Sparkの実務経験|転職で評価される分散処理の実績
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

Sparkでバッチ処理を速くしてきたエンジニアほど、その経験をどう言葉にすればよいか迷う場面があります。速くした経験は、何倍速くなったかという数字だけでは実績として伝わりにくく、速くなったことで何を諦めずに済んだかまで言葉にできるかで、面接での伝わり方が変わります。
処理を速くした経験は、速さの倍率ではなく諦めずに済んだこととして言葉にすると、面接でも実績として伝わりやすくなります。
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この記事のポイント
- 処理を速くした経験は、何倍速くなったかではなく、速くなったことで何を諦めずに済んだかで実績になります
- 面接では、直した手順をそのまま話すより、諦めずに済んだ場面に置き換えたほうが伝わります
- 一般労働者の平均年齢は44.4歳、女性の賃金ピークは305.7千円です*1。転職の前提として押さえたうえで、判断は経験の記録に置きます
1. Sparkの経験は、諦めずに済んだことで伝わります
処理を速くした経験は、何倍速くなったかという数字ではなく、速くなったことで何を諦めずに済んだかを言葉にできるかで伝わります。判断の基準をどう決めたかが、面接では実績として扱われます。棚卸しの仕方を順に見ていきます。
Sparkで処理が遅いという相談を受けて、目立った改善を重ねてきたエンジニアほど、その経験を面接でどう伝えればよいか迷う場面があります。
ただ、転職で評価される経験は、どれだけ速くしたかという数字だけではありません。速くなったことで、何を諦めずに済んだかという判断も、実績として言葉にできます。
何を諦めずに済んだかという判断は、直した後に振り返って初めて見えてくるものです。直す前にどこが遅いのかを決めた手順から、順にたどっていく必要があります。
諦めずに済んだことの内容は、場面ごとに異なります。夜間の対応を減らせた場合もあれば、ほかの作業に時間を割けるようになった場合もあります。どの内容であっても、数字ではなく変化として言葉にできます。
その手順をどう棚卸しし、どう言葉にすれば面接で伝わるかを、経緯の順にたどっていきます。
2. 処理を速くする前に、遅い所を決めます
Sparkの処理が遅いという相談を受けたとき、すぐに手を動かして直した経験は、実績として伝えにくい場面があります。直す前に、どこが遅いのかをどう決めたかという手順が抜けていると、思いつきで直したように聞こえてしまいます。
遅い場所を決める手順は、感覚で選ぶ作業ではありません。処理のどの段階に時間がかかっているかを確かめ、直しても影響が出ない範囲かどうかを見極める判断が、そのつど必要になります。
この判断を飛ばして直した場合、別の処理を止めてしまう場合があります。遅い所を決める手順を踏んでいたかどうかが、面接で実績として話せるかどうかの分かれ目になります。
Spark以外の技術領域でも、直す範囲を決める判断を記録に残すという型は同じように使えます。別の観点から判断を記録した経験については、別の記事で扱っています。
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3. 処理を速くした場面を、伝わる言い方に言い換えます
処理を速くした経験をそのまま話すと、単なる作業の説明にしか聞こえないことがあります。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれることを4行に分けて並べます。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれること
| やっていたこと | 伝わる言い方 | 面接で聞かれること |
|---|---|---|
| 遅い処理をログで探し、時間のかかる箇所を洗い出した | 遅い箇所を判断の根拠として絞り込んだ経緯として話す | 絞り込んだ根拠は何か |
| 直す前に、直しても影響が出ない範囲かを確認した | 影響を確かめてから直した経緯として話す | 影響をどう確認したか |
| 直した後、遅かった処理がどう変わったかを確かめた | 変わったことを確かめた経緯として話す | 何が変わったと確認したか |
| 直さなかった処理について、直さない理由を記録に残した | 直さない判断も選択の一つとして説明した経緯として話す | 直さない理由をどう判断したか |
表の4行は、処理を速くする場面で起こりやすい流れを並べたものです。共通しているのは、やっていたことをそのまま話すのではなく、経緯を通して言い換える点です。
「遅い処理をログで探し、時間のかかる箇所を洗い出した」だけを話すと、作業の説明にしか聞こえません。絞り込んだ根拠まで話すと、判断が加わった場面として伝わります。
「直しても影響が出ない範囲かを確認した」も同様です。確認した内容と、確かめた影響の範囲まで話すと、作業者ではなく判断を担った場面として伝わります。
「遅かった処理がどう変わったかを確かめた」も同じ型です。変わったことを確かめた手順まで話すと、直しただけで終わらせなかった場面として伝わります。
「直さない理由を記録に残した」も同様です。直さない理由まで話すと、直したことだけでなく、判断そのものを実績として伝えられます。
4行に共通する型は、やっていたことの説明を、経緯を通じて言い換えるという型です。型が分かれば、ほかの場面にもそのまま当てはめられます。
扱う処理がデータベースに近い場合、運用の経験を設計にどう接ぐかという観点も関わってきます。データベースの経験を実績として話す観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | データベースエンジニアの転職|運用の経験を設計に接ぐ
4. 棚卸しで話す配分は、3つに分けます
処理を速くした経験を面接で話すとき、何にどれだけ配分して話すかを決めておくと、経緯が伝わりやすくなります。
棚卸しで話す配分は、遅かった所・直した理由・変わったことの3つに分けると整理しやすくなります。どれか一つに偏ると、判断の経緯が伝わりにくくなります。
遅かった所だけを長く話すと、原因を説明しただけの場面に見えます。直した理由と変わったことまで配分を割くと、判断を担った場面として伝わります。
この配分は、話す内容の目安であり、実際に計測した統計ではありません。扱う場面に応じて、比重を調整して構いません。
配分の比重は、面接官が技術に詳しいか、事業側の視点で聞いているかによっても変えられます。技術に詳しい相手には直した理由を厚く、事業側には変わったことを厚く配分すると伝わりやすくなります。
5. 処理を速くした経験は、4段でたどれます
処理を速くした経験を、直した瞬間だけで切り出すと、単なる修正作業のように見えます。挙げるところから書くところまでを4段に区切ると、判断の経緯として振り返りやすくなります。
挙げる段階では、遅いと感じた処理を、思いつく範囲でまず挙げます。ここで見落とした処理は、後の段階で影響として現れます。
測る段階では、実際にどこで時間がかかっているかを測ります。感覚だけで直す範囲を決めると、後から見当違いだったと分かる場合があります。
直す段階では、影響が出ない範囲を見極めて直します。この段階の判断が、経緯の核になります。
書く段階では、直したことで変わった内容を書き残します。4段をすべて自分一人で担うとは限らず、途中から別の担当者が引き継ぐ場合もあります。そのときは自分が担った範囲を明確にしておくと、経緯として振り返りやすくなります。
6. 処理を速くした言い方は、3つの型で揃えます
処理を速くした経験を実績にする前に、抱えている経験をまず仕分けておくと整理しやすくなります。
言い方に直す3つの型
- 遅かった所:どこで時間がかかっていたかを短く書き出します
- 直した理由:なぜその範囲を直すと決めたかを短く書き出します
- 変わったこと:直したことで何を諦めずに済んだかを短く書き出します
棚卸しは、抱えている経験をすべて並べたうえで、3つの型に沿って仕分ける作業です。仕分けた結果、経緯まで言葉にできる経験だけが、実績として語れる形になります。
遅かった所を確認する段階では、時間がかかっていた場所そのものよりも、その場所がどの業務を止めていたかを重視します。
直した理由を確認する段階では、直しても影響が出ないと判断した根拠まで把握しているかを見ます。前半で見た手順が、ここでの仕分けの基準になります。
変わったことを確認する段階では、直したことで諦めずに済んだ内容を文章として書き出してみます。書き出してみて具体的な文章にならない経験は、記録の内容が十分でないと分かります。
棚卸しを終えたら、経緯がそろっている経験から順に、面接で話す候補として並べておくと準備がしやすくなります。
棚卸しに使う記録は、専用の書式である必要はありません。直した日付と、判断した内容を短く書き残しておくだけでも、あとから経緯として話しやすくなります。
棚卸しは一度で終わらせず、新しい経験が増えるたびに見直すと、実績として言葉にできる経験の数を少しずつ増やしていけます。
直した後に別の場所で手戻りが起きていないかを確かめる観点も関わってきます。手戻りが起きやすい場所を確かめる観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 手戻りが起きる場所|どこで確かめると減るか
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 処理を速くした経験が、ごく一部の処理だけの小さな範囲だった場合、実績として見劣りしますか。
A. 直した範囲の大きさが、実績の評価をそのまま決めるわけではありません。どこが遅いと判断し、どう直したかという経緯が、実績として言葉にする際の材料になります。
Q2. 速くなった割合を、数字で細かく面接で説明する必要がありますか。
A. 数字の細かさよりも、速くなったことで何を諦めずに済んだかという経緯を優先して話すほうが伝わりやすくなります。数字は聞かれた範囲で答える形で十分です。
Q3. 処理を速くする作業そのものではなく、直さないという判断に関わった場合はどう伝えればよいですか。
A. 直さないという判断も、遅い所を見極めた経緯の一つです。直さない理由と、そのときの基準を言葉にすれば、実績として伝えられます。
Q4. 直す作業の途中で担当を離れ、完了まで見届けていない場合はどう伝えればよいですか。
A. 関わった期間の長さそのものより、その間にどのような判断を重ねてきたかを、経緯として順に伝えるほうが実績として伝わりやすくなります。
8. まとめ:処理を速くした経験は、諦めずに済んだことで実績になります
この記事の要点
- 処理を速くした経験は、何倍速くなったかではなく、速くなったことで何を諦めずに済んだかで実績になります
- 面接では、直した手順をそのまま話すより、諦めずに済んだ場面に置き換えたほうが伝わります
- 処理を速くした経験は、4段でたどると、判断の経緯として振り返りやすくなります
- 棚卸しでは、遅かった所・直した理由・変わったことの3つで仕分けます
- 一般労働者の平均年齢は44.4歳、女性の賃金ピークは305.7千円です*1。前提として押さえたうえで、判断は経験の記録に置きます
処理を速くした経験は、直した手順だけでなく、何を諦めずに済んだかという判断からも実績として言葉にできます。棚卸しで仕分け、経緯まで言葉にできる経験から、面接での言い方を整えていくことができます。関わってきた場面が多いほど、積み重なった判断の経緯も多くなります。Sparkでバッチ処理を扱ってきたか、応答を待たれる処理を扱ってきたかによっても、諦めずに済んだ内容の伝え方は変わります。経験の残し方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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