並び順の指定がある求人|探す人の時間そのものです
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

求人票に「一覧の並び順を指定できるようにする」といった一文を見かけることがあります。見た目は好みの調整に思えても、実際には検索する人がどれだけ早く目的の行に届くかを左右する設計です。決めておくかどうかで、入社後に受け取る仕事の量が変わります。
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍です*1。一覧の順序を指定する仕事は、表示や集計を扱う求人に広く含まれています。求人票の文言だけでは負荷の大きさが見えにくいため、先に確認しておく価値があります。
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この記事のポイント
- 並び順を先に決めておくかどうかで、運用が始まったあとに発生する問い合わせの量が変わります。好みの調整に見えて、実際は探す人の作業時間そのものです。
- 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍です*1。表示や集計にかかわる求人は、選択肢として珍しいものではありません。
- 順序を指定する仕事にかかわった経験は、求人票の文言だけでは伝わりません。面談で具体的に確認する価値があります。
1. 並び順は好みでなく、探す人の作業時間を左右する設計です。
一覧の並び順は、見た目の好みではなく、探す人がかかる時間を左右する設計です。情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍で、表示や集計にかかわる求人は選択肢として珍しくありません*1。誰が順序を指定するかを決めずに運用を始めると、担当者は同じ質問を繰り返し受け取ることになります。
「順序くらい好きに決めればいい」と思われがちですが、実際に画面を使う人にとっては、目的の行にたどり着くまでの時間そのものです。新しい順に並んでいれば直近の情報から確認できますが、更新頻度の高い項目を探している人にとっては、別の並べ方のほうが早く目的の行に届きます。
順序を決めていない状態で公開すると、利用者ごとに違う要望が届きます。日付の新しい順を望む人もいれば、担当者名で並べたい人もいます。要望を1つずつ聞いてから直すやり方では、直した数だけ次の要望が生まれます。
並び順を先に決めておけば、少なくとも「なぜこの順なのか」を説明できる状態になります。説明できる状態と、その場で作った状態とでは、運用が始まったあとに発生する仕事の量がまったく違います。
表示する項目が複数の基準を持つ場合、順序は1列だけでは決まりません。優先度を主な基準にしつつ、同じ優先度の中では更新日時で並べるといった、2段階の基準を組み合わせる場面もあります。基準を組み合わせる場合ほど、事前に決めておく重要性が増します。
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2. 順序を決めておく場合と、都度確認する場合を比べます。
順序を先に決めておく場合と、都度その場で確認する場合とを比べます。
並び順を先に決めておく場合と、都度その場で確認する場合とでは、あとから発生する仕事の量が変わります。先に決めておけば、利用者からの要望に対して、決めた基準を示しながら説明できます。
都度確認する場合は、要望が届くたびに個別の対応が発生します。今回はこの順で出してほしいという依頼に応じて直しても、次の利用者からは別の順を求められることがあります。
どちらの進め方でも、順序自体を変える作業の難しさはさほど変わりません。差が出るのは、変更の理由をどれだけ説明できる状態にしておくかという点です。
例えば、担当者名で並べたいという要望と、対応期限で並べたいという要望が同時に届いた場合、先に基準を決めていれば、どちらを優先するかを既存の方針に沿って答えられます。基準がなければ、そのつど関係者に確認する時間が発生します。
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3. 指定する人が決まっていない現場で起きることです。
誰が順序を指定するかが決まっていない現場では、要望が来た人がそのまま対応することになります。担当者が変わるたびに基準も変わり、以前の並び順に戻したいという要望が新たに届くこともあります。
要件定義の段階で順序まで決めておく現場は限られます。画面のレイアウトや入力項目は先に固まっていても、一覧の並べ方は後回しにされやすい項目です。
後回しにされた並べ方は、公開してから初めて問題になります。利用者が実際に画面を使い始めた段階で、目的の行が見つけにくいという声が届き、そこから基準を決め直す作業が発生します。
指定する人をあらかじめ決めておくことは、あとから発生する調整の回数を減らす手段になります。担当が誰であっても、決めた基準に沿って一貫した説明ができる状態を保てます。
順序を指定する役割が、企画側かエンジニア側かもあらかじめ整理しておく価値があります。企画側が仕様として決める現場もあれば、実装を担うエンジニアが利用者の声を聞きながら基準を組み立てる現場もあります。どちらの役割を担うかによって、求人票で確認すべき内容も変わります。
4. 並べる基準の型を、表で比較します。
一覧の並べ方には複数の型があります。求人票や仕様書に出てくる代表的な基準を、向いている場面と合わせて確認します。
【表1】並べる基準の型と、向いている場面
| 基準 | 並べ方の例 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 更新順 | 更新日時の新しい順 | 直近の変化を先に確認したい場面 |
| 優先度順 | 対応の緊急度が高い順 | 対応の抜け漏れを防ぎたい場面 |
| 名称順 | 名称の五十音順 | 特定の項目を名前で探す場面 |
| 固定順 | あらかじめ決めた並び | 毎回同じ順で確認したい場面 |
| 複合順 | 複数の基準を組み合わせた並び | 基準が1つでは決まらない場面 |
更新順は、直近の変化を先に見せたい場面に向いています。ただし、更新頻度の低い項目は下に埋もれやすく、探している人が見つけられないことがあります。
優先度順は、対応の抜け漏れを防ぎたい場面に向いています。優先度をどう判定するかという基準そのものが、別に必要になります。
名称順や固定順は、特定の項目を名前で探す場面や、毎回同じ順で確認したい場面に向いています。並び順を1つに決め切れない場面では、複数の基準を切り替えられる作りにする方法もあります。
複合順は、優先度順や更新順を単独で使うと決め切れない場面に向いています。基準を2つ以上重ねる分、最初にどの基準を主にするかを決めておく作業が欠かせません。
5. 順序を決めるタイミングを、開発の工程で追います。
順序を決めるタイミングは、開発の早い段階ほど直す範囲が小さくなります。工程ごとに何を確認するかを追います。
要件定義の段階で順序の基準を決めておけば、画面設計以降の工程で迷う場面が減ります。この段階を飛ばすと、あとの工程で基準そのものを話し合う手間が発生します。
公開した直後は、実際の利用者から届く要望を記録しておくことが役立ちます。要望を都度その場で直すだけでは、基準が積み重ならず、次に同じ要望が届いたときに同じ議論を繰り返すことになります。
運用が続くと、当初の基準と実際の使われ方との間にずれが出てくることがあります。そのずれを見直す作業も、並び順にかかわる仕事の一部です。
運用が長く続くほど、当初は想定していなかった並べ方への要望も増えます。増えた要望を都度個別に処理するのではなく、一定の周期でまとめて基準を見直す進め方のほうが、対応の負荷を抑えやすくなります。
6. 求人票を読むときに確認する点を整理します。
求人票の文言から、順序にかかわる仕事がどれだけ発生するかを見分けるための確認点を整理します。
順序にかかわる仕事を見分ける確認点
- 使われている語:「並び順」「表示順」「ソート」といった語が求人票にあるかを確認します。
- 対象の範囲:一覧画面が1つか複数かで、基準を決める作業の量が変わります。
- 決め方の段階:要件定義の段階から関わるのか、公開後の要望対応が中心かを確認します。
- 変更の頻度:基準を見直す機会がどのくらいの周期で発生するかを、面談で聞きます。
- 引き継ぎのしやすさ:決めた基準が記録に残っているか、担当が変わっても分かる形になっているかを確認します。
求人票に「順序」という語が直接書かれていない場合でも、「一覧画面の改善」「利用者からの要望対応」といった記述の中に、同じ性質の仕事が含まれていることがあります。
一覧画面が複数ある求人ほど、順序にかかわる作業の量も増えます。画面の数を面談で確認しておくと、実際の負荷を見積もりやすくなります。
要件定義の段階から関わる求人であれば、基準を決める側として順序に向き合います。公開後の要望対応が中心の求人であれば、届いた要望をどう基準に落とし込むかが仕事の中心になります。
正社員全体のテレワーク実施率は22.5%です*2。順序のような画面の使い勝手にかかわる仕事は、出社の有無にかかわらず発生します。
基準が記録として残っていない求人では、担当者が変わるたびに同じ確認作業が発生します。引き継ぎの資料に基準が明記されているかどうかも、面談で聞いておく価値があります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 並び順を決める作業は、どの求人でも発生しますか。
A. 一覧画面を持つ求人であれば、発生する可能性があります。表示や集計にかかわる求人は、有効求人倍率1.65倍が示すとおり選択肢として珍しくありません*1。
Q2. 順序を決めていない状態のまま入社しても問題になりますか。
A. 問題になるとは限りません。運用が始まってから基準を決め直す進め方もあります。ただし、決めていない状態を放置すると、要望への対応が積み重なりやすくなります。
Q3. 利用者ごとに違う順序を求められた場合、どう対応しますか。
A. すべての要望に個別で応じるのではなく、選べる基準をいくつか用意する方法があります。基準を固定するか選択制にするかは、対象の画面によって判断が変わります。
Q4. 順序を指定した経験は、面接でどう伝えればよいですか。
A. 基準をどう決めたか、決めた後にどのような要望が届き、どう対応したかを具体的に伝えると伝わりやすくなります。一般労働者の賃金は50〜54歳で月388.8千円です*3。運用にかかわった経験は、条件の確認とあわせて伝える材料になります。
Q5. 順序の基準を決める作業に、決まった正解はありますか。
A. 決まった正解はありません。利用者が何を優先して探すかによって、向いている基準は変わります。求人票や面談で、対象となる利用者像を確認しておくと判断しやすくなります。
8. まとめ:並び順は、決めておくかどうかで仕事の量が変わります。
この記事の要点
- 順序は好みの調整ではなく、探す人がかかる時間を左右する設計です。
- 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍です。表示や集計にかかわる求人は選択肢として珍しくありません*1。
- 順序を先に決めておく場合と、都度確認する場合とでは、あとから発生する仕事の量が変わります。
- 求人票の語・対象の範囲・決め方の段階・変更の頻度を確認しておくことが、実際の負荷を見積もる手がかりになります。
並び順は、決めた瞬間に終わる仕事ではありません。運用が始まったあとに届く要望とどう向き合うかまで含めて、初めて完成します。求人票を読むときは、この仕事がどの段階まで含まれているかを、面談で具体的に確認してみてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分)」(2026年公表)
*2 パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」(2025年7月実施)
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
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