フルリモートの正社員で全国どこでも|居住地不問と出社の交通費

フルリモートの正社員求人に「居住地不問」「全国どこでも」と書かれているとき、中身は就業場所・変更の範囲・出社の有無・交通費の4つの欄で読みます。この2つの言葉は、公的資料に定義が載っていません。そのため、表記が同じ求人どうしでも、出社日があるかどうかは欄を読まないと分かりません。
在宅勤務が入社直後から通常想定される求人では、自宅やサテライトオフィスなどの場所の明示が必要です*1。契約している間に就業場所が変わりうるかは、変更の範囲の欄で読めます*2。応募書類の提出を求められたときの扱いは、厚生労働省の採用選考の資料に載っています*4。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 「居住地不問」「全国どこでも」の定義は公的資料に載っていません。就業場所、出社の有無、交通費の欄と、契約期間中に就業場所が変わりうる範囲を書いた変更の範囲の欄で、中身を読みます。
- どこでテレワークをしても、適用される最低賃金は、所属する事業場(会社の拠点)がある都道府県のものです*1。遠方に住んでいても、会社の所在地が分かれば最低賃金の基準が分かります。
- 出社日の交通費は、支給の有無と上限を、求人票と就業規則(会社が定める働き方のルール)で読みます。電車・バス通勤の通勤手当の非課税には、月15万円の限度額があります*3。
リラシクの強み
住む場所を問わない求人を探すときに先に見たいのは、出社の有無と手当の条件です。リラシクが扱う求人は、すべてリモートワークに対応した正社員求人です。「地方フルリモートOK」「週1日以上の出社」「社内イベントでの出社可能性あり」「リモートワーク手当て有り」などの条件でも絞り込めます。絞り込んだあとの求人票でも、就業場所と変更の範囲の欄を読めます。
1. 居住地不問の中身は求人票の4つの欄で読む
「居住地不問」「全国どこでも」の中身は、求人票の就業場所、変更の範囲、出社の有無、交通費の4つの欄を読むと分かります。どちらの言葉も、定義は公的資料にありません。在宅勤務を入社直後から行う求人では、就業場所の欄に在宅勤務の場所が明示される必要があります*1。変更の範囲の欄には、就業場所が契約期間中に変わりうる範囲が書かれます*2。
出社の有無と交通費の欄は、住む場所の自由度に直接かかわります。就業場所が自宅と明記され、出社の記載がなければ、住む場所を選ぶ余地は大きい求人です。出社日がある求人は、出社先の事業場まで通える場所に住むことが求められるので、居住地不問と書かれていても出社先の所在地を読みます。
どれかの欄が空いている求人は、応募前の問い合わせか面接で聞く項目が残ります。4つの欄を上から順に聞いていくと、住む場所の条件が上から決まっていきます。出社日があるなら、頻度と出社先と出社日の交通費も聞く項目です。
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2. 出社の有無と場所の書き方で求人は4つに分かれる

居住地不問の求人は、出社の有無と、就業場所が明記されているかの2つの項目で4つに分けて読めます。どこに当たるかで、読む欄と聞くことが変わります。
左上の求人は、住む場所の条件がいちばん読みやすい型です。就業場所に自宅が明記されているなら、変更の範囲の欄で出社先や拠点が変わる可能性を読みます*2。変わる可能性があれば、その場所が今の住まいから通えるかを、応募前に問い合わせます。
右上は、自宅勤務と出社日が併記される求人です。出社の頻度と出社先の事業場を読み、そこまで通える場所かどうかを自分の住まいと照らします。出社日の交通費は、求人票の交通費の欄か就業規則に書かれているかを聞きます。
下の2つは、就業場所の欄に自宅の記載がない求人です。出社の有無も書かれていなければ、「フルリモート」の表記だけで判断せず、入社直後の就業の場所を応募前に問い合わせます*1。
3. 求人票の4つの欄に書かれる内容
4つの欄は、それぞれ別のことを書く欄です。同じ求人の中でも、欄ごとに読み取れる内容が違います。
居住地不問の求人で読む4つの欄
| 欄 | 書かれていること | 読み取れること |
|---|---|---|
| 就業場所 | 自宅、サテライトオフィスなどの場所 | 在宅勤務を入社直後から行う求人では、その場所が明示される*1 |
| 変更の範囲 | 就業場所が変わるとしたら、どこまでか | 契約期間中に出社先が移る可能性があるか*2 |
| 出社の有無 | 出社日の頻度、出社先 | 住む場所から出社先まで通えるか |
| 交通費 | 通勤手当、出社日の交通費の記載 | 支給の有無と上限。記載がなければ面接で聞く |
表の上の2行は、法令とガイドラインで明示の必要が示された項目です*1*2。下の2行は、求人ごとに書き方が違う欄なので、記載がなければ応募前の問い合わせで聞きます。
4行を並べて読むと、「居住地不問」の表記が1行目と2行目だけを指しているのか、4行すべてを指しているのかが見えてきます。表記だけでは区別がつかないので、読むのは表記の言葉ではなく、欄の中身です。
4. 最低賃金は住む場所ではなく所属する事業場で決まる
フルリモートの正社員でも、テレワークを行う場所がどこでも、適用される最低賃金は、その労働者が所属する事業場がある都道府県のものです*1。どの都道府県の最低賃金が当たるかは、自宅の住所ではなく、自分が所属する拠点で決まります。会社の所在地や配属される拠点は、応募前に問い合わせて分かります。
労働基準法上の労働者がテレワークを行う場合も、労働基準法や最低賃金法などの労働基準関係法令が適用されます*1。住む場所が遠くても、法令の適用が薄くなるわけではありません。
入社直後からテレワークが通常想定される場合、自宅やサテライトオフィスなどテレワークを行う場所は、入社直後の就業の場所として明示される必要があります*1。契約期間中にテレワークを行うことが通常想定される場合は、変更の範囲として明示します*1。変更の範囲は、その労働契約の期間中の範囲を指し、2024年4月以降に締結・更新する契約が対象です*2。
応募する求人が在宅勤務を前提にしているなら、就業場所の欄に自宅と書かれているかを先に見ます。自宅の記載がなく「居住地不問」だけが書かれている場合は、就業場所を面接前に問い合わせ、契約期間中に出社先が変わりうるかは変更の範囲の欄で読みます。
5. 出社日の交通費は求人票と就業規則で読む

フルリモートの正社員でも、出社が月に何回かある求人では、出社日の交通費を会社がどう扱うかが、住む場所を選ぶときの実際の負担になります。厚生労働省のテレワークのガイドラインは、テレワークに要する費用の扱いを会社と労働者で十分に話し合い、就業規則等に定めておくことが望ましいとしています*1。定める内容は、どちらが負担するか、会社が負担する場合の限度額、労働者が会社に請求する場合の請求方法です*1。
求人票の交通費の欄に「全額支給」とだけ書かれているときは、上限があるかどうかと、使える交通手段を聞きます。通勤手当の非課税の仕組みが、この質問の手がかりになります。
国税庁によると、電車・バス通勤者の通勤手当は、最も経済的かつ合理的な経路および方法による金額が非課税です*3。新幹線や特急列車の運賃は、その経路や方法に当たる場合は含まれますが、グリーン料金は含まれません*3。
1か月当たりの非課税の限度額は15万円で、これを超えて支給する部分は給与として課税されます*3。出社の頻度と交通手段が決まれば、毎月の手当の額の見当が付くので、グリーン車や新幹線を使えるかどうかも合わせて聞いておきます。
出社の求めが急に来ることがあるかは、出社の頻度と一緒に聞く項目です。会社が具体的な業務のために急きょ出社を求め、必要な就業場所間の移動を命じて、その間の自由利用が保障されていない場合の移動時間は、労働時間に該当します*1。移動中の自由利用が保障されている時間は、休憩時間として扱うことが考えられます*1。
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6. よくある質問
Q1. 居住地不問と書かれていれば出社なしで働けますか
A. 出社なしで働けるかどうかは、「居住地不問」の表記からは分かりません。この言葉には、公的資料の定義がないためです。出社の有無の欄に頻度や出社先が書かれていれば、住む場所は出社先まで通える場所に限られます。出社の記載がなければ、出社日があるかどうかを会社へ聞きます。
Q2. フルリモートの求人でも最低賃金は住んでいる都道府県のものですか
A. いいえ。勤め先の事業場がある都道府県の最低賃金が適用されます*1。自宅の所在地が変わっても、所属する事業場が変わらなければ基準は同じです。配属される拠点が複数ある場合の扱いは、面接前に会社へ聞きます。
Q3. 変更の範囲の欄には何が書かれますか
A. 契約期間中の就業場所について、変わりうる場所が書かれます*2。入社直後から在宅勤務をする求人でも、自宅などの場所が明示されます*1。
Q4. 出社日の交通費の扱いはどこで分かりますか
A. 求人票の交通費の欄と就業規則が手がかりです。厚生労働省のガイドラインは、テレワークに要する費用の扱いを会社と労働者で十分に話し合い、就業規則等に定めておくことが望ましいとしています*1。求人票に記載がなければ、支給の有無、上限、使える交通手段を面接で聞きます。
Q5. 応募書類や面接で個人の事情を聞かれたらどう考えればいいですか
A. 本人に責任のない事項や、本来自由であるべき事項を、応募用紙や面接で把握することは、厚生労働省が就職差別につながるおそれのある事項として挙げています*4。適性・能力に関係のない事項が、その対象です*4。公正な採用選考は、応募者の基本的人権を尊重することと、応募者の適性・能力に基づいた基準で行うことの2点が基本です*5。求められた書類や質問は、答える前に応募先の会社へ使い道を聞きます。
7. まとめ:居住地不問は4つの欄で中身を読む
この記事のまとめ
- 「居住地不問」「全国どこでも」は公的資料に定義が無いので、就業場所、変更の範囲、出社の有無、交通費の欄で中身を読みます。
- 最低賃金は、住む場所ではなく所属する事業場がある都道府県のものが適用されます*1。
- 出社日の交通費は、求人票の交通費の欄と就業規則で、支給の有無・上限・使える交通手段を聞きます。
- 応募書類や面接で、適性・能力に関係のない個人の事情を聞かれたときは、就職差別につながるおそれのある事項にあたります*4。
求人の表記が居住地不問でも、応募前に4つの欄のうち空いているものを調べて問い合わせます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)
*2 令和5年改正労働基準法施行規則等に係る労働条件明示等に関するQ&A(厚生労働省)
*3 No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当(国税庁タックスアンサー)
*4 採用選考時に配慮すべき事項(厚生労働省 公正採用選考特設サイト)
*5 公正な採用選考の基本(厚生労働省)
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