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押しやすさは好みではない求人で決まる置き方と大きさ

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

押しやすさは好みではない求人で決まる置き方と大きさのイメージ写真

求人票に書かれた「UI改善」「使いやすさの向上」という言葉の内側には、押しやすさに関わる判断が隠れています。「押しにくい」という声は好みの話に見えますが、実際には対象の大きさと間隔をどう決めたかという判断の結果です。この判断を誰が担うのかは、求人票だけでは見えにくいところです。

厚生労働省の調査では転職入職率が9.7%でした*1。担当が入れ替わり続ける以上、この判断を個人の感覚だけに頼っていると、担当が変わるたびに基準が揺れます。

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数字で見る、判断を支える3つの数字 この記事の要約 転職入職率 *1 9.7% 厚生労働省調査 雇用動向調査(2025年公表) 担当は入れ替わり続ける DX人材が不足と回答した企業 *2 85.5% やや不足+大幅に不足 IPA調査(2025年度) 細部の調整に手が回りにくい 一般労働者の平均年齢 *3 44.4歳 厚生労働省調査 賃金構造基本統計調査(2026年公表 決める側と操作する側の年齢差 担当の入れ替わりと人手の余力、決める側の年齢差。3つを並べて確認します *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 「押しにくい」という声の裏には、押しやすさを決める2つの要素があります。対象の大きさと、隣り合う対象との間隔です。どちらが原因かを切り分けないまま直そうとすると、直したはずなのに苦情が残る場合があります。
  • 厚生労働省の調査では転職入職率が9.7%、IPAの調査ではDX推進人材が不足と回答した企業が85.5%でした*1*2。担当は入れ替わり、人手も薄いという前提のもとでは、この判断を誰かが引き継げる形にしておく必要があります。
  • 求人票の「UIガイドライン」「デザインシステム」「アクセシビリティ対応」という言葉から、この判断の担当がどこにあるかを推測する手がかりが得られます。

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対象の大きさや間隔を決める求人も、リモートワーク対応の求人の中にあります。

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1. 押しやすさは、好みではなく決めごとの結果です。

「押しにくい」という声は好みの問題に見えて、実際には対象の大きさと隣接する要素との間隔をどう決めたかという判断の結果です。厚生労働省の雇用動向調査では、転職入職率が9.7%でした*1。担当が入れ替わり続ける以上、この判断を個人の感覚だけに頼っていると、担当が変わるたびに基準が揺れます。

押しやすさを分解すると、対象の大きさと、隣り合う対象との間隔という2つの決めごとに分かれます。大きさが十分でも間隔が狭ければ、隣の対象に触れてしまいます。間隔が十分でも大きさが足りなければ、狙った場所を外します。どちらが原因かを切り分けないまま直そうとすると、直したはずなのに苦情が残る場合があります。

この2つを誰が決めるかは、チームによって分かれます。デザイナーが仕様として先に決める場合、プロダクトマネージャーが受け入れ条件として示す場合、実装するエンジニアが既定値のまま進める場合があります。どの形であっても、決めた基準がどこかに残っていなければ、次に触る人は同じ判断をやり直すことになります。

求人票に「UIガイドライン」「デザインシステム」「アクセシビリティ対応」という言葉があるかどうかは、この判断がチームの中でどう扱われているかを推測する手がかりになります。言葉が無い求人でも、面談で聞けば実際の扱いが見えてきます。

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2. 人手が薄いほど、細部の調整は後回しになります。

対象の大きさや間隔といった細部の調整に、チームがどれだけ手を回せているかを確認します。

細部の調整に手が回るかどうかの目安 調整の目安 初期の実装のまま 細部まで調整して運用 位置は目安です。実際の余力は求人ごとに確認する必要があります。 位置がどちらに近いかで、苦情が出た後の対応の速さが変わります

IPAの調査では、DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%にのぼります*2。人手が十分ではない現場ほど、公開前に確認できる範囲が絞られ、押しやすさに関わる細部の調整は、最初に決めた値のまま残りやすくなります。

初期の実装のまま残っている値は、間違っているとは限りません。ただし、その値を誰がどんな根拠で決めたかが記録されていない場合、あとから直す人は同じ確認を最初からやり直すことになります。

求人票に開発体制の説明があれば、そこから細部の調整にどれだけ手が回っているかを推測できます。体制の説明が無い求人では、面談で「細かい表示の調整は誰が担当していますか」と聞くことで、同じ情報に近づけます。

3. 大きさと間隔は、別の基準で扱われます。

大きさと間隔は、押しやすさを支える2つの基準です。対象の大きさは、指やポインタで狙う範囲そのものの広さを指します。間隔は、隣り合う対象との隙間の広さを指します。この2つは見た目では区別しにくく、「押しにくい」という一言の中に混ざって伝わってきます。

大きさを基準にした資料では、たとえば44px前後を目安として挙げる例もあります。ただしこれは出典を伴う基準ではなく、あくまで例のひとつです。画面の解像度や利用する端末によって、同じ数値でも実際の広さは変わります。

間隔を基準にした資料では、隣接する対象との隙間を一定以上空けることが挙げられます。大きさを広げられない場面では、間隔を広げることで誤って触れる回数を減らせる場合があります。

「押しにくい」という声を受け取ったとき、大きさと間隔のどちらに手を入れるかを決めるだけでも、対応の方向が変わります。大きさを広げれば周囲のレイアウトに影響が出ますが、間隔だけを広げれば影響を抑えられる場合があります。

この切り分けをせずに「もう少し押しやすい形にしてほしい」という要望のまま進めると、大きさと間隔のどちらも少しずつ広げることになり、画面全体の余白が目的なく増えていく場合があります。

4. 指示する側と操作する側は別の人です。

対象の大きさと間隔——押しやすさ——を最終的に決める人と、実際に指で操作して確認する人が同じかどうかを、求人票の言葉から見分ける手がかりを整理します。

【表1】求人票の言葉と、確認できる担当の目安

求人票の言葉示している作業確認しておきたい点
UIガイドライン大きさや間隔の基準を定めた資料を運用する作業資料が実装まで反映されているかを確認する場があるか
デザインシステム共通のコンポーネントとして大きさや間隔を管理する作業変更した際にどこまで反映されるかを確認できるか
アクセシビリティ対応操作しやすさを検証し直す作業実機で指を使って確認する工程があるか

表の3つの言葉は、いずれも大きさや間隔そのものの数値を示したものではありません。誰が基準を決め、誰が実機で確認するかという運用の仕組みを示す言葉です。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、一般労働者の平均年齢が44.4歳でした*3。基準を最終的に決める側の年齢層が、実機で指を使って確認する層と離れている場合もあり、両者が確認し合う場が設けられているかどうかが目印になります。

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5. 不足感の大きさと、動く人の少なさを比べます。

先に見た2つの数字を、規模の違いとして並べて確認します。

人手の不足感と、転職で動く人の割合 DX人材が不足と回答した企業 85.5% 転職入職率 9.7% この2つは別々の調査です。規模の差だけを確認します *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、転職入職率は9.7%です*1*2。この2つは別の調査から出た数字であり、片方が原因で他方が動いているとは言えません。ここでは規模の違いだけを確認します。

不足感を抱える現場が多い一方で、実際に転職して動く割合はそれよりずっと小さい規模です。同じ担当者が同じ画面を長く受け持つ状況が生まれやすく、押しやすさについての判断も、その担当者の感覚に依存したまま残りやすくなります。

担当者が長く同じ画面を受け持つこと自体は問題ではありません。ただし、その判断が記録として残されていなければ、担当が変わる数少ない機会に、基準そのものが引き継がれずに失われることになります。

6. 求人票と面談から、判断の担当を探します。

対象の大きさと間隔——押しやすさ——を決める担当が、求人でどう扱われているかを確認するための観点を整理します。

判断の担当を確認する4点

  • 求人票の言葉:「UIガイドライン」「デザインシステム」「アクセシビリティ対応」という言葉があるかを確認します。
  • 面談での質問:「大きさや間隔の基準は誰が決めていますか」と聞き、決める人がいるかを確認します。
  • 記録の残し方:決めた基準がどこかに書いて残されているか、後から確認できる形になっているかを見ます。
  • 確認の工程:実機で指を使って確認する工程が、開発の中に組み込まれているかを確認します。

4つの観点はどれも、大きさや間隔の数値そのものを尋ねるものではありません。基準を誰が決め、どう残し、どう確認するかという運用の実態を尋ねる観点です。

面談で「大きさや間隔の基準は誰が決めていますか」と聞いたときに、担当者名や役割がすぐに出てくるようであれば、判断を1人で抱える求人ではないと見てよいでしょう。

答えが出てこない、あるいは「そのときの担当が決めています」という答えであれば、基準が記録として残っていない可能性があります。入社後に自分がその担当になる場合もあるため、確認しておく価値があります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 押しやすさについて「押しにくい」という指摘を受けたとき、まず何を確認すればよいですか。

A. 対象の大きさと、隣接する対象との間隔のどちらが原因かを切り分けます。両方を同時に広げると、画面全体の余白が目的なく増える場合があります。

Q2. 大きさや間隔の基準は、必ずデザイナーが決めるものですか。

A. そうとは限りません。デザイナーが仕様として決める場合もあれば、プロダクトマネージャーが受け入れ条件として示す場合、実装するエンジニアが既定値のまま進める場合もあります。決め方は会社によって異なります。

Q3. 大きさの目安として挙げられる数値は、どの求人でも同じ基準になりますか。

A. 同じにはなりません。資料によって挙げられる数値は例のひとつであり、出典を伴う統一基準ではありません。実装する画面や端末によって、確認すべき値は変わります。

Q4. この判断に関わった経験は、面接でどう伝えればよいですか。

A. 大きさと間隔のどちらを直したか、その判断をどんな根拠で決めたかを具体的に話すと伝わりやすくなります。数値そのものより、判断の過程を話すことが要になります。

Q5. 実機で指を使って確認する工程が求人票に書かれていない場合、どう判断すればよいですか。

A. 書かれていないからといって、工程が無いとは限りません。面談で「実機で確認する場はありますか」と聞き、答えが具体的かどうかを見ておくと判断しやすくなります。

8. まとめ:押しやすさは、引き継がれていく判断です。

この記事の要点

  • 「押しにくい」という声の裏には、押しやすさを決める2つの決めごとがあります。対象の大きさと間隔のどちらが原因かを切り分けてから対応する必要があります。
  • 厚生労働省の調査では転職入職率が9.7%、IPAの調査ではDX推進人材が不足と回答した企業が85.5%でした*1*2。担当は入れ替わり、人手も薄いという前提で、基準を記録に残しておく必要があります。
  • 一般労働者の平均年齢は44.4歳です*3。基準を決める側と実機で確認する側が離れている場合もあり、両者が確認し合う場があるかが目印になります。
  • 求人票の「UIガイドライン」「デザインシステム」「アクセシビリティ対応」という言葉と、面談での「誰が決めていますか」という質問が、判断の担当を見分ける手がかりになります。

押しやすさは、一度整えれば終わる仕事ではありません。担当が入れ替わっても基準が引き継がれるように、決めた根拠をどこかに残しておくことが、次に触る人への備えになります。求人票と面談で、この判断がどう扱われているかを確認してから、応募先を選んでいきましょう。

画面の細部を決める経験を、次の求人選びに

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)
*2 IPA「DX動向2026」(2025年度調査・2026年公表)
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)

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