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年間休日の変更手続き|減らすときの就業規則と同意

執務室の壁の数字の無いカレンダーと、下の机に置いた無地の冊子

年間休日を会社が減らすときは、就業規則の変更と届出の手続きに加えて、労働者の合意か、変更後の周知と変更の合理性が要ります*1*2。就業規則とは、労働時間や休日などの職場のきまりを会社が書面に定めたものです*1。休日が減る変更は、労働者にとって不利益な変更にあたります*2。

法律が定める休日は、週1回か、4週間で4日以上です。年間休日の日数は条文に書かれていません*1。応募前に見た休日と入社後の休日が違うときは、労働基準法に即時解除の定めがあり、総合労働相談コーナーにも相談できます*1*5。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 就業規則を変えるときは、労働者の過半数で組織する労働組合(なければ労働者の過半数を代表する者)の意見を聴き、意見を記した書面を添えて行政官庁に届け出ます*1。変更後の就業規則は、労働者に周知させる必要があります*1。
  • 労働者と合意することなく、就業規則の変更で不利益に労働条件を変えることは、原則としてできません*2。例外は、変更後の規則が周知され、変更に合理性があるときです*2。
  • 令和6年の年間休日総数の平均は、1企業で112.4日、労働者1人で116.6日です*4。法律に年間休日の日数の定めはなく、決まっているのは週1回か4週4日の休日です*1。

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1. 年間休日を減らす変更には合意か周知と合理性が要る

年間休日を減らすには、労働者の合意を得るか、就業規則を変えたうえで変更後の規則を周知し、変更が合理的であることが要ります*2。就業規則の変更には、このほかに過半数労働組合などの意見聴取と行政官庁への届出が要ります*1。ただし意見を聴くことは、労働者の同意を得ることとは別です*1*2。労働者と使用者が合意すれば、労働条件を変更できます*2。

休日は、就業規則に定める事項の1つです。常時10人以上の労働者を使う使用者は、始業・終業の時刻や休憩時間とあわせて、休日と休暇を就業規則に定めて行政官庁に届け出ます。定めた事項を変更したときも、同じ届出が要ります*1。

年間休日の日数そのものを決める条文はありません。労働基準法が定めているのは、毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることです*1。労働時間の上限は、1日8時間・1週40時間と決まっています*1。「年間休日◯日以上」という形の数字は、これらの条文に書かれていません*1。

日数の下限の条文がなくても、いまの労働条件を会社が一方的に減らせるわけではありません。就業規則の変更で労働条件を労働者の不利益に変えるときの条件は、労働契約法の第9条と第10条に書かれています*2。労働者と使用者の合意で変更するときの定めは、第8条です*2。

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2. 就業規則を変える手続きは意見聴取と届出と周知の3つ

夕方の会議室で、無地の冊子を向かいの人から受け取る手

休日を含む就業規則を変えるときに、会社が行う手続きを3つに分けて並べました。

就業規則の変更では、会社が意見を聴き、意見書を添えて届け出て、労働者に周知する 意見を聴く 過半数組合か代表者 届け出る 意見書を添える 周知する 労働者に知らせる 会社は意見を聴いて届け出て、変更後の就業規則を労働者に周知する

1つ目は、意見を聴く手続きです。会社は、就業規則の作成や変更について、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合の意見を聴きます*1。そうした労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者の意見を聴きます*1。

意見を聴く相手は、一人ひとりの労働者ではなく、過半数労働組合か過半数代表者です*1。条文が求めているのは意見を聴くことなので、この手続きを済ませただけでは、労働者の同意を得たことにはなりません*1*2。休日を減らす連絡を受けたら、意見を聴く相手が誰だったのかを会社に聞けます。

2つ目は、届出です。労働者が常時10人以上の会社は、変更した就業規則を行政官庁に届け出ます*1。届出には、1つ目の手続きで聴いた意見を記した書面を添えます*1。

3つ目は、周知です。周知とは、就業規則を常時各作業場の見やすい場所へ掲示するか備え付けること、書面を交付することなどの方法で、労働者に知らせることです*1。在職中の人は、変更前と変更後の就業規則をどこで見られるかを、会社に聞けます。

労働条件を変更するときは、労使間で十分に話し合うことが必要です*3。変更が手続きの完了後の通知として届いたときは、話し合いの場があったかどうかを会社に尋ねることができます。

3. 年間休日の変更に関わる条文と会社に求められること

休日を減らす変更に関わる条文を、場面ごとに並べました。上の3行が就業規則の手続き、下の4行が労働契約法の条件です。

年間休日の変更に関わる条文と、会社に求められること

場面条文会社に求められること
就業規則に休日を定める労働基準法第89条常時10人以上の労働者を使うなら、休日を就業規則に定めて届け出る。変更したときも同様*1
就業規則を変える労働基準法第90条過半数労働組合か過半数代表者の意見を聴き、意見を記した書面を届出に添える*1
変更後の規則を知らせる労働基準法第106条掲示、備え付け、書面の交付などで労働者に周知させる*1
労働者と合意して変える労働契約法第8条合意があれば、労働条件を変更できる*2
合意なしに規則だけで減らす労働契約法第9条労働者の不利益に労働条件を変更することはできない。ただし第10条の場合を除く*2
第9条の例外にあたる労働契約法第10条変更後の就業規則の周知と、変更の合理性*2
変更しないと合意していた労働契約法第10条ただし書就業規則の変更では変えられない部分として合意していた部分は、例外から外れる*2

表の下の4行は、会社が休日の日数を減らす変更に労働契約法がかける条件です。合意があれば第8条で変更でき、合意がなければ第9条で原則できず、第10条の条件を満たしたときだけ例外になります*2。

第10条の合理性は、次の事情に照らして判断されます*2。労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況、その他の就業規則の変更に係る事情です*2。どの事情も並べて挙げられていて、減る日数だけで決まるものではありません*2*3。

在職中に変更を告げられたときは、減る日数、変更が必要な理由、変更後の就業規則の内容、労働組合や代表者との話し合いの状況を、会社に聞きます。この4点は、第10条が合理性を見るときの事情と同じ項目です*2。

4. 同意を求められたときは変更前後の日数を書面で読む

昼の机で、並べた2枚の表のうち右の欄にペンで丸を付ける手

労働条件の変更は、労働者と使用者が合意して行うことが原則です*3。合意すれば、年間休日を含む労働条件は変更できます*2*3。そのため、同意を求める書類を渡されたときは、署名の前に、変更前の日数、変更後の日数、変更の時期が書かれているかを読みます。

労働者と使用者は、労働契約の内容について、できる限り書面で確認するものとされています*2。年間休日の変更も、口頭だけで済ませず、日数が書かれた書面を受け取って手元に残します。

就業規則とは別に、休日の条件を会社と個別に合意していた場合は、扱いが別です。就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分は、第10条の例外から外れます*2。入社のときに休日の条件を個別に合意していたなら、その内容が書かれた書面を探します。

合意しないまま就業規則が変更されたときは、変更後の就業規則の周知と、変更の合理性が揃うかどうかで、変更後の規則が自分に及ぶかが決まります*2。労働契約法に罰則はありませんが、民事裁判や労働審判は労働契約法の規定を踏まえて行われます*3。

変更に納得できないときの相談先は、総合労働相談コーナーです。職場のトラブルの相談や解決のための情報提供をワンストップで行っていて、労働者と事業主のどちらからの相談も受けます*5。

5. 求人票の年間休日と入社後の休日が違うときの扱い

年間休日が何日あれば普通なのかは、厚生労働省の調査で見られます。令和7年の就労条件総合調査では、令和6年の年間休日総数は、1企業平均が112.4日、労働者1人平均が116.6日で、どちらも昭和60年以降で最多でした*4。調査の対象は、常用労働者30人以上の民営企業です*4。

この数字は平均で、法律の下限ではありません*1*4。求人票の年間休日をこの2つの平均と並べると、応募先がどの位置にあるかは分かりますが、入社後の日数が求人票どおりかどうかは、平均からは分かりません。

求人票と入社後で休日が違うときに使える法律の定めは、2つです。労働基準法第15条第2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています*1。職業安定法第5条の3は、求人者や職業紹介事業者に、業務の内容や賃金、労働時間その他の労働条件の明示を義務づけています*6。明示した内容を変更するときに変更後の内容の明示を求めるのも、同じ条文です*6。

解除は労働契約を終わらせる手段なので、解除するかどうかは、相談窓口で状況を話してから決めます。総合労働相談コーナーは、労働条件、募集・採用など労働に関する分野の相談を受けています*7。ハローワークは、職業相談、職業紹介、求人票の内容などの相談を受けています*7。

相談に持ち込むものは、応募のときに見た求人票の年間休日と、入社のときに受け取った労働条件の書面です。2つを並べて、日数が違う箇所に印を付けておくと、窓口で状況を話しやすくなります。応募の段階では、面接で年間休日の日数と、その日数が就業規則のどこに定められているかを聞いておきます。

あわせて読みたい | 年間休日の最低ライン|変形労働時間制なら労働日は年280日まで

6. よくある質問

Q1. 会社は一方的に年間休日を減らせますか

A. 原則としてできません。労働者と合意することなく、就業規則の変更によって労働者の不利益に労働条件を変更することはできません*2。例外は、変更後の就業規則が周知され、変更が合理的な場合です*2。

Q2. 就業規則を変えるとき労働者全員の同意が要りますか

A. 就業規則の変更の手続きとして会社が聴くのは、過半数労働組合か過半数代表者の意見です*1。労働者全員の同意は、この手続きの条件ではありません*1。ただし、労働者と合意せずに不利益に変える場合は、労働契約法第10条の条件を満たす必要があります*2。

Q3. 年間休日は最低何日と法律で決まっていますか

A. 日数の定めは条文にありません。決まっているのは休日の与え方と労働時間の上限で、休日は週1回か、4週間で4日以上です*1。

Q4. 年間休日を減らす変更が合理的かどうかは日数で決まりますか

A. 条文は日数を示していません。不利益の程度や変更の必要性など、複数の事情に照らして判断されます*2。

Q5. 変更後の就業規則はどこで見られますか

A. 会社が就業規則を周知する方法は、掲示、備え付け、書面の交付などです*1。見られる場所は、会社に聞きます。

Q6. 求人票の年間休日が入社後に違っていたらどうなりますか

A. 労働契約を結ぶときに明示された条件が事実と違うときは、労働者が即時に契約を解除できます*1。解除する前に、総合労働相談コーナーやハローワークに相談できます*7。

Q7. 年間休日の平均はどれくらいですか

A. 1企業では112.4日、労働者1人では116.6日です*4。令和7年の就労条件総合調査で、数えた年は令和6年です。

7. まとめ:年間休日を減らす変更は合意か周知と合理性で決まる

年間休日の変更で押さえる3点

  • 年間休日を減らすには、労働者の合意か、変更後の就業規則の周知と変更の合理性が要ります*2。
  • 就業規則の変更では、会社が過半数労働組合か過半数代表者の意見を聴き、意見書を添えて届け出て、労働者に周知します*1。
  • 年間休日の日数を決める条文はなく、令和6年の平均は1企業112.4日、労働者1人116.6日です*1*4。

年間休日の変更を告げられたら、変更前後の日数と時期を書面で受け取り、納得できない点は総合労働相談コーナーに相談します*2*5。

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出典・参考情報

*1 労働基準法(昭和22年法律第49号)第32条・第35条・第89条・第90条・第106条(e-Gov法令検索 API)
*2 労働契約法(平成19年法律第128号)第4条・第8条・第9条・第10条(e-Gov法令検索 API)
*3 労働条件の変更を検討されている事業主の皆さまへ「労働条件を変更する際には労使間で十分に話し合うことが必要です」(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署/福井労働局掲載PDF)
*4 令和7(2025)年「就労条件総合調査」の結果を公表します(厚生労働省 報道発表)
*5 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
*6 職業安定法(昭和22年法律第141号)第5条の3(e-Gov法令検索 API)
*7 求人票(高卒)の見方のポイント(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク)

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