給与の希望を伝える順番|書類と面接
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

給与の希望は、いくらにするかを決める話ではなく、応募書類のどこに書き、面接でどう補うかという、伝える順番と言い方の話です。応募書類の欄は文字数が限られているため、欄の指定に沿って書ける範囲を見極め、書けなかった点を面接で補う前提を持つことが手がかりになります。書類と面接、それぞれの役割を整理します。
給与の希望を書類のどこまで書き、面接でどう補うかという順番が、伝え方の手がかりになります。応募書類の欄の指定を確かめることが、最初の一歩になります。
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この記事のポイント
- 給与の希望は、応募書類の欄で書けることと、面接で補えることに分かれます
- 欄の指定に沿って書く範囲を決め、書けなかった点は面接で伝える進め方があります
- 転職入職率は9.7%です*1。希望条件を考える前提として示すもので、書き方の話とは別に扱います
1. 給与の希望は、書類と面接に分けて伝えます
給与の希望は、いくらにするかを決める話ではありません。応募書類の欄でどこまで書き、面接でどう補うかという、書く順番と言い方の問題です。書類の欄は限られているため、欄の指定に従って書ける範囲を決め、面接で運用を確かめて補う進め方が手がかりになります。
応募書類の給与の希望欄は、会社ごとに形式が異なります。数行の記載欄の場合もあれば、選択式の項目になっている場合もあり、書ける文字数や形式は求人票や応募フォームの指定によって変わります。
指定が見当たらない場合は、求人票の記載を確認したうえで書き方を決める進め方があります。指定を確かめずに書き始めると、あとで書き直しが必要になることがあります。
書類で書き切れなかった点は、面接で補うという前提を持っておくと、欄を無理に埋めようとせずに済みます。書類と面接は、どちらか一方で完結させるものではなく、役割を分けて使うものとして考えられます。
いくらを希望するかという金額の検討は、家計や生活の状況によって一人ひとり異なります。ここで整理するのは、決めた希望をどの順番で伝え、どこで補うかという進め方です。
欄が自由記述ではなく選択式になっている場合は、用意された選択肢の中から一つを選ぶ形になります。選びにくい選択肢しかないときは、選んだ理由や補足したい点を、面接で伝える前提を持っておくと、書類の記載だけで判断されにくくなります。
複数の求人に応募している場合、書類の欄の指定は会社ごとに異なります。指定の違いに気づかず、同じ書き方をすべての書類に使うと、欄の趣旨に合わない記載になることがあります。応募先ごとに欄の指定を確かめる手間は、省略しないほうが手がかりが増えます。
書類の欄と面接の使い分けは、職種や役割によって大きく変わるものではありません。欄の指定を確かめ、書ける範囲を書き、補う点を面接に残すという進め方は、多くの応募書類に共通して使えます。
2. 書類の欄と面接の場面を並べます
給与の希望を伝える場面は、大きく2つに分かれます。応募書類の欄で書ける内容と、面接で補える内容です。どちらが有利かという話ではなく、それぞれで扱いやすい内容が異なります。
書類の欄は文字数が限られているため、条件の背景まで書き切れないことがあります。一方、面接は会話の形になるため、書類よりも詳しく事情を伝えやすい場面です。
この2つを役割分担として考えると、書類の欄には要点だけを書き、詳しい事情は面接に回すという進め方がしやすくなります。
書類の欄に書いた内容と、面接で話す内容が食い違わないことも前提になります。欄に書いた内容を面接でくつがえすような答え方は、話の一貫性を欠くことにつながります。
選考の順番が書類選考の前に面接から始まる場合もあります。その場合は、面接で先に希望を伝え、あとから提出する書類にも同じ内容を記載する進め方になります。
3. 書く場面と補うタイミングを整理します
応募書類で想定される4つの場面について、書き方の考え方と、面接で補うタイミングをまとめます。等級と賃金の関係を示すテーブルについては、別の記事で扱っています。
書く場面・書き方の考え方・補うタイミング
| 書く場面 | 書き方の考え方 | 補うタイミング |
|---|---|---|
| 求人票に希望欄がある場合 | 欄の指定に沿って書く内容を決めます | 欄に書けなかった点は面接で伝えます |
| 自由記述の応募書類の場合 | 文字数に応じて書く範囲を絞ります | 詳しい事情は面接で補います |
| 欄の指定が見当たらない場合 | 求人票の記載を確認してから書き方を決めます | 書式に迷う点は面接で確かめます |
| 面接で先に聞かれた場合 | 書類に書く前に、答える内容を整理します | 書類提出時に、答えた内容と揃えます |
4つの場面は、応募書類の形式や選考の進め方によって当てはまるかどうかが変わります。当てはまる場面だけを確かめれば足ります。
どの場面でも、書類の記載と面接での発言がずれないようにしておくことが、あとで困らないための手がかりになります。
求人票に希望欄についての記載がある場合は、そこに書かれている指定を先に確認しておくと、あとから書き方に迷う場面が減ります。記載がどこにあるか分かりにくいときは、募集要項全体を読み直す進め方もあります。
転職エージェントを通して応募する場合は、書類を提出する前に、担当のエージェントに希望を伝える機会があります。エージェントを介しても、欄の指定に従って書類を整え、面接で補うという考え方は変わりません。
あわせて読みたい | 給与テーブルの見方|等級と上がり方を確かめる
4. 書類の欄には書ける範囲があります
応募書類の希望欄は、多くの場合、数行程度の記載欄か、選択式の項目になっています。ここに書けるのは希望する条件の大枠であり、背景にある事情や条件の詳しい理由までは書き切れないことがあります。
欄に文字数の上限がある場合は、まず欄の指定に従い、書ける範囲で言葉を選ぶ進め方になります。書けなかった事情は、そのまま欄を埋めようとせず、面接で補う前提を持っておくと、書類の記載に無理が出ません。
面接では、書類に書いた内容について、担当者から背景を聞かれることがあります。聞かれた時点で、書類の記載と食い違わないように、同じ考え方に沿って答える進め方が手がかりになります。
欄に『応相談』としか選べない場合は、具体的な記載を求められていないと考えられます。この場合は、書類での記載を最小限にとどめ、面接で希望を伝える前提を持っておく進め方があります。
内定後に受け取る労働条件通知書には、給与に関する記載が改めて示されます。書類や面接でのやり取りと記載内容が異なっていないかを確認しておくと、入社前の手がかりが増えます。
書類に何を書くかの背景には、賞与や年俸制のように、支給の形そのものに関わる要素が関係することもあります。支給の形の違いについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 賞与と年俸制の違い|求人票の書き方から
5. 確かめる手順を4段階でたどります
4段階は、すべてを毎回踏むという意味ではありません。求人票に記載があれば、その時点で書き方の手がかりがつかめます。
記載が薄い求人票では、応募書類の欄の指定だけを先に確かめ、書き方を決めてから面接に進む順番になります。面接で聞かれた内容は、書類の記載と揃えておくと、あとで見返しやすくなります。
4段階を進める順番は、求人票の記載の詳しさによって前後することがあります。記載が詳しい求人票では、面接に進む前に、すでに書き方の答えが見えている場合もあります。
4段階のどこかで手がかりが得られなくても、次の段階で別の手がかりが見つかることがあります。分からない点は、その場で採用担当に確認する進め方もあります。
求人票に希望欄や条件の記載がまったくない場合は、記載がないこと自体が手がかりになります。記載がない求人票では、面接の早い段階で運用を尋ねる進め方があります。
6. 面接で使う言い方をそろえます
面接で給与の希望を補うときに使う言い方を、3つそろえておきます。
面接で使う3つの言い方
- 欄を確認する:求人票の希望欄に指定がないかを最初に確かめます
- 書ける範囲を書く:欄の指定に沿って、書ける言葉を選んで記載します
- 面接で補う:書けなかった事情や条件を、面接で担当者に伝えます
3つの言い方は、確認・記載・補足という3つの角度に対応しています。順に使うと、書類と面接の間で答えが抜けにくくなります。
面接で聞かれた内容は、その場でメモに残しておくと、あとで書類の記載と見比べる材料になります。答えに迷う点は、採用担当にその場で確認することもできます。
3つの言い方は、1回の面接だけでなく、複数回に分かれる選考でも同じように使えます。担当者が変わる場面では、同じ言い方を繰り返し使うことで、答えの食い違いに気づきやすくなります。
複数の会社に応募している場合は、会社ごとに欄の指定や面接での聞かれ方をメモに残しておくと、あとで比べる材料になります。聞き方や書き方をそろえておくことが、比べるための前提になります。
内定前後に、任される範囲の期待値を言葉にする進め方については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 任される範囲の期待値|内定前後で言葉にする
7. よくある質問|書類と面接で確かめます
Q1. 給与の希望は、書類のどこに書けばよいですか。
A. 求人票に希望欄がある場合は、その欄の指定に従って書きます。欄がない場合や指定が分かりにくい場合は、求人票の記載を確認したうえで、書ける範囲を決める進め方があります。記載と応募フォームの指定が異なる場合は、応募フォームの指定を優先して書く進め方もあります。
Q2. 書類の欄に書き切れない事情は、どうすればよいですか。
A. 欄の文字数に収まらない事情は、書類の時点で無理に書き込まず、面接で補う前提を持っておく進め方があります。面接で聞かれた際に、背景を伝えることができます。面接の前に、伝えたい事情を簡単に整理しておくと、当日の説明がしやすくなります。
Q3. 面接で希望について聞かれたら、どう答えればよいですか。
A. 書類に書いた内容と食い違わないように答える進め方があります。答えに迷う点は、その場で採用担当に確認することもできます。面接官が複数いる場合、同じ内容を別の担当者から重ねて聞かれることもあります。
Q4. 希望を伝える順番に、決まりはありますか。
A. 求人票の記載や応募書類の欄の指定によって、順番は変わります。指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は、書類でまず伝え、面接で補う進め方が手がかりになります。同じ順番をすべての選考で使うと、答えの一貫性を保ちやすくなります。
8. まとめ:書類と面接の順番を押さえます
この記事の要点
- 給与の希望は、応募書類の欄で書けることと、面接で補えることに分かれます
- 欄に指定がある場合は、その指定に従って書く範囲を決めます
- 欄に書けなかった事情は、面接で担当者に伝える進め方があります
- 答えに迷う点は、その場で採用担当に確認することもできます
- 転職入職率は9.7%です*1。ここでは、転職を考える際の前提として示すものです
給与の希望は、いくらにするかを決める話ではなく、書類のどこに書き、面接でどう補うかという、伝える順番の話です。求人票の記載を読み、応募書類の欄の指定に従い、書けなかった点は面接や採用担当への確認で補うという進め方が、手がかりになります。書類と面接のどちらか一方に無理を持たせるのではなく、役割を分けて使うことが、迷いを減らす近道になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
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