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色の使い分けだけに頼る求人|伝わらない場面が残る

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

色の使い分けだけに頼る求人|伝わらない場面が残るのイメージ写真

求人票や社内の資料では、重要な部分を目立たせるために色を使う場面がよくあります。ですが目立たせ方が一種類しかないと、同じ画面を見ても同じ意味が伝わっているとは限りません。求人票の強調表示も、社内のステータス管理も例外ではありません。ITエンジニアとして資料や画面を作る側に立つ機会が増えるいまこそ、押さえておきたい視点です。

総務省の調査では、テレワークを導入している企業は47.3%です*1。資料や画面を見る場所は、会社のオフィスだけではなくなりました。色だけに意味を持たせた作りでは、見る環境によって伝わり方が変わってしまいます。

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数字で見る、働き方と資料の環境 この記事の要約 テレワーク導入企業の割合 *1 47.3% 常用雇用者100人以上の企業 総務省・2024年調査 資料を見る場所は一様ではない 一般労働者の賃金(45〜49歳) *2 377.9千円 月額 厚生労働省・2025年調査 資料を作る立場に回る年代 転職で賃金が変わらない人 *3 28.4% 転職入職者のうち 厚生労働省・2024年 年収以外の配慮も評価に関わる 働き方が広がるほど、強調の仕方も見直す必要があります *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 色だけに意味を持たせると、見え方が異なる人には情報が届きません。伝えたい意味は、文字や記号などほかの形でも用意しておく必要があります。
  • 強調が伝わらない場面は、見え方の違いだけが原因ではありません。印刷したときの濃淡、画面の設定、屋外の明るさでも、同じ強調が同じようには伝わりません。
  • テレワークを導入している企業は47.3%です*1。資料を見る場所が増えるほど、ひとつの表現だけに頼った強調は伝わらない場面が増えていきます。

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画面や資料の使いやすさへの配慮も、リモートワーク対応の求人では評価されます。

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1. 色だけに頼った強調は、伝わらない場面を生みます。

色だけに意味を持たせた資料は、見え方が異なる人に情報が届かない作りになります。厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金(45〜49歳)は月377.9千円でした*2。この年代では資料を作る側やレビューする側に回る場面が増えていきます。強調の方法に、文字や記号など別の手がかりを添えておくかどうかが、資料の完成度を左右します。

求人票や社内資料で「重要な部分は赤字」「対応済みは緑」のように、色だけで意味を割り当てる作り方は珍しくありません。作った側には自然に見えても、赤字と緑の区別そのものが、見る人によっては伝わらないことがあります。

強調が伝わらない場面は、見え方の違いだけに限りません。画面の明るさやコントラストの設定、印刷したときの濃淡、屋外で確認するときの反射など、伝わり方は環境によっても変わります。

資料を作る立場になったときに問われるのは、強調をやめることではなく、色に加えて何を用意しておくかです。文字のラベルや記号、下線や太字を添えておけば、見え方や環境が変わっても同じ意味が伝わります。

開発の現場でも同じことが起きています。CIの実行結果を緑と赤だけで示すバッジ、ステータスバーの表示、Slack通知のラベルなど、状態を示す手段が塗りだけに閉じている場面は少なくありません。文字のステータス名を併記しておけば、通知を後から見返すときにも同じ情報が伝わります。

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2. 強調の仕方によって、資料の伝わり方が変わります。

求人票や社内資料で使われる強調の仕方を、ひとつの表現に絞った場合と、複数の手がかりを重ねた場合とで比べます。

強調の伝わり方の比較 強調の仕方をひとつに絞った資料 重要な行を目立たせていても、表現がひとつに偏っています 画面の設定や明るさが変わると、強調が伝わりません 印刷して配布すると、強調の違いが消えることがあります 強調の仕方を重ねた資料 重要な行には、文字の太さや記号も一緒に添えています 画面の設定が変わっても、文字や記号の情報は残ります 印刷しても、強調の意図がそのまま伝わります 強調の伝わり方は、資料を見る環境によって変わります

強調の仕方をひとつに絞ると、作る側の手間は減りますが、伝わる相手の幅は狭くなります。見え方が異なる人だけでなく、画面や紙という媒体の違いにも弱くなります。レビューの場でも、強調の意図を毎回言葉で補う必要が出てきます。

文字や記号を重ねる作り方は、最初の手間は増えます。ですが一度整えれば、見る人や見る環境が変わっても、同じ資料を使い続けられます。

どちらの資料も、作った直後は見分けやすく感じられます。差が出るのは、時間が経ってから見返すときや、別の担当者が引き継いだときです。文字や記号を添えておいた資料は、そうした場面でも読み解く手がかりを保っています。

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3. 色が伝わらない場面は、見え方の違いだけではありません。

色が正しく伝わらない場面というと、色の見え方が人によって違うことだけを思い浮かべがちです。ですが実際には、それ以外の要因のほうが日常的に起きています。

画面の明るさや、色合いの調整具合は、パソコンやスマートフォンによって違います。初期設定のまま使っている人と、細かく調整して使っている人では、同じ資料でも見え方が変わります。

資料を紙に印刷すると、画面で見えていた差が薄れることがあります。特に淡い色同士を組み合わせていた場合、白黒コピーでは区別そのものがなくなります。

屋外でスマートフォンの画面を確認するときも、強い光の下では差が見えづらくなります。求人票をスマートフォンで確認する場面も、実際にあります。移動中や休憩中に開くという読み方は珍しくありません。

ターミナルやエディタの表示テーマも、利用者ごとに設定が異なります。同じログの警告表示でも、暗い設定のまま見る人と、明るい設定に変えている人とでは、目に入る強さが変わります。

見え方が異なる人・画面の設定・印刷・屋外の明るさ、条件はいくつも重なります。色だけに意味を持たせた資料は、そのうちの1つに当たるだけで情報が届かなくなります。

4. 強調の仕方を、表でまとめて確認します。

求人票や社内資料でよく使われる強調の方法を、ひとつの表現に絞った場合と、文字や記号も添えた場合とで比べます。エンジニアが日常で目にする表示にも、同じ傾向があります。

【表1】強調をひとつの表現に絞った場合と、文字・記号も添えた場合の比較

場面ひとつの表現だけの強調文字・記号も添えた表示違いが出る場面
ステータス表示赤字だけで警告を表す「要対応」の文字を赤字に添える赤字の意味が伝わらない場面が残る
グラフの凡例線の太さだけで系列を分ける線の形(実線・点線)も変える同じ資料でも系列を区別できる
求人票の強調「急募」を赤文字だけで示す「急募」に太字と下線も加える文字の変化だけでも意味が伝わる
ログの警告表示赤文字だけで警告を示す「WARN」の文字も併記するログを後から検索しても分かる

表のとおり、ひとつの表現だけに頼った強調は、赤字や特定の見た目そのものに意味を集約させています。見え方や画面の設定が変わると、その意味は伝わらなくなります。

文字や記号を添えた表示は、特定の見た目が使えない状況でも同じ情報を保てます。求人票のように一度作って複数の人が見る資料では、この差が結果に直結します。

表に挙げた例はどれも、実装のコストが大きくかかるものではありません。既存の表示に、文字や記号をひとつ加えるだけで対応できます。

5. 資料を見る場所は、オフィスだけではなくなりました。

テレワークが広がったことで、求人票や社内資料を見る場所は会社のオフィスだけではなくなりました。

資料を見る環境の広がり テレワーク導入企業の割合 オフィスの画面だけで見る 在宅など複数の場所で見る 総務省調査(2024年・常用雇用者100人以上の企業) 見る環境が広がるほど、目立たせ方をひとつに絞るリスクが上がります

総務省の調査では、テレワークを導入している企業は47.3%です*1。資料を見る画面は、会社のディスプレイだけでなく、自宅のモニターやスマートフォンにも広がっています。

画面で色を使った強調も、自宅のディスプレイの設定や、屋外で確認するときの明るさによって、同じようには見えません。ひとつの表現だけに頼った資料は、見る場所が増えるほど伝わらない場面が増えます。

資料を作る側にできることは、強調をやめることではありません。ひとつの表現に加えて、文字や記号でも同じ意味を伝えられるようにしておくことです。

ステータスバッジやダッシュボードも、開発者だけでなく、採用担当者や求職者が見る場面が増えています。見る人が広がるほど、強調の設計に配慮する必要が出てきます。

6. 強調を、複数の手がかりで補う方法を整理します。

求人票や社内資料で、色に加えて確認しておきたい具体的な方法を整理します。

強調を複数の手がかりで支える方法

  • 文字ラベル:状態や重要度は、色だけでなく文字でも明記します。
  • 記号:注意や完了を示す記号を、強調に加えて配置します。
  • 下線・太字:強調したい文字は、線の有無や太さでも目立たせます。
  • 並び順:優先度の高いものを先頭に置き、見た目に関わらず順番で伝えます。
  • コントラスト:背景と文字の明るさの差を十分に確保し、濃淡だけに頼らないようにします。

厚生労働省の調査では、転職入職者のうち賃金が『変わらない』人の割合は28.4%です*3。年収の変化だけでなく、資料の作り方のような細かな配慮ができるかどうかも、日々の評価に関わる場合があります。

文字ラベルや記号、下線や太字、並び順は、どれも特別な技術を必要としません。ひとつ加えるだけで、見る人や見る環境に関わらず同じ意味を伝えられます。

ここに挙げた方法は、資料を新しく作るときだけでなく、既存の求人票や社内資料を見直すときにも使えます。ひとつずつ確認していくだけで、伝わる相手の範囲を広げられます。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 既存の資料に手を入れる場合、最初に確認する点は何か。

A. 「ひとつの表現だけで意味を持たせている箇所」を洗い出します。文字や記号が添えられていない部分から優先して直すと、手間に対する効果が大きくなります。

Q2. 強調の表現自体はやめるべきか。

A. やめる必要はありません。強調は情報を目立たせる手段として有効です。問題になるのは、ひとつの表現だけに意味を集約させてしまう作り方です。

Q3. 文字や記号を加えると、資料が読みにくくならないか。

A. 添える情報を最小限に絞れば、読みにくさは大きく増えません。状態を示す1文字のラベルや、短い記号1つで十分な場面があります。

Q4. この視点は、求人票を読む側にとっても意味があるか。

A. あります。求人票の強調がひとつの表現だけに頼っている場合、見落としが起きやすくなります。文字や記号でも示されている部分を優先して確認する読み方が有効です。

Q5. 資料を作る経験は、転職活動でどう伝えればよいか。

A. 「ひとつの表現だけに頼らない表示を意識した」という具体的な工夫として伝えると、開発の姿勢が伝わりやすくなります。数字や成果だけでなく、作り方の配慮も経験として話せます。

Q6. 既存のダッシュボードやステータス表示を直す優先順位はどう決めるか。

A. 利用者が多い画面から直すと効果が大きくなります。文字や記号が一切ない、塗りだけの表示を先に洗い出すと、直す範囲を絞り込めます。

8. まとめ:強調は、複数の手がかりで支えられます。

この記事の要点

  • 色だけに意味を持たせた資料は、見え方が異なる人に情報が届かない作りになります。
  • 強調が伝わらない場面は、見え方の違いだけではありません。画面の設定、印刷、屋外の明るさでも同じことが起きます。
  • テレワークを導入している企業は47.3%です*1。資料を見る場所が広がるほど、ひとつの表現だけに頼った強調は伝わりにくくなります。
  • 文字ラベル・記号・下線や太字・並び順を強調に加えておくことが、見る人や環境に関わらず同じ意味を伝える方法になります。

強調を使うこと自体は問題ではありません。ひとつの表現だけに意味を預けてしまう作り方が、伝わらない場面を生みます。文字や記号など、もうひとつの手がかりを添える視点は、資料を作る場面でも、求人票を読む場面でも役立ちます。資料を作る場面だけでなく、開発の現場全体に当てはまる視点です。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 総務省「通信利用動向調査」(2025年公表)
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)

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