みなし残業のある求人|エンジニアが確かめる3点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

固定残業代(みなし残業)を含む求人票を見たとき、応募前に何を確かめればよいか迷うことがあります。時間数や超過分の扱いは、求人票にどう書かれているかによって読み取れる範囲が変わり、書かれていない場合は面談で確認する対象になります。ここでは、求人票のどこを確認すればよいかを、読み方として整理します。
確かめる中心は、固定残業代に含まれる時間と、超過分の扱いが書かれているかどうかです。書かれていない内容は、面談で確認できます。
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この記事のポイント
- 固定残業代(みなし残業)を含む求人票は、時間数と超過分の扱いが書かれているかによって、読み取れる内容が変わります
- 情報通信業のテレワーク実施率は56.3%、正社員全体では22.5%です*1
- 求人票を見る、面談で聞く、書面で確かめるという3つの場に分けて確認できます
1. みなし残業の求人票は、まず何を確かめればよいですか
固定残業代(みなし残業)を含む求人票では、時間数と超過分の扱いが書かれているかを確かめます。書かれていない場合は、面談で確認します。リモートワーク対応の求人でも、情報通信業のテレワーク実施率は56.3%、正社員全体では22.5%です*1。
固定残業代とは、あらかじめ一定時間分の残業に相当する金額を、給与に含めて示す書き方です。求人票の給与欄にこの表記がある場合、まず確認するのは書かれている内容そのものです。
確認する内容は2つに分けられます。1つは、含まれている時間数が求人票のどこかに明記されているかどうかです。もう1つは、その時間を超えた場合の扱いについて、記載があるかどうかです。
求人票の書き方は、募集する企業ごとに異なります。同じ「固定残業代」という表記でも、時間数まで書かれている求人票と、金額だけが示されている求人票があります。
ここで整理するのは、求人票に書かれている内容をどう読み、何を確かめるかという観点です。
求人票では、「固定残業代」のほかに「固定残業手当」「みなし残業手当」といった表記が使われることもあります。呼び方が違っても、確かめる内容は変わりません。
求人票に書かれている月給や年収の数字には、固定残業代を含んだ数字と、含んでいない数字の両方があります。表示されている金額が、基本給だけを指すのか、固定残業代を含んだ合計を指すのかも、確認する対象になります。
同じ「固定残業代」という項目名でも、置かれている位置や説明の量は求人票ごとに違います。1件ごとに、給与欄全体を読む必要があります。
求人票の給与欄には、固定残業代のほかに、他の手当が含まれている場合もあります。合計額の内訳を確認する際は、固定残業代以外の項目も合わせて見ておくと、内訳全体を把握しやすくなります。
求人票に「固定残業代」という項目名があっても、具体的な内容が書かれていない場合は、記載がない場合と同じように扱います。項目名の有無ではなく、内容の記載を基準にします。
2. 求人票の書き方によって、読み取れる内容は変わります
同じ「固定残業代」という表記でも、書き方によって求人票から読み取れる内容は変わります。
求人票の書き方と確かめること
| 求人票の書き方 | 読み取れること | 確かめること |
|---|---|---|
| 固定残業代の時間数が明記されている | 含まれる時間の目安が分かる | その時間を超えた場合の記載があるか |
| 基本給と固定残業代が分けて書かれている | 内訳が求人票の時点で分かる | 内訳の金額を面談で確認する |
| 固定残業代を含む合計額のみが書かれている | 内訳が求人票からは分からない | 内訳を書面で示してもらえるか聞く |
| 「みなし残業」とだけ記載され時間数がない | 時間の目安が求人票からは分からない | 面談で時間数を尋ねる |
表の左列は、求人票の給与欄で実際に見かける書き方です。右に進むほど、その場で確認する行動につながります。
1行目と2行目は、求人票の時点で内訳が分かる書き方です。3行目と4行目は、求人票だけでは内訳が分からず、別の場で確認する必要がある書き方です。
同じ求人票のなかに、複数の書き方が混在することもあります。給与欄と募集要項の別の場所で、時間数の記載が分かれている場合もあるため、求人票全体を確認します。
表に当てはまらない書き方を見つけた場合は、面談で直接尋ねる対象として扱います。求人票に書かれていない内容は、書かれていないという事実として扱います。
複数の求人票を比較する場合は、表の左列に当てはまる書き方を求人票ごとに書き出しておくと、後で並べて比較しやすくなります。
求人票のなかで固定残業代の説明が複数箇所に分かれていることもあります。給与欄だけでなく、募集要項や採用ページの別の記載も確認します。
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3. 時間数と超過分の記載を、2軸で整理します
求人票を2つの軸で見ると、書かれている内容の組み合わせが4つに分かれます。時間が明記されているかどうかと、超過分の扱いが記載されているかどうかです。
左上にあたる求人票は、時間数が示されているため、一見すると情報が十分に見えます。ただし超過分の扱いについては記載がないため、確認が必要な箇所が残っています。
右上にあたる求人票は、時間数と超過分の扱いのどちらも書かれていません。確認する項目がもっとも多くなる組み合わせです。
左下にあたる求人票は、時間数と超過分の扱いの両方が書かれています。求人票の時点で確認できる内容がもっとも多い組み合わせです。
右下にあたる求人票は、時間の記載がない一方で、超過分の扱いだけが明記されている組み合わせです。時間が分からない場合は、面談で確認する項目として扱います。
同じ求人サイトに掲載されている求人票でも、書式が似ていても、当てはまる組み合わせは求人票ごとに違います。1件ずつ、この2軸で確認する作業が必要です。
4つの組み合わせのうち、どこに当てはまるかが分かれば、次に何を確認すればよいかも定まります。記載がない部分だけを、面談で尋ねる対象として絞り込めます。
4. 面談では、書かれていなかった内容を尋ねます
求人票に書かれていない内容は、面談の場で尋ねる対象になります。時間数や超過分の扱いが求人票から分からない場合、面談で確認することで、応募前に内容を把握できます。
面談で尋ねる際は、質問を1つずつに分けます。時間数と超過分の扱いをまとめて聞くよりも、時間数を確認したうえで、超過分の扱いを別に尋ねるほうが、回答を照らし合わせやすくなります。
面談での回答は、その場でメモに残します。求人票に書かれていなかった内容が、面談でどのように説明されたかを記録しておくと、あとで書面と照らし合わせる際の手がかりになります。
面談で得た回答をそのまま受け取るだけでなく、書面での確認を求める姿勢も必要です。口頭での説明と書面の記載が異なる場合、確認すべき対象は書面の記載になります。
面談で尋ねる内容は、あらかじめメモにまとめておくと、当日に聞き忘れを防げます。時間数、超過分の扱い、内訳という3点を書き出しておくと、面談の場で確認しやすくなります。
面談を担当する相手がその場で答えられない場合は、後日書面で回答してもらえるか、あわせて尋ねます。回答を待つ間は、応募の判断を保留する選択もできます。
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5. 確認は3つの場に分けて進めます
3つの場は、順番に進めることを想定しています。求人票で確認できた内容は、面談で重ねて尋ねる必要はありません。求人票に書かれていなかった内容だけを、面談で尋ねます。
面談で得た回答のうち、書面でも確認できる内容は、内定後の書面に記載を求めます。口頭の説明だけで終わらせず、書面という形に残すことが3つ目の場の役割です。
3つの場を経ても、記載が確認できない場合もあります。その場合は、確認できなかった事実として、応募の判断材料に加えます。
3つの場それぞれで得られた内容は、その都度メモに残しておきます。求人票の記載、面談での回答、書面での確認内容を並べておくと、内容が一致しているかを見比べられます。
6. 職務内容を確認する際に、あわせて見る3点
固定残業代の記載と合わせて、求人票のなかで確認しておける点を3つに整理します。
求人票で確認しておける3点
- 時間数の記載:固定残業代に含まれる時間の目安が書かれているかを確かめます
- 超過分の扱い:時間を超えた場合の記載があるかを、あわせて確かめます
- 内訳の記載:基本給と固定残業代が分けて書かれているかを確かめます
3点はいずれも、求人票の給与欄を読むだけで確認できる範囲です。書かれていない点があれば、面談で尋ねる対象として残します。
3点を確認する順番は決まっていません。求人票のなかで先に目に入った記載から確認し、残りを面談で補う進め方でも支障はありません。
3点のうち1つでも記載がある場合、その記載は求人票の時点での情報として扱えます。記載がない点だけを、次の場である面談に持ち越します。
3点を確認した結果は、複数の求人票を比較する際の基準にもなります。同じ3点で書き出しておくと、応募を検討している求人票同士を並べて比べやすくなります。
3点のいずれも求人票に記載がない場合は、面談で尋ねる項目が3つとも残っていることになります。その場合は、面談で確認する時間を長めに確保しておく必要があります。
3点を確認する作業は、応募のたびに繰り返す想定になります。求人票ごとに書き出す作業を重ねると、どこを確認すればよいかが定まりやすくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 固定残業代とみなし残業は同じ意味ですか。
A. 求人票では、同じ内容を指す表記として使われる言葉です。給与に一定時間分の残業相当額を含めて示す書き方を指します。表記が違う場合も、確かめる内容は同じです。
Q2. 求人票に時間数が書かれていない場合、応募を避けるべきですか。
A. 求人票だけで判断せず、面談で時間数を確認したうえで検討する材料にできます。記載がない点は、応募後に確かめる項目として残せます。
Q3. 超過分の扱いは、どこで確認できますか。
A. 求人票に記載がない場合は、面談で尋ね、可能であれば書面での回答を確認します。書面での回答が得られない場合は、その事実も判断材料になります。
Q4. リモートワーク対応の求人でも、固定残業代の確認は必要ですか。
A. 必要です。勤務形態にかかわらず、給与の内訳を確かめる手順は変わりません。出社中心の求人でも、確認する点は同じです。
8. まとめ:みなし残業の求人票は、書かれているかどうかで読みます
この記事の要点
- 固定残業代(みなし残業)を含む求人票は、時間数と超過分の扱いが書かれているかによって、読み取れる内容が変わります
- 情報通信業のテレワーク実施率は56.3%、正社員全体では22.5%です*1
- 求人票を2つの軸で見ると、時間の明記と超過分の扱いの記載という組み合わせが4つに分かれます
- 確認は、求人票を見る・面談で聞く・書面で確かめるという3つの場に分けて進められます
- 内訳の記載がない点は、面談で尋ねる対象として残せます
求人票に書かれているかどうかを確かめる作業が、固定残業代を含む求人への応募を検討する最初の一歩になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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