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源泉徴収票の入社日の記載|中途入社の欄と前職分

机に左右に並べた2枚の細長い票の用紙と、間のボールペン

就職した日付を書く場所は、転職した年の源泉徴収票では「中途就・退職」の欄です。年の途中で就職した人の票には○が付き、その年月日が書かれます*1。前職の給与を通算して年末調整(会社が1年分の所得税を精算する手続き)をした年は、支払金額にも前職分が入ります*1。

この欄の年月日は、国税庁の源泉徴収票の作成の手引では「就職の年月日」とされています。前職分を通算したかどうかで、摘要欄(補足を書く欄)の書き方も変わります*1。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 「中途就・退職」の欄は、年の途中で入社や退職があった人の票に○を付け、その年月日を書く欄です*1。
  • 年末調整で前職の給与を通算すると、支払金額は前職分を足した額になります*1。摘要欄には、前の勤め先の名称、退職した年月日、前職の給与と税額と社会保険料が入ります*1。
  • 条文では交付を翌年1月31日までとし、年の中途の退職者にはさらに退職後1か月以内の期限があります*4。令和7年分の手引の2月2日は、期日が土日に当たった分の繰り下げです*2。

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1. 就職の年月日は中途就・退職の欄に書く

転職先の票で就職の年月日を書くのは「中途就・退職」の欄で、該当欄に○を付けてその年月日を書きます*1。前職分を通算した票では、支払金額に前職分が入り、摘要欄に前の勤め先の名称などが載ります*1。手引は、この欄に書く日を「就職の年月日」としか書いていません。退職した人の票も、同じ欄を使います*1。

源泉徴収票は、1年間に支払った給与と、そこから引いた所得税の額を受け取った人ごとに記録する書類です。その中に「中途就・退職」という欄があり、年の途中で就職した人、または退職した人(死亡退職を含みます)の票では、該当欄に○を付けてその年月日を書きます*1。1月から12月まで同じ会社に勤めた人の票には、この欄の記入が要りません。

転職した年は、前の会社と転職先の会社の両方が、その年の給与を支払った会社になります。前の会社は退職した人の票を作り、転職先は年末調整をしたうえで、その年の最後の票を作ります。前職分が転職先の票の支払金額と摘要欄に出てくるのは、通算したときだけです*1。

手元の票を見るときは、「中途就・退職」の欄の○と日付、支払金額、摘要欄の3か所を順に見ます。この3か所だけで、就職した日付と、前職分が通算されているかどうかが分かります。それぞれに何が書かれるかは、後ろの表で並べています。

2. 転職した年の票ができるまでの4つの手順

夕方のテーブルで、白い封筒から細長い票の用紙を引き出す手
転職した年は、前職の票で給与を調べて通算し、その結果が転職先の票に載る 1 前の会社が源泉徴収票を交付する 年の途中で退職した人へは、退職の日以後1か月以内に渡される 2 転職先が前職の給与を調べる 前の会社が交付した源泉徴収票などで、年の中の他社の給与を調べる 3 前職分を含めて年末調整する 転職先が前職の給与を足して、1年分の所得税を精算する 4 転職先が票に年月日と前職分を書く 中途就・退職の欄に○と年月日、摘要欄に前職分を書く 前職の票で調べられないと年末調整ができず、本人の確定申告になる

年の途中で就職した人は、就職の前にその年に他の会社から給与を受けたかどうかを調べられます*3。他の会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出して給与を受けていた人は、その給与を含めて年末調整をする必要があります*3。調べる手段は、他の会社が交付した源泉徴収票などです*3。

調べられないときは、年末調整はできません*3。その場合は、本人が確定申告をして、所得税及び復興特別所得税を精算します*3。前の会社から届いた票は、捨てずに置いておくと、転職先の年末調整にそのまま使えます。

基礎控除や扶養控除などは、年の途中の就職でも、所得のあった月数であん分せず全額が認められます*3。たとえば3月に学校を卒業して4月から就職した人でも、控除の全額です*3。転職した年の控除が、月数に応じて減ることはありません。

あわせて読みたい | 転職した年の年末調整|前職の源泉徴収票をいつまでに出すか

3. 入社に関わる記載は3つの欄に分かれる

就職や前職に関わる記載が入る欄を、書く内容と場合ごとに並べました。

源泉徴収票で就職の年月日と前職分が入る欄

記載する場所書く内容どの場合か
中途就・退職の欄(就職)該当欄に○を付け、就職の年月日を書く*1年の途中で就職した場合
中途就・退職の欄(退職)該当欄に○を付け、退職の年月日を書く*1年の途中で退職した場合(死亡退職を含む)
支払金額の欄前職分を足した総額を書く*1前職分を通算して年末調整をした場合
摘要欄①前の支払者の住所(居所)又は所在地、氏名又は名称*1同上
摘要欄②前の支払者のもとを退職した年月日*1同上
摘要欄③前の支払者が支払った給与等の金額、徴収した所得税及び復興特別所得税の合計額、控除した社会保険料の金額*1同上

支払金額の欄は、その年中に支払が確定した給与等の総額を書く欄です*1。年末調整で前職分を通算したときは、前職の給与等の金額もこの総額に入ります*1。前職の分を足し忘れた総額では、年末調整の計算そのものがずれるので、転職先の票の支払金額には前職分が含まれているかを見ておきます。

摘要欄③の「社会保険料の金額」は、前の支払者が給与から控除した分です*1。前の会社の票にも同じ金額が載っているので、転職先の票の摘要欄と見比べると、写し間違いがないかが分かります。通算した源泉徴収票の摘要欄には、前の支払者の住所か所在地、氏名か名称、退職した年月日が書かれます*1。あわせて、前の支払者が支払った給与等の金額、徴収した所得税及び復興特別所得税の合計額、控除した社会保険料の金額も対象です*1。源泉徴収票の摘要欄にこれらがそろっているかは、前の会社の票と並べると分かります。

手引の記載例2は、令和7年4月1日に就職した人が、就職の前に勤めていた会社の給与と通算して年末調整をした場合です*1。この例のように、前職があって通算した票では、中途就・退職の欄と摘要欄の両方に前職や就職に関わる記載が入ります。

4. 欄の年月日は雇用契約の入社日と同じと言い切れない

会議室の机で、票の用紙と契約書の用紙の欄を両手の指で見比べる

手引は、年の途中で就職か退職があった人の票に、「中途就・退職」の該当欄の○と、その年月日を書くよう求めています*1。就職した場合に書く日付は、手引の文言では「就職の年月日」です*1。雇用契約書の入社日と同じ日かは、この文言だけでは言えません。

この欄の名前は「中途就・退職」です*1。転職先の票で見るべき日付は、あくまでこの欄の年月日です。

票には、日付が入る場所がもう1か所あります。摘要欄に書かれる前の会社を辞めた日にあたる年月日で、こちらは前職の退職日です*1。同じ票の中に2つの日付があっても、片方は転職先に就職した年月日、もう片方は前の会社を退職した年月日で、書かれる意味が別です。

票の日付が自分の持っている雇用契約書の入社日と違って見えたときは、転職先の経理担当に、欄に書いた日付の意味を聞きます。

5. 交付期限は翌年1月31日で年の途中の退職は1か月以内

所得税法第226条は、給与の支払者に、その年に支払が確定した給与等について、受け取る人ごとに源泉徴収票を2通作ることを求めています*4。2通のうち1通は税務署長に提出し、もう1通は給与等を受ける人に交付します*4。期限は翌年1月31日までで、年の途中で退職した人は、退職の日以後1か月以内に交付する決まりです*4。

令和7年分の手引では、期日が令和8年2月2日までと書かれています*2。条文の1月31日と食い違うように見えますが、令和8年は1月31日が土日に当たり、期日が後ろの平日へ移ったためです*2。1月31日が平日の年は、その日が期日になります。年の途中で退職した人の期限は、手引でも退職の日以後1か月以内のままです*2。

この交付は、税務署に提出する範囲に関係なく、全ての受給者が対象です*2。転職した年は、前の会社の票が退職の日以後1か月以内に、転職先の票が翌年の期限までに届く流れです。退職の日から1か月を過ぎても前の会社の票が届かないときは、前の会社の経理担当に問い合わせます。

あわせて読みたい | 源泉徴収票と離職票の違い|使い道と届く時期

6. よくある質問

Q1. 源泉徴収票で就職した日付はどの欄に書かれますか

A. 「中途就・退職」の欄です。就職の年月日が書かれ、該当欄に○が付きます*1。

Q2. 「中途就・退職」の欄の年月日は雇用契約書の入社日と同じですか

A. 同じとは言い切れません。手引が定めているのは「就職の年月日」を書くことで、雇用契約書の入社日との関係までは手引から言えません*1。

Q3. 前職分を通算した場合支払金額はどうなりますか

A. 前職分も含めた総額になります*1。前の会社の名称や税額などは、摘要欄に書かれます*1。

Q4. 前職の源泉徴収票を転職先に出せないとどうなりますか

A. 前職の給与が確認できないと、年末調整の対象から外れ、本人の確定申告で所得税を精算する形になります*3。

Q5. 源泉徴収票はいつまでに交付されますか

A. 条文は翌年1月31日までと定めています*4。退職した人は、退職日から数えて1か月以内が期限です*4。手引に2月2日とあるのは、土日にかかった年の繰り下げによる表記です*2。

Q6. 4月に就職すると基礎控除や扶養控除は月割りで減りますか

A. 減りません。月数に応じて割り振る計算はせず、控除の全額が対象です*3。

Q7. 年の途中で退職した人の票にも「中途就・退職」の欄はありますか

A. あります。退職した人の票にも、年の途中の退職であることを示す○と退職の年月日が書かれ、死亡退職も対象に含まれます*1。

Q8. 源泉徴収票の交付は税務署に出す対象の人だけですか

A. 違います。税務署へ出す人の範囲とは別に、全ての受給者が交付の対象です*2。

Q9. 前職分を通算していない票の摘要欄にも前の会社の記載は入りますか

A. 手引が前の支払者の記載を求めているのは、前職分を通算した年末調整のときです*1。通算していない年の票に、前の会社の名称や金額の記載は求められていません。

7. まとめ:中途就・退職の欄と摘要欄の記載

転職した年の源泉徴収票で押さえる3点

  • 就職の年月日は「中途就・退職」の欄に書かれ、退職した人も同じ欄を使います*1。雇用契約書の入社日との一致は、手引から言えません。
  • 前職分を通算した票には、支払金額の総額に前職分が含まれ、摘要欄に前の会社の名称・退職の年月日・金額が書かれます*1。
  • 交付は1月31日が期限で、退職した人は退職後1か月以内が期限です*4。令和7年分の手引が2月2日なのは、土日をまたぐための繰り下げです*2。

年の途中で転職したら、前の会社の源泉徴収票を手元に置いたうえで、転職先の票の欄と摘要欄を見比べます。

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出典・参考情報

*1 令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 第2 給与所得の源泉徴収票(国税庁)
*2 令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 その他の注意事項(国税庁)
*3 タックスアンサー No.2674 中途就職者の年末調整(国税庁)
*4 所得税法(昭和40年法律第33号)第226条(e-Gov法令検索)

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