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移動時間は出社頻度に数えられない|求人で確かめる3点

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

移動時間は出社頻度に数えられない|求人で確かめる3点のイメージ写真

「出社は週1」「リモート可」という条件は、自宅と職場のあいだの移動を指しています。出社の頻度の話ではありません。仕事のなかには、取引先や設備のある場所へ足を運ぶという、別の移動時間があります。これは出社の頻度としては数えられていません。

情報通信業のテレワーク実施率は56.3%、正社員全体では22.5%です*1。この数字が示すのは自宅で働くか出社するかの割合であり、仕事のなかで移動時間が発生するかどうかを示すものではありません。

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数字で見る、求人票に表れない移動 この記事の要約 テレワーク実施率(業種差) *1 56.3% 正社員全体は22.5% パーソル総研(2025年) 自宅か出社かを示す数字 転職等希望者数 *2 1023万人 2025年平均 総務省 労働力調査 動きたい人は多い 一般労働者の賃金(40〜44歳) *3 364.3千円 月額 厚労省 賃金構造基本統計調査(202 5年) 働き方による差ではない テレワークの実施率も賃金も、出張や複数拠点の有無を示す数字ではありません *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 「出社は週1」「リモート可」は、自宅と職場のあいだの移動を指す言葉です。仕事のなかには、取引先や設備のある場所へ行くという別の移動があり、その移動時間は出社の頻度には数えられていません。
  • 転職等希望者数は1023万人です*2。求人票の勤務地欄には、出社の頻度に加えて「※出張あり」といった記載や、対象となる拠点の数が書かれている場合があります。
  • 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です*3。移動時間の有無は、この賃金の水準を決める要因として書かれているわけではありません。書かれていない情報は、面談で確かめる対象になります。

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1. 出社の頻度とは別に、仕事のなかで移動が生まれます。

出社の頻度とは別に、仕事のなかで移動時間が発生する求人があります。「リモート可」「出社は週1」という条件は、自宅と職場のあいだの移動を指す言葉です。総務省の労働力調査によれば、転職等希望者数は1023万人です*2。求人票の勤務地欄には、出社の頻度に加えて「※出張あり」という記載や、対象となる拠点の数が書かれている場合があります。取引先や設備のある場所へ足を運ぶ仕事には、出社の頻度としては数えられない移動時間が生まれます。書かれていない場合は、面談で確かめる対象になります。

「出社は週1」と書かれた求人票を見て、出社の頻度だけを確認して終わる場合があります。しかし、仕事のなかには、自宅と職場のあいだの移動とは別の移動が含まれることがあります。取引先へ行く、設備のある場所へ行く、複数の拠点をまわる。これらは出社の頻度には数えられていません。

こうした仕事には特徴があります。機器や設備、店舗、車両といった現物があり、画面の向こうだけでは仕事が完結しません。打ち合わせの場所が自社ではなく、相手先の会社になる場合もあります。自社の複数の場所に同じ仕組みが入っていて、拠点が分かれている場合も同じです。

求人票の勤務地欄を読むだけでは、こうした移動時間の有無までは分かりません。対象となる拠点の数や、担当する地域の広さが手がかりになります。分からない点は、書かれていないものとして、面談で確かめる対象にします。

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2. テレワークの実施率には、業種で大きな差が出ます。

自宅で働くか出社するかを示す数字として、テレワークの実施率を確認します。

テレワーク実施率の業種差(2025年) 情報通信業 56.3% 正社員全体 22.5% 自宅で働くか出社するかを示す数字です *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

パーソル総合研究所の調査では、情報通信業のテレワーク実施率は56.3%で、正社員全体の22.5%を大きく上回ります*1。ITエンジニアが多い業種は、他の業種より自宅で働く割合が高いという結果です。

ただし、この数字が示すのは自宅で働くか出社するかという割合です。仕事のなかで移動時間が発生するかどうかは、この数字には表れません。テレワークの実施率が高い業種であっても、取引先や設備のある場所へ足を運ぶ仕事が含まれている場合があります。

出社の頻度とテレワークの実施率は、自宅と職場のあいだの移動を測る数字です。仕事のなかで発生するこの移動は、これとは別の軸として確認する必要があります。

テレワークの実施率は、働き方を考えるうえで参考になる数字です。ただし、確認したいのは、それとは別に生まれる仕事のなかの移動をどう見立てるかです。

3. 現物・相手先・拠点は、移動が伴う仕事の目印になります。

移動時間が発生する仕事には、共通する3つの特徴があります。1つ目は、現物があることです。機器や設備、店舗、車両など、画面の向こうだけでは完結しない対象が仕事のなかにあります。

2つ目は、相手先で決めることです。打ち合わせの場所が自社ではなく、相手の会社になる場合があります。訪問の日程も、自社の都合だけでは決まりません。

3つ目は、拠点が分かれていることです。自社の複数の場所に同じ仕組みが入っている場合、それぞれの場所を確認したり調整したりする仕事が生まれます。拠点の数が多いほど、移動時間は増える傾向があります。

現物の有無、相手先での決定、拠点が分かれていること。この3つは、単独では判断材料になりません。3つを組み合わせて確認することで、仕事のなかにどれくらいの移動が発生するかの見立てがしやすくなります。

4. 求人票の読み方を、3つの観点で表にまとめます。

求人票を読むときに確認できる、3つの観点を表にまとめます。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)から、一般労働者の賃金も併せて確認します。

【表1】求人票で確認できる観点と、参考となる賃金水準

観点確認できる記載参考数値備考
現物の有無取扱う機器・設備・店舗・車両の記載画面の向こうで完結しない仕事
相手先での決定訪問先・打ち合わせ場所の記載自社の都合だけで決まらない
拠点数対象拠点・担当地域の記載、「※出張あり」の表記拠点が多いほど確認が必要
賃金の参考水準求人票の給与欄月364.3千円(40〜44歳)移動の有無で決まる数字ではない*3

表の4つの観点のうち、上の3つは求人票の記載から確認できます。現物の有無、相手先での決定、拠点数のいずれかに当てはまる場合、その仕事には移動時間が含まれている可能性があります。

一般労働者の賃金は、40〜44歳で月364.3千円です*3。この数字は年齢層ごとの平均であり、移動時間の有無によって賃金が決まっているわけではありません。書かれていない情報を、賃金の高さや低さで推測しないことが大切です。

求人票に書かれていない項目は、応募のあとに自分で確認する対象になります。表の4つの観点を面談の前に書き出しておくと、聞き漏らしを防げます。

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5. 確認は、求人票から面談まで3つの順で進めます。

求人票を読むところから、面談で日数を聞くところまでを、3つの順番で示します。

確認する順番 求人票 勤務地欄の記載を読む 拠点数 対象拠点の数を数える 面談 先月の社外日数を聞く 頻度ではなく、実際の日数を聞くと具体的な答えが返ります

求人票では、勤務地の欄に「※出張あり」と小さく書かれている場合があります。対象となる拠点の数や、担当する地域の広さも、確認できる記載です。

次に、対象となる拠点の数を数えます。拠点が1つなのか複数なのかで、その後に必要な確認の深さは変わります。拠点の数が書かれていない場合は、この時点で確認事項として残しておきます。

面談では、頻度ではなく実際の日数を聞きます。「出張は多いですか」ではなく、「先月、社外に出たのは何日でしたか」と聞くと、具体的な答えが返ります。実際の日数を聞くことで、移動時間がどれくらい発生する仕事かを見立てられます。

3つの順番はどこから始めても構いませんが、求人票と面談の間に拠点数を数える手順を挟むと、聞く内容が絞られます。

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6. 出張の有無を確かめる、4つの確認点を挙げます。

求人票と面談で確認しておきたい点を、4つ整理します。

移動時間の有無を確かめるための確認点

  • 現物の有無:取扱う機器・設備・店舗・車両が求人票に記載されているかを確認します。
  • 相手先での決定:打ち合わせや訪問の場所が、自社ではなく相手先になっているかを確認します。
  • 拠点数:対象となる拠点の数や、担当する地域の広さが求人票に書かれているかを確認します。
  • 面談での質問:「先月、社外に出たのは何日でしたか」と、実際の日数で聞きます。

4つの確認点はどれも、求人票の勤務地欄だけでは全て埋まりません。「※出張あり」という記載があっても、対象拠点の数や日数までは書かれていない場合があります。

書かれていない部分は、移動が多い仕事だから条件が悪いと決めつける理由にはなりません。書かれていないので、面談で確かめるという整理にとどめます。

4つの確認点を求人票と面談に分けて使うことで、応募の前に、仕事のなかにどれくらいの移動が発生するかを近づけて把握できます。

4つの確認点は、応募前に一度に全部揃わなくても構いません。分かった時点で書き出しておくと、面談で聞く内容が絞られます。

7. よくある質問(Q&A)

Q1. 移動が多い仕事は、条件が悪いのですか。

A. 求人票や公開されている数字だけでは判断できません。移動時間が多いか少ないかは、待遇の良し悪しを直接示すものではありません。書かれていない部分は、面談で確認したうえで判断します。

Q2. 出張ありと書かれていない求人には、移動時間がないのですか。

A. 「※出張あり」という記載がなくても、移動時間が発生しない仕事とは限りません。記載が省略されている場合や、常時ではなく一時的に発生する場合もあります。拠点の数や担当する地域の広さも、合わせて確認する手がかりになります。

Q3. 面談で移動の有無を聞くとき、どう聞けばよいですか。

A. 頻度ではなく、実際の日数で聞きます。「出張は多いですか」ではなく、「先月、社外に出たのは何日でしたか」と聞くと、具体的な答えが返ります。

Q4. 拠点の数が多い求人は、移動も多くなりますか。

A. 拠点の数だけでは判断できません。拠点ごとの業務が分かれていて、担当者が固定されている場合もあります。対象となる拠点の数と、実際に移動する範囲は、求人票や面談で別々に確認しておく必要があります。

Q5. 移動が多い仕事は、避けたほうがよいですか。

A. 避ける必要はありません。移動時間が多いか少ないかは、仕事の良し悪しを決める基準ではありません。現物・相手先・拠点数という手がかりを踏まえたうえで、自分の希望に合うかどうかを判断する材料にします。

8. まとめ:移動の有無は、書かれていないので先に確かめます。

この記事の要点

  • テレワークの実施率は、情報通信業で56.3%、正社員全体で22.5%です*1。これは自宅で働くか出社するかを示す数字であり、仕事のなかで移動時間が発生するかどうかを示すものではありません。
  • 転職等希望者数は1023万人です*2。求人票の勤務地欄には、出社の頻度だけでなく、「※出張あり」の記載や対象拠点の数が書かれている場合があります。
  • 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です*3。この数字は、移動の有無によって決まっているわけではありません。
  • 現物の有無、相手先での決定、拠点数の3つは、仕事のなかの移動を見立てる手がかりになります。書かれていない部分は、面談で確かめます。

出社の頻度を確認したら、次はもうひとつ別の確認点があります。仕事のなかにどれくらいの移動があるかは、求人票の記載だけでは分からないことがあります。書かれていない部分は、面談で確かめながら、転職の判断を組み立てていきましょう。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 パーソル総合研究所「第十回テレワークに関する調査」(2025年)
*2 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果」(2026年公表)
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)

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