転職した年の年末調整|会社へ出すもの
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

転職した年は、年末調整の書類をいまの勤務先へ出すのか、前の勤務先の分をどう扱うのかが分かりにくくなります。年内にいまの勤務先へ入っているかどうかで、出すものが変わり、期限も勤務先の案内によって前後します。出せなかった場合の扱いも含めて、いまの勤務先へ何を確かめればよいかを順にたどります。
年末調整で迷ったときは、年内にいまの勤務先へ入っているかどうかで、出すものが変わるという位置から確かめると、いまの勤務先に聞く点が具体的になります。
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この記事のポイント
- 転職した年の年末調整は、年内にいまの勤務先へ入っているかどうかで、出す書類が変わります
- 前の勤務先の分は、源泉徴収票などをいまの勤務先へまとめて出す形になります。出す期限は勤務先の案内に沿って確かめます
- 一般労働者の賃金は55〜59歳で396.2千円、60〜64歳で329.3千円です*1。年齢によって賃金水準の前提が変わります
1. 転職した年の年末調整は、いまの勤務先へ出す書類で進みます
転職した年の年末調整は、年内にいまの勤務先へ入っていれば、前の勤務先分も含めていまの勤務先が行います。年内に入っていなければ、いまの勤務先では行われません。出すものや期限は、いまの勤務先の人事・総務に確かめます。
出すものや進め方は、勤務先ごとに案内の形が異なります。案内がまだ届いていない場合も、いまの勤務先の人事・総務に確かめる進め方は変わりません。
年内に複数回勤務先を変えた場合も、基本の考え方は同じです。最後に入った勤務先が、それまでの勤務先分も含めて対象になるかどうかを、その勤務先に確かめます。
入社した時期が年末に近い場合も、考え方は変わりません。入社した時点で、いまの勤務先に対象になるかどうかを確かめておくと、その後の準備を早く進められます。
2. 年内に入るかどうかで、出すものが変わります
出すものは、年内にどの勤務先に在籍しているかによって、出す先や進め方が変わります。まず自分がどちらに当たるかを確かめます。
「年内に入っている」場合は、前の勤務先の源泉徴収票などをいまの勤務先へ提出し、いまの勤務先がまとめて年末調整を行います。提出するものや期限は、いまの勤務先の案内に沿って確かめます。
「年内に入っていない」場合は、いまの勤務先で年末調整が行われません。そのときの扱いは、税務署の窓口に確かめられます。
どちらに当たるか分からない場合も、いまの勤務先の人事・総務に確かめれば、案内してもらえます。
退職してから次の勤務先へ入るまでの期間が空いた場合も、判断の基準は変わりません。年内に入った時点で、いまの勤務先に対象になるかを確かめられます。
案内が届く前でも、いまの勤務先へ対象になるかどうかを尋ねて差し支えありません。早めに尋ねておくと、前の勤務先への確認も余裕をもって進められます。
3. 前の勤務先の分をどう扱うかで、進め方が分かれます
転職した年の年末調整では、前の勤務先で働いていた期間分の給与に関する内容を、いまの勤務先へ伝える必要があります。伝える手段になるのが、前の勤務先が発行する書類です。対象になるのは、その年の1月から退職までに前の勤務先で得た給与も含みます。
前の勤務先の分をいまの勤務先へ出せているかどうかで、その後の進み方が分かれます。出せている場合は、いまの勤務先が前後の勤務先分をまとめて年末調整を行います。出せていない場合は、まず前の勤務先に発行の状況を確かめる段階になります。
前の勤務先を複数回変えている場合も、考え方は同じです。年内に働いたすべての勤務先分をいまの勤務先へ出すことで、まとめて行われます。勤務先の数が増えるほど、出せているかどうかの確認に時間がかかることがあります。
前の勤務先を退職してから時間が経っている場合は、源泉徴収票を保管しているかどうかも確かめておくと、いまの勤務先へ出す準備が進みやすくなります。退職して間もない場合は、前の勤務先に発行の状況を確かめておくと見通しが立ちます。
前の勤務先が発行する書類そのものの読み方については、別の記事で扱っています。ここでは、年末調整で何を出すかに絞って進めます。
あわせて読みたい | 源泉徴収票の見方|転職で要る場面
4. 出すものと受け取り先をまとめます
転職した年に、いまの勤務先へ出すものを、受け取り先や分からないときの相手とともに並べます。出すものによって、届く時期や届く相手が異なります。
出すもの・受け取り先・分からないときの相手
| 出すもの | どこで受け取るか | 分からないときの相手 |
|---|---|---|
| 前の勤務先の源泉徴収票 | 前の勤務先からの発行 | 前の勤務先の人事・総務 |
| 保険料控除の証明書 | 保険会社や金融機関からの送付 | 保険会社や金融機関の窓口 |
| 扶養に関する申告書 | いまの勤務先からの配布 | いまの勤務先の人事・総務 |
| 個人で加入した年金の証明書 | 年金の運営機関からの送付 | 年金の運営機関の窓口 |
表の4つは、転職した年にいまの勤務先へ出す機会が多いものです。呼び方は勤務先によって多少異なりますが、位置づけは共通しています。
「前の勤務先の源泉徴収票」は前の勤務先が発行するため、出せていない場合は前の勤務先に発行の状況を確かめます。
「保険料控除の証明書」や「個人で加入した年金の証明書」は、保険会社や年金の運営機関から本人宛てに送られてくるものです。届いていない場合は、それぞれの窓口に確かめます。
「扶養に関する申告書」は、いまの勤務先が配布する書類です。受け取っていない場合や記載に迷う場合は、いまの勤務先の人事・総務に確かめます。
表に挙げた4つのほかにも、勤務先や個人の状況によって出すものが増える場合があります。何を出すべきか判断に迷う場合も、いまの勤務先の人事・総務に確かめる進め方は変わりません。
健康保険の切り替えなど、年末調整以外にも転職した年に確かめる手続きがあります。窓口の違いについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 健康保険の切り替え|退職から入社までの窓口
5. 出す前に手元をそろえておきます
年末調整で出す前に、次の3つを手元にそろえておくと、いまの勤務先へ渡す準備が進みます。順に確かめておくと、そろっていないものにも早く気づけます。
出す前に手元をそろえる3つ
- 前の勤務先の書類:源泉徴収票など、前の勤務先が発行した書類を確かめます
- 本人宛ての証明書:保険会社や年金の運営機関から届いた証明書を確かめます
- いまの勤務先の案内:提出する書類の種類と期限を確かめます
3つを手元にそろえておくと、いまの勤務先から出すものを聞かれたときにも慌てず答えられます。そろえてから出すと、確認の往復が減ります。
「前の勤務先の書類」がまだ手元にない場合は、前の勤務先に発行の状況を確かめます。年内に複数の勤務先で働いた場合は、勤務先ごとに書類を確かめます。
「本人宛ての証明書」は届く時期が発行元によって異なります。届いていない場合は、保険会社や年金の運営機関の窓口に確かめます。
書類は書面とデータのどちらで届く場合もあります。データで受け取った場合も、提出までに開ける場所へ保存しておくと、出す段階で慌てません。届いた書類は種類ごとに分けておくと、あとで見返すときにも探しやすくなります。
入社した時期によっても、出すものをそろえる進め方が前後することがあります。入社日の決め方については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 入社日の決め方|引き継ぎと選考のあいだ
6. 出せなかったときの相談先を整理します
年末調整で出すものは、土台から順に整理すると迷いにくくなります。出せなかった場合の相談先まで、3段でたどります。段の順に確かめておくと、いま何をすればよいかが分かりやすくなります。
土台の「書類をそろえる」は、前の勤務先の書類と本人宛ての証明書を手元に置く段階です。ここまでは前のセクションで確かめた内容と同じです。
中段の「出す先と期限」は、そろえた書類をいまの勤務先へいつまでに出すかを確かめる段階です。期限はいまの勤務先の案内によって変わります。
頂点の「相談する窓口」は、期限までに出せなかった場合や、書類が手元にそろわなかった場合の相談先です。いまの勤務先の人事・総務に確かめても分からない点は、税務署の窓口に確かめられます。
3段のどこにいるかが分かれば、次に確かめることも明確になります。焦って進めるより、いまの段階を確かめてから動く方が進めやすくなります。
3段は順番を意識してたどるための整理であり、状況によっては別の段から確かめても進められます。いまどの段にいるかを、いまの勤務先や税務署の窓口に伝えると、案内を受けやすくなります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 転職した年の年末調整は、前の勤務先と後の勤務先のどちらで行われますか。
A. 年内にいまの勤務先へ入っている場合は、前の勤務先分も含めていまの勤務先が行います。年内に入っていない場合は、いまの勤務先では行われません。前の勤務先でこの対応を受けることはないため、書類の扱いはいまの勤務先が案内する形に沿って確かめます。詳しい扱いは勤務先の人事・総務に確かめられます。
Q2. 前の勤務先の源泉徴収票が届かない場合はどうすればよいですか。
A. 前の勤務先に発行の状況を確かめる方法があります。退職からの日数や勤務先の処理状況によって、届くタイミングは前後します。いまの勤務先へ提出する期限が近い場合は、いまの勤務先の人事・総務にも状況を伝えておくと進めやすくなります。
Q3. 年内に転職先が決まっていない場合、年末調整はどうなりますか。
A. 年内にどの勤務先にも入っていない場合、いまの時点では対象にならないことがあります。その場合の扱いは、翌年以降の状況によっても変わることがあります。詳しい扱いは税務署の窓口に確かめられます。
Q4. 年末調整で出す書類が期限までにそろわない場合はどうすればよいですか。
A. いまの勤務先の人事・総務に、そろっていない書類と状況を伝えて確かめる方法があります。書類の種類によって発行元が異なるため、どこに確かめればよいかも合わせて聞いておくと進めやすくなります。勤務先で扱えない内容は、税務署の窓口に確かめられます。
8. まとめ:転職した年の年末調整は、いまの勤務先へ確かめます
この記事の要点
- 転職した年の年末調整は、年内にいまの勤務先へ入っているかどうかで、出す書類や進め方が変わります
- 前の勤務先の分は、源泉徴収票などをいまの勤務先へ出すことで、まとめて扱われます
- 出す前に、前の勤務先の書類と本人宛ての証明書を手元にそろえておくと、提出の準備が進みます
- 期限までに出せなかった場合や扱いが分からない場合は、いまの勤務先の人事・総務、または税務署の窓口に確かめられます
- 一般労働者の賃金は55〜59歳で396.2千円、60〜64歳で329.3千円です*1。年齢によって賃金水準の前提が変わります
転職した年の年末調整は、出すものと期限をいまの勤務先に確かめながら進められます。出せなかった場合の扱いについても、税務署の窓口に確かめる方法があります。手元の書類をそろえてから出すと、確認の往復が減ります。年内に入っているかどうかという最初の分かれ目を確かめておくと、そのあとに何を出すかも見通しやすくなります。この進め方についても、専任エージェントに相談しながら転職を進める方法があります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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