カジュアル面談から選考に進むときのメール例文

カジュアル面談が終わったあと、次の案内が出ないまま数日が過ぎることがあります。選考に進みたいのに、自分から先に言い出していいのか決められず、そのまま止まってしまう人がいます。送るのは、お礼と選考へ進みたい意思を並べた短いメール1通です。
面談のあとに出すメールで見てもらうのは、熱意の強さではありません。厚生労働省は公正な採用選考の基本として、応募者の基本的人権の尊重と、適性・能力に基づいた基準の2項目を挙げています*1。面談で出た仕事と自分の経歴が重なる部分を、事実のまま書きます。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 次の案内が無いまま面談が終わったら、自分から選考に進みたいと書いて送ります。面談の記憶が薄れないうちに書き、遅くとも翌営業日の午前までに出します。
- 本文はお礼、面談で惹かれた話、選考に進みたい意思、出せる書類、返信のお願いの5つを上から並べます。件名には用件と自分の氏名だけを入れます。
- 書くのは面談で出た事実と、自分が担当していた仕事です。給与や勤務地の詰めは、選考が始まってから持ち出します。
1. 案内が無いときは自分からメールを送る
カジュアル面談の最後に次の案内が無かったときは、自分から選考に進みたいとメールで伝えてかまいません。面談の場で採用担当者が次の日程を出したのなら、その案内どおりに返信すれば足ります。案内が無いまま終わった場合、会社側にはまだ応募の意思が届いていません。意思を書いた1通が届いて、はじめて書類の受け渡しが動き出します。
送る時期は、面談が終わったその日か、遅くとも翌営業日の午前です。時間が空くほど、面談で出た言葉の細かいところを思い出せなくなります。相手の側も、同じ日に何人かと話していれば、こちらの顔と名前が結びつきにくくなります。早さは熱意ではなく、記憶の鮮度の話です。
ただし、面談の直後に勢いで書いた文面は、そのまま送らないでください。書いてから一度置き、読み返してから送信すると、言い過ぎた箇所が見つかります。当日の夜に下書きを作り、翌朝に読み直して出す形なら、両方が成り立ちます。急ぐのは送信ではなく、下書きのほうです。
実際、送らずに終える選択もあります。面談で聞いた仕事が自分の経歴と重ならないなら、無理に1通を出す理由はありません。送るのは、選考に進むと決めた人だけで足ります。決めていない段階では、書き出さなくてかまいません。
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2. 面談の日にメモを起こしてから書き始める
まず、書き始める前に、面談で出た話を短いメモにしておきます。並べるのは会社名と担当者の氏名、話に出た仕事の名前、使われていた技術の名前です。メモがそろえば、本文は思い出しながら書かずに済みます。先に手を動かすのはメモのほうです。
宛先は、面談に出てきた担当者の個人アドレスにします。日程の調整を採用の窓口が担っていたのなら、その窓口もCcに入れてください。現場の担当者だけに送ると、選考の手続きを進める人に話が渡らないことがあります。宛先を1人に絞る必要はありません。
たとえば、面談がオンラインだったなら、名刺の代わりに日程調整のメールが残っています。そのやり取りに返信する形にすると、宛先を間違えずに済みます。件名が引き継がれるぶん、相手にとっては前の話の続きです。新しい1通を立てる場面は多くありません。
一方、面談の相手の連絡先が分からないときは、応募したときの窓口へ送ります。本文の頭に、いつ誰と面談したのかを1行で書き添えてください。窓口から担当者へ回るぶん、返事までに日数がかかります。宛先が遠いときほど、送る時期は早めに寄せます。
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3. 件名は用件と氏名だけで組む
件名に入れるのは、用件と自分の氏名だけです。「選考へのご応募について(氏名)」のように、開く前に用件が分かる形にします。受信箱には他社からのメールも並ぶため、社名だけの件名は埋もれます。
ただし、面談の日程調整のメールに返信する形なら、件名はそのまま残してください。「Re:」が付いていれば、相手は前のやり取りをすぐ開けます。件名を書き換えると、別の用件として扱われかねません。
宛名は、会社名と部署名、担当者の氏名の順で書きます。面談で名乗ってもらった相手なら、「〇〇様」で足ります。氏名が分からないときの宛名は「〇〇株式会社 採用ご担当者様」です。部署名まで分からないときは、会社名と採用ご担当者様だけで足ります。
最後に、件名と宛名と担当者の氏名の3か所を読み直してください。本文の言い回しより、この3か所のほうが先に目に入ります。氏名の漢字が違っていると、読み手はそこで止まります。文章の推敲は、そのあとで十分です。
4. 本文に入れる事実と入れない話を分ける
面談で聞いた話のうち、メールに書けるのは自分に関わる部分です。担当者が話した仕事の名前や使っている技術は、そのまま書いてかまいません。一方で、社内の人間関係や退職者の話は、聞いていても本文に持ち込みません。
まず、自分が担当していた仕事は、年数と役割まで書きます。「〇〇の運用を〇年担当していました」の形にすると、経歴のどこが重なるか伝わります。見られるのは応募者の適性と能力です*1。熱意の分量は、その外側にあります。
ただし、面談で聞いた社内の事情は、本文に書き写しません。担当者が率直に話してくれた課題をそのまま引用すると、社外へ流れたように読まれます。書くなら、自分が関われる部分だけです。「〇〇の改善に加わりたい」までで止めます。
次に、給与や勤務地の詰めは、この1通では持ち出しません。条件の話は、選考が始まってからで間に合います。ほかの会社の社名も、本文には出しません。
そのため、惹かれた話に書くのは、会社の魅力ではなく自分が加われる仕事です。理念に共感したという書き方は、どの会社にも出せる文になります。面談で出た仕事の名前を1つ挙げるだけで、文はその会社のものになります。
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5. 本文の並びはお礼から返信のお願いまで
そのため、本文の骨組みは5つです。お礼、面談で惹かれた話、選考に進みたい意思、出せる書類、返信のお願いの順で置きます。5つとも短い段落で足ります。
本文の5つの並び
| 順番 | 書く内容 | 1行の形 |
|---|---|---|
| 1 お礼 | 面談の日付と相手の氏名を出してお礼を書く | 〇月〇日はお時間をいただきありがとうございました |
| 2 惹かれた話 | 面談で出た仕事と自分の経歴が重なる部分を挙げる | 前職で同じ領域を〇年担当しておりました |
| 3 進みたい意思 | 選考に進みたいと1文で書く | 貴社の選考に進ませていただきたくご連絡いたしました |
| 4 出せる書類 | 書類をいつ出せるかを添える | 履歴書と職務経歴書は〇月〇日までにお送りできます |
| 5 返信のお願い | 次の手順を教えてほしいと頼む | 今後の進め方をご教示いただけますと幸いです |
実際、5つのうち抜けやすいのは4つ目の書類です。ハローワークインターネットサービスは、応募書類として履歴書と職務経歴書、送付状、封筒の4区分を案内しています*2。紙の応募では、この送付状が書類と一緒に相手へ渡ります。メールの本文は、紙でいう送付状の位置にあたります。
ただし、1通目の段階で書類を添付する必要はありません。先方の選考の手順によっては、指定の様式に書き直す場合があります。本文では、いつ出せるかだけを伝えます。出す準備があることが伝われば十分です。
6. そのまま写せるメールの例文
例文は、件名から署名の手前までをそのまま置きます。担当者の氏名が分かっている前提で書いているため、宛名だけは自分の面談に合わせます。〇〇の部分は、自分の氏名と面談で出た固有名詞に入れ替えてください。
選考に進みたいと伝えるメール
- 件名:選考へのご応募について(氏名)
- 〇〇株式会社 採用ご担当者様
- 〇月〇日にカジュアル面談のお時間をいただいた〇〇と申します。先日はありがとうございました。
- 面談では、〇〇の運用を内製で進めているというお話をうかがいました。前職で同じ領域を〇年担当しており、自分の経歴が重なる部分が多いと感じています。
- つきましては、貴社の選考に進ませていただきたく、ご連絡いたしました。
- 履歴書と職務経歴書は、〇月〇日までにお送りできます。指定の様式がありましたら、お知らせください。
- 今後の進め方をご教示いただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
写したあとに直すのは、日付と社名、面談で出た話の3か所です。とくに3つ目を空欄のまま送ると、どの面談のことか相手に伝わりません。面談で出た言葉をそのまま入れるほど、返信は具体的になります。
実際、この例文は画面をスクロールせずに読み切れる長さです。面談で聞いた話を全部並べると、読み手は最後まで目を通しません。選考に進みたいという1文が埋もれると、返信の手が止まります。
ただし、返信が来ないまま日が過ぎたときは、同じ相手にもう1通だけ送ってかまいません。2通目は、前のメールに返信する形で、件名を変えずに出します。「〇月〇日にお送りした件について、進め方をご教示いただけますと幸いです」だけで足り、催促の言葉は入れません。
返信が届いたら、日程の候補はその日のうちに返します。候補を出すときは、複数の日時を並べて相手に選んでもらいます。件名は面談のときのまま残し、やり取りを1本にまとめておくと探しやすいです。ここまで来れば、あとは通常の選考です。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. カジュアル面談のあとどのくらいで送るのがよいですか
A. 面談の当日中か、翌営業日の午前までに送ります。日をまたぐほど、面談で出た言葉を正確に書けなくなります。前の晩に下書きを作り、朝に読み返してから出してもかまいません。
Q2. 履歴書と職務経歴書は1通目に添付したほうがよいですか
A. 1通目では、いつ出せるかを書くだけで足ります。会社によっては指定の様式があり、書き直しになることがあります。様式の有無を聞いてから作るほうが、手戻りが起きません。
Q3. 選考に進みたいと書くと断りにくくなりませんか
A. 意思を書いても、選考を受けるかどうかは後から決められます。書かないままだと、会社側は応募の意思を受け取れません。迷っている段階なら、書類を出せる時期だけを先に伝える形にします。
Q4. 面談で聞いた社内の話をメールに書いてもよいですか
A. 聞いた話をそのまま書き写すのは避けます。自分が加われる仕事に絞ってください。「〇〇の運用に加わりたい」までにとどめれば、社外へ持ち出した形になりません。
Q5. 返信が来る前に他社の選考を進めてもよいですか
A. 進めてかまいません。日程が重なったときは、面談の案内が先に届いたほうから返します。どちらの会社にも、相手の社名は出しません。
8. まとめ:カジュアル面談のあとに送る1通
この記事のまとめ
- 面談の最後に次の案内が無ければ、自分から選考に進みたいとメールで伝えます。
- 送るのは面談の当日か翌営業日の午前で、当日のうちにメモを起こしておきます。
- 件名は用件と自分の氏名だけにし、日程調整のメールに返信する形なら件名は変えません。
- 本文はお礼、惹かれた話、進みたい意思、出せる書類、返信のお願いの5つを上から並べます。
- 書くのは面談で出た事実と自分が担当した仕事で、条件の交渉と社内の事情は入れません。
送ると決めた日に書き、送らないと決めたなら閉じてかまいません。面談の礼を返すための1通ではなく、選考に進む意思を届けるための1通です。書くことが決まっていれば、迷う時間は短くなります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省「公正な採用選考の基本」(2026年確認)
*2 ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)「応募書類の作り方」(2026年確認)
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