PowerBIの経験は転職で使える?求人と実務の示し方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

PowerBIでレポートやダッシュボードを作ってきたエンジニアほど、その経験を転職の場でどう言葉にすればよいか迷う場面があります。作った枚数だけが評価されるわけではなく、要件をどう聞き取り、作ったあと更新が続いたかという経緯も、面接では実績として言葉にできる材料になります。
PowerBIの経験は、要件の聞き取りと、作ったあとの更新の継続として言葉にすると、誰の依頼をどう聞き取ったかという経緯が、面接でも実績として伝わりやすくなります。
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この記事のポイント
- PowerBIで作ったレポートの経験は、要件の聞き取りと更新の継続で実績になります
- 面接では、作った枚数をそのまま話すより、伝わる言い方に置き換えたほうが伝わります
- 一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円、45〜49歳で377.9千円です*1。年齢によって前提となる水準が変わるため、判断は経験の記録に置きます
1. PowerBIでのレポート作成の経験は、聞き取りと更新の記録で伝わります
PowerBIで作ったレポートの経験は、要件をどう聞き取ったかと、作ったあと更新が続いたかで伝わります。作った枚数ではなく、誰の依頼をどう聞き取り、どこまで使われ続けたかという経緯が、面接では実績として扱われます。棚卸しの仕方と言い方に絞って見ていきます。
PowerBIでレポートやダッシュボードを作ってきたエンジニアの中には、その経験を転職の場でどう言葉にすればよいか迷う人がいます。作った本数だけが評価されるわけではないためです。
転職で評価される経験は、レポートを完成させたことだけではありません。誰からどう要件を聞き取ったか、そして作ったあとに更新が続いたかという経緯も、実績として言葉にできます。
更新が続くかどうかは、作った時点ではまだ分かりません。作ったあとに使われ続けたかどうかを振り返ることで、初めて経緯として言葉にできる材料が見えてきます。
その経験をどう棚卸しし、どう言葉にすれば面接で伝わるかを、経緯の順にたどっていきます。
2. やっていたことを、伝わる言い方に置き換えます
面接でPowerBIの経験をそのまま話すと、操作の説明にしか聞こえないことがあります。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれることを4行に分けて並べます。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれること
| やっていたこと | 伝わる言い方 | 面接で聞かれること |
|---|---|---|
| 依頼されたとおりに、指定された形式でレポートを作った | 指定された要件を、そのまま形にした経緯として話す | 要件のどの部分を誰に確認したか |
| 見づらいという指摘を受けて、表示の並びを直した | 使う人からの指摘を受けて、直した経緯として話す | 指摘を受けてからどう直したか |
| データの更新が止まった原因を確認し、直した | 止まった更新を復旧させた経緯として話す | 止まっていた期間と、誰が困っていたか |
| 新しい項目を追加してほしいと言われ、組み込んだ | 追加の要望を聞いたうえで組み込んだ経緯として話す | 追加の要望をどう聞き取ったか |
表の4行は、PowerBIでレポートを作っていると起こりやすい場面を並べたものです。共通しているのは、やっていたことをそのまま話すのではなく、経緯を通して言い換える点です。
「指定された形式でレポートを作った」だけを話すと、作業の説明にしか聞こえません。要件のどの部分を誰に確認したかまで話すと、判断が加わった場面として伝わります。
「見づらいという指摘を受けて直した」も同様です。指摘の内容と、直した範囲まで話すと、指示を受けただけではなく、使う人の反応を踏まえて直した場面として伝わります。
「更新が止まった原因を確認し、直した」も同じ型です。止まっていた期間と、誰が困っていたかまで話すと、直しただけではなく、影響を見極めた判断として伝わります。
「新しい項目を追加してほしいと言われ、組み込んだ」も同様です。追加の要望をどう聞き取ったかまで話すと、言われたとおりに作業したのではなく、要望を整理して組み込んだ場面として伝わります。
4行に共通する型は、やっていたことの説明を、経緯を通じて言い換えるという型です。型が分かれば、ほかの場面にもそのまま当てはめられます。
レポートを作るなかで積んだ業務知識は、ほかの職種に移るときにも語れる場合があります。分けて語る観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 業務知識は持ち運べるか|分けて語ると伝わる
3. 要件を自分で聞いたかと、更新が続いているかで整理します
PowerBIで作ったレポートの経験は、要件を自分で聞いたかどうかと、作ったあと更新が続いているかどうかの2つの軸で整理できます。
2つの軸を分けて考えると、レポートを作った経験がすべて同じ重みで話せるわけではないことが見えてきます。
要件を自分で聞いたレポートは、なぜその項目が必要かを自分の言葉で説明できます。渡された仕様どおりに作った場合は、その部分を別の担当者が担っていたことを、まず整理しておく必要があります。
更新が続いているかどうかも、経験の話し方を分けます。更新が続いているレポートは、業務の判断に使われ続けている場合があります。更新が止まったレポートは、その後の判断に使われなくなっている可能性があります。
話せる材料が少ない組み合わせであっても、経験そのものが無いことにはなりません。要件がどこまで自分の手を離れていたかを、正直に言葉にできれば、それも棚卸しの材料になります。
自分がどの組み合わせに当たる経験を持っているかを先に整理しておくと、次の棚卸しの作業がしやすくなります。
4. 更新が止まった理由は、依頼のされ方に表れます
更新が止まったレポートと、更新が続いたレポートの差は、依頼のされ方に表れる場合があります。
要件を自分で聞いて作ったレポートは、なぜその項目が必要かを自分で把握しています。その分、あとから直す判断がしやすくなります。
渡された仕様どおりに作ったレポートは、完成した時点では動いていても、その後どう使われているかまで追いかけていないことがあります。使われなくなった時点に気づかないまま、更新が止まっている場合もあります。
この差は、レポートの作り方そのものよりも、依頼を受けた段階でどこまで関わっていたかに表れます。面接では、この関わり方の差を言葉にすることが実績になります。
この関わり方は、内製化を進める企業の求人でも重視されます。任される範囲がどこまでかを確かめる観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 内製化の求人で見るところ|任される範囲を確かめる
5. 棚卸しは、作った順番でたどります
レポートを作った経験を振り返るときは、作った順番のまま思い出すと整理しやすくなります。
レポートを作った経験をすべて思い出そうとすると、どこから話せばよいか分からなくなることがあります。棚卸しの順番を4つに区切ると、経緯として振り返りやすくなります。
作ったものを並べる段階では、レポートの種類や対象の業務をひとまず書き出します。この段階では、良い経験かどうかをまだ判断する必要はありません。
依頼元を書く段階では、そのレポートを誰から依頼されて作ったかを添えます。依頼元が分かると、要件を自分で聞いたのか、渡された仕様に沿って作ったのかも整理できます。
更新の状況を書く段階では、作ったあとに更新が続いているか、止まっているかを確認します。この段階で、前段の整理と合わせて話せる経緯が見えてきます。
言い方に直す段階では、ここまでの内容を面接で話せる言い方に整えます。4つの段階を順にたどると、抜けなく棚卸しできます。
6. 書き出すときは、3つの型に沿って進めます
PowerBIの経験を棚卸しする際は、抱えている経験をすべて並べたうえで、3つの型に沿って書き出しておくと整理しやすくなります。
棚卸しで書き出す3つの型
- 使っている部署:レポートを見ている部署や役職を書き出します
- 更新の頻度:直したタイミングと、直した理由を書き出します
- 依頼のされ方:要件を自分で聞いたか、仕様を渡されたかを書き出します
3つの型は、レポートを作った経験を、面接で話せる形に整理するための書き出し方です。
使っている部署を書き出す段階では、レポートを実際に見ている部署や役職まで確認します。ここが具体的であるほど、経緯として話しやすくなります。
更新の頻度を書き出す段階では、直したタイミングと、その理由をあわせて残します。理由が分かる更新ほど、経緯として言葉にしやすくなります。
依頼のされ方を書き出す段階では、要件を自分で聞いたか、渡された仕様に沿って作ったかを分けておきます。前半で見た2つの軸が、ここでの仕分けの基準になります。
3つの型に沿って書き出したら、経緯まで言葉にできる経験から順に、面接で話す候補として並べておくと準備がしやすくなります。
棚卸しは一度で終わらせず、新しいレポートを作るたびに見直すと、実績として言葉にできる経験の数を少しずつ増やしていけます。
書き出した経緯は、進捗として報告する場面でも同じ整理が役立ちます。相手が判断できる粒度で報告する観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 進捗報告は粒度で決まる|相手が判断できる形に
7. よくある質問(Q&A)
Q1. PowerBIで作ったレポートの本数が少ない場合、実績として見劣りしますか。
A. 本数の少なさが、そのまま見劣りにつながるわけではありません。要件をどう聞き取り、その後更新が続いたかという経緯が、実績として話す材料になります。
Q2. テンプレートに沿って作ったレポートも、経験として話せますか。
A. テンプレートに沿って作った場合でも、要件をどう当てはめたか、その後どう使われたかを話せれば経験として伝わります。
Q3. 更新が途中で止まったレポートは、面接で話さないほうがよいですか。
A. 止まった経緯も、なぜ止まったかを言葉にできれば話せる材料になります。止まった理由を確認してから面接の準備を進めるとよいでしょう。
Q4. レポート作成以外の業務が多く、棚卸しする経験が少ない場合はどうすればよいですか。
A. 棚卸しできる経験が少ない場合は、覚えている範囲で依頼元と更新の状況を書き出しておくことが手がかりになります。
8. まとめ:レポートを作った経験は、聞き取りと更新の記録で言葉にできます
この記事の要点
- PowerBIで作ったレポートの経験は、要件の聞き取りと更新の継続で実績になります
- 面接では、作った枚数をそのまま話すより、伝わる言い方に置き換えたほうが伝わります
- 要件を自分で聞いたかと、更新が続いているかの2つの軸で、話せる材料の厚みが変わります
- 棚卸しでは、使っている部署・更新の頻度・依頼のされ方の3つの型で書き出します
- 一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円、45〜49歳で377.9千円です*1。年齢によって前提となる水準が変わるため、判断は経験の記録に置きます
PowerBIで作ったレポートの経験は、作った枚数だけでなく、要件の聞き取りと更新が続いたかという経緯からも実績として言葉にできます。棚卸しで仕分け、経緯まで言葉にできる経験から、面接での言い方を整えていくことができます。担当してきたレポートが多いほど、積み重なった経緯も多くなります。経験の残し方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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