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残業が多いエンジニアの転職|原因の切り分けと求人の見極め

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

残業が多い職場から動くとき|原因の切り分け方のイメージ写真

エンジニアとして働くなかで残業が多いと感じたとき、原因を確かめずに転職を考えると、同じ状況を繰り返すことがあります。残業が増える背景には、担当する業務の量だけでなく、進め方や体制も関わります。原因をどこに置くかによって、転職で変わる部分と変わらない部分が変わってきます。

残業が多い原因は、業務量・進め方・体制のどこにあるかという1点で、転職の効果が変わります。

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数字で見る残業が多い原因の切り分け この記事の要約 新規求人倍率 3.92 厚生労働省 情報処理・通信技術者*1 原因の分け方 3 つに分ける 業務量・進め方・体制 面談で確かめる観点 切り分けの段数 4 つの段 記録から判断まで 動く前に社内で試す段を含む 原因の位置によって、転職で変わる部分は変わります *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 残業が多い原因は、業務量・進め方・体制の3つに分けて考えられます
  • 情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍です*1
  • 面談では、人員体制や意思決定の権限を確認すると原因を切り分けやすくなります

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1. 残業が多い原因は、業務量・進め方・体制の3つに分けられます

エンジニアの残業が多い原因は、業務量・進め方・体制の3つに分けて考えられます。業務量は担当する仕事の絶対量、進め方は手順やレビューの方法、体制は人員配置や意思決定の権限を指します。情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍です*1が、原因の位置によって転職の効果は変わります。

この3つは、それぞれ見る場所が違います。業務量は仕事の量そのもの、進め方は同じ量をどう処理するかという手順、体制は仕事を割り当てる仕組みや決定権の置き所です。

3つを分けずに残業だけを見ると、対処の方向を誤ることがあります。量が多いのか、進め方に無駄があるのか、体制上動かせない部分なのかによって、次に確かめることが変わります。

面談やキャリア相談で「残業が多い」と伝えるときも、この3つのどれに当たるかを添えると、聞き手も何を確認すればよいかを把握しやすくなります。原因を言葉にする作業は、次に取る行動を決めるための準備でもあります。

原因を切り分ける作業は、今の職場を離れる前提で行うものではありません。切り分けた結果、社内でできることが見つかる場合もあれば、転職でなければ変えにくい部分が残る場合もあります。

2. 業務量・進め方・体制を、それぞれ具体的に捉えます

業務量とは、担当する仕事の絶対的な多さを指します。プロジェクトの数、任される仕様の範囲、一人当たりに割り当てられる作業の総量がこれに当たります。業務量が原因であれば、担当する範囲や人員配置を変えることで、状況が変わることがあります。

進め方とは、同じ量の仕事をどのような手順で処理するかという部分です。レビューの回数、確認の重複、使っているツールや情報共有の方法によって、同じ業務量でもかかる時間は変わります。進め方に原因がある場合、転職先が変わっても、身につけた手順や習慣がそのまま残ることもあります。

体制とは、人員配置や意思決定の権限、仕事を割り当てる仕組み全体を指します。誰が仕様や納期を決めているか、必要な人数が確保されているかといった部分です。体制に原因がある場合は、個人の努力だけでは変えにくく、転職によって初めて変わることがあります。

3つの原因は、単独で存在するとは限りません。業務量が多い背景に体制上の人員不足があることもあれば、進め方の癖が業務量を実際より多く見せていることもあります。原因を1つに決めつけずに、複数が重なっている前提で確かめることが必要です。

3つのうち、どれが大きいかは職種や担当領域によっても変わります。仕様変更の多い開発と、運用保守が中心の開発では、業務量と進め方のどちらが残業に響きやすいかが異なります。担当してきた業務の性質を踏まえたうえで、3つの割合を考えることが必要です。

3つに分けて言葉にできると、職務経歴書や面談でも、残業が多かった状況をどう乗り越えようとしたかを具体的に説明しやすくなります。原因を特定せずに「忙しかった」とだけ書くよりも、伝わる情報が増えます。

3つのうちどれに当たるかを判断するときは、1人で決めつけるよりも、同じ状況を見ている同僚に確認すると、見落としていた原因に気づきやすくなります。

3. 原因ごとに、転職で変わる度合いを比べます

3つの原因を、転職でどの程度変わりやすいかという観点で並べます。度合いはあくまで目安であり、実際の会社によって変わります。

原因と転職による変化の目安

残業が増えている原因転職で変わる度合い面談で確かめること
業務量(担当する仕事の絶対量)変わりやすい求人票に書かれた業務範囲や、担当する人数を確認します
進め方(手順・レビュー・情報共有の方法)変わりやすい面と変わりにくい面が両方ある面談で開発の進め方や、裁量の範囲を確認します
体制(人員配置・意思決定の権限)変わりにくい誰が納期や仕様を決めているかを直接確認します
繁忙期の偏り(時期によって業務が集中するか)変わりにくい納期の決め方や、繁忙期の対応方法を確認します

表に並べた度合いは目安です。同じ体制の課題でも、会社によって解消の速さは異なりますし、業務量が多い会社でも人員を増やす計画があれば状況は変わっていきます。

度合いが「変わりにくい」に当たる原因ほど、面談で直接確かめる価値があります。求人票だけでは、人員配置や意思決定の権限までは分からないためです。

体制に原因があると分かっても、転職先の体制が同じ課題を抱えている場合は、残業の状況が大きく変わらないこともあります。転職が必ず解決するとは限らないという前提で、面談で確かめることが必要です。

「変わりやすい」に当たる業務量も、転職した直後から変わるとは限りません。人員の追加や担当範囲の調整には時間がかかることが多く、変化が表れるまでに一定の期間を要する場合があります。

進め方の改善は、業務量や体制の課題を覆い隠すこともあります。効率を上げても業務量そのものが多ければ、残業は残ります。改善の効果と、原因の本体がどこにあるかを分けて評価することが必要です。

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4. 原因の位置を、進め方寄りか体制寄りかで確かめます

業務量は原因の入り口として扱い、ここでは進め方と体制のどちらに近いかを確かめます。

原因の位置を、進め方寄りか体制寄りかで確かめます 原因の位置 自分の進め方で変わる 体制の問題で変わりにくい 実際の位置は会社ごとに異なり、面談で確かめるまでは分かりません 原因が体制に近いほど、転職だけでは変わりにくくなります

中央にある位置は、進め方と体制のどちらとも言い切れない状態を表します。実際には、自分の手順を見直せば減る部分と、会社の仕組みを変えなければ減らない部分が、同じ人のなかに混在していることが多くあります。

位置を確かめる手がかりは、社内で試したときの変化です。進め方を変えて残業が減れば、その部分は進め方寄りにあったことになります。変えても減らなければ、体制寄りにある部分だと判断できます。

進め方寄りにある部分は、転職する前に見直す余地が残っています。体制寄りにある部分は、自分だけで動かせる範囲を超えているため、見直しよりも先に、次の職場でどう変わるかを確かめる対象になります。

位置が中央から動かない場合は、進め方と体制の両方に原因が分散していると考えられます。その場合は、進め方を先に見直したうえで、残った部分を体制側の課題として面談での確認に回す進め方が考えられます。

位置を確かめる作業は、1回で終わらせる必要はありません。担当する業務やチームの状況が変わるたびに、同じ観点で位置を見直すと、原因の変化にも気づきやすくなります。

5. 原因を切り分ける手順は4つの段で進みます

原因の位置を確かめるための、具体的な4つの段を示します。

原因を切り分ける手順は4つの段で進みます 記録する 残業が発生した場面と時間を書 き留めます 切り分ける 業務量・進め方・体制のどこに 当たるか整理します 社内で試す 進め方の変更など、動く前に試 せることを試します 動くか決める 変わらなかった部分をもとに、 転職するかを判断します 4つの段を通じて、原因の切り分けを転職の判断より先に置きます

記録する段では、残業が発生した曜日や時間帯、そのときに担当していた作業を書き留めます。感覚だけで原因を判断すると、実際には別の原因を見落とすことがあります。

社内で試す段を挟むのは、進め方に当たる部分であれば、転職しなくても変わることがあるためです。試して変わらなかった部分が、体制に近い原因として残ります。

動くか決める段では、社内で試して変わらなかった部分を面談での確認事項に置き換えます。転職の判断は、この段まで進んだあとに位置づけます。

記録から動くか決めるまでの期間は、担当している業務の状況によって変わります。忙しい時期に無理に急いで結論を出すよりも、通常の業務量に戻ったタイミングも含めて記録すると、原因の位置を見誤りにくくなります。

4つの段は、必ずしも1人で完結させる必要はありません。上司やチームに記録を共有しながら進めると、進め方に当たる部分が早く見つかることもあります。

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6. 求人選びで確認したい3つの観点を整理します

4つの段を経て転職を検討する場合、求人選びと面談で確認したい観点を3つに整理します。

求人選びで確認したい3つの観点

  • 業務範囲の記載:求人票に書かれた担当領域や業務範囲の広さを確認します
  • 人員体制の説明:面談でチームの人数や役割分担の説明を確認します
  • 意思決定の権限:仕様や納期を誰が決めているかを面談で確認します

3つの観点は、いずれも体制に近い原因を確かめるためのものです。業務量や進め方は、面談で聞いた説明だけでは実際の状況まで分からないことが多いためです。

3つを一度に聞くのではなく、記録した内容や社内で試した結果と結び付けて質問すると、抽象的な回答で終わらずに具体的な説明を引き出しやすくなります。

3つの観点で確認しても、実際に入社してから分かる部分は残ります。面談で得られる情報は判断の材料であり、確定した答えではないという前提を持っておくことも必要です。

3つの観点で得た回答が、記録した内容や社内で試した結果と食い違う場合もあります。その食い違い自体が、求人票やその場の説明だけでは分からなかった情報として役に立ちます。

求人票や面談で得られる情報が少ない場合は、入社後の早い時期に同じ3つの観点を社内で確認する方法もあります。切り分けの作業は、転職の前後を通じて使える見方です。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 残業が多い原因は、転職すれば必ず解消しますか。

A. 原因が体制にある場合は、転職先でも同様の状況が続くことがあります。原因を切り分けたうえで、面談で確認することが必要です。

Q2. 業務量と進め方は、どう見分ければいいですか。

A. 同じ作業に使う時間が人によって大きく異なる場合は進め方、担当する仕事の総量そのものが多い場合は業務量に当たると考えられます。

Q3. 面談では、残業についてどのように質問すればいいですか。

A. 残業時間の数字だけでなく、発生する原因や人員体制について尋ねると、切り分けた原因が当てはまるかを確かめやすくなります。

Q4. 進め方の問題は、転職せずに解決できますか。

A. 進め方に当たる部分は、社内での工夫によって変わることがあります。転職を検討する前に、試せる範囲を確認しておくことも一つの方法です。

8. まとめ:残業が多い原因は、切り分けたうえで求人を選びます

この記事の要点

  • 残業が多い原因は、業務量・進め方・体制の3つに分けて考えられます
  • 情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍です*1
  • 業務量は転職で変わりやすく、体制は面談で確かめるまで分かりにくい原因です
  • 記録する→切り分ける→社内で試す→動くか決めるという4つの段で進められます
  • 求人選びでは、業務範囲・人員体制・意思決定の権限の3つを確認できます

残業の背景を切り分けることが、転職で変わる部分を見極める最初の一歩になります。

原因を切り分けたうえで、次の一歩を選ぶ

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出典・参考情報

*1 厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和7年12月)

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