起算日を当日にするか翌日にするかで求人が変わる
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

求人票や内定通知に書かれた「〇日以内にご返答ください」という言葉は、起算をどこに置くかによって、実際の期限が変わります。受け取った日を1日目にするか、その翌日を1日目にするかで、期限日が1日前後にずれることがあります。エンジニアとして複数の求人に同時に応募していると、この数え方の違いに気づかず、期限を過ぎてから慌てて問い合わせる場面が起こります。
テレワークを導入している企業は47.3%です*1。書面よりメールやチャットで期限だけが伝えられる場面が増えており、起算の解釈が食い違うと、1日のずれがそのまま問い合わせにつながります。
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この記事のポイント
- 受け取った日を1日目にするか、その翌日を1日目にするかで、起算は変わり、期限日も1日変わります。制度によって決まりが違うため、求人票の文面だけでは判断できない場面があります。
- テレワークを導入している企業は47.3%です*1。書面でのやり取りが減るほど、数え始める日を確認する機会も減り、ずれに気づくタイミングが遅くなります。
- 1日のずれに気づかないまま返答すると、内定条件や入社日の調整をやり直すことになります。基準になる日をどちらに置くかを最初に確認しておくことが、余計な問い合わせを減らす近道です。
1. 起算をその日にするか翌日にするかで、期限が1日変わります。
求人票や内定通知に書かれた期限は、起算をその日にするか翌日にするかで、実際の期限日が1日変わります。受け取った日を1日目として数える場合と、その翌日を1日目として数える場合があり、どちらを使うかは求人票や通知の文面、企業の制度によって決まりが違います。テレワークを導入している企業は47.3%です*1。書面でのやり取りが減り、メールやチャットで期限の日付だけが伝えられる場面が増えているため、数え始める日の解釈を確認しないまま進めると、1日のずれに気づかず期限を過ぎてしまうことがあります。
内定への回答期限や、退職を申し出る期間、試用期間の開始日など、求人にまつわる期限の多くは「〇日以内」「〇日前まで」という言葉で示されます。この言葉だけでは、起算がどちらなのかが分かりません。
受け取った日を1日目に数えると、期限は数えた日数の分だけ早く終わります。受け取った翌日を1日目に数えると、期限は1日後ろにずれます。同じ「7日以内」という言葉でも、数える基準の置き方によって最終日が変わります。
この1日のずれは、求人票を読むだけでは解消できません。数え始める日をどちらに置くかを、企業や転職エージェントに確認しておくことが、期限を過ぎてしまう事態を避ける最初の手順になります。
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2. 期限を数え違えないための確認を4段階に分けます。
この4段階を毎回すべて踏む必要はありません。基準になった日を1日目にしても翌日を1日目にしても、最終日が変わらない日数で書かれている期限もあります。ずれが出やすいのは、期限の日数が短い場合や、月末・月初をまたぐ場合です。
ずれが出た場合だけ、企業やエージェントに確認します。確認する手間を惜しんで数え方を決め打ちすると、期限を過ぎてから連絡することになり、印象にも影響します。
確認する相手は1人に絞っておくと、同じ質問を別々の人に重ねて聞く事態を避けられます。担当のエージェントが窓口になっている求人であれば、まずそちらに数え方を尋ねる方法もあります。
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3. 求人票の期間表記は、書き方によって数え方が違います。
「入社日から3ヶ月」「退職日の1ヶ月前まで」のような期間の表記そのものは、読めば意味は伝わります。ただし、いつを1日目にするかという起算の決まりは、制度によって違います。
広く使われる期間の数え方では、起算になった日そのものは数えず、その翌日を1日目にする考え方があります。一方で、求人票や雇用契約の文面に「当日から数える」と明記されている場合は、その指定が優先されます。どちらが使われるかは、書かれている文面と、適用される制度によって決まります。
この違いを知らずに読むと、「1ヶ月前まで」という言葉を、自分の感覚で数えてしまいます。実際の期限が1日前後にずれると、退職の申し出や内定の回答が、企業側の想定より遅れて届く場合があります。
求人票に期間の数え方まで書かれていない場合は、基準になる日をどちらに置くかを、企業や担当のエージェントに確認します。書かれた期限の言葉だけを自分の感覚で数えると、実際の期限とのずれに気づけません。
期限の数え方には、暦日で数えるか、営業日で数えるかという違いも関わります。「5日以内」が暦日であれば土日も日数に含みますが、営業日であれば土日祝日を除いて数えます。この違いも、求人票や通知の文面に書かれていない場合があります。
4. 起算の位置を、4つの場面で比べます。
内定の回答、退職の申し出、試用期間の開始、有給休暇の付与という4つの場面を例に、基準になる日の置き方を整理します。実際の適用は求人票や雇用契約の文面で確認してください。
【表1】期限を数える場面と、基準日の置き方の目安
| 場面 | 基準になる日 | 1日目の置き方 | 確認のポイント |
|---|---|---|---|
| 内定への回答 | 内定の連絡を受けた日 | 通知の文面の指定に従う | 受けた日か翌日か、通知に明記されているかを見ます |
| 退職の申し出 | 退職を届け出る日 | 就業規則の指定に従う | 届け出た日から数えるか翌日から数えるかを、就業規則で確認します |
| 試用期間の開始 | 入社日 | 雇用契約書の指定に従う | 入社日を1日目に含めるか、翌日から数えるかを雇用契約書で確認します |
| 有給休暇の付与 | 入社日 | 就業規則の指定に従う | 勤続年数を数える基準日が、入社日か入社日の翌日かを確認します |
4つの場面のうち、内定への回答と試用期間の開始は、求人票や雇用契約の文面に「当日から数える」のような指定があれば、その指定が優先されます。指定がない場合は、基準になった日の翌日を1日目にする考え方が使われる場面があります。
退職の申し出と有給休暇の付与は、就業規則の書き方によって基準日の置き方が変わります。表の「確認のポイント」に沿って、求人票や雇用契約書、就業規則のどこに書かれているかを先に探しておくと、問い合わせの回数を減らせます。
表に示した「指定に従う」は、実際に何を指すかまで求人票に書かれているとは限りません。書かれていない場合は、面談や入社前の説明の場で確認しておくと、入社後に認識のずれに気づく事態を避けられます。
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5. 確認の仕組みは、3層に重なります。
文面を確認しただけで先に進めると、「7日以内」という言葉に基準になる日付そのものが書かれていないことに気づけません。次の層で、基準日を特定する必要があります。
基準日を特定できても、それを1日目にするか翌日を1日目にするかが決まらなければ、最終日は出せません。この3層目まで進めて、初めて期限の日付が確定します。
3層のうち、どこまでを自分で確認し、どこから企業やエージェントに委ねるかは、求人によって異なります。基準日の特定まで自分で行い、最後の確認をエージェントに委ねるという分担もできます。
転職入職者のうち、賃金が下がった人は29.4%というデータもあります*3。条件を大きく変えないまま転職を進めるには、内定条件や入社日を最初の合意からやり直さないことが望ましく、3層の確認を先に済ませておくことが、その土台になります。
6. 問い合わせを減らすために、確認しておきたい点を整理します。
数え方のずれによる問い合わせを避けるために、応募から入社までの間で確認しておきたい点をまとめます。
期限のずれを防ぐための確認リスト
- 内定への回答期限:基準になる日付と、その日を含めるかどうかを、通知の文面で確認します。
- 退職の申し出期間:退職希望日から数えて何日前までに届け出るかを、就業規則で確認します。
- 試用期間の開始日:入社日を起算日に含めるかどうかを、雇用契約書で確認します。
- 条件面の再確認:25〜29歳の一般労働者の賃金は月279.4千円です*2。回答期限を数え違えて条件のやり直しになる前に、年収など条件面も同じタイミングで確認しておきます。
- 暦日か営業日か:「〇日以内」が暦日か営業日かによって、土日祝日の扱いが変わります。求人票に書かれていない場合は、回答期限の確認と同時に尋ねておきます。
5点はどれも、求人票だけでは判断できない場合があります。書かれていない部分は、担当のエージェントを通じて企業に確認するという手順が使えます。
確認する順番は、内定への回答期限を最初に置きます。試用期間の開始日と退職の申し出期間は、入社が決まった後に確認する対象になります。
5点の確認は、応募から入社までの間に一度で済ませられます。求人ごとに問い合わせる回数を1回にまとめておくと、やり取りの負担も抑えられます。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 内定への回答期限は、内定の連絡を受けた日を1日目に数えますか。
A. 通知の文面に指定があれば、それに従います。指定がない場合は、連絡を受けた日の翌日を1日目にする考え方が使われる場面があります。判断がつかないときは、担当のエージェントか企業に確認してください。
Q2. 退職を申し出る期間は、届け出た日から数えますか。
A. 就業規則によって基準日の置き方が違います。就業規則に基準日の指定があるかを先に確認し、指定がない場合は人事の担当者に確認してください。
Q3. 試用期間の開始日は、入社日を含めて数えますか。
A. 雇用契約書の文面に従います。「入社日から3ヶ月」のように基準日を含めるかどうかが書かれている場合は、その指定が優先されます。
Q4. 期限を1日過ぎて連絡した場合、内定は取り消されますか。
A. 取り消しの判断は企業ごとに異なります。数え方のずれに気づいた時点で、早めに事情を伝えて確認することが、判断材料を企業側に渡す手段になります。
Q5. 「5日以内」という期限は、土日も日数に含めて数えますか。
A. 暦日で数える場合は土日も日数に含めますが、営業日で数える場合は土日祝日を除きます。どちらの数え方かは、通知の文面や就業規則で確認してください。
8. まとめ:数え方の違いは、確認1つで解消できます。
この記事の要点
- 求人にまつわる期限は、基準になった日を1日目にするか、翌日を1日目にするかで、起算が変わり、最終日も1日変わります。
- 求人票や雇用契約の文面に指定があればそれに従い、指定がない場合は制度によって基準日の置き方が違います。
- テレワークを導入している企業は47.3%です*1。書面より文面でのやり取りが増えるほど、数え方を確認する機会も減ります。
- 1日のずれに気づかないまま進めると、条件の確認自体が後回しになります。基準日と数え方を最初に確認しておくことが、問い合わせを減らす近道です。
期限の数え方は、求人票の文面だけでは判断しきれない場面があります。基準になる日付と、その日を含めるかどうかを、応募や内定の早い段階で確認しておくと、後から慌てて問い合わせる場面を避けられます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省「令和6年通信利用動向調査」(2025年公表)
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)
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