Nuxtの経験を転職で示す|描画方式の選択を語る
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

Nuxtで開発してきた経験を職務経歴書に書くとき、担当した画面や機能をそのまま並べがちです。しかし採用担当者が知りたいのは、サーバー側で都度描くか、事前に生成しておくかという描画方式を、どの要件から選んだかという判断の中身です。同じ経験でも、書き方によって伝わる深さが変わります。
中心になるのは、サーバー側で描くか、事前に生成しておくかを要件からどう決めたかという視点です。文法の解説やバージョンごとの違いには立ち入りません。
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この記事のポイント
- Nuxtの経験は、サーバー側で描くか事前に生成しておくかという描画方式を、どの要件から選んだかで職務経歴書の伝わり方が変わります
- 転職者数は330万人、転職等希望者数は1023万人という規模のなかで、選んだ理由の説明が他候補との差になります*1
- 同じ実装からでも、選んだ理由・比較した候補・運用への影響という3つの要素を職務経歴書に足せます
1. Nuxtの経験は、描画方式を選んだ理由で読まれます
Nuxtの経験を職務経歴書に書くとき、読み手が見ているのはVue/Nuxtが書けるという事実ではなく、サーバー側で描くか事前に生成しておくかという描画方式を、どの要件から選んだかです。転職者数330万人、転職等希望者数1023万人という規模のなかで、この理由の説明が差になります*1。
フロントエンドの職務経歴書は、担当した機能や使用した技術名を列挙する形になりやすいものです。しかし技術名の一覧は、何を担当したかは伝えても、何を判断したかは伝えません。Nuxtを使った開発を担当してきたエンジニアであれば、サーバー側で都度描く方式と、あらかじめページを生成しておく方式のどちらを選んだかという判断の場面を経験しています。
この判断は、画面ごとに条件が異なります。認証が必要な画面と、誰が見ても同じ内容が並ぶ画面とでは、選ぶべき方式が変わることがあります。1つのアプリケーションのなかでも、画面ごとに異なる方式を組み合わせている場合があります。
職務経歴書に書くべきは、採用した方式の名称だけではありません。なぜその方式を選んだのかという理由まで書くことで、担当した範囲の広さだけでなく、判断の深さも伝わります。
この置き換えは、担当してきたプロジェクトの規模にかかわらず進められます。小規模な開発であっても、方式を選んだ場面は存在するはずです。
担当してきたプロジェクトを振り返るときは、画面ごとにどちらの方式が使われていたかを一覧にしてみると、判断の場面を思い出しやすくなります。一覧をきっかけに、当時の判断の理由まで遡って書き出す進め方もできます。
当時の設計ドキュメントやプルリクエストの説明が残っていれば、そこに書かれた検討の経緯を読み返すことも、判断を思い出す手がかりになります。記録が残っていない場合は、一緒に開発していたメンバーに当時の背景を確認する方法もあります。
担当した画面の数が少ない場合でも、1つの判断を丁寧に説明できれば、経験の浅さを補う材料になります。
2. 要件のどこを重く見るかで、方式が分かれます
描画方式の選択は、どちらが優れているかという話ではありません。担当したプロダクトの要件によって、重く見るべき条件が変わります。
実際の開発では、この3つの条件が同時に関わることもあります。その場合は、どの条件を優先したかという順位づけ自体が、職務経歴書に書ける判断になります。
1つのNuxtアプリケーションのなかでも、画面ごとに描画方式を使い分けられる場合があります。更新頻度の低いトップページは事前に生成しておき、認証後の画面だけサーバー側で描く、という組み合わせ方も選択肢の一つです。
この判断を1人で下した場合もあれば、チームでの相談を経て決めた場合もあります。職務経歴書には、最終的にどちらの立場で関わったかを書き添えると、担当した役割の大きさも伝わります。
3. 同じ実装でも、書き方で伝わる深さに差が出ます
同じNuxtでの実装経験でも、職務経歴書にどこまで書くかによって、読み手に伝わる情報の深さが変わります。
書き方による情報の差
| 職務経歴書の書き方 | 読み手が受け取る情報 | 足すと伝わること |
|---|---|---|
| Nuxtで開発したと書く | 使用した技術の名称のみ | 描画方式をどちらに決めたか |
| サーバー側で描く方式を採用したと書く | 採用した方式の名称 | その方式を選んだ理由となった要件 |
| 要件に応じて方式を使い分けたと書く | 使い分けた事実 | 使い分けの基準にした条件 |
表の左列は、Nuxtでの開発経験があれば書ける内容です。右に進むほど、担当した作業の裏にあった判断が伝わるようになります。
中央の列だけで終わる職務経歴書は少なくありません。技術名や採用した方式の名称までは書かれていても、その方式を選んだ理由までは書かれていないことが多いためです。
3行はいずれも、同じNuxtでの実装経験から書ける内容です。担当してきたプロジェクトのなかから、実際に方式を選んだ場面や使い分けた場面を思い出しながら、当てはまる行を選べます。
面談でこの表について聞かれた場合は、行を上から順に説明するのではなく、実際に自分が担当した行から話し始めると、経験の実感が伝わりやすくなります。
複数のプロジェクトを担当してきた場合は、それぞれのプロジェクトでどちらの方式を採用したかを比べておくと、要件によって判断が変わったことも合わせて説明できます。
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4. 方式の選択は、運用の負担まで含めて説明します
サーバー側で都度描く方式を選ぶと、公開後もサーバーを稼働させ続ける必要があります。アクセスが増えた場合の対応や、サーバーの監視といった運用の負担が発生します。
一方、あらかじめ生成しておく方式を選ぶと、公開後のサーバー運用の負担は小さくなります。ただし、内容を更新するたびに生成をやり直し、公開し直す手順が必要になります。更新の頻度が高いほど、この手順を運用に組み込む手間が増えます。
職務経歴書には、選んだ方式だけでなく、選んだことで生じた運用上の負担まで書く余地があります。運用の負担を理解したうえで方式を選んだという説明は、設計だけでなく運用まで見通していたことの証拠になります。
面談では、選ばなかった方式を選んでいたらどうなっていたかを聞かれる場面があります。運用の負担まで含めて比較していたことをあらかじめ言葉にしておくと、同じ説明がそのまま使えます。
更新頻度が高いページだけを部分的にサーバー側の処理に切り替えるなど、2つの方式を組み合わせて運用の負担を抑える工夫を取り入れている現場もあります。全てを一方の方式に寄せる前提で考えなくても、判断の余地は残ります。
運用の負担は、担当したチームの体制によっても感じ方が変わります。専任の運用担当者がいる体制と、開発者自身が運用まで担う体制とでは、同じ方式を選んでも負担の重さが異なります。自分が置かれていた体制まで添えると、判断の背景がより伝わります。
求人ごとに使用しているインフラの構成が異なるため、同じ方式を選んでも運用の負担は現場によって変わります。面談では、自分が経験した現場の条件も添えて説明すると、話の解像度が上がります。
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5. 選択の説明は、4つの順番で組み立てられます
描画方式を選んだ理由は、思い出した順に書くよりも、順番を決めて組み立てる方が伝わりやすくなります。
4つの順番は、面談で聞かれる質問の順番ともおおむね重なります。あらかじめこの順番で整理しておくと、書類と面談で同じ説明を使えます。
4つの手順は、担当したプロジェクトの名称を伏せた場合でも、要件の種類と選んだ方式の対応関係が伝わる書き方にしておくと、複数の求人に応募する際にも使い回しやすくなります。
実際に整理する際は、口頭で説明する練習を一度しておくと、書類に書いた内容と話す内容がずれにくくなります。
6. 職務経歴書に足せる3つの要素
描画方式を選んだ経験を職務経歴書に足すとき、書き加えられる要素を3つに整理します。
職務経歴書に足せる3つの要素
- 選んだ理由:どの要件を重く見てその方式を選んだかを一文で添えます
- 比較した候補:採用しなかった方式と、比べた基準を書きます
- 運用への影響:選んだ方式によって変わった、公開後の運用の負担を書きます
3つはいずれも、担当した機能の一覧に一行を足すだけでは書けません。作業の裏にあった判断を思い出す作業が必要です。
3つを全ての機能について書く必要はありません。方式の選択が特に関わった場面を選び、そこに絞って書く方が読み手には伝わりやすくなります。
書き終えたら、3つの要素が別々の場面を指しているかを確認します。同じ機能から3つとも書いてしまうと、経験の幅が狭く見えることがあるため、担当してきたプロジェクトのなかから異なる場面を選ぶようにします。
募集要項に描画方式についての記載がある求人であれば、その記載と自分が選んだ方式の経験を照らし合わせておくと、書類のどこを厚く書くかを判断しやすくなります。
3つの要素を書き出す際は、実際に使った言葉ではなく、面接官にも伝わる一般的な言い回しに置き換えておくと、初対面の相手にも判断の内容が伝わりやすくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. Nuxtの経験しかない場合でも、描画方式の選択について書けますか。
A. 担当したプロジェクトのなかで、サーバー側で描く方式とあらかじめ生成しておく方式のどちらかを選んだ場面があれば、その経験をもとに書けます。両方の方式を比較した経験がなくても、選んだ方式とその理由を書くことはできます。
Q2. 描画方式を自分では選ばず、既存の設計に従っていた場合はどう書けますか。
A. 既存の設計をそのまま踏襲した場合でも、その設計がなぜその方式を採用していたかを理解していたかどうかが書き分けの材料になります。設計の理由まで把握していた場合は、その理解を書く余地があります。
Q3. 描画方式の選択は、職務経歴書のどの部分に書くのが適切ですか。
A. 担当したプロジェクトの説明のなかに、技術名だけでなく判断の経緯として書き加える形が考えられます。プロジェクトごとの説明の一部として書くと、担当範囲と判断の両方が伝わります。
Q4. 描画方式についての説明は、面談でも同じ内容を使えますか。
A. 職務経歴書に書いた選んだ理由や比較した候補は、面談での説明にもそのまま使える内容です。書類で結論を示し、面談で経緯を補うという役割分担もできます。
8. まとめ:Nuxtは、選択の理由まで書くと伝わります
この記事の要点
- Nuxtの経験は、サーバー側で描くか事前に生成しておくかという描画方式を、どの要件から選んだかで伝わり方が変わります
- 転職者数は330万人、転職等希望者数は1023万人という規模のなかで、選んだ理由の説明が他候補との差になります*1
- 描画方式の選択は、運用の負担まで含めて説明すると判断の深さが伝わります
- 選んだ理由・比較した候補・運用への影響という3つの要素を職務経歴書に足せます
- 選択の説明を4つの順番で組み立てると、書類と面談で同じ内容を使えます
技術名を書き直すのではなく、その裏にあった判断を言葉にすることが、Nuxtの経験を実績に変える最初の一歩になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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