法定福利厚生の一覧|社会保険の種類と会社の負担

法定福利厚生とは、法律で会社への加入と保険料の負担が決められた保険の制度です。一覧にすると7つあります*1*4。健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・労災保険と、子ども・子育て支援金・子ども・子育て拠出金です。
会社が全額を負担するのは、労災保険と子ども・子育て拠出金です*1*4。健康保険・介護保険・厚生年金・子ども・子育て支援金は会社と本人が折半し、雇用保険は会社と本人で負担の率が違います*1*2。料率は令和8年度の値で、健康保険は東京都の率です*1。
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この記事のポイント
- 法定福利厚生の7つは、保険料の負担の仕方で3通りに分かれます*1*2*4。会社と本人の折半、会社と本人で率が違う雇用保険、会社だけの負担です。
- 料率は、健康保険が9.85%(東京都)、介護保険が1.62%、厚生年金が18.3%です*1。雇用保険は合計13.5/1,000で、本人が5/1,000、会社が8.5/1,000を負担します*2。
- 健康保険の料率は都道府県で違うため、9.85%は東京都の協会けんぽの値です*1。介護保険と子ども・子育て支援金は全国一律です*1。
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
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運営する株式会社LASSICは、2006年に鳥取県で創業し、東京本社と鳥取本社の二本社制をとっています。
1. 法定福利厚生は法律で決まった7つの保険
法定福利厚生は、法律で会社に負担が義務づけられた7つの保険の制度です。7つは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料額表に載る5つと、労働保険の2つです*1*4。本人の給料から引かれる保険は、7つのうち5つで、残る2つは会社だけが負担します*1*4。介護保険の保険料を負担するのは、40歳から64歳の人です*1。
法定福利厚生の「法定」は、法律で決まっているという意味です。住宅手当や社員食堂のように会社が独自に設ける制度は、法定福利厚生に入りません。会社独自の制度は求人ごとに内容が違うため、そちらは別に調べます。
折半とは、保険料の全額を2で割って、半分ずつ負担する方法です*5。折半の保険は、健康保険・介護保険・厚生年金のほか、子ども・子育て支援金です*1*5。雇用保険は折半ではなく、会社の率が本人の率より高くなっています*2。
2. 7つの保険は負担する人と保険料額表への記載で4つに分かれる

7つの保険を、保険料の負担と、保険料額表に載るかどうかで分けると、4つのまとまりになります*1*4。
労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です*4。労働保険料のうち、労災保険の分は全額が会社の負担で、雇用保険の分は会社と本人の双方が負担します*4。図では、この2つを労働保険としてまとめています。
労働保険以外の5つは、標準報酬月額ごとの金額が、協会けんぽの保険料額表に載る保険です*1。子ども・子育て拠出金は、額表の注記に「被保険者の負担はありません」と書かれており、会社だけが負担します*1。折半の4つは、全額と折半額の欄が額表に並びます*1。
3. 7つの保険の料率と会社の負担と本人の負担の一覧
法定福利厚生の一覧として、7つの保険を、料率と、会社と本人の負担で並べます。料率はいずれも令和8年度の値です*1*2*3。
法定福利厚生の7つの保険(令和8年度の料率・健康保険は東京都の協会けんぽ)
| 保険 | 料率 | 会社の負担 | 本人の負担 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 9.85%(東京都)*1 | 保険料の折半額*1 | 保険料の折半額*1 |
| 介護保険 | 1.62%(全国一律・40歳から64歳の人に加わる)*1 | 保険料の折半額*1 | 保険料の折半額*1 |
| 厚生年金 | 18.3%*1 | 標準報酬月額×料率÷2*5 | 標準報酬月額×料率÷2*5 |
| 雇用保険 | 合計13.5/1,000(一般の事業)*2 | 8.5/1,000*2 | 5/1,000*2 |
| 労災保険 | 業種で違う(通信業・放送業・新聞業・出版業は2.5/1,000)*3 | 全額*4 | なし*4 |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23%(全国一律)*1 | 保険料の折半額*1 | 保険料の折半額*1 |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36%*1 | 全額*1 | なし*1 |
健康保険は、病気やけがで医療機関にかかるときの費用を支える保険です。介護保険は、介護が必要になったときのサービス費用を支える保険で、40歳から64歳の人に保険料が加わります*1。厚生年金は、会社員が加入する公的年金で、保険料率は18.3%です*1。
雇用保険の保険料率は、失業等給付・育児休業給付の分と、雇用保険二事業の分に分かれています*2。労災保険は、仕事中や通勤中のけがや病気に備える保険で、率は会社の業種ごとに決まります*3。子ども・子育て支援金は、令和8年4月分から徴収が始まりました*1*6。
子ども・子育て拠出金とは、児童手当の支給に要する費用等の一部にあてる費用で、会社が負担します*1。額は、被保険者それぞれの標準報酬月額と標準賞与額に、拠出金率の0.36%を掛けた額の総額です*1。給料の明細に載る保険料は、この拠出金を含みません。
料率の書き方は2通りです。パーセントで書かれた率は、保険料額表の保険で使われます*1。分母が1,000の率は、雇用保険と労災保険で使われ、1,000円につき何円かを表します*2*3。
健康保険料率は、都道府県で違います*1。表の9.85%は、協会けんぽの東京支部の保険料額表に載る値です*1。全国一律の率は、1.62%の介護保険と、0.23%の子ども・子育て支援金です*1。協会けんぽに加入する場合は、加入する支部の保険料額表で、自分の率を調べます。
労災保険の率は、業種ごとの区分で決まります*3。表に載せた2.5/1,000は、通信業・放送業・新聞業・出版業の区分の率で、ほかの区分は率が違います*3。労災保険は本人の負担がないため、給料から引かれることはありません*4。
4. 標準報酬月額に料率を掛けて本人の分が給料から引かれる
標準報酬月額とは、毎月の給料などの報酬を、一定の区切りで金額に当てはめたものです*5。厚生年金では、この額に保険料率を掛けて保険料を出し、給料から引く金額はその半額で、式にすると標準報酬月額×保険料率÷2です*5。
協会けんぽが公表する保険料額表は、標準報酬月額の区切りごとに、健康保険料・介護保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料の全額と折半額を載せた表です*1。給料から引かれるのは折半額で、会社は同じ折半額を負担して、全額を納めます*1*5。自分の標準報酬月額が分かれば、額表の同じ行で4つの保険料を読み取れます。
介護保険料の欄は、40歳から64歳の人だけが使います*1。40歳未満の人が使う欄は、健康保険と子ども・子育て支援金と厚生年金の3つです。雇用保険は額表に載らず、令和8年度の一般の事業では、本人が5/1,000の率で負担します*2。
給料の明細で引かれた保険料は、一覧の本人の負担の列と見比べられます。ただし、健康保険の率は都道府県で違い、雇用保険の率は事業の種類で違うため、東京都以外や一般の事業以外では、一覧の率と一致しません*1*2。明細の金額が一覧と合わないときは、勤め先がどの支部に加入しているかと、事業の種類を、総務や人事に聞きます。
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5. 法定福利費は保険料のうち会社が負担する分

法定福利費とは、法律で義務づけられている社会保障制度の費用のうち、企業が負担する分です*7。法定福利厚生の一覧では、会社の負担の列にあたる費用が、この考え方に含まれます。会社は、本人の給料から引く保険料とは別に、これらを払っています。
厚生労働省の令和3年就労条件総合調査では、法定福利費は1人1か月平均で50,283円でした*7。この数字は令和2会計年度の費用で、調査から年数がたっています。令和8年度の料率とは年が違うため、いまの会社の負担額として読むことはできません。
7つの保険のうち、子ども・子育て拠出金と労災保険は、本人の給料から引かれません*1*4。折半の保険では、会社が本人と同じ額を別に払っています*1。給料の額面が同じ求人どうしでも、会社が7つの保険に払う額は、率と標準報酬月額に応じて決まります*1*5。
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6. よくある質問
Q1. 20代でも介護保険料は引かれますか
A. 引かれません。40歳から64歳になると、介護保険料が加わります*1。40歳未満の人は、健康保険料と厚生年金保険料に加えて、子ども・子育て支援金が、給料から引かれます*1。
Q2. 労災保険料は給料から引かれますか
A. 引かれません。労災保険の保険料は、全額が会社の負担です*4。率は業種で違いますが、本人が払う分はありません*3*4。
Q3. 健康保険の料率はどこで働いても同じですか
A. 都道府県で違います。9.85%は東京都の値で、ほかの都道府県の率は、各支部の保険料額表に載っています*1。介護保険の1.62%と子ども・子育て支援金の0.23%は、全国一律です*1。
Q4. 子ども・子育て支援金はいつから給料から引かれますか
A. 令和8年4月分からです。保険料額表には、折半額の欄があります*1*6。
Q5. 子ども・子育て拠出金は本人の給料から引かれますか
A. 引かれません。拠出金は事業主だけが負担します*1。率は0.36%です*1。
Q6. 雇用保険の13.5/1,000はどの会社でも同じですか
A. いいえ。13.5/1,000は、一般の事業の合計の率で、令和8年度の値です*2。事業の種類で率が変わり、一般の事業では、本人は5/1,000、会社は8.5/1,000を負担します*2。
Q7. 法定福利費の50,283円はいまの会社の負担額ですか
A. いまの額ではありません。50,283円は、令和3年調査で聞いた令和2会計年度の、1人1か月平均の法定福利費です*7。
7. まとめ:法定福利厚生は7つの保険で負担の分け方が違う
この記事のまとめ
- 法定福利厚生は、健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・子ども・子育て支援金・子ども・子育て拠出金の7つ*1*4
- 会社が全額を負担するのは労災保険と子ども・子育て拠出金で、健康保険・介護保険・厚生年金・子ども・子育て支援金は折半*1*4
- 雇用保険は合計13.5/1,000で、本人が5/1,000、会社が8.5/1,000を負担*2
- 健康保険の9.85%は東京都の値で、都道府県で料率が違う*1
- 法定福利費の50,283円は令和2会計年度の平均で、いまの負担額ではない*7
法定福利厚生の一覧で給料から引かれる保険料は、保険料額表の折半額の欄と、雇用保険の本人の率で見られます。入社先の健康保険の支部と事業の種類を聞いておくと、手取りの計算が一覧の率と合います。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 令和8年3月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)(全国健康保険協会)
*2 令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内(厚生労働省)
*3 令和8年度の労災保険率等について(厚生労働省)
*4 労働保険とは(厚生労働省)
*5 保険料の計算方法について(日本年金機構)
*6 被用者保険 年収別の支援金額の試算(令和8年度)(こども家庭庁)
*7 令和3年就労条件総合調査の概況(厚生労働省)
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