リモートワーク向けの自己PR|在宅で成果を出した例文

リモートワークの自己PRで書くのは、在宅で働いた事実ではなく、どんな工夫でどんな成果が出たかです。職務経歴書の実績は、「どんな経過で」と「どんな成果をあげたか」の2点で書く形です*2。この形に在宅の経験を当てはめた例文を、ITエンジニア向けに3つ作りました。
例文は、文書での進捗共有、時差のある相手とのやり取り、在宅での障害対応の3場面です。どれも筆者が作った例で、公的資料の例文ではありません。数字は仮のものなので、自分の記録にある数字に置き換えて使います。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
この記事のポイント
- リモートワークの自己PRは、在宅だったことを書かずに、経過(工夫)と成果の2点で書きます*2。数字にできる成果は数字で書き、できなければ工夫した点を書きます*2。
- 例文は、終業前の進捗共有、時差のある相手への依頼文、障害対応の手順書の3つです。経過と成果の対応は、表にまとめています。
- 例文は筆者が作った例で、数字は仮のものです。自分の職場の記録から数字を選び、応募先が求めていることと重なる経験を1つ選んで書きます*2。
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
リラシクの強み
自己PRに在宅の経験を書いたら、応募先も出社の頻度から選べます。リラシクの求人は、「地方フルリモートOK」「海外フルリモートOK」「週1日以上の出社」「リモートワーク手当て有り」などの条件で絞り込めます。
内定後の条件交渉では、リモートワークに入る時期の交渉も、エージェントが手伝います。
1. リモートワークの自己PRは経過と成果に分けて書く
リモートワークの自己PRは、在宅で働いたことを書かずに、どんな経過(工夫)でどんな成果が出たかを書きます。職務経歴書の実績は、「どんな経過で(実績を説明する具体的エピソード・工夫点等)」と「どんな成果をあげたか」の2点で書く形です*2。数値で挙げられる成果は数値で書き、数値にしにくいときは創意・工夫・改善した点を書きます*2。自己PR欄は、長所・強み、仕事への姿勢・意欲などを書く欄です*1。
在宅で働いていたこと自体は、実績ではなく働き方です。「在宅勤務を長く続けました」と書いても、在宅で何をしたのか、それで何が変わったのかは伝わりません。伝わるのは、在宅で起きた不便をどう減らしたか、その結果として何が変わったかという、経過と成果の2点です。
在宅での働き方は、自分で決めて動いた場面が、そのまま経過になります。上司の指示を待たずに手順を作った、連絡の形を変えた、記録の残し方を変えたといった場面が当てはまります。ITエンジニアなら、レビュー待ち、仕様の確認、障害の初動が探しやすい場面です。
この記事の例文は、公的資料にある例ではありません。公的資料にあるのは、実績の書き方(経過と成果)と、自己PR欄の役割までです*1*2。例文は、その書き方を在宅の経験に当てはめて筆者が作りました。
2. 在宅だったことだけの例と工夫と成果を書いた例

在宅で働いた経験の書き方は、大きく2つに分かれます。在宅だったことだけを書く例と、在宅で出した工夫と成果を書く例です。
同じ経験でも、書く中身で読み手に渡る情報の量が変わります。左は筆者が作った伝わりにくい書き方の例で、右は実績欄の形(経過と成果)に直した書き方です*2。
左の書き方は、事実として間違いではありません。ただ、「自律的に働くことが得意です」と書いても、どの場面でそう働いたかが書かれていなければ、読み手は裏付けを持てません。「連絡を大切にしています」も、何を変えて大切にしたのかが書かれていません。
右の書き方は、自律的に働いた場面を、経過(何を変えたか)と成果(何が変わったか)で書いています。厚生労働省のテレワークのガイドラインは、自律的に業務を遂行できることがテレワークの効果的な実施に適しているとしています*3。自律性を示すには、「得意です」と書くより、自律的に動いた場面を書くほうが具体的です。
右の4項目のうち上の2つは、例文1の経過と成果を短くしたものです。下の2つは、成果が数字になる場合とならない場合の書き分けです。
3. 例文3つの経過と成果の対応表
例文3つの経過と成果の対応(在宅で起きた不便・経過(工夫)・成果の指標)。例文は筆者の例
| 例文 | 在宅で起きた不便 | 経過(工夫) | 成果の指標 |
|---|---|---|---|
| 例文1 文書で進捗を共有 | 朝会がなく、進み具合が見えにくい | 終業前に3項目を共有チャンネルへ書く | 進捗確認の連絡の回数、レビュー待ちの日数 |
| 例文2 時差のある相手とのやり取り | 相手と就業時間がずれ、返信が翌日になる | 依頼文を4点にまとめ、相手の始業前に届く時刻に送る | 返信の往復の回数、仕様確認にかかった日数 |
| 例文3 在宅での障害対応 | 通話だけでは、誰が何を試したかが散らばる | 初動の手順書を作り、状況を時系列で記録する | 対応を始めるまでの時間、翌朝の引き継ぎの手間 |
表の「成果の指標」は、自分の職場で数字として残っているものから選びます。進捗確認の連絡の回数はチャットの履歴、仕様確認にかかった日数は課題の起票日から決着日まで、初動の時間は通知の時刻と対応開始の時刻から数えられます。
数字が手元に残っていないときは、成果の欄に、変化したことを文で書きます。数値化が難しいときの書き方は、実績欄にも示されています*2。表の「経過(工夫)」の列は、数字がなくても書ける部分です。
4. 自己PR欄に書く例文3つ
3つの例文は、どれも「在宅で起きていた不便」「自分が変えたこと」「その結果の変化」の順に書いています。最後の「結果の変化」が成果にあたり、数字で書ける部分は数字で書きます*2。例文の数字は仮のもので、実際の数字は自分の職場の記録から選びます。
例文1は、文書で進捗を共有した例です。
「在宅勤務のWebチームで、進み具合が見えにくいことが課題でした。そこで、毎日の終業前に、完了したこと・進行中のこと・止まっていることの3項目を、共有チャンネルに書くことにしました。止まっていることには、誰に何を聞きたいかも添えています。この取り組みを2か月続けた結果、週に5回ほどあった進捗確認の連絡は、週1回ほどに減りました。レビュー待ちの日数も、平均3日から1日に短縮しています。」
この例文では、経過が「3項目を終業前に書く」ことで、成果が「進捗確認の連絡の回数」と「レビュー待ちの日数」です。成果が2つあるときは、経過に直接つながる指標から先に書きます。数字にできる記録がないときは、進捗確認の連絡が減ったという変化と、その前に自分が変えたことだけを書けば、経過と成果の2点の形は保てます*2。
例文2は、時差のある相手とやり取りした例です。
「開発の依頼を、時差が7時間ある海外のチームとやり取りしていました。相手の就業時間と重ならないため、質問を1通送ると返信が翌日になります。そこで、依頼文は、背景・やってほしいこと・期限・判断に使う資料の4点を1通にまとめ、相手の始業前に届く時刻に送りました。その結果、仕様の確認で3回あった返信の往復が1回で済み、確認にかかる日数も4日から2日に短縮できました。」
リモートワークで言われる非同期のやり取りとは、相手の返信を待たず、それぞれの自分の時間で仕事を進めるやり取りのことです。応募先に伝わる言葉で書くなら、「非同期」と書くより、「相手と時間が合わない」のように起きていたことで書きます。この例文の工夫は、1通で相手が動ける形にしたことで、成果は往復の回数と日数です。
例文3は、在宅で障害対応をした例です。
「在宅で、夜間の障害対応を担当しています。通話だけで状況を伝えると、誰が何を試したかが散らばる問題がありました。そこで、初動の手順書を作って共有し、対応中の状況は共有チャンネルに時系列で書くことにしました。この運用を始めてから、アラートを受けて対応を始めるまでの時間は、平均30分から10分に短縮しています。対応の記録が残るため、翌朝の引き継ぎも、口頭の説明なしで済むようになりました。」
障害対応は、成果を時間で書ける場面です。対応の記録から、手順書を作る前と後を比べられる場合は、数字で書きます。記録がない場合は、手順書を作ったことや状況を時系列で残したことを、工夫として書きます。
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5. 自分の経験を例文の形に直す手順

最初に、応募先の求人票や企業のホームページから、応募先が求めていることを書き出します*2。書き出した項目と重なる在宅の経験を1つ選びます。経験は多く並べるより、求められていることと重なるものに絞ったほうが、経過と成果を具体的に書けるためです。
次に、選んだ経験を「どんな経過で」と「どんな成果をあげたか」の2つに分けて書き出します*2。経過に入れるのは、在宅で起きていた不便と、自分が変えたことです。成果は、変化した数字があれば数字で書き、数字にできなければ工夫した点と改善した点を挙げます*2。
職務経歴書には、成果を書く実績の項目と、長所・強みを書く自己PRの項目があります*1。実績の項目は成果の数値とエピソードを書く欄で、自己PRの項目は強みと仕事への姿勢を書く欄です*1。実績に書いた経過と成果を1つ選び、自己PRでは、そこに表れた強みを短く言い直すと、2つの欄で同じ文を書かずに済みます。
成果の大きさは、前の職場で求められていた水準と並べると伝わります。厚生労働省のガイドラインは、上司が部下に求める内容や水準をあらかじめ具体的に示しておくことが望ましいとしています*3。前の職場で「レビューは2日以内」のような水準があったなら、先にその水準を書き、あとに自分の成果を同じ指標で書きます。
ガイドラインは、働き方が変化する中でも、適切なコミュニケーションを促進するための取組を行うことが望ましいとしています*3。例文1の終業前の共有と、例文2の依頼文の4点は、この取組を自分で作った例にあたります。連絡の工夫を書くときは、連絡の頻度ではなく、連絡の中身を変えた点を書きます。
総務省の調査では、テレワークを導入した企業の8割超が、導入に効果があったと答えています*4。内訳は、程度の強い回答が21.3%、「ある程度効果があった」が61.5%です*4。調査時点は令和7年8月末で、対象は常用雇用者100人以上の企業です*4。この調査は企業に導入目的の効果を聞いたもので、個人の成果を聞いたものではないため、数字は自分の成果の代わりになりません。
自己PRには、自分の職場での成果を、自分の数字で書きます。数字は、記録から数えられるものだけです。記録のない数字を足すと、面接で数字の出どころを聞かれたときに答えられなくなります。
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6. よくある質問
Q1. 自己PRに在宅勤務の期間は書きますか
A. 書いてもかまいませんが、期間だけでは自己PRになりません。期間は「在宅勤務のWebチームで」のように経過の書き出しに入れ、そのあとに工夫と成果を続けます。期間の長さより、在宅で何を変えたかのほうが、読み手に伝わる情報が多くなります。
Q2. 数字にできる成果がないときは何を書きますか
A. 数字の代わりに、変えた工夫と改善を書きます*2。例文1なら、「終業前に3項目を書く」「止まっていることには聞きたい相手と内容を添える」が、数字がなくても書ける経過です。そこに、連絡が減ったなど、変化したことを1文で添えます。
Q3. 在宅勤務の経験が短くても自己PRに書けますか
A. 書けます。経験の長さに関係なく、書く形は同じです。在宅で起きた不便を1つ選び、自分が変えたことと、その結果の変化を書きます。
Q4. 自己PRと職務経歴書の実績欄に同じ内容を書いてもよいですか
A. 同じ文を書かずに、役割を分けます。実績の項目には成果の数値やエピソードを書き、自己PRの項目には強みと意欲を書きます*1。実績に書いた経過と成果から強みを1つ選び、自己PRには強みを先に書いた文を入れる形です。
Q5. この記事の例文をそのまま使ってもよいですか
A. そのままでは使えません。例文は筆者が作った例で、数字も仮のものです。自分の職場の経験と、自分で数えた数字を使って、自分の文章として書き直してください。
7. まとめ:在宅の経験は経過と成果で書く
リモートワークの自己PRの書き方
- 書くこと:在宅で働いた事実ではなく、どんな経過(工夫)でどんな成果が出たか*2
- 成果:数字で書けるものは数字で書き、数字にしにくければ工夫や改善した点を書く*2
- 例文:文書での進捗共有、時差のある相手とのやり取り、在宅での障害対応の3つ(筆者の例・数字は仮)
- 応募先ごとの準備:求人票や企業のホームページから、応募先が求めていることを書き出して、重なる経験を1つ選ぶ*2
- 数字の扱い:企業向けの調査の数字は自分の成果の代わりにならない*4。記録から数えられる数字だけを書く
出社の頻度や評価の聞き方は、リモートワークの逆質問の記事に書いています。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 職務経歴書の作り方(厚生労働省・ハローワーク・令和2年5月)
*2 職務経歴書作成のためのマスターシート(厚生労働省・ハローワーク・令和7年5月)
*3 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)
*4 令和7年 通信利用動向調査報告書(企業編)(総務省・令和8年5月29日)
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