40代の転職の面接は年齢で不利?年齢制限の禁止と答え方

40代で転職活動を始めると、面接で年齢を理由に落とされるのではないか、20代や30代の応募者と比べられて不利になるのではないか、と心配になります。求人票に年齢が書かれていないと、かえって本当のところが分からず不安が残ります。
40代の転職の面接で、会社が年齢を理由に採否を決めることは、原則として法律で禁じられています*1*3。面接で見られるのは、年齢ではなく、これまでの経験と、次の職場で何ができるかです。令和7年の調査では、転職者の約4人に1人が40代でした*5。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 会社は、募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければなりません*3。書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めることは法律違反です*1。
- 年齢の制限が認められるのは、定年を上限にした無期雇用の募集など、法律の施行規則が定める6つの場合だけです*4。
- 令和7年の調査で、40〜44歳の転職者が前の会社を辞めた理由は「会社の将来に不安を感じたから」が33.9%で最も多くなっています*5。
1. 面接で年齢を理由に採否を決めることは原則として禁止
40代だからという理由で面接に落とすことは、原則として法律違反です。労働施策総合推進法第9条は、募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう会社に義務づけています*3。
この決まりは、求人票に年齢を書かなければよいというものではありません。求人票を年齢不問にしていても、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢によって採否を決めたりすれば、法の規定に反します*1。本人の希望と関係なく、一定の年齢以上はパートタイムにするなど、年齢を理由に雇用形態や職種を変えることもできません*1。
対象は、ハローワークの求人に限りません。民間の職業紹介事業者や求人広告、会社の自社サイトでの募集も含め、広く募集と採用に当てはまります*1。パートやアルバイト、派遣といった雇用の形も問いません*1。
厚生労働省のQ&Aも、例外に当たらないのに、求職者の情報をもとに年齢で求職者を選ぶことは法律違反だとしています*2。40代という年齢だけで選考から外すことは、この決まりに反します。
2. 年齢の制限が認められる6つの例外
例外として年齢の制限が認められるのは、労働施策総合推進法の施行規則第1条の3が定める場合だけです*4。40代の転職で目にすることがあるのは、1番目の「定年を上限にする募集」と、3番目の「特定の年齢を下回る人を長く勤めて育てる募集」です。
募集・採用で年齢の制限が例外として認められる場合(労働施策総合推進法施行規則第1条の3*4)
| 例外 | 中身 |
|---|---|
| 定年を上限にする | 定年の年齢を下回ることを条件にした募集。期間の定めのない労働契約の場合に限る |
| 法令で年齢が制限されている業務 | 労働基準法などで特定の年齢の人の就業が禁止・制限されている業務 |
| 長期勤続によるキャリア形成 | 青少年など特定の年齢を下回る人を長く勤めて育てる目的の募集。期間の定めのない労働契約で、職業経験を条件にせず、新卒と同じ扱いで募集する場合に限る |
| 技能やノウハウの継承 | 特定の年齢層の人数が相当少ない職種で、技能の継承を目的にする募集。期間の定めのない労働契約の場合に限る |
| 芸術・芸能 | 表現の真実性などのために特定の年齢の人を募集する場合 |
| 高年齢者などの雇用の促進 | 60歳以上の人の募集や、国の施策を使って特定の年齢層の雇用を進める場合 |
たとえば定年が60歳の会社が「60歳未満」で募集するのは、1番目の例外に当たります*4。「35歳未満(職務経験不問)」のように年齢の上限を条件にした募集は、3番目の例外に当たる場合があります。ただし、この例外は職業経験を条件にしない場合に限られるので*4、「35歳未満・実務経験3年以上」のように経験を求める募集は、3番目の例外には当てはまりません。
施行規則は、会社が募集するときに、仕事の内容や必要な能力・経験・技能の程度などをできるだけ示すことも求めています*4。年齢の代わりに、何ができる人を求めているのかを書くということです。求人票でこの部分をよく読むと、面接で何を聞かれそうかも見当がつきます。
3. 転職者の約4人に1人が40代
厚生労働省の令和7年転職者実態調査によると、転職者全体のうち40〜44歳が12.0%、45〜49歳が10.9%でした*5。合わせると約23%で、40代は転職者の2割を超えています。
転職者全体では、前の会社を辞めた主な理由の81.3%が「自己都合」でした*5。面接では、なぜ今の会社を辞めるのか、なぜこの会社なのかを、たいてい聞かれます。40代の転職者がどんな理由で辞め、どんな理由で今の会社を選んだのかは、面接での答え方を考える手がかりになります。
4. 40代前半が前の会社を辞めた理由は会社の将来への不安が最多
令和7年の調査で、自己都合で辞めた40〜44歳の転職者に理由を3つまで聞いたところ、最も多かったのは「会社の将来に不安を感じたから」の33.9%でした*5。「能力・実績が正当に評価されないから」が30.3%、「賃金が低かったから」が27.0%と続きます*5。
こうした理由は、そのまま面接で話すと、前の会社への不満に聞こえがちです。「会社の将来が不安だった」なら、次の会社で何を続けたいのかに言い換えます。たとえば「事業の縮小で、これまで担当してきた開発の仕事が続けられなくなりました。同じ領域で経験を生かせる御社を志望しました」と話せば、辞める理由と志望の理由が一続きになります。
「正当に評価されなかった」も、評価への不満ではなく、何を成果として認めてほしいのかを話します。「チームの立ち上げと育成を担ってきましたが、今の会社では個人の売上だけが評価の対象でした。育成も含めて成果として見てもらえる環境で働きたいと考えています」のように、自分が出してきた成果の中身を具体的に添えます。
面接官が気にしているのは、同じ理由でまたすぐ辞めないかどうかです。辞める理由が次の会社で解消されることを、求人票に書かれた仕事の内容や評価の仕組みと結びつけて説明できれば、その心配を先に打ち消せます。
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5. 40代が転職先を選んだ理由は仕事の内容と能力を生かせること
40〜44歳の転職者が今の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)で多かったのは、「仕事の内容・職種に満足がいくから」の48.3%です*5。次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が42.8%でした*5。条件よりも仕事の中身で転職先を選んだ人が多いということです。
面接の志望動機も、この2つをもとに組み立てると話しやすくなります。まずは求人票の仕事の内容から、自分がやってきたことと重なる部分を2〜3個選んでください。そのうえで「この業務なら、前職で○年担当した○○の経験がそのまま使えます」と、経験と業務を1対1で結びつけて話します。
面接では、年下の上司や20代・30代のメンバーと働けるかを気にされることもあります。厚生労働省のリーフレットには、40代の社長が立ち上げた会社で、30代の担当者の指導のもとで働く一般事務に40代の人を採用した例が載っています*1。採用された人は年下の上司の指導を謙虚に聞き入れ、誠実に仕事に取り組んでいるとされています*1。聞かれたら、年齢より役割で考えて働いてきた経験を、具体的な場面とあわせて答えると伝わります。
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6. 40代の転職の面接で準備しておく答え
年齢そのものは選考の理由にできなくても、それまでの経験の中身ははっきり問われます。次の4つは、答えを用意しておくと面接で詰まりにくくなります。
40代の転職の面接で答えを用意しておくこと
- 前の会社を辞める理由を、次の会社で続けたいことに言い換えた答え
- 求人票の業務と、自分の経験を1対1で結びつけた志望動機
- マネジメントや後輩の育成の経験があれば、人数と期間と結果
- 年下の上司や20代・30代のメンバーと働いた経験と、そのときの自分の役割
マネジメントの経験を聞かれたら、「部下が何人いて、何年担当し、どんな結果を出したか」を数字で話します。部下を持ったことがなくても、後輩に仕事を教えた、プロジェクトの進め方を決めたなど、人を動かした場面を1つ用意しておくと答えに困りません。
面接のあとで、年齢を理由に不採用にされたのではないかと感じることがあっても、選考の理由は外からは分かりません。気になるときは、その求人を扱ったハローワークや、応募に使った転職支援サービスの担当者に、求人の内容とあわせて相談してみてください。
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7. よくある質問
Q1. 面接で年齢を聞かれるのは法律違反ですか?
A. 法律が禁じているのは、年齢によって採否を決めることです*1*3。年齢を聞く質問そのものが法律に反するかどうかを定めた規定は見当たりません。聞かれたら事実を答え、そのうえで経験の中身を話すほうに話題を戻します。
Q2. 求人票に「35歳未満」とあったら40代は応募できませんか?
A. 「長期勤続によるキャリア形成」の例外として、職業経験を条件にせず新卒と同じ扱いで募集する場合などには、年齢の上限が認められています*4。例外に当たる募集なら、条件を満たさない年齢での応募は難しくなります。
Q3. 40代の転職者は多いのですか?
A. 令和7年の調査では、転職者全体のうち40〜44歳が12.0%、45〜49歳が10.9%でした*5。合わせると2割を超えます。
Q4. 辞めた理由が「会社の将来が不安」なのは面接で正直に言ってもいいですか?
A. 40代前半の転職者で最も多い辞めた理由なので*5、隠す必要はありません。不安の中身を具体的に話し、次の職場でやりたい仕事につなげて答えれば、前向きな理由として伝わります。
Q5. 年齢を理由に落とされたと感じたらどこに相談できますか?
A. 年齢制限の禁止は、民間の職業紹介や自社サイトでの募集にも及びます*1。ハローワーク経由の応募ならハローワークへ、転職支援サービス経由ならその担当者へ、どの求人で何があったかを伝えてください。
8. まとめ:40代の面接は年齢ではなく経験の中身で答える
この記事のまとめ
- 会社は募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与える義務がある。面接で年齢を理由に採否を決めるのは法律違反*1*3
- 年齢の制限が認められるのは、定年を上限にした無期雇用の募集など6つの場合だけ*4
- 転職者の約4人に1人が40代(40〜44歳12.0%、45〜49歳10.9%)*5
- 40〜44歳が辞めた理由の最多は「会社の将来に不安」33.9%。面接では次の会社で続けたいことに言い換える*5
- 転職先を選んだ理由は「仕事の内容・職種」48.3%と「技能・能力が活かせる」42.8%。志望動機は業務と経験を結びつける*5
面接の前に、求人票の仕事の内容と自分の経験を並べて書き出し、辞める理由を次の会社で続けたいことに言い換えた答えを、声に出して一度話してみてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク)
*2 労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A(厚生労働省・神奈川労働局)
*3 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第9条(厚生労働省 法令等データベース)
*4 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則 第1条の3(厚生労働省 法令等データベース)
*5 令和7年転職者実態調査の概況(厚生労働省)
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