二拠点生活ができる正社員求人|住民票と交通費の扱い

平日は都市部のオフィスに出て、週末は郊外や地方の家に戻る二拠点生活を続けながら、正社員として働き続けたいと考えたとき、まず迷うのは求人票のどこを見れば住まいの扱いが分かるかという点です。出社の基準は求人ごとに異なり、文言だけでは判断しづらいことがあります。
正社員全体のテレワーク実施率は22.5%で、出社と在宅を組み合わせる働き方はまだ多数派ではありません*1。そうした暮らし方を前提にした求人はさらに数が絞られるため、求人票の言葉だけで出社基準や住まいの扱いを読み取るのは難しい場合があります。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 二拠点生活を前提にした求人は多くなく、求人票の出社条件や住民票の扱いを自分で読み解く必要があります。
- 正社員全体のテレワーク実施率は22.5%で、出社と在宅を組み合わせる働き方はまだ多数派ではありません*1。
- 一般労働者の賃金は全国計で340.6千円、全職業の有効求人倍率は1.26倍です。住まいを2つに分けて暮らす場合でも、賃金水準や求人の出やすさを確認する軸は変わりません*2*3。
1. 二拠点生活の求人は住まいの扱いで条件が変わります
二拠点生活を続けながら正社員として働くには、求人ごとの出社基準と住まいの扱いを先に確認しておく必要があります。正社員全体のテレワーク実施率は22.5%で、出社と在宅を組み合わせる働き方はまだ多数派ではありません*1。拠点を2つ持つ暮らし方を前提にした求人はさらに数が絞られるため、求人票に書かれた文言をそのまま受け取らず、出社の判断基準がどこにあるかを確かめる必要があります。
住んでいる場所を1つに定めることを前提にした求人票では、出社の頻度や交通費の扱いがあらかじめ決まっている場合があります。二拠点生活のように、住民票や生活の拠点を2つに分けている状態は、その前提から外れることがあります。
求人票に「出社は月◯回」と書かれていても、その基準が居住地からの距離を指すのか、契約上の勤務地を指すのかは求人ごとに異なります。拠点を2つ持つ暮らし方を続ける場合は、どちらの拠点を基準に出社日数が数えられるのかを、応募前に確認しておく項目に加える必要があります。
面談では、出社の判断基準だけでなく、住民票をどちらの拠点に置いても選考に影響しないかも合わせて確認しておくと、入社後の行き違いを防げます。
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2. テレワーク実施率という数字を土台に置きます
拠点を2つ持つ働き方を考えるとき、まずテレワーク実施率という数字を土台に置きます。
22.5%という実施率は正社員全体の平均であり、二拠点生活だけを対象にした数字ではありません*1。出社と在宅を組み合わせる働き方が、まだ多数派ではないという位置を示しています。
業種別の実施率までは、この数字だけでは分かりません。拠点を2つ持つ働き方を希望する場合は、志望する業種の出社傾向も合わせて確認する視点が要ります。
実施率の数字はあくまで出発点です。出社基準を確かめる作業は、住民票の置き先や費用の扱いとあわせて、段階を分けて進めると整理しやすくなります。
3. 出社の基準は求人ごとに3つに分かれます
出社の基準は、求人によって大きく3つに分かれます。1つ目は勤務先からの距離を基準にする方法、2つ目は月あたりの出社回数を基準にする方法、3つ目は業務の区切りごとに出社を申請する方法です。
距離を基準にする求人では、勤務先の近くに住民票がある拠点を置いているかどうかが問われます。二拠点生活のように、平日の拠点と週末の拠点を分けている場合は、どちらの住所を届け出るかで出社の扱いが変わることがあります。
回数を基準にする求人では、月に数回、指定の日に出社できれば対応できるため、拠点をどちらに置いていても対応しやすい傾向があります。ただし交通費の精算方法は求人ごとに異なるため、事前確認が欠かせません。
申請ごとに出社を判断する求人では、業務やチームの状況によって出社が急に決まる場合があります。拠点を2つに分けて暮らす場合は、急な出社の求めにどこまで対応できるかを、契約前に伝えておく必要があります。
3つの基準のどれに当てはまるかは、求人票の表現だけでは判断しづらいことがあります。面談の場で、出社の判断が距離・回数・申請のどれに基づくのかを直接確認しておくと、入社後の認識のずれを防げます。
求人票の「出社相談可」という表現は、実際には月1回程度から週の大半までと幅があります。二拠点生活を前提にした働き方を伝えたうえで、想定されている出社の目安を数字で聞き直すことが役立ちます。
「フルリモート可」と書かれていても、繁忙期やプロジェクトの節目だけ出社を求める求人もあります。出社の有無だけでなく、どのタイミングで発生しやすいかまで確認しておくと、想定とのずれを減らせます。
4. 求人票で見る項目を表にまとめます
住まいを2つに分けて求人を比較するときに、確認しておきたい項目を表にまとめます。厚生労働省の調査データと合わせて、賃金や求人の出やすさの位置も確認します。
【表1】確認項目と全国データの比較(2025〜2026年公表分)
| 確認項目 | 求人票に表れやすい内容 | 住まいを2つに分けた場合の視点 |
|---|---|---|
| 出社の基準 | 求人ごとに1つの内容に定められています | 距離・回数・申請のどれに当たるか確認 |
| 賃金水準(全国計) | 340.6千円*2 | 居住地でなく契約条件で決まるかを確認 |
| 有効求人倍率(全職業) | 1.26倍*3 | 職業によって求人の出やすさに差がある |
| 住民票の扱い | 勤務先所在地に合わせる想定です | 2つの拠点のどちらに置くかを事前に相談 |
| 住宅に関する手当 | 1拠点を想定した規定です | 2拠点分の対象になるかを人事に確認 |
表のとおり、賃金水準や有効求人倍率は全国共通のデータですが、出社の基準や住民票の扱いは求人ごとの個別条件です。二拠点生活を続ける場合は、全国データで測れない部分こそ、面談で直接確認する必要があります*2*3。
有効求人倍率は1.26倍と、職業全体では求人が出やすい水準にありますが、住まいを2つに分けた働き方に対応した求人だけに絞ると、この倍率がそのまま当てはまるとは限りません。求人数そのものは、職種や地域によって差があります*3。
求人票に書かれていない項目ほど、契約前の面談で埋めておく必要があります。表の3列目に挙げた視点は、そのまま面談での質問リストとして使えます。
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5. 取り決めを詰める4つの段階を追います
4つの段階は順番どおりに進む必要はありません。二拠点生活を始める前に、住民票の置き先と出社基準の2つだけでも先に固めておくと、費用や緊急時の相談がしやすくなります。
費用の扱いについては、金額そのものより、何が2重にかかるかを先に洗い出しておくことが役立ちます。家賃や通信回線の契約、郵便物の転送など、拠点を2つ持つことで増える項目は、求人票には書かれていません。
取り決めは一度決めたら終わりではありません。転居や暮らしの状況の変化があったときは、出社基準や費用の扱いを改めて相談し直す必要があります。
6. 契約前に洗い出す確認点を整理します
二拠点生活を前提に正社員求人へ応募する前に、確認しておきたい点を整理します。
契約前に確認しておきたい点
- 出社の基準:距離・回数・申請のどれで出社日数が決まるかを、求人票と面談の両方で確かめます。
- 住民票の扱い:2つの拠点のどちらに置くかで、通勤や行政手続きの前提が変わることを伝えておきます。
- 費用の負担範囲:交通費や通信費のうち、2拠点分のどこまでが会社負担かを確認します。
- 緊急時の連絡方法:急な出社や災害時に、どちらの拠点からでも対応できる連絡手段を共有しておきます。
- 契約書への反映:口頭で確認した内容が、雇用契約書や労働条件通知書に明記されているかを見ておきます。
4つの確認点はどれも、求人票の文言だけでは判断しきれません。そうした暮らし方を続ける前提を面談の場で伝えたうえで、出社基準や費用の負担範囲がどう扱われるかを、担当者に直接尋ねる必要があります。
一般労働者の賃金は全国計で340.6千円でした*2。住まいを2つに分けて暮らす場合も、賃金水準を確認する軸そのものは、1つの拠点で暮らす場合と変わりません。
確認した内容は、口頭だけでなく、内定通知や雇用契約書に反映されているかも合わせて見ておくと、入社後の認識のずれを防ぎやすくなります。
面談の相手が転職エージェントであれば、拠点を2つ持つ暮らし方を最初に伝えておくと、その後の求人紹介の的が絞りやすくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 二拠点生活を前提にした求人はどこで見分けるか
A. 求人票の「勤務地」欄だけでは判断できないことがあります。出社基準が距離・回数・申請のどれに基づくかは、面談で確認する必要があります。
Q2. 住民票は2つの拠点のどちらに置けばよいか
A. 求人ごとの出社基準によって、望ましい置き先が変わります。距離を基準にする求人であれば、勤務先に近い拠点に置くほうが、出社の扱いで迷いにくくなります。
Q3. 出社の頻度は入社後に変わることがあるか
A. あります。業務の状況やチームの体制によって、出社の求めが増える場合があります。契約前に、変更が生じた場合の連絡方法を確認しておくと、対応しやすくなります。
Q4. 交通費や通信費は2拠点分とも会社負担になるか
A. 求人ごとに異なります。1拠点分のみを対象にする求人もあれば、出社にかかる区間だけを対象にする求人もあるため、範囲を面談で確認する必要があります。
Q5. 二拠点生活を伝えると選考で不利になるか
A. 出社基準を満たせるかどうかが判断の中心になります。住まいの形を伝えたうえで、出社の求めにどう対応できるかを具体的に説明するほうが、伝わりやすくなります。
Q6. 住宅に関する手当は2拠点分とも対象になるか
A. 会社の規定によります。1拠点分を前提にした手当として設計されている場合があり、2拠点分の扱いは人事や面談で個別に確認する必要があります。
8. まとめ:二拠点生活の求人は取り決めの中身で選び分けられます
この記事の要点
- 正社員全体のテレワーク実施率は22.5%で、出社と在宅を組み合わせる働き方はまだ多数派ではありません*1。
- 一般労働者の賃金は全国計で340.6千円、全職業の有効求人倍率は1.26倍です*2*3。
- 出社の基準は距離・回数・申請の3つに分かれ、二拠点生活を続ける場合はどれに当てはまるかを面談で確認する必要があります。
- 住民票の置き先や費用の負担範囲、緊急時の連絡方法は求人票に書かれていないことがあり、契約前に直接確認しておく項目です。
- 求人票だけで判断がつかない項目は、面談の場で1つずつ確認しておくことが、入社後の行き違いを防ぐことにつながります。
二拠点生活を続けながら正社員として働く選び方は、出社基準の見分け方さえ押さえれば難しくありません。次の一歩は、気になる求人の出社条件を、実際に面談で尋ねてみることです。確認した内容は、口頭だけでなく契約書にも残しておくと、あとで振り返りやすくなります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 パーソル総合研究所「第十回テレワークに関する調査」(2025年公表)
*2 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2026年公表)
*3 厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年公表)
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