エンジニア転職の適性検査とは?出題内容と落ちる理由
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

転職の選考で受ける適性検査は、対策のしかたにばかり関心が向きがちです。この記事で扱うのは、問題の解き方ではありません。適性検査が選考のどこに置かれ、何の判断材料として使われているかを整理したうえで、受ける側が対策より先に整えられる点に絞って扱います。
対策より先に整えられるのは、受験する環境を整えることと、回答の一貫性を保つことです。選考のどこに置かれているかで、結果の位置づけも変わります。
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この記事のポイント
- 適性検査は選考のどの段階に置かれているかによって、結果の位置づけが変わります。初期の絞り込みで使われる場合と、面接の内容と合わせて使われる場合があります
- 転職入職率は9.7%です*1。企業の採用活動全体の規模を示す数字で、適性検査の結果や通過の可能性を示すものではありません
- 受ける側が対策より先に整えられるのは、受験する環境・時間の確保・回答の一貫性の3点です
1. 適性検査は、選考のどこに置くかで意味づけが変わります
適性検査は、選考のどの段階に置かれているかによって結果の位置づけが変わります。初期の絞り込みで使われる位置と、面接の内容と合わせて使われる位置とでは、結果の扱われ方が異なります。転職入職率は9.7%です*1。企業の採用活動全体の規模を示す数字で、検査の結果そのものを示すものではありません。
2. 受ける段階によって、次に見る点が分かれます
適性検査という同じ呼び名でも、選考のどこに置かれているかによって、担っている役割は同じではありません。受けた段階を振り返っておくと、結果がどう扱われやすい位置にあるかが見えてきます。
応募のごく初期、書類選考と同時か その直後に実施される場合は、応募者全体の母集団を絞り込む目的で使われている位置にあることが多くなります。この位置では、検査の結果だけを理由に選考が進むかどうかが決まるとは限りません。他の書類の内容と合わせて見られる位置にあります。
一次面接の前後に実施される場合は、面接で確かめるやり取りと合わせて使われる位置にあります。面接で聞かれたことと検査の傾向を突き合わせて見られることがあり、検査の結果だけが単独で扱われるとは限りません。
最終選考に近い段階で実施される場合は、それまでの面接で見えてきた点を裏づける材料として使われる位置にあります。この段階まで進んでいること自体、それまでの内容が一定の評価を得ている位置にあるとも言え、検査の結果だけで最後の判断が決まるとは限りません。
会社によっては、検査をどの目的で使っているかを応募者に説明しないこともあります。届く案内に書かれているのは、実施の期限や方法までで、選考の中でどう扱われるかまでは触れられていない場合が多くなります。案内が届いた段階と選考の進み方を合わせて見ておくと、次にどんな材料と突き合わせて見られやすいかを推し量る手がかりになります。
3. 結果だけで選考が決まるとは限らないと考えます
適性検査の結果を受け取ったあと、その内容だけで選考の行方が決まると考えてしまうことがあります。しかし選考では、書類・面接・検査という複数の材料が並行して見られる位置に置かれており、検査はそのうちの一つです。
検査で扱われる領域と、面接で確かめられる内容は重なる部分がありますが、同じものではありません。面接では、経歴やこれまでの実務について、直接のやり取りを通じて確かめられます。検査は、その手前や合間に置かれ、面接だけでは見えにくい傾向を補う位置にあります。どちらか一方だけで選考全体が決まる位置にあるわけではありません。
結果を受け取った時点で、良かったのか悪かったのかを判断しようとしても、その基準は外からは分かりません。選考でどう扱われる位置にあるかは会社によって異なり、同じ結果でも重ねて見られる材料の数や組み合わせが違えば、位置づけも変わります。
受ける側にできることは、検査そのものの結果を予想することではなく、検査が選考のどこに置かれているかを踏まえて、次の段階に向けて何を整えておくかを考えることです。次の章からは、受ける側が対策より先に整えられる点を見ていきます。
同じ会社の選考でも、書類選考の段階と最終選考に近い段階とで、異なる種類の検査が使われることがあります。前の段階で受けた検査の結果が、そのまま次の段階に引き継がれるとは限りません。段階が変わるたびに、その検査が何を確かめるために置かれているのかをあらためて意識しておくと、結果の受け止め方も変わってきます。
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4. 検査で扱われる領域を整理します
適性検査という一つの呼び名の中にも、扱われる領域は複数あります。領域ごとに選考での使われ方が違い、受ける側が整えられることも変わります。
検査で扱われる領域と、受ける側が整えられること
| 検査で扱われる領域 | 選考での使われ方 | 受ける側が整えられること |
|---|---|---|
| 基礎的な処理や思考の傾向を扱う領域 | 初期の絞り込みや、面接内容と合わせて見られることがあります | 十分な時間を確保し、落ち着いて取り組める環境を整えます |
| 行動や価値観の傾向を扱う領域 | 面接でのやり取りと突き合わせて確認されることがあります | 普段の考え方に近い内容で、前後の回答を一貫させます |
| 文章や資料の読み取りを扱う領域 | 書類やこれまでの実務内容と合わせて見られることがあります | 静かな受験環境を選び、集中を保てるようにします |
| 組織との相性を扱う領域 | 配属や面接後半の質問に反映されることがあります | 面接での回答と食い違いが出ないよう、内容を一貫させます |
表に挙げた4つの領域は、一つの検査にまとめて含まれることもあれば、別の検査として分けて実施されることもあります。どの領域が含まれるかによって、選考での使われ方も変わります。
表の右列に共通しているのは、対策のしかたではなく、受ける側が事前に整えられる条件だという点です。領域そのものへの対応より、受験する環境と、回答の一貫性を保つことのほうが、共通して整えられる部分になります。
4つの領域を並べて見ると、選考での使われ方に濃淡はあっても、どれか一つだけが単独で選考結果を決める位置にあるとは言えません。書類・面接・検査という複数の材料の中の一部として扱われている位置にあります。
検査の結果がいつの面接官に共有されるかも、会社によって異なります。一次面接の担当者がすでに結果を見ている場合もあれば、最終選考の担当者だけが見ている場合もあります。共有される範囲は応募者側から確認しにくいことが多いため、どの面接に進んでも回答の一貫性を保っておくことが、共通して有効な備えになります。
次の章では、表の右列に挙げた『受ける側が整えられること』を、対策より先に整える3点として絞り込みます。
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5. 対策より先に整えられることを3点に絞ります
適性検査そのものへの対策より先に、受ける側が整えられることがあります。次の3点です。
対策より先に整える3点
- 受験環境:静かで通信の状態が落ち着いている場所を選び、途中で中断されない状態を整えます
- 時間の確保:他の予定を詰め込まず、落ち着いて最後まで取り組める時間を確保します
- 回答の一貫性:似た内容を尋ねる質問や、後の面接での回答と食い違いが出ないようにします
3点はいずれも、検査の内容そのものへの対策ではありません。検査を受ける前と、受けたあとの面接の場に共通して関わる、受ける側の整え方です。
受験環境と時間の確保は、検査に取り組む前に整えておける条件です。静かな場所と十分な時間を用意しておけば、本来の状態で取り組みやすくなります。落ち着かない環境や時間に追われた状態では、普段とは違う答え方になりやすくなります。周辺の機器の通知が鳴らないよう、あらかじめ設定を見ておくと気が散りにくくなります。
回答の一貫性は、検査の最中だけでなく、その後の面接にもまたがる整え方です。似た内容を違う言い回しで尋ねられたときに、前後で答えが大きくずれないようにしておくと、面接で検査の傾向と突き合わせて見られたときにも、答えの筋が通って見えます。
3点のうち、どれか一つだけを整えればよいわけではありません。受験環境と時間の確保が整っていても、回答の一貫性が保てていなければ、検査と面接を合わせて見たときに、答えの筋が見えにくくなることがあります。
3点は、次の章で土台から順に積み上げる形として整理します。どこから手をつければよいかが、順番として見えてきます。
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6. 整える3点を、土台から積み上げます
3点は同時に並んでいるものではなく、土台から順に積み上げる形で考えると整理しやすくなります。頂点から先に整えようとしないことが大切です。
土台にあたる受験環境が整っていないと、時間を確保していても、落ち着いて取り組むこと自体が難しくなります。まず環境から整えます。
中段の時間の確保は、環境が整ったうえで初めて生きてきます。静かな場所を用意していても、他の予定に追われて時間が足りなければ、慌てて答えることになりやすくなります。
頂点にあたる回答の一貫性は、環境と時間の両方が整って初めて保ちやすくなるものです。落ち着かない状態や時間に追われた状態では、その場ごとに答え方がぶれやすくなります。土台と中段を先に整えておくと、頂点の一貫性も保ちやすくなります。
3段の順番は、検査を受けるときだけでなく、その後に続く面接でも同じように使えます。面接の前にも、静かな環境と十分な時間を整えたうえで、検査で答えた内容との一貫性を意識しておくと、選考全体を通じて答えの筋がぶれにくくなります。
順番を飛ばして頂点だけを整えようとしても、土台が整っていなければ長くは保てません。焦らず、土台から順に整えていくという考え方が、対策より先にできることです。
選考が複数の段階にまたがる場合は、次の面接に進む前に、この3段をもう一度見直しておくとよくなります。前の段階で整えた環境や時間の感覚は、間が空くと薄れやすく、次の段階に入る前に確認し直しておくと、積み上げた一貫性を保ちやすくなります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 適性検査の結果だけで、選考の合否が決まりますか。
A. 検査は選考で使われる材料の一つであり、書類や面接など他の材料と合わせて見られる位置にあることが多くなります。結果だけを理由に、その後の選考の行方を言い切ることはできません。
Q2. 適性検査は、選考のどの段階で受けることになりますか。
A. 会社によって異なります。書類選考と同時に実施される場合もあれば、一次面接の前後や、最終選考に近い段階で実施される場合もあります。段階によって、検査が担っている役割の位置づけも変わります。
Q3. 検査の対策として、まず何をすればよいですか。
A. 問題の解き方より先に整えられるのは、受験する環境と時間の確保、そして回答の一貫性です。静かな環境と十分な時間を用意し、面接での回答と食い違いが出ないようにしておくことが、対策より前に整えられる点になります。
Q4. 回答の一貫性とは、どのようなことを指しますか。
A. 似た内容を違う言い回しで尋ねられたときに、前後で答えが大きくずれないようにすることです。検査の中だけでなく、その後の面接での回答との間でも意識しておく点になります。
8. まとめ:適性検査は対策より先に整える視点で見ます
この記事の要点
- 適性検査は、選考のどの段階に置かれているかによって結果の位置づけが変わります。初期の絞り込みで使われる場合と、面接の内容と合わせて使われる場合があります
- 検査は書類・面接と並ぶ選考材料の一つであり、結果だけで選考の行方が決まるとは限りません
- 検査で扱われる領域は複数あり、領域ごとに選考での使われ方が異なります
- 受ける側が対策より先に整えられるのは、受験環境・時間の確保・回答の一貫性の3点です。この順に土台から積み上げると整理しやすくなります
- 転職入職率は9.7%です*1。企業の採用活動全体の規模を示す数字であり、検査の結果や通過の可能性を示すものではありません
適性検査を、問題の解き方を競う場としてではなく、選考のどこに置かれ何を確かめているかという位置づけで見ておくと、対策より先に整えられることが見えてきます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
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