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EM(エンジニアリングマネージャー)のキャリアパスとは|AI時代に上流の市場価値が上がる理由・VPoE/CTOへの道【2026年版】

EMのキャリアパスとは AI時代に市場価値が上がる理由とリモートワーク両立まで解説

転職サイトを開いて、年収や勤務地の条件を並べ替えて、また閉じる。そんな夜を、繰り返していませんか。AIがコードを書く時代になり、ふと不安がよぎります。このまま手を動かすだけで、自分の価値は守れるのだろうか、と。

その問いに対する答えの一つが、EM、つまりエンジニアリングマネージャーという道です。技術を諦めることではありません。AIには代えがたい、人と組織を動かす力を、自分の武器に変えていく道です。

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この記事のポイント

  • EM(エンジニアリングマネージャー)の役割と、テックリード・PMとの違いがわかります。
  • AIがコーディングを代替する時代に、なぜEMなど上流の市場価値が上がるのかを、2026年時点の最新データで読み解きます。
  • EMの先にあるVPoE・CTOへの道、技術を極めるICという選択肢、そしてリモートワークとの両立までお伝えします。

1. EMとは、エンジニア組織の成果を最大化する管理職|AI時代に価値が上がる役割

EMの役割とAI時代のエンジニア市場価値を示すイメージ

EM(エンジニアリングマネージャー)とは、エンジニア組織の人材・技術・プロジェクトをまとめ、チームの成果を最大化する管理職です。AIが単純な実装を肩代わりするなかで、上流の判断やマネジメントの価値が高まっています。レバテックの調査を引用したエンジニア向けメディアの記事(2025年11月公開)によると、コーディング系の求人がほぼ横ばいの一方、PM求人は直近1年で5割増、コンサル求人は7割増と伸びています*1。EMは、技術力に組織を動かす力を掛け合わせ、2026年のAI時代に市場価値を保つキャリアパスです。

EMという肩書きが日本で語られるようになったのは、2010年代後半のことです。それまでは、チームを率いるエンジニアが自然とプロジェクト管理やメンバー育成を担い、肩書きのないまま、マネジメントらしき仕事をしていました。

その背景には、エンジニア組織の大規模化があります。一人の優れたエンジニアがコードを書くだけでは、組織全体の成果は伸びません。チームのパフォーマンスを引き出す専任の役割が求められるようになり、EMという職種が生まれました。経済産業省の試算では、IT人材は2030年に最大で約79万人不足する見込みとされており*2、組織の生産性を高めるEMへの期待は高まっています。

EMの仕事は、大きく4つの領域に分かれます。第一に人のマネジメントで、メンバーの評価・育成・採用を通じてチームの力を引き出します。第二に技術のマネジメントで、技術的負債の解消や技術選定を担います。第三にプロジェクトのマネジメント、第四にプロダクトのマネジメントです。これらをすべて一人でこなす必要はなく、テックリードやPMと役割を分担しながら進めます。

EMという職種の特徴は、定義が一つに定まらない点にあります。企業の規模や事業フェーズ、チーム構成によって、求められる職務が変わるためです*3。決まった職務記述書がなく、開発における「マネジメントらしいこと」を幅広く期待されるケースもあります。だからこそ、まず近い職種との違いから押さえると、キャリアの輪郭が見えてきます。

2. EMとテックリード・PMの違いは「責任範囲」|人と組織まで見るのがEM

EMを目指すうえで、まず整理したいのが「テックリード」「PM」との違いです。肩書きが近く、混同されがちだからです。

テックリードは、特定の技術領域でチームを技術的に率いる役割です。アーキテクチャの設計やコード品質の管理など、技術に特化したリーダーシップを担います。一方でEMは、技術に加えて、メンバーの評価・育成・採用といった人のマネジメントまで責任範囲が広がります。

PM(プロジェクトマネージャー)は、特定のプロジェクトの納期・予算・品質に責任を持つ役割です。EMが「人と組織」を継続的に見るのに対し、PMは「プロジェクト」という単位を完遂まで導きます。EMがPMの役割を兼ねる企業もあり、線引きは組織によって変わります。

比較項目EMテックリードPM
主な責任範囲人・技術・プロジェクト・プロダクトの統括特定領域の技術的リードプロジェクトの納期・予算・品質
人の評価・育成担う限定的限定的
技術的意思決定関わる中心的に担う限定的
キャリアの方向VPoE・CTOなど組織責任者上位の技術専門職PMO・事業責任者

EMはマネジメントの出発点となり、組織責任者へ広がる道です。テックリードは技術を深める道、PMはプロジェクト遂行を極める道です。どれが上で、どれが下ということはありません。自分が何に時間を使いたいかで選ぶものです。

ここで立ち止まるエンジニアもいます。「AIに任せられる仕事が増えるなら、技術もマネジメントも要らなくなるのでは」という不安です。次の章で、その問いに2026年時点のデータでお答えします。

3. AI時代に評価されるのは「コーディング×プラスアルファ」|上流求人はPM5割増・コンサル7割増

転職支援の現場で接していると、エンジニアの市場価値の決まり方は、この1〜2年で変わってきたと感じます。「コーディングができる」ことは、もはや出発点であって、決め手ではなくなりつつあります。

背景にあるのが、生成AIの普及です。レバテックの調査(2024年11月実施、エンジニア3,000名対象)では、約5割のエンジニアが業務で生成AIを使っており、用途は実装(コーディング)が33.2%で最多でした*1。定型的な実装やテスト、決まったパターンのフロント開発は、AIが肩代わりする領域に入りつつあります。

では、何が価値になるのでしょうか。同じくレバテックが採用担当者1,000名を対象に実施した調査(2024年11月実施)では、約4割が「生成AIの登場でエンジニアに求めるスキルが変化した」と回答し、より重要になったスキルの1位は「コミュニケーションスキル(48.3%)」でした*4AIが処理した結果を、人の意思決定や事業の成長につなげる力。ここに価値が移っています。

同じ調査群では、AI・機械学習・データエンジニアといった高度専門職の求人も伸びており、消費者向け事業を行う企業(toC)で2023年度は2020年度比7.7倍、法人向け事業を行う企業(toB)で9.4倍という伸びが示されています*1。評価されるのは、コーディング「だけ」ができる人ではなく、そこに「プラスアルファ」を掛け合わせられる人です。

掛け合わせの型加わる力市場での位置づけ
× 企画・ビジネス視点課題発見・要件定義・事業理解ビジネスを伸ばせるエンジニア
× マネジメント人・組織・プロジェクトの統括EM・PMなど上流ポジション
× クラウド設計・構築・運用の一気通貫クラウド/基盤領域の専門人材
× AI活用AIを使いこなし品質を保証する力AIを指揮する開発者

EMは、このうち「コーディング×マネジメント」の代表格です。AIには、メンバーの不安を汲み取ること、組織の方向を合わせること、事業の優先順位を決めることは任せられません。だからこそ、技術がわかったうえで人と組織を動かせるEMの価値が上がっています。コーディングを土台に、企画やマネジメント、クラウドといった力を一つでも掛け合わせること。それが、AI時代を生き抜く転職の現実的な戦略です。

この掛け合わせの先に、どんなキャリアが広がるのでしょうか。次に、EMから先の道を見ていきます。

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4. EMの先はVPoE・CTO|技術を起点に経営へ近づく道

EMの先には、より大きな組織を見る上位ポジションがあります。代表的なのがVPoEとCTOです。

VPoE(Vice President of Engineering)は、エンジニアリング組織全体のマネジメントを担う役割です。複数のチームや部門を統括し、組織の生産性や採用戦略に責任を持ちます。EMで培ったマネジメント経験が、そのまま土台になります。

CTO(Chief Technology Officer)は、企業の技術領域における最高責任者です。経営に参画しながら、中長期の技術戦略を描きます。EM、VPoE、CTOは、技術を出発点に経営へ近づいていく道筋です。

比較項目EMVPoECTO
責任の単位チームエンジニアリング組織全体企業の技術全体
主なミッションチームの成果最大化組織の生産性・採用技術戦略・経営参画
経営との距離近いより近い経営の一員
年収レンジの目安指導者・幹部レベル前後組織責任者レベル役員レベル

マネジメントの道は、年収にも反映されます。経済産業省の調査(2017年公表)では、部下を指導できるチームリーダーレベルの平均年収は約726万円でした*5。同調査では、これより上位の指導者・幹部レベルになるほど年収水準が高くなる傾向が示されています。技術力に組織を動かす力が加わると、評価される金額が変わります。

5. EMかICか|マネジメントと専門職は、優劣ではなく方向の違い

管理職に進むことだけが昇進ではありません。近年、技術を極めるIC(Individual Contributor)という道が広がっています。ICは、メンバーの管理をせず、技術のスペシャリストとして成果を出す専門職です。

ICとEMは、優劣ではなく方向の違いです。コードを書き続けたい人、特定技術を深めたい人にはICが向きます。人とチームを通じて成果を広げたい人にはEMが向きます。海外の企業では職位が段階的に定義され、ICとマネジメントが対等な2本の道として用意されている例もあります*6

比較項目IC(専門職)EM(マネジメント)
成果の出し方自分の技術で出すチームを通じて出す
メンバーの統括持たない持つ
求められる力深い専門性・技術判断人材育成・組織運営
向いている人技術を極めたい人と組織で成果を広げたい

ICに求められるのは、AIが導き出した答えが正しいかを判断できる深い専門性や、クラウド・AI活用といった希少領域の力です。日本ではICのキャリアパスが明確でない企業もあるため、ICとEMの両方を制度として用意しているかは、転職先を選ぶ判断材料になります。

6. 未経験からEMになる道筋|現職でチームリードの機会を取りにいく

EMという道を選んだとして、では何から始めればよいのでしょうか。未経験からEMになるための道筋を整理します。

EMへの王道は、エンジニア、シニアエンジニア、テックリードまたはチームリーダーを経て、マネジメント経験を積む流れです。ピープルマネジメントやプロジェクトマネジメントは、自己学習だけでは身につきにくく、現場での実践を通じて習得していくものだからです。

転職市場では、EMに次の3つが求められます。マネジメントスキル、経営的な視点、エンジニアとしての実績と知見です。逆に、チームを率いた経験が少ない場合は、評価されにくい傾向があります。まずは現職でチームリードの機会を取りにいくことが、近道になります。

キャリアの段階を整理すると、次の流れになります。第一に、エンジニアとして開発の基礎を固める段階。第二に、シニアエンジニアとして専門性を確立する段階。第三に、テックリードやチームリーダーとして、チームの成果やメンバー育成に責任を持つ段階。第四に、EMとして人・技術・プロジェクトを統括する段階です。ここで視点が「個人の成果」から「チームの成果」へと移ります。PMからEMへ転身するケースや、EM経験者として中途採用されるケースもあり、入り口は一つではありません。

6-1. EM適性チェックリスト

EMを目指す前に、自分の現在地を確認しておくと、次の一歩が描きやすくなります。下のチェックリストで、現在地を確かめてみてください。

  • チームの技術的な意思決定に関わっている
  • メンバーや後輩の相談に乗ることが多い
  • プロジェクトの進捗やスケジュールを管理した経験がある
  • 採用面接や評価に関わったことがある
  • 技術だけでなく、事業や組織の課題にも関心がある

複数に当てはまるなら、EMへの素地は育っています。当てはまらない項目は、現職で経験を取りにいく目標になります。

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7. EMとリモートワークは両立できる|場所を問わず組織を率いる時代へ

EMのキャリアを考えるとき、見落とされがちな観点があります。「働く場所」です。

EMの仕事は、メンバーとの1対1の面談、チームの状態の把握、他部署との調整が中心です。こうした面談や調整は、オンラインのツールでも進められる仕事が増えています。リモートワークの環境では、対面より意識的なコミュニケーション設計が必要になりますが、裏を返せば、場所に縛られずにマネジメントできる時代になりつつあります。

リモート環境では、チームの心理的な距離が生まれやすくなります。雑談の機会が減り、目的やビジョンの共有が進みにくくなることもあります。だからこそ、定期的な1対1の面談、進捗の見える化、目的の言語化が、対面以上に重要になります。こうした設計を意識できるEMは、場所を問わず組織を率いることができます。

つまり、EMというキャリアは、リモートワークと両立できます。地方に住みながら、都市部の企業のエンジニア組織を率いることも選択肢に入ります。家族との時間を確保しながら、組織をまとめる役割を担うこともできます。働く場所の自由とキャリアの広がりは、両立できるテーマです。リラシクが扱うリモートワーク対応の求人には、正社員という雇用形態のもとで、こうした働き方を実現できるポジションも含まれます。

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8. まとめ|EMは技術とマネジメントの交差点にあるキャリア

この記事のまとめ

  • AIがコーディングを担う2026年、評価されるのは「コーディングだけ」ができる人ではなく、企画・マネジメント・クラウド・AI活用といった力を掛け合わせられる人です。
  • EMは、技術力とマネジメント力を掛け合わせるキャリアパスであり、その先にはVPoE・CTOという組織責任者の道があります。
  • 別の選択肢として、技術を極めるICの道もあります。どの道にも優劣はなく、自分が何に時間を使いたいかで選ぶものです。
  • EMという役割はリモートワークと両立できる時代に入っています。地方在住のまま都市部の企業の組織を率いることも選択肢です。

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Relasic(リラシク)について

Relasic(リラシク)は、株式会社LASSICが運営する、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。EMやテックリード、VPoEを目指すエンジニアが、働く場所に縛られずにキャリアを描けるよう、リモートワーク対応の求人をご紹介しています。転職サイトの条件を並べ替えるだけでは、この先の方向は見えてきません。年収や勤務地の比較の先に、自分はどんなチームと、どこで働きたいのか。その問いから、求人を探し始めてみませんか。

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出典・参考情報

*1 レバテック調査。「実装(コーディング)33.2%」「採用担当者の約4割が求めるスキルの変化を回答」等は「生成AI時代における、IT人材の採用動向と働き方に関する調査」(レバレジーズ/レバテック、2024年11月22〜29日実施、エンジニア3,000名・採用担当者1,000名、2025年2月12日発表)に基づく。「PM求人5割増・コンサル求人7割増」「AI/機械学習/データエンジニア求人がtoC2023年度比7.7倍・toB9.4倍」は、同調査の数値を引用したThink IT「AI時代のエンジニアに求められるものとは?」(レバテック、2025年11月20日公開)に基づく。
*2 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)。IT需要が中位〜高位で推移した場合、2030年に最大で約79万人不足と試算。
*3 ログミーBusiness「エンジニアリングマネージャー(EM)とは?」(2025年公表)。
*4 「生成AI時代における、IT人材の採用動向と働き方に関する調査」(レバレジーズ/レバテック、2025年2月12日発表)。採用担当者の約4割が求めるスキルの変化を回答、重要度が上がったスキル1位はコミュニケーションスキル48.3%。
*5 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(2017年公表)。技能水準別の平均年収として、チームリーダーレベルは約726万円。本データは公表時点のものです。
*6 エンジニア向け技術メディア(Findy Engineer Lab/Zenn等)におけるIC(Individual Contributor)職位制度の解説(2021〜2023年公表)。

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