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傷病手当金の標準報酬月額|転職で加入12か月未満なら上限32万円

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傷病手当金の1日あたりの額は、支給開始日の以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割り、3分の2を掛けた額です*1。転職で協会けんぽ(全国健康保険協会)の加入12か月未満の人は、自分の平均と32万円の低いほうを使い、上限32万円になります*1*2。平均が32万円より低い人は、その平均のまま計算します*1。

12か月として数えるのは、協会けんぽの加入が途切れずに続いた月です*2。転職する前も協会けんぽに入っていて、あいだが空いていなければ、その月も数えます*2。申請の前に、会社の健康保険が協会けんぽかを見てください。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 傷病手当金の1日分は、各月の標準報酬月額を支給開始日の月から12か月分さかのぼって平均し、30で割って3分の2を掛けた額です*1。受け取れる期間は、支給が始まった日から数えて通算1年6か月です*1。
  • 加入が12か月に届かない人は、平均が32万円より高くても32万円で計算します*1。平均が40万円の人も、1日分は32万円から出します。
  • 12か月に数えるのは協会けんぽに続けて加入していた月で、今の会社の月だけとは限りません*2。転職の前後とも協会けんぽで途切れていなければ前の会社の月も入り、健康保険組合から移った人は入社してからの月だけです*2。

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1. 傷病手当金の1日あたりの額の計算式

傷病手当金の1日分は、「標準報酬月額の12か月平均÷30×3分の2」で出す額です*1。協会けんぽの加入が12か月に満たない人は、32万円と自分の平均を比べ、低いほうを計算に使います*1*2。そのため12か月未満の人は、支給開始日が令和7年4月1日以降なら、1日分は32万円で出した7,113円が上限です。令和7年3月31日以前に支給が始まった人は、32万円ではなく30万円と比べます*1。

まず平均を出す12か月には、支給開始日のある月も入ります*2。協会けんぽの計算例でも、支給開始日のある月を12か月の最後の月として数えています*1。30で割るのは月の額を1日分に直すためで、その3分の2が1日あたりの支給額です*1。

たとえば協会けんぽは計算の例として、16万円の月が6か月、18万円の月が6か月ある人の平均を17万円としています*1。17万円を30で割った額は、10円未満を四捨五入して5,670円です*1。その3分の2を掛けて1円未満を四捨五入した3,780円が、この人の1日あたりの額になります*1。

実際に支給が始まるのは、仕事を休んだ最初の3日(待期期間)が過ぎた4日目からです。申請書は、会社と医師などの証明を受けてから、加入している協会けんぽの支部に出します*1*2。会社を辞めたあとも受け取るには別の条件があるため、退職を考えている人は次の記事も読んでおいてください。

あわせて読みたい | 傷病手当金は協会けんぽで4日目から|退職後も受け取る2つの条件

2. 加入12か月未満の人が計算に使う額と上限32万円

上限の32万円は受け取る額ではなく、計算に使う標準報酬月額の上限です。毎月32万円が支給されるという意味ではありません。加入が12か月未満の人は、直近の継続した各月について標準報酬月額を平均し、32万円と比べて低い額を使います*1。協会けんぽの加入が入社からの6か月だけで、6か月とも標準報酬月額が26万円の人なら、平均の26万円が32万円より低いのでそのまま使います。6か月とも40万円の人は、平均の40万円より32万円のほうが低いため、32万円が計算に使う額です。

加入6か月の人の計算に使う額 標準報酬月額26万円の人 26万円 標準報酬月額40万円の人 32万円 40万円の人は32万円で計算する *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

実際に1日あたりの額にすると、26万円の人は30で割った約8,670円の3分の2で、5,780円になります。40万円の人は、32万円を30で割った約10,670円の3分の2で、7,113円です。自分の平均の40万円で計算した場合と比べると、1日あたりの額は少なくなります。

逆に、26万円の人のように平均が32万円以下の人は、加入が12か月未満でも計算に使う額は自分の平均から変わりません。上限の32万円が関わるのは、40万円の人のように平均が32万円を超える人だけです。自分の平均が32万円を超えそうな人は、前の会社の月が12か月に入るかどうかを先に見てください。

3. 自分の1日あたりの額は4つの手順で出す

まず、支給開始日が入っている月から、協会けんぽの加入が続いた月をさかのぼって数えます*2。数えた月が12か月以上なら直近12か月の、12か月未満ならその月数分の標準報酬月額を平均します*1。加入が何年も続いている人も、平均に使うのは支給開始日の月から数えた直近の12か月だけです*1*2。月によって額が違う人は、各月の額を足して月数で割ってください。

次に、12か月未満の人だけは、出した平均と32万円を比べて低いほうを選びます*1。32万円を超える月が混じっていても、平均が32万円以下なら選ぶのは平均のほうです。12か月以上の人は32万円と比べずに、出した平均をそのまま使います。最後の計算は、選んだ額を30で割ってから3分の2を掛けるだけです*1。四捨五入するのは、30で割った額の10円未満と、3分の2を掛けた額の1円未満です*1。

たとえば前の会社が健康保険組合で、入社から6か月で休む人は、最初の手順で数える月が6か月になります。12か月に届かないため、この人が30で割るのは、6か月の平均と32万円のうち低いほうの額です。前の会社も協会けんぽで加入が続いている人なら、最初の手順で数える月が前の会社の分だけ増えると考えられます。

4. 前の会社の月が12か月に入る人と入らない人

協会けんぽ北海道支部は、12か月を「支給開始日の属する月以前の直近の協会けんぽの被保険者期間で継続した12か月間」と説明しています*2。被保険者期間とは、協会けんぽに加入していた期間のことです。「協会けんぽの」「継続した」とあるので、前の会社も協会けんぽで、退職から入社まで加入が途切れていなければ、前の会社の月も入ると読めます。同じ読み方をすると、前の会社が健康保険組合だった人の協会けんぽの期間は、今の会社に入ってからの月数だけです。

協会けんぽの加入が12か月あるかで計算に使う額が変わる 支給開始日の月以前に、協会けんぽの加入が継続して12か月以上あるか はい(12か月以上) 直近12か月の標準報酬月額の平均で計算する いいえ(12か月未満) 自分の平均と32万円の低いほうで計算する 12か月は協会けんぽの加入が途切れずに続いた月だけで数える

そのため、入社から6か月の人でも、前の会社から協会けんぽの加入が続き、合わせて12か月以上あれば、32万円と比べずに計算すると考えられます。途中で加入が途切れた人は、「直近の」「継続した」の文言から、途切れる前の月は数えないと解釈できます。退職から入社までに協会けんぽ以外の健康保険へ入った月がある人は、加入が途切れていないかを協会けんぽの支部に聞いてください。

転職のあとは、前の会社と今の会社で標準報酬月額が同じとは限りません。前の会社の月も12か月に入る人は、前の会社のときの額も含めて12か月分を平均すると読めます。額が変わった人は、変わる前と後の月数をそれぞれ数え、各月の額を足して12で割ってください。

あわせて読みたい | 健康保険の切り替え|退職から入社までの窓口

5. 計算に使う標準報酬月額の早見表

傷病手当金の計算に使う額は、協会けんぽの加入月数と自分の平均の2つで3通りに分かれます*1。左の2列で自分の行を選ぶと、右の列に計算に使う額があります。表に当てはめる前に、支給開始日の月までに加入が続いた月数を数えておいてください。

計算に使う標準報酬月額

協会けんぽの加入自分の平均計算に使う額
12か月以上問わない直近12か月の平均
12か月未満32万円以下自分の平均
12か月未満32万円を超える32万円

一方、支給の始まりが令和7年3月31日までだった人は、表の32万円を30万円に読み替えてください*1。2行目と3行目の「自分の平均」は、12か月に満たない継続した月だけで出した平均です*1。1行目の「問わない」は、平均が32万円を超えていても、その平均をそのまま使うという意味です。

6. 入社して間もなく休む人が見る健康保険と給与

入社して12か月に満たないうちに休む人は、申請書を出す前に次の4つを見ておくと、受け取れる額の見当がつきます。はじめの2つで分かるのは、早見表のどの行に当たるかです。あとの2つからは、計算の元になる額と、差し引かれる給与の額が分かります。

転職して間もなく休むときに見ること

  • 入社した会社の健康保険:協会けんぽか、健康保険組合か。協会けんぽなら、早見表の3行のどれかで計算します。
  • 前の会社の健康保険:退職するまで協会けんぽだったか、入社までに加入が途切れていないか。両方に当てはまれば、前の会社で加入していた月も12か月に入ります*2。
  • 自分の標準報酬月額:協会けんぽに加入してからの各月の額と、その平均。平均が32万円を超えるかどうかで、計算に使う額が変わります。
  • 休んでいる間の給与:会社から支払われているか、その額が支給額以上か。支払われた分は、支給額から差し引かれます*2。

たとえば今の会社で健康保険組合に入っている人は、協会けんぽと同じ計算になるとは限らないため、加入している組合に聞いてください。給与が支給額以上に出ている間は、傷病手当金は支給されません*2。自分の標準報酬月額が分からないときは、今の会社の担当者に各月の額を聞いてください。

7. 傷病手当金の計算でよくある質問

Q1. 転職する前の会社の期間も12か月に入りますか

A. 前の会社の健康保険も協会けんぽで、転職のあいだも加入が続いていれば入ります*2。協会けんぽ北海道支部が、12か月を協会けんぽの加入が継続した期間で数えると説明しているためです。健康保険組合から移ってきた人は、今の会社に入社した月から数えることになります。

Q2. 退職して任意継続にしていた間の病気やけがにも支給されますか

A. 任意継続被保険者である期間中に起きた病気やけがには、傷病手当金が支給されません*1。任意継続は、退職したあとも協会けんぽの健康保険を続ける入り方のことです。転職のあいだに任意継続を使った人は、病気やけがが起きた日がその期間に入っていないかを見てください。

Q3. 傷病手当金はいつまで受け取れますか

A. 支給を開始した日から通算して1年6か月です*1。「通算して」とあるので、支給を受けた期間を足して数えると読めます。

Q4. 上限の32万円は何をもとにした額ですか

A. 前年度の9月30日時点の全被保険者(協会けんぽに入っている人全員)の標準報酬月額を平均した額です*1。自分の給与や標準報酬月額から決まる額ではありません。

Q5. 転職のあいだに国民健康保険に入っていた月があるとどうなりますか

A. 国民健康保険は協会けんぽとは別の健康保険なので、その月で協会けんぽへの加入が途切れると考えられます*2。この場合は入社した月から数え直し、12か月に満たなければ32万円と比べる計算です*1。

8. まとめ:転職して12か月未満なら32万円と平均を比べる

この記事のまとめ

  • 傷病手当金の1日分は、12か月分の標準報酬月額の平均から出し、30で割った額の3分の2が支給額です*1。
  • 協会けんぽの加入月数が12か月未満なら、自分の平均か32万円の低いほうを計算に使い、上限は32万円です*1。
  • 令和7年4月1日以降に支給が始まる人は32万円、それより前の人は30万円と比べます*1。
  • 転職の前後で協会けんぽに入り続けている人は、前の会社の期間も12か月に数えます*2。
  • 休んでいる間の給与は支給額から引かれ、支給額以上なら傷病手当金は出ません*2。

まず申請書を出す前に、今の会社の加入先が協会けんぽか、前の会社から加入が続いているかを見ておくと、表のどの行で計算するかが分かります。加入が続いているか分からないときは、申請の前に協会けんぽの支部へ問い合わせてください。

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出典・参考情報

*1 協会けんぽ「傷病手当金」
*2 協会けんぽ北海道支部「傷病手当金について」(令和8年3月13日)

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