必要があります。
転職等希望者数は1023万人で、前年より23万人増えています*1。区切りの位置を知らずに動くと、進行中の仕事の引き継ぎ先が決まらないまま入社日を迎えることになります。
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この記事のポイント
- 転職等希望者数は1023万人で、前年より23万人増えています*1。ITエンジニアの転職では、入社後に四半期をまたぐ仕事があることに気づく場面があります。
- 一般労働者の平均年齢は44.4歳です*2。中堅の年齢層が転職する場面では、進行中の仕事を後任へ引き継ぐ場面が重なりやすくなります。
- 四半期の開始月は会社ごとに違い、暦の1〜3月と一致しない会社があります。求人を選ぶ段階で、区切りの位置と引き継ぎの扱いを確認しておく必要があります。
1. 四半期の区切りは、会社ごとに開始月が違います。
ITエンジニアが正社員の求人を選ぶときは、四半期の区切りがいつから始まるかを確認しておく必要があります。総務省の労働力調査(詳細集計)では、転職等希望者数は1023万人で、前年より23万人増えていました*1。区切りの位置を知らないまま入社すると、進行中の仕事をどちらの期間に置くかが決まらないまま働き始めることになります。区切りは求人票に書かれない情報のため、確認する側から動かない限り、入社日まで分からないままになります。
四半期とは3か月ごとに区切った会計上の期間です。決算のためにこの区切りを設ける会社があり、暦の1〜3月・4〜6月・7〜9月・10〜12月と一致する会社もありますが、決算月が違えば区切りの開始月もずれます。
区切りをまたぐものには、進行中の開発タスク、評価の対象期間、予算の使い切りなどがあります。これらは区切りの内側で完結するとは限らず、前の期間から後の期間へ引き継がれることがあります。
入社日が区切りの真ん中に当たる場合、引き継ぎの相手が決まっていないまま担当が変わることもあります。求人を選ぶ段階で、区切りの位置と引き継ぎの扱いを確認しておくことが、入社後の行き違いを防ぐ手立てになります。
たとえば10月に入社する場合、決算月が9月の会社であれば10月はちょうど区切りの始まりに当たります。一方、決算月が3月の会社であれば、10月は区切りの後半に入ります。同じ入社月でも、会社によって位置づけが変わります。
2. 暦の区切りと会社の四半期は、ずれて重なりません。
暦で数える3か月と、会社が決算のために区切る3か月を並べて比べます。
暦で数える3か月と、会社が決算のために区切る3か月は、同じ長さでも開始月が違うことがあります。四半期という言葉は同じでも、どちらを指しているかは会社によって変わります。
3月決算の会社であれば、その区切りの1期目は4月から6月に当たります。12月決算の会社であれば、1期目は1月から3月になり、暦の区切りと重なります。
求人票だけでは、どちらの区切りを使っているかは分かりません。面談で決算月を確認すれば、区切りの位置を先に把握できます。
面接の場で決算月を尋ねることは、給与や業績を疑う質問にはなりません。区切りの位置を事実として確認するための、実務上の質問です。
暦の区切りだけを前提に転職の予定を立てると、実際の入社日と会社の区切りがずれて、想定していた引き継ぎの期間が短くなることがあります。会社の区切りを先に確認しておけば、この見込み違いを避けられます。
3. 区切りの位置は、決算月によって分かれます。
決算月は会社が自由に選べます。3月・6月・9月・12月のいずれかを選ぶ会社もあれば、それ以外の月を選ぶ会社もあります。決算月が決まれば、その翌月からの3か月ごとに区切りが決まります。
グループ会社では、親会社の決算月に合わせて子会社の区切りも統一される場合があります。連結の決算がある求人では、この統一によって区切りの手前と後で仕事の進み方が変わることがあります。
上場している会社では、区切りの終わりに向けて決算の準備が集中する時期があります。この時期に異動や引き継ぎが重なると、担当者の手が回らなくなることもあります。求人票に書かれた入社日が、区切りの終わり間際に当たっていないかを確認しておくと、こうしたすれ違いを避けやすくなります。
受託開発を担う会社では、自社の決算月だけでなく、主要な取引先の区切りに合わせて納期や検収の時期が動くことがあります。取引先側の区切りも合わせて確認しておくと、繁忙期の見立てがしやすくなり、入社直後の業務量の想定にも役立ちます。
決算月そのものは、企業の公式サイトのIR情報や登記情報から調べられる場合があります。求人票に記載がなくても、面談の前に調べておけば、当日に聞く質問を絞り込めます。上場していない会社では公開情報が少なく、面談で直接聞く場面が増えます。
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4. 決算月ごとの区切りを、表で突き合わせます。
決算月によって、区切りの開始月がどう変わるかを表で確認します。3月決算・6月決算・9月決算・12月決算の4パターンを並べ、暦の区切りとどれだけずれるかを見ていきます。
【表1】決算月別・四半期の開始月(1期目〜4期目)
| 決算月 | 1期目 | 2期目 | 3期目 | 4期目 |
|---|---|---|---|---|
| 3月決算 | 4月〜6月 | 7月〜9月 | 10月〜12月 | 1月〜3月 |
| 6月決算 | 7月〜9月 | 10月〜12月 | 1月〜3月 | 4月〜6月 |
| 9月決算 | 10月〜12月 | 1月〜3月 | 4月〜6月 | 7月〜9月 |
| 12月決算 | 1月〜3月 | 4月〜6月 | 7月〜9月 | 10月〜12月 |
表のとおり、決算月が3月であれば区切りの1期目は4月から6月に当たり、暦の4〜6月と一致します。決算月が12月であれば、1期目は1月から3月になり、暦の1〜3月とそのまま重なります。
9月決算や6月決算のように、暦のどの区切りとも重ならない会社もあります。求人票の勤務地や給与欄には出てこない情報なので、境目の日がいつかを確認しておくと、引き継ぎのタイミングも見積もりやすくなります。
表を見ると、3月決算と9月決算はちょうど半年ずれた関係にあり、6月決算と12月決算も同じ関係にあります。決算月を1つ聞くだけで、4つの区切りの位置がすべて分かります。
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5. 入社前に、またぐ仕事の扱いを順に確認します。
4つの確認は、いずれも求人票だけでは分からない情報です。この区切りは会社ごとに違うため、面談で直接確認することが唯一の方法になります。
確認の優先順位は、決算月と評価期間から先に聞くのが効率的です。この2つが分かれば、区切りの位置とその期間中の評価の扱いが同時に見えてきます。
4つの確認を後回しにすると、入社してから区切りの位置に気づき、進行中の仕事の引き継ぎが済んでいないまま次の区切りを迎えることになります。面談の早い段階で聞いておくと、入社後の調整がしやすくなります。
6. 引き継ぎの置き場所を、面談前に整理しておきます。
区切りをまたぐ仕事の引き継ぎについて、面談前に整理しておきたい点をまとめます。
面談前に整理しておきたい引き継ぎの項目
- 進行中の仕事:入社時点で担当が決まっていない仕事が、区切りをまたいで残っていないかを確認します。
- 評価の基準:入社直後の評価が、どちらの区切りの基準で行われるかを確認します。
- 予算の扱い:期末の予算消化がある求人では、区切りの終わりに近い時期の支出計画も確認します。
- 連絡の記録:正社員のテレワーク実施率は22.5%です*3。対面で説明できない分、区切りをまたぐ仕事は文書に残しておく必要があります。
- 次の区切りの予定:入社後に最初に迎える区切りの終わりがいつかを確認し、当面の見通しを立てます。
5つの項目を面談前に整理しておくことで、入社後に何を優先して確認すればよいかが具体的になります。書面のやり取りが中心になる働き方ほど、後から確認し直す手間が大きくなるため、面談の段階でまとめて聞いておくことが近道になります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 四半期の区切りは、求人票のどこを見れば分かりますか。
A. 求人票だけでは分からないことがあります。面談で決算月を直接確認する方法が確実です。決算月が分かれば、区切りの開始月をそこから逆算できます。企業の公式サイトのIR情報から決算月を先に調べておくと、面談で確認する項目を絞れます。
Q2. 暦の区切りと会社の区切りが違う場合、入社日はどう考えればよいですか。
A. 入社日が区切りの終わり間際に当たらないかを、まず確認します。終わり際は決算の準備が集中しやすく、引き継ぎが重なると担当者の手が回らなくなることがあります。
Q3. 進行中の仕事の引き継ぎ先が決まっていない場合、どうすればよいですか。
A. 面談の段階で、引き継ぎ先が決まっているかを聞きます。決まっていない場合は、入社後にどちらが担当するかを最初の週に確認する必要があります。担当が決まらないまま放置すると、区切りが変わった後にどちらの成果として数えるかで行き違いが起きます。
Q4. 評価の対象期間は、入社前に確認できますか。
A. 確認できます。評価の対象期間が区切りとどう重なるかを聞けば、入社直後の評価がどの期間分に当たるかが分かります。
Q5. 決算月を聞くタイミングは、選考のどの段階が適切ですか。
A. 一次面接以降であれば、実務に関わる質問として聞きやすくなります。書類選考の段階では、勤務条件や給与のほうを優先して確認するほうが進めやすくなります。
8. まとめ:区切りの位置は、入社前に確認しておく事項です。
この記事の要点
- 四半期の区切りは会社ごとに開始月が違い、暦の1〜3月と一致しない会社があります。
- 転職等希望者数は1023万人で、前年より23万人増えています*1。区切りを知らずに動くと、入社後に仕事の置き場所で迷うことになります。
- 決算月が分かれば、その区切りの開始月をそこから確認できます。決算月・評価期間・進行中の仕事・引き継ぎ相手・次の区切りの予定の5つを、面談前に確認しておきます。
- 正社員のテレワーク実施率は22.5%です*3。対面に頼れない分、区切りをまたぐ仕事は記録に残しておく必要があります。記録を残す習慣は、区切りが変わったあとに担当者が代わっても引き継ぎを続けやすくします。
区切りの位置は、求人票の勤務条件や給与欄には出てきません。その区切りの開始月と、そこをまたぐ仕事の扱いを面談で確認したうえで、入社後の働き方を具体的に描いていきましょう。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果」(2026年公表)
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年公表)
*3 パーソル総合研究所「第10回・テレワークに関する調査」(2025年公表)
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