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年間休日の最低ライン|変形労働時間制なら労働日は年280日まで

年間休日の最低ライン|変形労働時間制なら労働日は年280日までのイメージ写真

求人票の年間休日が100日を下回っていて、「変形労働時間制」と書かれていると、これは法律の上で大丈夫なのかが気になります。年間休日は何日あれば法律に合っていると言えるのでしょうか。

法律には、年間休日を何日以上にせよという条文はなく、下限は週1日の休日と労働時間の上限から決まります*1。1年単位の変形労働時間制なら、働かせてよい日は年280日までなので*2*3、休みは計算上85日以上になります。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 年間休日の日数そのものに下限を決めた条文はありません。決まっているのは、毎週1日(または4週4日)の休日と、1日8時間・週40時間の上限です*1。
  • 1年単位の変形労働時間制では、労働日数は1年あたり280日までです*2*3。365日から引くと、年間休日は少なくとも85日になります。
  • 変形労働時間制でも、1日10時間・1週52時間までの上限や、連続して働かせられる日数の上限があります*2*3。

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1. 年間休日の日数を直接決めた条文はない

年間休日に「最低何日」という決まりは、法律に書かれていません。下限は、毎週の休日の決まりと1日・1週の労働時間の上限、変形労働時間制ならその労働日数の上限から、計算で決まります*1*2。

労働基準法第35条は、使用者は労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとしています*1。毎週1回ではなく、4週間を通じて4日以上の休日を与える方法も認められています*1。法律が求める休日そのものは、この週1日(または4週4日)です。

一方で、労働基準法第32条は、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日に8時間を超えて働かせてはならないと定めています*1。1日8時間働く職場は、週40時間を守ると週5日勤務になり、休日はおのずと週2日に近づきます。休みの日数は、この労働時間の上限から決まってくるのです。

そのため、求人票の休みが少ないと感じたら、日数だけでなく、1日の所定労働時間と、変形労働時間制をとっているかどうかをあわせて見る必要があります。

同じ休日数でも、1日の所定労働時間が7時間の職場と8時間の職場では、働く時間の合計が違います。求人どうしを比べるなら、休日以外の日数に1日の勤務時間を掛け、年間でどのくらい働くことになるかを見比べると、求人どうしの違いがはっきりします。

あわせて読みたい | 年間休日の最低日数は法律で何日?105日の根拠

2. 休日と労働時間と変形労働時間制の決まり

休みの下限にかかわる決まりを、通常の働き方と1年単位の変形労働時間制に分けてまとめます。

休日・労働時間の決まりと1年単位の変形労働時間制の限度(労働基準法*1・厚生労働省パンフレット*2*3)

項目決まり
休日毎週少なくとも1回。4週間を通じ4日以上でもよい*1
通常の労働時間の上限1週40時間・1日8時間*1
変形労働時間制の対象期間1か月を超え1年以内*1*2
変形労働時間制の労働日数の上限1年あたり280日*2*3
変形労働時間制の1日・1週の上限1日10時間・1週52時間*2*3
連続して働かせられる日数原則6日まで。特定期間は1週1日の休日が取れる範囲(12日まで)*2*3
48時間を超える週連続3回まで。3か月ごとの区切りでも3回まで*2*3
年間の所定労働時間2,085時間(法定労働時間の総枠)以内*3

1年単位の変形労働時間制は、1か月を超え1年以内の期間を平均して、週40時間を超えないことが条件です*2。その範囲で、仕事の忙しい時期と暇な時期に合わせて労働時間を割り振れます*2。忙しい時期は1日の労働時間を長くし、暇な時期は短くできます。

それでも、表のとおり上限があります。1日に働かせられるのは10時間、1週間では52時間までで、連続して働かせられる日数も原則6日までです*2*3。年間の労働日数は280日を超えられません*2*3。

3. 年間休日の計算上の下限は通常で約105日・変形労働時間制で85日

上限の数字から、休日の計算上の下限を出してみます。変形労働時間制の場合、365日から労働日の上限280日を引いた85日が、休日の最も少ない日数です*2*3。

1日8時間で働く通常の場合は、年間の所定労働時間の総枠2,085時間*3を8時間で割ると、働ける日は約260日です。365日から引くと、休日は約105日になります。

年間休日の計算上の下限(1年=365日として) 1日8時間で働く通常の場合 105日 1年単位の変形労働時間制 85日 条文に書かれた日数ではなく上限から出した計算 *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この2つの数字は、条文や通達に「年間休日の下限」として書かれたものではありません。労働時間と労働日数の上限から出した計算の結果です。1日の所定労働時間が8時間より短い職場では、週40時間に収めても働ける日が増えるので、休日はさらに少なくなることがあります。

求人票の年間休日が105日を下回っている場合、1日の勤務時間が8時間より短いのか、1年単位の変形労働時間制が使われているのか、どちらかであることが多いはずです。85日を下回っているなら、どういう仕組みでその日数になっているのかを、応募の前に会社へ聞いておくと安心です。

あわせて読みたい | 年間休日120日は多い?平均116.6日との差と求人票の読み方

4. 1年単位の変形労働時間制を使うには労使協定と届出が要る

1年単位の変形労働時間制は、会社が自由に始められる制度ではありません。労働者の過半数で組織する労働組合、それがなければ労働者の過半数を代表する者と書面で協定を結ぶことが必要です*1。協定では、対象となる労働者の範囲、対象期間、特定期間、労働日と労働日ごとの労働時間、協定の有効期間を定めます*2。

結んだ協定は、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません*2。建設業向けのパンフレットは、就業規則への規定に加えて、労使協定を結んで届け出ることが必要だとしています*3。

労働日と労働日ごとの労働時間は、あらかじめ定めておく必要があり、特定した労働日や労働時間を会社が任意に変えることはできません*2。入社前に、勤務カレンダーが年間で決まっているかを見せてもらうと、自分の休みがいつになるかが分かります。

勤務カレンダーは、1年分をまとめて決める方法のほか、最初の1か月分だけを決め、2か月目以降は各月の30日前までに決める方法もあります*3。後者の場合は、入社の時点では先の休みが決まっていないこともあるので、決まり方を聞いておくと予定が立てやすくなります。

5. 変形労働時間制でも設定した時間を超えれば時間外労働

変形労働時間制だからといって、何時間でも働かせてよいわけではありません。建設業向けのパンフレットは、1週40時間・1日8時間を超える労働時間を設定した場合には、その設定した時間を超えた労働が時間外労働になると説明しています*3。

1週・1日の法定労働時間や所定労働時間を超えた労働、法定労働時間の総枠を超えた労働には、割増賃金を払う必要があります*3。休みが少ない職場で働くときは、勤務カレンダーで決められた時間を超えて働いた分が、きちんと時間外労働として扱われているかも見ておきます。

対象期間の途中で入社したり退職したりして、実際に働いた期間を平均すると週40時間を超えていた場合にも、割増賃金の精算が要るとされています*2。途中で転職するときは、最後の給与明細で清算されているかを見ておくとよいでしょう。

6. 求人票で年間休日が少ないときに会社へ聞くこと

休日の日数だけでは、働き方の中身は分かりません。応募や面接の段階で、次のことを聞いておくと、入社後に休みの少なさに驚かずに済みます。

年間休日が少ない求人で会社に聞いておくこと

  • 1年単位の変形労働時間制の有無と、あるなら繁忙期の時期
  • 1日の所定労働時間は何時間か(8時間より短いか)
  • 年間の勤務カレンダーはいつ決まり、どこで見られるか
  • 連続して出勤する日が何日まであるか
  • 設定した時間を超えて働いた分の割増賃金はどう払われるか

聞き方は、「休日が年〇日とありますが、勤務の割り振りはどのようになっていますか」のように、日数の理由をたずねる形にすると答えてもらいやすくなります。勤務の予定表が手に入れば、休みが特定の時期に集中しているのか、年間を通して散らばっているのかも分かります。

リモートワークの職場でも、所定労働時間や変形労働時間制の決まりは同じように当てはまります。在宅で働く日が多い求人でも、休日の数え方は求人票と面接の両方で聞いておくと安心です。

7. よくある質問

Q1. 年間休日が100日未満の求人は法律に反しますか?

A. 休みの日数だけを見て、法律に反するかどうかは決められません。1年単位の変形労働時間制なら、労働日数の上限は280日なので、休日85日までは計算上ありえます*2*3。

Q2. 週休1日の職場は法律に合っていますか?

A. 法律が求める休日は毎週1回(または4週4日)です*1。ただし週40時間の上限もあるので、週6日働くなら1日の労働時間は短くなります*1。

Q3. 変形労働時間制だと残業代は出ないのですか?

A. 出ます。勤務カレンダーで決めた時間より長く働けば、その分には割増賃金が払われます*3。

Q4. 1年単位の変形労働時間制の労働日数280日はどの会社にも当てはまりますか?

A. 対象期間が3か月を超える場合の1年あたりの限度です*2。対象期間が3か月を超え1年未満なら、280日に対象期間の日数の割合を掛けて計算します*2。

Q5. 年間休日は求人票にどう書かれていますか?

A. 会社によって書き方がまちまちです。休日の日数と内訳(土日祝日・夏季休暇など)、勤務カレンダーの有無を、求人票と面接で両方見ておくと安心です。

Q6. 1か月単位の変形労働時間制もありますか?

A. あります。労使協定か就業規則などで、1か月以内の一定の期間を平均して1週40時間を超えない定めをすれば、特定の週や日に法定労働時間を超えて働かせることができます*1。この記事の280日の上限は、1年単位の制度についての決まりです*2。

8. まとめ:年間休日の最低ラインは条文になく変形労働時間制なら計算上85日

この記事のまとめ

  • 年間休日の日数そのものに下限を決めた条文はない。休日は毎週1回(または4週4日)*1
  • 労働時間の上限は1週40時間・1日8時間。総枠2,085時間から計算すると年間休日は約105日*1*3
  • 1年単位の変形労働時間制の労働日数の上限は1年あたり280日。計算上の年間休日は少なくとも85日*2*3
  • 変形労働時間制でも1日10時間・1週52時間まで、連続して働かせられるのは原則6日まで*2*3
  • 設定した時間を超えた労働は時間外労働。割増賃金が要る*3

年間休日が少ない求人を見つけたら、日数だけで判断せず、休みがどんな仕組みで決まっているのかを会社に聞いてから応募を決めてください。

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出典・参考情報

*1 労働基準法 第32条・第32条の4・第35条(e-Gov法令検索)
*2 1年単位の変形労働時間制(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
*3 建設業における1年単位の変形労働時間制のポイント(令和7年6月・都道府県労働局・労働基準監督署)

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