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入社日と採用日の違いは?雇用契約と社会保険の資格取得日

入社日と採用日の違いは?雇用契約と社会保険の資格取得日のイメージ写真

入社の手続きで書類を書いていると、「入社日」「採用日」「雇入れ日」「資格取得日」と、似た日付の欄がいくつも出てきます。どれも同じ日を書けばよいのか、違う日なのかで手が止まる人がいます。

入社日と採用日の違いは、法律では決まっていません。どの日をどう呼ぶかは会社の使い方によります。手続きで使うのは制度ごとの基準日で、雇用保険は会社と本人が契約した在籍となる初日、健康保険と厚生年金は事実上の使用関係が発生した日です*1*2。雇用保険の基準日には、試用期間や研修期間も含まれます*2。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 「入社日」「採用日」という言葉を定義した法律の条文はなく、会社によって指す日が違うことがあります。
  • 雇用保険の資格取得日は、会社と本人が契約した在籍となる初日で、試用期間や研修期間も含みます*2。
  • 健康保険と厚生年金の資格取得日は、事実上の使用関係が発生した日です*1。年次有給休暇は雇入れの日から数えて6か月で最初に付与されます*3。

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1. 入社日と採用日の違いは会社の使い方で決まる

入社日と採用日の違いを決めた法律の条文はありません。手続きでは、言葉ではなく、雇用保険や健康保険などの制度ごとに決まっている基準日を使います*1*2。

求人や入社の案内では、働き始める日を「入社日」、会社が採用を決めた日や雇用契約が始まる日を「採用日」と呼ぶことがあります。ただ、呼び方は会社ごとに違い、同じ日を両方の言葉で呼ぶ会社もあります。言葉だけで判断せず、雇用契約書や労働条件通知書で契約期間の始まりの日を探してください。

雇用保険の資格取得届では、資格取得年月日の欄に、会社と本人との間で契約した在籍となる初日を書きます*2。健康保険と厚生年金の資格取得届では、取得年月日の欄に、事業所に使用されるに至った日を書きます*1。かっこ書きで、実際に雇われて働く関係が始まった日のことだと説明されています*1。

たとえば「採用日」を内定を出した日の意味で使う会社では、採用日と入社日の間に数か月あくこともあります。反対に、雇用契約の始まりの日を採用日と呼ぶ会社なら、採用日と入社日は同じ日です。案内のメールに日付が2つ出てきたら、どちらが働き始める日なのかを人事担当者に聞いてから書類を書いてください。

多くの場合、これらは同じ日になります。ずれやすいのは、契約の初日が休日で、実際に出勤した日が後になる場合です。その例は、次の表のあとの節で取り上げます。

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2. 制度ごとに使う入社の基準日

入社のときにかかわる制度ごとに、どの日を基準にするかを並べました。書類は、言葉としての入社日や採用日ではなく、この基準日で作られます。

入社にかかわる制度と基準日

制度基準日決まり
雇用保険の資格取得契約した在籍となる初日(試用・研修期間を含む)資格取得届は翌月10日までに会社が出す*2
健康保険・厚生年金の資格取得事実上の使用関係が発生した日資格取得届の取得年月日欄に書く*1
年次有給休暇雇入れの日6か月継続勤務し8割以上出勤で10日付与*3
雇入れ時の健康診断雇い入れるとき3か月以内の受診結果の書面で項目を省ける*4

雇用保険の資格取得届は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに会社が提出します*2。入社した月の翌月半ばを過ぎても雇用保険被保険者証が手元に届かないときは、会社の人事担当者に手続きの状況を問い合わせてみてください。

年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10日与えられます*3。最初の有給休暇がいつ付与されるかは雇入れの日から数えるので、契約上の初日がいつなのかが休暇の予定にも響きます。

3. 契約の初日が休日のときの資格取得日

ハローワークの雇用保険のQ&Aには、契約の初日と出勤した日がずれた例が載っています*2。4月1日付けで採用し、4月1日が日曜日だったため、実際の出勤は4月2日になった例です*2。

4月1日付け採用で初出勤が4月2日でも雇用保険は4月1日に資格を取る 契約の初日 4月1日(日曜) 初出勤 4月2日 資格取得日 4月1日*2 届の期限 5月10日まで 雇用保険の資格取得日は出勤した日ではなく契約上の在籍の初日*2

この例の雇用保険の資格取得日は、4月1日です*2。出勤した日ではなく、契約で決めた在籍の初日が基準なので、日曜日でもその日になります。試用期間、研修期間、休日、祝日がある場合は、この日付の間違いが起きやすいとされています*2。

届の期限はその翌月の10日なので*2、4月1日に資格を取ったなら5月10日が期限です。入社の初日が月初めの休日にあたる場合でも、契約書の日付が4月1日なら、その日が基準になります。

健康保険と厚生年金のほうは、会社が働き始めた関係の初日を判断して届け出ます*1。契約の初日と実際に働き始めた日がずれる場合にどちらの日で届け出るかは会社が判断するので、気になるときは届け出た取得年月日を人事担当者に聞いてください。

4. 前の会社の退職日と入社日の関係

転職のときは、前の会社の退職日と次の会社の入社日の間がどうなっているかで、社会保険の手続きが変わります。退職による健康保険と厚生年金の資格喪失日は退職日の翌日です*5。退職日の翌日に入社すれば、加入が途切れません。

退職日と入社日の間に空白の日があると、その間は自分で国民健康保険や国民年金に入る手続きが要ることがあります。反対に、有給休暇の消化などで前の会社の在籍と次の会社の在籍が重なると、2つの会社に同時に籍がある状態になります。

雇用保険は2つ以上の事業所で同時に加入できません*2。次の会社で資格取得届を出したあとに、前の会社の離職日のほうが後だと分かることもあります*2。その場合は原則として、前の会社の離職日を基準に、次の会社の資格取得日を変えます*2。これは雇用保険の上だけの扱いです*2。

入社日を決めるなら、前の会社の退職日を先に固め、その翌日以降で入社日を合わせると手続きが単純になります。次の会社から入社日を聞かれたら、退職日が決まっているかどうかと合わせて伝えてください。

あわせて読みたい | 退職日と入社日が月の途中|厚生年金の保険料は入社先で払う

5. 雇用契約書と内定通知書で入社の日付を読む

入社の日付は、雇用契約書や労働条件通知書の契約期間の欄に書かれています。期間の定めのない正社員なら、「契約期間の始まり」や「雇入れ日」として日付が1つ書かれているはずです。この日が、雇用保険の在籍の初日や、有給休暇を数える雇入れの日の手がかりになります。

内定通知書に書かれた日付と、雇用契約書の日付が違うこともあります。内定通知書の日付は、通知を出した日や入社予定日のことがあるので、最終的には雇用契約書の日付を見ます。違いが気になるなら、入社前に「雇入れ日は何日になりますか」と人事担当者に聞いておくと、手続きの書類で迷いません。

入社の書類で雇用保険被保険者証を求められることもあります。被保険者番号は転職しても同じ番号を使うので、前の会社でもらった被保険者証を出します*2。見つからないときは、氏名と生年月日、前の会社の名前からハローワークで番号の有無を確認できるので、会社にそう伝えてください*2。

雇入れ時の健康診断は、常時使用する労働者を雇い入れるときに会社が行うものです*4。入社前の3か月以内に健康診断を受けていて、その結果を証明する書面を出せば、同じ項目は省けます*4。前の会社の健康診断の結果を持っているなら、入社の書類と一緒に出せるか聞いてみてください。

6. 試用期間中も雇用保険と社会保険の対象になる

試用期間は、正式な採用の前の期間だと受け取られることがあります。けれども雇用保険の資格取得日には、試用期間や研修期間も含まれます*2。試用期間が始まった日が在籍の初日なら、その日から雇用保険の被保険者です*2。

健康保険と厚生年金も、働き始めて使用関係が生じた時点で資格を取ります*1。試用期間だからといって、加入が後回しになるわけではありません。最初の給与明細で、雇用保険料や健康保険料、厚生年金保険料が引かれているかを見ておくと、加入の状況が分かります。

リモートワークで入社する場合も同じです。初日に出社せず自宅で研修を受ける形でも、雇用契約の始まりの日から雇用保険の被保険者になります*2。試用期間や研修期間かどうかは関係ありません*2。パソコンの受け取りや入社書類の郵送のやり取りが初日より前に始まっていても、資格取得日を決めるのは契約の初日のほうです。

「試用期間が終わってから社会保険に入る」と説明されたときは、雇用契約書に書かれた在籍の初日と、届け出た取得年月日が同じかどうかを会社に問い合わせてください。

7. よくある質問

Q1. 入社日と採用日は同じ日ですか?

A. 同じ日を指す会社も、違う日を指す会社もあります。法律で決まった定義はないので、雇用契約書の日付が手がかりです。

Q2. 雇用保険の資格取得日はいつになりますか?

A. 雇用契約で決めた在籍の初日です*2。試用期間や研修期間も含みます*2。

Q3. 入社日が休日で出勤が翌日になったら資格取得日はどうなりますか?

A. 4月1日付けの採用で4月1日が日曜日、初出勤が4月2日の例では、雇用保険の資格取得日は4月1日です*2。

Q4. 有給休暇は入社から何か月で付与されますか?

A. 6か月です。その間の全労働日の8割以上出勤していれば、10日付与されます*3。

Q5. 試用期間中は社会保険に入れないのですか?

A. 入ります。雇用保険の資格取得日には試用期間も含み*2、健康保険と厚生年金も使用関係が生じた時点で資格を取ります*1。

Q6. 前の会社の雇用保険被保険者証は次の会社に出すのですか?

A. 番号は前の会社と同じものを使い続けます*2。手元に証がなくても、前の会社の名前などから調べてもらえます*2。

Q7. 入社前に受けた健康診断の結果は使えますか?

A. 受診から3か月を過ぎていなければ使えます。結果の書面を会社に出すと、同じ項目は受け直さずに済みます*4。

8. まとめ:入社日と採用日の違いより制度ごとの基準日を見る

この記事のまとめ

  • 入社日と採用日を定義した法律の条文はなく、会社によって指す日が違う
  • 雇用保険の資格取得日は、契約した在籍となる初日。試用・研修期間を含む*2
  • 健康保険と厚生年金の資格取得日は、事実上の使用関係が発生した日*1
  • 初日が休日で初出勤が翌日でも、雇用保険の資格取得日は契約上の初日*2
  • 年次有給休暇は雇入れの日から6か月で最初に付与される*3

入社前に雇用契約書の契約期間の始まりの日を読み、その日が雇用保険と社会保険の資格取得日になるかを会社に聞いてから、前の会社の退職日を決めてください。入社後は最初の給与明細で、保険料が引かれているかも見ておきます。

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出典・参考情報

*1 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の届出不備や誤りの多い事例(日本年金機構・2026年10月更新)
*2 被保険者に関するQ&A(東京労働局 ハローワーク)
*3 年次有給休暇(確かめよう労働条件・厚生労働省)
*4 健康診断等に関する法令等について(厚生労働省・令和5年12月)
*5 従業員が退職・死亡したとき(健康保険・厚生年金保険の資格喪失)の手続き(日本年金機構)

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