リファレンスチェックとは?エンジニア転職での依頼先と流れ
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

リファレンスチェックは、応募者の同僚や元同僚に話を聞く選考の一部です。誰に依頼するかによって、話せる内容も相手にかかる負担も変わります。現職に頼むか前職に頼むか、何をどこまで伝えて依頼するかを事前に整理しておくと、相手の時間を大きく使わずに進めやすくなります。
依頼の負担を左右するのは、誰に頼み、何をどこまで伝えるかです。伝える範囲と所要時間の目安を絞っておくと、相手の対応にかかる時間も抑えやすくなります。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
この記事のポイント
- 頼む相手は、現職の同僚か前職の関係者かで、話せる内容と相手への負担が変わります
- 情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍です*1。市場の状況を示す数字で、実施の有無を左右するものではありません
- 依頼の前に応募先へ確認し、伝える範囲と所要時間の目安を相手に伝えておくと、負担を軽くできます
1. リファレンスチェックは、誰に頼むかで話せる内容が変わります
リファレンスチェックを頼むときにまず決まるのは、依頼する相手です。現職の同僚と前職の関係者とでは、話せる内容も相手にかかる負担も違います。情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍です*1。依頼してよい範囲は、応募先へ確認しておくと進めやすくなります。
リファレンスチェックは、応募者本人以外の話を聞くことで、選考の判断材料を増やす仕組みです。誰に依頼するかによって、聞ける内容の幅も、相手が答えやすいかどうかも変わってきます。
現職の同僚に依頼する場合と、前職の関係者に依頼する場合とでは、置かれている立場が違います。立場の違いは、伝えられる内容にも、依頼のしやすさにも影響します。
IT人材の市場は、新規求人倍率3.92倍という水準にあります*1。この数字は求人と求職者の状況を示すものであり、リファレンスチェックを実施するかどうかを決めるものではありません。
依頼してよい範囲や進め方は、応募先の運用によって異なります。依頼を検討する段階で、応募先に確認しておくと、相手を選ぶ判断がしやすくなります。
リファレンスチェックは、書類や面接だけでは伝わりにくい、日々の業務の進め方を補う目的で行われます。応募者本人の説明と、第三者の話を照らし合わせる材料のひとつです。
実施の有無や、選考の中でいつ伝えられるかは、応募先や職種によって異なります。選考の早い段階で伝えられることもあれば、内定に近い段階で伝えられることもあります。
2. 現職の同僚と前職の関係者では、頼みやすさが違います
リファレンスチェックを依頼する相手は、大きく現職の同僚と前職の関係者の2つに分かれます。
現職の同僚に依頼する利点は、直近の業務ぶりを、そのままの状況で伝えてもらえる点にあります。ただし、依頼を伝えた時点で、転職を考えていることが相手に知られることになります。
前職の関係者であれば、転職の意思を気にせず依頼の連絡がしやすくなります。一方で、話せる内容は在籍していた時期までにとどまり、転職後の状況までは伝えられません。
どちらの相手にも、話せる内容の新しさと依頼のしやすさという、別々の利点があります。優先するのは内容の新しさか、依頼のしやすさか、という軸で考えると選びやすくなります。
依頼する人数は、1人に絞る必要はありません。応募先が求める人数の目安を確認しておくと、現職・前職からそれぞれ何人ずつ選ぶかを決めやすくなります。
現職と前職のどちらを選ぶかは、この2つの軸の優先順位で変わります。次の項目では、上司と同僚という軸も加えて、伝えられる内容をさらに具体的に見ていきます。
3. 頼む相手ごとに、伝えられる内容と気をつける点を整理します
依頼する相手を、上司と同僚、現職と前職の組み合わせで見ると、伝えられる内容の違いがさらにはっきりします。同じ『現職』『前職』という区分でも、誰に頼むかで粒度は変わります。
頼む相手による違い
| 頼む相手 | 伝えられること | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 現職の上司 | 直近の実績や役割の担い方 | 依頼を伝えると転職の意思が伝わります |
| 現職の同僚 | 日々の業務での進め方 | 上司と同様、在職中の関係に影響します |
| 前職の上司 | 在籍していた時期の実績や役割 | 話せる内容は在籍期間までに限られます |
| 前職の同僚 | 当時の業務の進め方 | 転職後の状況までは分かりません |
現職の上司や同僚は、直近の業務ぶりを伝えられる分、依頼したこと自体が転職の意思として伝わる可能性があります。依頼するタイミングは、慎重に選ぶ必要があります。
前職の上司や同僚は、転職の意思を気にせず依頼しやすい一方、話せる内容は在籍していた時期までに限られます。転職後にどう働いているかは、前職の関係者からは伝えられません。
同じ現職・前職という区分でも、上司は評価に近い視点、同僚は日々の業務での様子という、異なる視点を持っています。どちらの視点を重視するかも、相手を選ぶ材料になります。
依頼する人数の目安は、応募先によって異なります。表の4パターンから、必要な人数に応じて組み合わせを選ぶことになります。
4つの組み合わせは、それぞれ伝えられる内容と気をつける点が異なります。1人に絞らず、複数の相手に依頼して内容を補い合う進め方もあります。
あわせて読みたい | 役員面接で見られるのは何か|一次・二次との違い
4. 相手の時間を使う依頼だという前提で進めます
リファレンスチェックは、依頼された側にとって、選考のために時間を割く行為です。忙しい時期に依頼が届けば、対応が後回しになることもあります。
相手の負担を軽くする一番の方法は、伝える範囲をあらかじめ絞っておくことです。聞かれそうな内容の見当がつけば、相手も答える準備がしやすくなります。
依頼する際は、おおよその所要時間も併せて伝えておくと、相手が対応する時間を確保しやすくなります。急な依頼よりも、余裕を持った依頼のほうが、相手の負担は小さくなります。
応募している求人の内容を簡単に伝えておくと、相手も何を基準に答えればよいかが分かり、的確に答えやすくなります。
依頼する前に、リファレンスチェックへの協力をお願いできるかどうかを、一言確認しておくと、相手も心づもりができます。
依頼した内容や対応してもらった結果を、本人の了承なく他の人に伝えないようにすることも、相手への配慮のひとつです。
負担を軽くする工夫は、伝え方だけでなく、依頼するタイミングにも及びます。相手が忙しい時期を避けて依頼できると、対応してもらいやすくなります。
依頼のタイミングと伝える範囲、この2つを整えておくだけでも、相手が対応にかかる負担の大きさは変わってきます。
あわせて読みたい | システム設計面接とは何を見る面接か|答え方の順番
5. 依頼までの流れを、4段階で押さえます
4段階の中でも、最初の『応募先に確かめる』は後回しにしない方がよい項目です。実施の有無や進め方が分からないまま相手を選ぶと、あとから依頼の内容を変える必要が出ることがあります。
確認する内容には、実施の有無だけでなく、進め方や必要な人数も含めておくと、次の『相手を選ぶ』段階でまとめて判断できます。
相手を選ぶ段階では、話せる内容の新しさと依頼のしやすさを、応募先が確認したい内容と照らし合わせて判断します。
事前に伝える内容は、範囲と所要時間の目安の2点で十分です。細かく伝えすぎると、かえって相手の負担が増えることもあります。
事前に伝える内容は、口頭だけでなく、メールなど文字に残る形でも伝えておくと、相手が後から見返しやすくなります。
対応が終わった後の感謝の言葉は、簡単な一言でも構いません。相手の時間を使ったことへの意識を持っておくと、次に依頼する機会があったときにも頼みやすくなります。
4段階は、応募先ごとに1回で終わるとは限りません。複数の応募先から依頼される場合は、同じ相手に何度も依頼が続かないよう、段階ごとに調整しておくと相手の負担が偏りにくくなります。
6. 依頼するときに揃えておく情報を、3点にまとめます
依頼する前に、相手へ伝える内容を3点に整理しておきます。
依頼前に整理しておく3点
- 伝える範囲:どの期間・どの業務について聞かれる可能性があるかを、依頼する相手に伝えます
- 連絡の手段:電話かメールか、相手が対応しやすい方法を選んで依頼します
- 所要時間の目安:対応にどの程度の時間がかかりそうかを、あらかじめ伝えておきます
3点はいずれも、依頼する直前に慌てて決めるものではありません。応募先に確認した内容をもとに、依頼する前に整理しておきます。
伝える範囲を先に決めておくと、連絡の手段や所要時間の目安も自然と定まります。3点は順番に整理していくと、抜けが出にくくなります。
連絡の手段は、相手の都合を優先して選びます。急な電話よりも、相手が都合の良いときに読めるメールのほうが、負担が小さいこともあります。
伝える内容をあらかじめ短い文章にまとめておくと、依頼の連絡もスムーズに送れます。
依頼した相手が対応を断ることもあります。その場合は無理に食い下がらず、別の相手に依頼先を切り替えます。
依頼した相手と連絡が取りにくい場合に備えて、代わりに依頼できる相手もあらかじめ考えておくと、選考の進行が滞りにくくなります。
所要時間の目安を伝えておくと、相手はスケジュールを調整しやすくなります。目安が分からないまま依頼すると、対応が後回しにされることもあります。
3点を整理した内容は、複数の相手に依頼する場合も使い回せます。相手ごとに一から考え直す必要はなく、伝える範囲だけを相手に合わせて調整すれば十分です。
あわせて読みたい | 正社員の転職タイミング完全ガイド|月・年齢・状況で見極める動き時
7. よくある質問(Q&A)
Q1. リファレンスチェックは誰に頼むのが一般的ですか。
A. 現職の同僚に頼む場合と、前職の関係者に頼む場合があり、それぞれ話せる内容と相手への負担が異なります。どちらか一方が常に適しているわけではなく、依頼する人数も1人に絞る必要はありません。
Q2. 現職に依頼すると、転職の意思が知られてしまいますか。
A. 依頼した時点で、転職を考えていることが相手に伝わる可能性があります。誰に頼むかは、こうした点も踏まえて選ぶことになります。前職の関係者であれば、この点は気にせず依頼できます。
Q3. 依頼する前に確認しておくことはありますか。
A. リファレンスチェックの実施有無や進め方は、応募先に確認しておくと、依頼する相手を選ぶ判断がしやすくなります。必要な人数の目安も、このときに併せて聞いておくと二度手間になりません。
Q4. 相手にはどこまで伝えればよいですか。
A. 聞かれる可能性がある期間や業務の範囲を、あらかじめ伝えておくと、相手が答えやすくなります。所要時間の目安も併せて伝えておくと、相手も対応しやすくなります。
8. まとめ:リファレンスチェックは、相手選びと伝え方で進めやすさが決まります
この記事の要点
- 頼む相手は、現職の同僚か前職の関係者かで、話せる内容と負担が変わります
- 依頼の前に、実施の有無や進め方を応募先へ確認しておきます
- 伝える範囲と所要時間の目安を、あらかじめ相手に伝えておくと負担を軽くできます
- 依頼する人数は1人に絞らず、応募先が求める目安を確認しておきます
- 対応が終わったら、時間を割いてもらったことへの感謝を伝えます
誰に何をどこまで伝えて頼むかを整理しておくと、相手の負担を抑えながら、選考も落ち着いて進められます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
転職ノウハウ その他の記事
もっと読む 〉-
見込みと確定を同じ画面に出す求人で必要になる印
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) エンジニアの求人を見ていると、年収や採用予定人数のように動きそうな数字と、内定通知書に書かれてもう変わらない数字が、同じ画面に並んで出てきます。見込みの数字 […] -
廃番の品がある求人で3つの終了日をどう決めるか
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 求人票に「廃番」「生産終了」という言葉が並ぶ仕事があります。担当するのは、資産管理や保守管理のシステムに関わるエンジニアです。作られなくなった品は、ある日に […] -
点検の周期がずれた求人|次をいつにするかを決める
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 点検の周期は最初に決めた数字がそのまま残ります。3か月ごと、6か月ごとという間隔は求人票にも書かれますが、その間隔が実際にずれたあと、次の予定をどう数え直す […] -
色の使い分けだけに頼る求人|伝わらない場面が残る
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 求人票や社内の資料では、重要な部分を目立たせるために色を使う場面がよくあります。ですが目立たせ方が一種類しかないと、同じ画面を見ても同じ意味が伝わっていると […]