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雇用契約書がない場合|労働条件通知書などの書面を会社に求める

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雇用契約書がない場合でも、労働契約は口頭で成立します*1。ただし、賃金や労働時間などの重要な労働条件は書面で示す決まりなので、手元になければ労働条件通知書などの書面を会社に求めてください*1*2。実際には、この書面として労働条件通知書が渡されることがよくあります*1。

転職なら、この書面は入社する前に受け取って読んでおきます。本人が希望すれば、電子メールやSNSのメッセージなどで受け取ることもできます*1*2。書かれた条件が求人票や面接の説明と違うときは、入社前に会社へ尋ねてください*1。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 雇用契約書がない場合でも、労働契約は口頭で成立します。ただし、賃金や労働時間などの重要な労働条件は、会社が書面で示す決まりです。
  • 書面は労働条件通知書として渡されることが多く、本人が希望すればメールやSNSのメッセージでも受け取れます。届いていなければ、入社前に会社へ書面を頼んでください。
  • 届いた書面では、契約期間、働く場所と仕事、始業・終業の時刻と休日、賃金、退職に関する事項を読みます。求人票や面接の説明と違うところは、入社前に会社へ尋ねてください。

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1. 雇用契約書がなくても労働契約は口頭で成立する

雇用契約書がない場合でも、労働契約は口頭で成立します*1。会社は、労働時間や賃金などの重要な労働条件を書面で示さなければなりません*1*2。雇用契約書が手元にないなら、労働条件通知書のような書面が届いているかを先に見てください。届いていなければ、入社前に書面の交付を会社に求めます*1。

具体的には、雇用契約書をもらっていない状況は2つに分かれます。労働条件通知書のように条件を書いた書面は届いている場合と、書面が何も届いていない場合です。届いているなら賃金や労働時間などが書かれているかを見て保管し、届いていないなら書面を渡してもらうよう入社前に会社へ頼んでください*1。

一方、入社してから雇用契約書がないと気づいたときは、頼む相手が採用の担当者から社内の人に変わります。手元に労働条件を書いた書面がなければ、人事の担当者や上司に書面の交付を求めてください*1。働き始めたあとでも、示されていない条件や疑問のある条件は、そのままにせず会社に尋ねるよう厚生労働省が案内しています*1。

2. 内定のあと入社前に労働条件の書面を受け取る

転職では、内定の連絡を受けてから入社日までのあいだに、労働条件を書いた書面を受け取っておきます。先に読んでおけば、賃金や休日の条件を、求人票や面接で聞いた話と比べてから働き始められます。読んで分からない書き方があれば、入社日より前に会社へ聞いておいてください。

内定から入社までに受け取る書面 書面が届く 内定のあと 内容を見る 賃金と労働時間 会社に聞く 疑問は残さない 入社 書面は保管する 書面の内容に疑問があれば入社前に会社へ聞き、書面は入社後も保管する

実際には紙の書面のほか、本人が希望すればFAXや電子メール、SNSのメッセージなどで受け取ることもできます*1*2。ただし、その記録を出力して書面にできるものに限られます*1。メールで届いたときは、添付ファイルも含めて消さずに残し、いつでも印刷できるようにしておいてください。

書面が届かず会社に頼むときは、「入社前に条件を読んでおきたいので、労働条件の書面をいただけますか」のように、書面がほしい理由を添えて伝えます。メールで受け取りたいなら、同じ連絡の中でその希望も書いておいてください。希望を文章で伝えておけば、メールで受け取ることを自分から選んだと分かる記録が残ります。

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3. 署名し合う雇用契約書と会社が渡す労働条件通知書

雇用契約書は、会社と本人の両方が署名する契約の書面です。これに対して労働条件通知書は、会社が労働条件を書いて本人に渡す書面です。入社先から届いた書類の名前がどちらでも、賃金や労働時間などの条件が書かれているかを先に読んでください。

理由は、法律が書面で示すよう会社に求めているのが、賃金や労働時間といった重要な労働条件だからです*1。実際には、会社が労働条件通知書を交付する方法で示すことがよくあります*1。そのため、雇用契約書が見当たらなくても、労働条件通知書にこれらの条件が書かれていれば、重要な労働条件は書面で受け取っています。

会社から雇用契約書への署名を頼まれたときは、書かれた条件を労働条件通知書や面接の説明と見比べてから署名してください。署名した書面も受け取った書面も、入社後に見返せる場所へ保管しておきます。紙の書面は同じ場所にまとめ、メールで届いたものはフォルダを分けて残しておくと、あとで探しやすくなります。

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4. 書面での明示と確認を定める労働基準法15条と労働契約法4条

口頭で成立した労働契約でも、条件を書面にしないままでよいわけではありません。労働基準法と労働契約法が、それぞれ書面についての決まりを置いているからです*1。書面の決まりを知っておけば、会社に書面を頼むときに理由を添えて伝えられます。

口頭で成立する労働契約と労働基準法・労働契約法の書面の決まり 書面で確認 内容はできる限り書面で確認し合う (労働契約法4条) 書面で明示 重要な労働条件は書面で明示される (労働基準法15条) 口頭で成立 労働契約は口頭でも成立する 契約は口頭で成り立つが、重要な労働条件は書面で示し、契約の内容も書面で確認し合う

まず、労働基準法15条1項は、会社が労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示(はっきり示すこと)しなければならないと定めています*2。なかでも重要な労働条件は、書面で知らせなければなりません*1。会社にこの義務があるので、書面が届かないときは本人から交付を頼むことができます*1。

次に、労働契約法4条は、会社に対して、本人に示す労働条件と契約の内容について、本人の理解を深めるようにすることを求めています*1。そのうえで、会社と本人は契約の内容をできる限り書面で確認するものとされています*1。たとえば面接で聞いた年収や勤務時間は、「面接で伺った条件はこの内容で合っていますか」とメールで会社に送り、返信をもらっておくと見返せる記録が残ります。返事が来なければ、入社する前にもう一度問い合わせてください。

5. 書面で示すと決まっている主な労働条件

労働条件のうち書面で示す事項は、労働基準法施行規則という規則で決まっています*2。主なものは次の6つで、厚生労働省のホームページにある労働条件通知書のひな形にも、これらの事項が書かれています*2。

書面で明示される主な事項

事項厚生労働省の資料での書き方
契約の期間労働契約の期間
更新するときの基準期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
働く場所と仕事就業の場所及び従事すべき業務
働く時間と休み始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇など
賃金賃金の決定・計算・支払いの方法、締切りと支払の時期(昇給に関する事項を除く)
退職退職に関する事項(解雇の事由を含む)

表の右の列には、ふだん使わない言葉も出てきます。「就業の場所及び従事すべき業務」は、どこで働き、どんな仕事をするかを指します。「所定労働時間を超える労働の有無」は、決められた労働時間を超えて働く残業があるかどうかです。「解雇の事由」は、会社が解雇をするときの理由のことです。

受け取った書面をひな形と並べると、6つのうち書かれていない事項が見つけやすくなります。書かれていない事項があれば、入社前に会社へ尋ねてください*1。ひな形は書面が届く前から見られるので、先に目を通しておくと読むのが早く済みます。

6. 届いた書面で入社前に読む5つの事項

実際に書面が届いたら、次の5つを先に読んでください。とくに転職では、求人票に書かれていた条件と同じかを1つずつ比べます。読んだ結果は、求人票の該当する行の横に書き込んでおくと、あとで尋ねるときに使えます。

書面を受け取ったら見ること

  • 契約期間:期間の定めがあるか。あるなら、更新するときの基準も書かれているか
  • 就業の場所と業務:求人票や面接で聞いた勤務地と仕事の内容に合っているか
  • 始業・終業の時刻と休日:始業と終業の時刻、残業の有無、休憩、休日と休暇が書かれているか
  • 賃金の額と支払日:金額のほか、計算と支払いの方法、締切日と支払日が書かれているか
  • 退職に関する事項:退職についての決まりに、解雇の事由も含まれているか

ただし、求人票と違う数字や、読んでも意味の分からない書き方が見つかったときは、入社前に採用の担当者へ尋ねてください*1。尋ねるときは、どの事項のどの書き方が分からないのかを書いてメールで送ると、返ってきた答えも文字で残ります。答えが書面の書き方と違っていたら、書面を直してもらえるかも続けて聞いてください。

リモートワークで働く約束で入社するなら、就業の場所の書き方も読んでください。面接で聞いた働き方と書面の書き方が合わないときは、入社前にどちらが正しいかを会社に尋ねます。出社する日の決まりが書面に見当たらないときも、あわせて聞いておくと入社後の予定を立てやすくなります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 雇用契約書に署名しないまま入社しても労働契約は成立していますか

A. 労働契約は口頭でも成立するので、雇用契約書に署名していないことだけで契約がないことにはなりません*1。ただし、賃金や労働時間などは会社が書面にして渡す決まりがあるので、その書面が届いていなければ交付を求めてください*1。すでに働き始めていても、書面で示されていない条件は会社に尋ねられます*1。

Q2. 求人票と面接で聞いた条件が違うときはどこに申し出ればよいですか

A. まず入社先の会社に、どの条件がどう違うのかを伝えて尋ねてください*1。ハローワークに出された求人なら、ハローワークの窓口かハローワーク求人ホットラインに申し出ることもできます*1。申し出るときは、求人票と受け取った書面の違う箇所に印を付けた写しを用意しておくと、話が伝わりやすくなります。

Q3. 入社日が近いのに労働条件の書面が届かないときはどうすればよいですか

A. 採用の担当者に連絡し、労働条件を書いた書面の交付を求めてください*1。いつ届くのかもあわせて聞いておけば、入社日までに読む時間を取れます。本人が希望すれば電子メールなどでも受け取れるので、急ぐときはその方法で送ってもらえるかも聞いてください*1*2。

Q4. 内定の連絡を電話で受けただけで書面が何もないときは何をすればよいですか

A. 電話で聞いた賃金や入社日などをメモに残したうえで、労働条件を書面で示してもらうよう会社に頼んでください*1。口頭の約束でも労働契約は成り立ちますが、労働契約法4条では、契約の内容はできる限り書面で確認し合うことになっています*1。書面が届いたら、メモと食い違うところがないかを読んでおいてください。

8. まとめ:雇用契約書がなければ労働条件の書面を会社に求める

この記事のまとめ

  • 雇用契約書がない場合でも、労働契約は口頭で成立します*1。
  • 賃金や労働時間などの重要な労働条件は会社が書面で示す決まりで、実際には労働条件通知書が渡されることがよくあります*1*2。
  • 書面は内定のあと入社する前に受け取り、本人が希望すればメールなどでも受け取れます*1*2。
  • 書面を頼むときは、ほしい理由を添え、メールで受け取りたいならその希望も伝えます。
  • 届いた書面では契約期間、就業の場所と業務、始業・終業の時刻と休日、賃金、退職に関する事項を読み、疑問は入社前に会社へ尋ねます*1。

雇用契約書を渡されていないときは、最初に手元の書類とメールの中から、労働条件が書かれた書面を探してください。見つからないときは、入社日より前に採用の担当者へ書面の交付を頼みます*1。受け取った書面は、入社してからも見返せる場所に保管しておいてください。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省 確かめよう労働条件「労働条件の明示」
*2 厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」

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