社用車は使える?確認する申請と在宅勤務での通勤の扱い
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

社用車を使えるかどうかは、社内の規程のどこにどう書かれているかで決まります。使える用途が列挙されているか、申請の宛先と時期が示されているか、運転する人の条件がどこに書かれているか、使ったあとに残す記録の形式が定められているか。この4点を確かめてから申請の順番に進むと、手続きの途中で迷う場面が減ります。
社用車を使えるかは、規程のどこに何が書かれているかを確かめる順番で見えてきます。
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この記事のポイント
- 使えるかどうかは規程の書かれ方で決まり、まず確かめる場所を知ることが軸になります
- 対象の用途を確かめる→事前に申請して承認を受ける→使ったあとの記録を残す、という順番があります
- 参考として添えるテレワーク実施率15.6%は、社用車を使えるかどうかを決める数字ではありません
1. 社用車を使えるかは規程の書かれ方で決まります
社用車を使えるかどうかは、勤務先が独自に判断することではなく、社内規程にどう書かれているかで決まります。使える用途が定められているか、申請の宛先と時期が示されているか、運転する人の条件がどこに書かれているか、使ったあとに残す記録の形式があるか。この4点を確かめれば、使えるかどうかの見え方がはっきりします。
「社用車を使えるかどうか」を考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのは上司や総務への相談です。しかし相談の前に確かめておくべきことがあります。それは、社内のどの規程に、どの範囲までが書かれているかという点です。
社用車の扱いは、就業規則そのものではなく、車両管理規程や経費に関する規程など、別の文書に定められていることが多くあります。まず探すべきは、社内のどの文書に、その記載があるかという入り口の部分です。
規程を見つけたら、そこに書かれている範囲を確かめます。使える用途、申請の宛先と時期、運転する人の条件の書かれ方、使ったあとに残す記録。この4つがどこにどう書かれているかを順に見ていくと、使えるかどうかの輪郭が見えてきます。
規程に書かれていない部分については、規程だけを読んでも判断できません。その場合は、担当窓口に確認するという次の手順に進みます。
規程の名称は勤務先によって幅があります。車両管理規程という単独の文書になっている場合もあれば、出張旅費規程や経費規程の一部に組み込まれている場合もあります。1つの文書だけを探して見つからなくても、別の文書に記載が分かれているだけということがあります。
次の項目では、この4つの確認項目を表にして整理します。
2. 社用車の規程で確かめる4つの項目
社用車を使えるかどうかを確かめるときは、次の4つの項目を規程の中で探します。項目ごとに、書かれている場所の傾向は異なります。
社用車の規程で確かめる4項目と、書かれている場所の傾向
| 確かめること | どこに書かれているか |
|---|---|
| 使える用途 | 車両管理規程や経費規程に、対象となる用途が列挙されています |
| 申請の宛先と時期 | 申請書のひな形や社内システムの案内に、宛先と提出のタイミングが示されています |
| 運転する人の条件の書かれ方 | 車両管理規程のうち、運転者の取り扱いを定めた項目に記載があります |
| 使ったあとに残す記録 | 利用記録簿や日報のひな形に、残す記録の形式が示されています |
表の4項目のうち、最初に確かめるのは使える用途です。列挙されている用途に当てはまるかどうかで、そもそも申請の対象になるかが決まります。
次に確かめるのは、申請の宛先と時期です。宛先が総務窓口なのか、直属の上長なのか、社内システムの申請フォームなのかは、規程や案内によって異なります。提出のタイミングも、利用の何日前までと定められている場合があります。
運転する人の条件については、車両管理規程のうち運転者の取り扱いを定めた項目に記載があります。どの項目に書かれているかを確かめれば、条件そのものを読み進める入り口が分かります。
使ったあとに残す記録は、利用記録簿や日報のひな形に形式が示されています。記録の形式まで規程に定められている場合は、そのひな形に沿って残すだけで済みます。
4項目のうち、規程に明確な記載が見当たらない部分もあります。その場合は規程を読み進めるだけでは判断がつかないため、担当窓口に確認する手順に進みます。申請の相談をしても承認が下りないときの動き方は、別の記事で扱っています。
規程は改定されることがあります。手元に古い版を保存していると、確認した内容が現在の運用とずれる場合があるため、社内ポータルなど、最新版が置かれている場所で確認する習慣をつけておくと、内容のずれを防げます。
あわせて読みたい | 権限が下りないとき|申請の道筋を確かめる
3. 対象の用途から記録まで3段で積み上げます
4つの確認項目は、思いついた順に進めるものではありません。3段階を積み上げると、申請の順番が自然に決まります。
土台にあるのは、対象の用途を確かめる段階です。列挙された用途に今回の目的が当てはまるかどうかを、まずここで見極めます。
中段は、事前に申請して承認を受ける段階です。用途が当てはまることを確認したら、宛先と時期に沿って申請し、承認を受けてから使い始めます。
頂点は、使ったあとの記録を残す段階です。申請した内容に沿って、利用記録簿や日報に必要な項目を書き残します。
この3段階を逆順で進めると、承認を受ける前に使ってしまったり、記録の形式を確かめずに使い終えてしまったりする場面が生まれます。順番を守ることが、手続きを一度で終わらせる近道になります。
3段階のうち、時間がかかりやすいのは中段の承認です。申請から承認までにかかる日数は規程や窓口によって異なるため、余裕を持って申請の時期を見積もっておくと、当日になって慌てる場面が減ります。
4. 使う人の条件は規程の書かれ方で変わります
運転する人の条件は、車両管理規程のうち運転者の取り扱いを定めた項目に書かれています。条件の中身は勤務先ごとに異なり、規程を確かめること以外に判断の手立てはありません。
条件の書かれ方には、勤務先によって差があります。1つの項目にまとめて書かれている場合と、複数の項目に分けて書かれている場合があり、後者では見落としが起きやすくなります。
見落としを避けるには、車両管理規程の目次や項目名を先に一通り確認しておく方法があります。運転者に関する記載がどの項目に分散しているかが分かれば、読み進める順番を組み立てやすくなります。
運転する人の条件のほかに、利用できる曜日や時間帯が定められている場合もあります。曜日や時間帯の指定は、運転者の条件とは別の項目にまとめられていることが多く、あわせて確認しておくと申請の段取りが立てやすくなります。
会社の資産をどこまで使えるかという線引きは、社用車に限った話ではありません。在宅勤務における私物端末の扱いも、同じように運用の範囲が規程で定められています。端末の線引きについては別記事で扱っています。
条件を確かめる段階で不明な点が残った場合は、規程の記載だけで判断せず、担当窓口に確認したうえで申請に進みます。
あわせて読みたい | 私物端末が使えない在宅|線引きを読む
5. 働く場所の広がりを参考の数字で見ます
申請の順番を確かめる前に、働き方に関する数字を1つだけ参考に置きます。
雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。この数字はテレワークの実施率を示すものであり、社用車を使えるかどうかを決めるものではありません。
働く場所が職場ごとに分かれると、移動の要否も職場ごとに変わります。その背景としてテレワークの広がりを示す数字ではありますが、規程の内容そのものとは別の話です。
出社が中心の職場でも在宅を含む職場でも、社用車を使えるかどうかを確かめる手順は変わりません。規程を確かめ、申請し、記録を残すという順番は、働く場所によって変わるものではないためです。
参考の数字はここで説明を終えます。次の項目からは、申請が終わったあとに残る記録の話に戻ります。
6. 使ったあとに残す記録を整理します
社用車を使ったあとには、規程で定められた記録を残す作業が残っています。ここでは、記録として残す項目を整理します。
使ったあとに残しておきたい記録
- 走行の記録:利用記録簿のひな形に沿って、走行に関する項目を書き残します
- 給油の控え:給油があった場合は、控えを規程で定められた形式で保管します
- 申請内容との対応:事前に申請した用途や期間と、実際の利用内容がずれていないかを確かめます
- 提出先への報告:記録の提出が定められている場合は、期限内に提出先へ報告します
利用記録簿のひな形が用意されている場合は、そのひな形に沿って走行に関する項目を書き残すだけで済みます。ひな形がない場合は、担当窓口に記録の形式を確認します。
給油があった場合の控えは、規程で定められた形式で保管します。保管の期間や提出のタイミングも、規程や窓口の案内に沿って進めます。
記録を残す段階で、事前に申請した用途や期間と、実際の利用内容がずれていないかも確かめておきます。ずれがある場合は、その旨を提出先に伝えたうえで指示を受けます。
記録の提出が定められている場合は、期限内に提出先へ報告します。提出先は、申請の宛先と同じ窓口になっている場合が多くあります。
記録の保管期間が規程で指定されている場合は、その期間中は記録を手元に残しておきます。提出した後も一定期間は自分の側でも保管するよう定められている勤務先もあります。
在宅勤務についても、勤務先ごとに記録の残し方が定められている場面があります。画面がどこまで記録されるかを知りたい場合は、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 画面はどこまで記録されるか|在宅の確かめ方
7. よくある質問|使用の申請と記録
Q1. 社用車を使えるかどうかは、まず何を確認すればよいですか。
A. まず車両管理規程や経費規程に、対象となる用途が列挙されているかを確認します。用途に当てはまるかどうかが、申請の対象になるかどうかの分かれ目になります。
Q2. 申請はいつまでに済ませればよいですか。
A. 申請の時期は規程や社内システムの案内に示されています。利用の何日前までと定められている場合があるため、案内を確認したうえで余裕を持って申請します。
Q3. 運転する人の条件はどこで確認できますか。
A. 車両管理規程のうち、運転者の取り扱いを定めた項目に記載があります。項目が複数に分かれている場合もあるため、目次を先に確認しておくと見落としを減らせます。
Q4. 使ったあとの記録はどのように残せばよいですか。
A. 利用記録簿や日報のひな形が用意されている場合は、そのひな形に沿って残します。ひな形がない場合や記録の形式に迷う場合は、担当窓口に確認します。
8. まとめ:使える場所と申請の順番
この記事の要点
- 社用車を使えるかどうかは、車両管理規程や経費規程にどう書かれているかで決まります
- 確かめる項目は、使える用途・申請の宛先と時期・運転する人の条件の書かれ方・使ったあとに残す記録の4つです
- 順番は、対象の用途を確かめる→事前に申請して承認を受ける→使ったあとの記録を残す、の3段階です
- 参考に添えたテレワーク実施率15.6%は、使えるかどうかを決める数字ではありません
- 規程に記載がない部分や不明な点は、担当窓口に確認したうえで申請に進みます
社用車を使えるかどうかは、勤務先が独自に判断することではなく、車両管理規程や経費規程にどう書かれているかで決まります。使える用途、申請の宛先と時期、運転する人の条件の書かれ方、使ったあとに残す記録。この4つを規程の中で確かめてから、対象の用途を確かめる→事前に申請して承認を受ける→使ったあとの記録を残す、という順番で進めれば、手続きを一度で終わらせやすくなります。規程に記載がない部分や判断がつかない点は、担当窓口に確認したうえで申請に進むと、後になって手続きをやり直す手間を減らせます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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