リモートワーク転職で自分らしく リラシク
  1. リモートワーク 転職で自分らしく「リラシク」
  2. リラシクコラム
  3. 最終給与の手渡し|本人に直接払う原則と振込の同意

最終給与の手渡し|本人に直接払う原則と振込の同意

最終給与の手渡し|本人に直接払う原則と振込の同意のイメージ写真

最終給与を手渡しで払うことは、賃金を通貨で本人に直接払うという労働基準法の原則どおりの払い方です*1。口座への振込は、本人の同意があってはじめて会社が選べる払い方です*2*3。

退職した人が請求すれば、会社は所定の支払日を待たずに7日以内に払う決まりです*1*4。受け取りに行けないときは、口座への振込に同意して振込先を伝える方法があります*3。

Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 賃金は、通貨で、本人に直接、全額を、毎月1回以上、決まった期日に払うのが原則です*1。
  • 口座への振込は本人の同意が条件で、同意の形式は問われません*3。
  • 会社は、貸与品の弁償などの損害賠償を給与と相殺できません*3。

リモートワーク対応の正社員求人|Relasic(株式会社LASSIC運営)

給与の払い方まで分かりやすい職場を探すなら、リモートワーク対応の正社員求人も見てみてください。

リモートワーク対応の正社員求人を見る →

1. 最終給与の手渡しは労働基準法の原則どおりの払い方

最終給与を現金で本人に手渡しすることは、労働基準法の原則どおりの払い方です*1。口座への振込は、本人の同意を得た場合に会社が選べる例外の払い方です*2。

労働基準法第24条は、賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならないと定めています*1。続く第2項で、毎月1回以上、一定の期日を定めて払うことも決めています*1。この5つは賃金支払の5原則と呼ばれ、退職する月の給与にも当てはまります*3。

口座への振込は、労働基準法施行規則第7条の2が、労働者の同意を得た場合にできるとしている払い方です*2。つまり、振込は本人が同意して初めて使える方法で、何もなければ現金で本人に渡すのが法律の形になります。

在職中に給与の振込口座を届け出ていた人は、その届け出が同意に当たります*3。退職の月だけ手渡しにすると言われたときは、それまでと同じ口座に振り込んでほしいと会社に頼めます。

この原則には例外もあります。法令や労働協約に別段の定めがある場合は通貨以外で払え、退職金のような臨時に支払われる賃金や賞与は、毎月払いと一定期日払いの例外です*3。退職手当は、本人の同意があれば、銀行振出小切手や郵便為替で払うこともできます*4。

あわせて読みたい | 給与の振込口座の届け出|期限と控え・転職時の切り替え

2. 最終給与の受け取りは振込の同意と会社へ行けるかで決まる

振込に同意しているかと、会社に受け取りに行けるかの2つで、受け取る方法を4つに分けました。

振込に同意していれば口座で受け取れ同意しておらず会社へ行けないなら同意して口座を伝える 同意なし・行けない 振込に同意して口座を伝える 同意あり・行けない 届けた口座に振り込んでもらう 同意なし・行ける 会社で現金を受け取る 同意あり・行ける 現金でも振込でも受け取れる 会 社 へ 行 け な い 会 社 へ 行 け る 振込に同意していない 振込に同意している 振込先は本人名義の口座に限られる*3

振込に同意している人は、会社に行かなくても口座で受け取れます。口座振込には、本人の同意があること、本人名義の口座であること、給与の全額が支払日に引き出せることの3つが要ります*3*4。会社が振込を選べるのも、本人が同意した場合だけです*2。

まだ同意していない人も、会社に行けないなら、振込に同意して口座を伝えれば足ります。同意は労働者の意思に基づくものなら形式を問わず、本人名義の口座を指定すれば、特段の事情がない限り同意があったと解されます*3。

会社に行けるなら、最終給与の手渡しで受け取ってもかまいません。受け取ったら、その場で給与明細と金額を見比べ、控えをもらっておくと、あとで金額を問い合わせるときに使えます。会社に行く日が決まっていないなら、振込を頼んでおくと、受け取る日を会社と合わせる手間がかかりません。

3. 最終給与から引けるものと引けないもの

退職の月の給与から、会社が引いてよいものと引けないものを並べました。

最終給与から引けるもの・引けないもの

項目給与から引けるか
所得税・住民税引ける(法令に定めがある)*3*4
社会保険料の本人の負担分引ける(法令に定めがある)*4
労使協定で決めたもの(親睦会費など)引ける(賃金控除の協定がある)*3
会社が本人に求める損害賠償引けない(相殺は全額払の原則に反する)*3
会社からの貸付金の返済一方的な相殺は基本的にできない*4
機器を壊したときの破損料一方的に差し引くことは基本的にできない*4
協定のない費用引けない(法令か協定が要る)*1

賃金は全額を払うのが原則で、引いてよいのは法令に定めのあるものと、労働者の過半数を代表する人などとの書面の協定があるものだけです*1。税金や社会保険料の本人の負担分は法令に定めがあり、親睦会費などは協定があれば引けます*3。

全額払の原則には相殺の禁止の意味も含まれるので、会社が労働者に損害賠償を求められる場合でも、給与と相殺することはできません*3。実際に損害が出ていても、会社はまず給与を全額払い、そのうえで損害賠償を別に請求することになります*3。

会社から借りたお金(貸付金)を、退職時の賃金と相殺するケースがあります*4。過失で壊した機器の破損料を、一方的に賃金や退職金から差し引いてトラブルになるケースも多いとされています*4。こうした額を賃金から差し引くことは、基本的にはできません*4。

貸与されたパソコンや社員証を返していないことを理由に、最終給与から弁償の額を引くと言われたら、相殺の禁止に当たります。貸与品は退職日までに返しておくと、話がこじれずに済みます。

旅行積立金や親睦会費は、退職のときに返してもらえるかで争いになりやすいとされています*4。会社は控除の目的や返還の有無を規約で明確にし、雇用契約のときに労働者に示す必要があります*4。入社のときに受け取った規約を、退職の前に読み返しておきましょう。規約が見つからないときは、退職の前に人事に返還の扱いを聞いておくと、受け取り漏れを防げます。

4. 退職した人が請求すれば最終給与は7日以内に払われる

労働基準法第23条は、労働者が退職した場合に権利者から請求があれば、使用者は7日以内に賃金を払わなければならないと定めています*1。所定の賃金の支払日がもっと後でも、請求の日から7日以内に払う決まりです*4。

積立金や保証金、貯蓄金など、労働者の権利に属する金品も、同じく7日以内に返してもらえます*1。賃金や金品の額に争いがある場合は、会社は異議のない部分を7日以内に払います*1。労働者が亡くなった場合も同じで、権利者からの請求で7日以内という決まりは変わりません*1。

退職金は、あらかじめ決められた支払時期に払われます*4。支払時期を決めていない場合は、請求の日から7日以内です*4。

最後の給与を早く受け取りたい場合は、退職日のあとに、請求する旨を書面かメールで会社に伝えておきましょう。いつ請求したかが残るので、7日を数え始める日がはっきりします。請求しなければ、最終給与はふだんの支払日に払われるのが通常です。

5. 家族が代わりに最終給与を受け取るとき

直接払の原則は、第三者による中間搾取をなくし、賃金を本人の手に渡すための決まりです*3。このため、労働者から委任を受けた代理人や法定代理人に賃金を払うことはできません*3。代理人は本人から受け取りを任された人、法定代理人は親権者のように法律で決まっている代理人のことです。

一方で、使者に賃金を払うことは差し支えないとされています*3。使者とは、自分で判断をせず、本人の決めたとおりに受け取るだけの人のことです。使者かどうかは、社会通念上、本人に払うのと同じ効果になる人かどうかで判断します*3。ただ、使者かどうかの線引きは実際には難しい場合もあるとされています*3。

病気や引っ越しで会社に行けないなら、家族に頼むよりも、口座振込に切り替えてもらうほうが確実です。家族に受け取りを頼むときは、事前に会社へ連絡し、誰が行くかを知らせておきます。最終給与の手渡しを家族に頼めるかは、その家族が使者に当たるかで決まるからです*3。

6. 最終給与が払われないときに取れる手段

請求しても払われないときは、まず請求した日と金額をメールや書面に残し、会社に支払いを求めましょう。書面には、いつの分の給与か、いくらか、いつまでに払ってほしいかを書きます。賃金の請求権は、当分の間は支払日から3年で時効になります*1。

それでも払われない場合は、会社の事業場の住所を受け持つ労働基準監督署に申告できます。労働基準法第104条は、事業場に法律に違反する事実がある場合、労働者はその事実を労働基準監督署に申告できると定めています*1。申告したことを理由に、会社が労働者を不利益に扱うことも禁じられています*1。

退職した人の未払いの給与には、遅延利息も付きます。賃金の支払の確保等に関する法律第6条は、退職した労働者の賃金を退職の日までに払わなかった事業主に、遅延利息を払うよう定めています*5。期間は退職の日の翌日から払う日までで、率は年14.6%です*5。退職金は対象から外れます*5。

労働基準監督署に行くときは、退職日、請求した日、払われるはずだった額、給与明細や勤怠の記録をそろえて持っていきます。いつの分がいくら払われていないかを、記録と一緒に示せるようにしておきましょう。

あわせて読みたい | 賃金未払いの時効|給与と残業代は3年・退職金は5年

7. よくある質問

Q1. 最終給与だけ手渡しにすると言われたら断れますか?

A. 在職中に振込口座を届けていたなら、その口座に振り込むよう頼めます。振込は本人の同意で使える払い方です*2*3。

Q2. 最終給与の手渡しは法律で禁止されていますか?

A. 禁止されていません。通貨で本人に直接払うのが労働基準法の原則です*1。

Q3. 退職後最終給与はいつまでに払われますか?

A. 請求すれば、所定の支払日にかかわらず7日以内です*1*4。

Q4. 貸与品を返していないと最終給与から引かれますか?

A. 損害賠償を給与と相殺することはできません*3。

Q5. 家族に最終給与を受け取ってもらえますか?

A. 代理人には払えませんが、使者には払えるとされています*3。

Q6. 振込の同意は書面でないといけませんか?

A. 書面でなくてもかまいません。口座を指定すれば、特段の事情がない限り同意があったと解されます*3。

Q7. 会社から借りたお金は最終給与から引かれますか?

A. 貸付金を一方的に賃金と相殺することは、基本的にはできません*4。

Q8. 積立金や保証金は退職後に返ってきますか?

A. 積立金や保証金なども、請求すれば7日以内に返す決まりです*1。

Q9. 退職後に払われない給与に利息は付きますか?

A. 退職の日の翌日から、年14.6%の遅延利息が付きます*5。

8. まとめ:最終給与の手渡しは原則どおりで振込は本人の同意で

この記事のまとめ

  • 賃金は通貨で本人に直接払うのが原則で、手渡しはその払い方*1
  • 口座への振込は、本人の同意があってはじめて使える*2*3
  • 退職した人が請求すれば、会社は7日以内に払う*1
  • 損害賠償を最終給与と相殺することはできない*3
  • 代理人には払えないが、使者には払える*3

受け取りに行けないなら、退職日までに振込先の口座を知らせておきましょう。手渡しで受け取るなら、その場で明細と金額を見比べておきます。

次の職場を一緒に探すなら

Relasic(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。

会員登録は無料です。リモートワーク求人の情報を受け取れます

※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 労働基準法 第23条・第24条・第104条・附則第143条(e-Gov法令検索)
*2 労働基準法施行規則 第7条の2(e-Gov法令検索)
*3 確かめよう労働条件 賃金の支払方法に関するQ&A(厚生労働省)
*4 賃金支払いに関する事項のあらまし(群馬労働局)
*5 賃金の支払の確保等に関する法律 第6条・同施行令 第1条(e-Gov法令検索)

転職ノウハウ その他の記事

もっと読む 〉
上部に戻る