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源泉徴収票の社会保険料等の金額が2段なら上の数字は内訳

源泉徴収票の社会保険料等の金額が2段なら上の数字は内訳のイメージ写真

源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄に、数字が上下2段で並んでいることがあります。上の段の数字は下の段にすでに含まれている内訳で、内書きと呼ばれる書き方です。上段は小規模企業共済等掛金にあたる分で、下段が社会保険料等の金額です*2。

そのため、上段と下段を足すと、同じ掛金を2回数えることになります*2。申告のときに使うのは下段の額で、上段はその内訳にあたります。欄が2段になるのは、企業型の確定拠出年金(確定拠出年金法で定められた年金)やiDeCoの掛金を、給与から引かれている人です*2。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄が2段のときは、上段が内書きで小規模企業共済等掛金の額、下段が社会保険料等の金額です*2。上段の数字は下段にすでに入っているため、2つを足すと同じ掛金を重ねて数えることになります。
  • 小規模企業共済等掛金には、確定拠出年金法の企業型年金加入者掛金と個人型年金加入者掛金、地方公共団体が条例の規定により実施する心身障害者扶養共済制度の掛金が入ります*1。企業型の確定拠出年金やiDeCoの掛金を給与から引かれていれば、欄は2段になります。
  • 欄が2段書きでない源泉徴収票なら、「内」の部分を入力する必要はありません*2。数字が1つしかない人は、上下の区別を気にしないで済みます。

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1. 社会保険料等の金額が2段のときは上段が内書き

源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄が2段で書かれているときは、上段が内書きで小規模企業共済等掛金、下段が社会保険料等の金額です*2。上段の数字は下段の中にすでに入っているため、2つを足すと同じ掛金を重ねて数えてしまいます。申告で書き写すのは下段の額のほうで、上段は「内」の欄に入れます*2。欄が1段しかない源泉徴収票なら、「内」の部分を入力する必要はありません*2。

そのため、まず欄の中に数字がいくつ並んでいるかを見てください。1つしか書かれていなければ、その額が社会保険料等の金額です*2。2つ並んでいるときは、上が内書きで、下にその額まで含んだ合計が入ります*1。

つまり、欄に書くのは、給与から差し引いた社会保険料の金額と、保険料控除申告書にもとづいて差し引いた社会保険料の金額です*1。ここに小規模企業共済等掛金の額を加えた合計が、下段に入ります*1。そのうち掛金の分だけを上に重ねて書いたものが、内書きです*1。上段が下段の一部になるのは、この決まりからです。

ただし、上の段が空いている源泉徴収票もあります。給与から確定拠出年金やiDeCoの掛金を引かれていなければ、内書きにする額が出てこないからです*1。その場合の欄は1段だけで、印字された数字をそのまま使います*2。

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2. 上段の内書きと下段で入るものが分かれる

実際、2段で書かれた欄を見ても、上下で何が違うのかは形からは分かりません。上段に入るのは、小規模企業共済等掛金だけです*2。下の段には、給与から引かれた社会保険料と、その掛金を合わせた額が入ります*1。上下の差が、社会保険料の分にあたります。

上段には掛金だけが入り下段は合計になる 上段(内書き) 小規模企業共済等掛金の額 企業型の確定拠出年金やiDeCo 下段の中にすでに入っている 申告では「内」の欄に書く 下段(社会保険料等の金額) 給与から引かれた社会保険料 保険料控除申告書で引いた分 上段の掛金もここに含む 申告で使うのはこちらの額 足し算も引き算もせず、下段の額をそのまま使います

そのため、2つの数字は、足すのではなく引いて見てください。下段から上段を引けば、社会保険料として引かれた分が出ます*1。足してしまうと、掛金を2回数えた数字ができあがります。申告書に写すときの本体の額は、下段のほうです*2。

ただし、上段の額を捨ててよいわけではありません。国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、2段書きのときに上の額を「内」の欄へ入力します*2。下の額が入るのは、社会保険料等の金額を書く欄です*2。入れる場所は2つに分かれています。

一方、欄が1段だけの源泉徴収票なら、上下の区別そのものが出てきません。数字が1つしかないので、それが社会保険料等の金額です*2。「内」の欄は空のままにします*2。

3. 小規模企業共済等掛金に入る3つの掛金

上段に入る小規模企業共済等掛金は、1つの掛金を指す言葉ではありません。国税庁が出している手引では、3種類の掛金がここに含まれると書かれています*1。どれかを給与から引かれていれば、欄は2段になります。3つはまとめて小規模企業共済等掛金控除として扱われます*3。

小規模企業共済等掛金に入るもの

  • 企業型年金加入者掛金:確定拠出年金法で定められた企業型年金の掛金のうち、加入者が負担する分です*1。
  • 個人型年金加入者掛金:確定拠出年金法で定められた個人型年金の掛金で、iDeCoと呼ばれているものです*1。
  • 心身障害者扶養共済制度の掛金:地方公共団体が条例の規定により実施する制度で、一定の要件を備えた契約の掛金が入ります*1。

実際に欄が2段になるのは、このうち給与から引かれている掛金があるときです。企業型年金の掛金が毎月の給与から差し引かれていると、その額が上の段に出ます*1。iDeCoの掛金を給与から引く形にしている勤め先でも同じです。引かれていなければ、欄は1段のままです。

ただし、上段の数字を見ても、3つのうちどれが入っているかまでは読み取れません。書かれているのは合計した額で、内訳までは出ないからです*1。掛金の種類を知りたいときは、勤め先の給与を計算している部署に聞くことになります。数字から分かるのは、上が掛金の合計だという1点です。

一方、心身障害者扶養共済制度は、地方公共団体が条例の規定によって実施する制度です*1。一定の要件を備えた契約の掛金が、小規模企業共済等掛金に含まれます*1。確定拠出年金と同じ欄に入るため、上段の額だけでは区別が付きません。区別が要るなら、掛金を払っている先の書類を見ます。

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4. 欄の位置ごとに入っている額と申告で使うところ

つまり、2段の欄は、上下でそれぞれ入るものが決まっています*1。上の段は掛金を示す内書きで、下の段が社会保険料等の金額です*2。申告のときに書き込む先も、上下で分かれます*2。1段しかない欄は、下の段だけがある状態にあたります。

欄の位置ごとに入る額と入力先

欄の位置入っている額申告で使うところ
上段(内書き)小規模企業共済等掛金の額*1「内」の欄に入力する*2
下段社会保険料と掛金を合わせた額*1社会保険料等の金額として使う*2
1段だけの欄社会保険料等の金額*2「内」の欄は入力しない*2
上段と下段の合計同じ掛金を2回数えた額どの欄にも使わない*2

そのため、表の左の列を見てから、右の列の場所に数字を入れてください。上の額は「内」と書かれた欄、下の額は社会保険料等の金額の欄です*2。順番を逆にしても結果は変わりませんが、2つを足した数字を入れる欄はどこにもありません。

ただし、上下の関係を決めているのは欄の見た目ではなく、記載のしかたの決まりです*1。国税庁の手引には、掛金の額については内書きすると書かれています*1。だから上の数字は、下の数字の一部にあたります。

5. 2段かどうかで申告書に写す欄が分かれる

数字が1つか2つかで書き写す欄が変わる 1 源泉徴収票の欄を開く 「社会保険料等の金額」の欄に数字がいくつあるかを見る 2 数字が1つなら下段だけ その額が社会保険料等の金額で「内」の欄は空にする 3 数字が2つなら上下に分ける 上の額を「内」の欄に入れ下の額を社会保険料等の金額にする 上段と下段を足した数字は使いません

まず、手元の源泉徴収票で欄の数字を数えてください。数が1つなら、その額がそのまま社会保険料等の金額です*2。2つなら、上を「内」の欄に、下を社会保険料等の金額の欄に入れます*2。

実際、迷いやすいのは2つ目の数字をどこに入れるかです。上の額は下の額の中に含まれているので、下段は上段を引いたあとの数字ではありません*2。源泉徴収票に印字されたままの数字を、それぞれの欄へ写します*2。自分で引き算をして入れ直す必要はありません。

ただし、写した数字が源泉徴収票と合っているかは、入力し終えたところで見ておいてください。上の数字と「内」の欄、下の数字と社会保険料等の金額の欄が、それぞれ同じになっていれば合っています。数字が1つずれるだけで、申告した額が変わります。

6. 転職した年は前の勤め先の分も合算されている

実際、年の途中で転職した人の源泉徴収票では、金額の出どころが1社とはかぎりません。中途就職者について、就職前に他の支払者が支払った給与等を通算して年末調整を行った場合には、その給与から引いた社会保険料等の金額も含みます*1。その場合は、1つの欄に2社分の金額がまとまって入っています。

そのため、前の勤め先の源泉徴収票を年末調整のときに出したかどうかで、数字の中身が変わります。出していれば、前の勤め先で引かれた社会保険料も合わせて入ります*1。出していなければ、その分は入っていません。どちらなのかは、提出した書類をたどると分かります。

ただし、前の勤め先の分が合算されていても、上段と下段の関係は変わりません*1。上に出ているのは掛金の額で、下はその掛金を含んだ社会保険料等の金額です*2。転職しているかどうかで、読む場所が別になることはありません。

一方、前の勤め先の分が入っているかどうかは、欄の数字を見ても分かりません。金額の出どころを知りたいときは、年末調整で何を出したかを勤め先に聞くことになります*1。聞く相手は、給与の計算をしている担当の部署です。どちらの場合も、上段と下段の関係は同じです*2。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 社会保険料等の金額が2段のとき上と下を足して申告してもよいですか

A. 足してはいけません。上段は内書きで、下の段の金額にすでに含まれているからです*2。申告書に入れるのは下の額で、上の額は「内」の欄に書きます*2。

Q2. 欄が2段になっているのはどういう人ですか

A. 確定拠出年金法の企業型年金や個人型年金、あるいは心身障害者扶養共済制度の掛金を給与から引かれている人です*1。この3つをあわせた呼び名が小規模企業共済等掛金で、その額だけが上の段に出ます*1。引かれていない人の欄は1段だけです。

Q3. 欄が1段しかない源泉徴収票はどう扱えばよいですか

A. その数字を社会保険料等の金額として使い、「内」の部分は入力しなくて構いません*2。2段書きでなければ、上と下に分ける作業は起こりません。数字を1つ写すだけで終わりです。

Q4. 転職した年の源泉徴収票には前の勤め先の分も入っていますか

A. 年末調整で前の勤め先の給与を通算していれば、そこで引かれた社会保険料等の金額も入ります*1。通算していなければ、いまの勤め先の分だけが欄に出ます。どちらでも、2段のときに上が内書きという関係は変わりません*2。

8. まとめ:2段のときは上が内書きで下を使う

この記事のまとめ

  • 源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄が2段のときは、上段が内書きで小規模企業共済等掛金の額、下段が社会保険料等の金額です*2。
  • 上の額は下の額にすでに含まれているため、2つを足すと同じ掛金を重ねて数えることになります*2。
  • 小規模企業共済等掛金には、確定拠出年金法の企業型年金加入者掛金と個人型年金加入者掛金、地方公共団体が条例の規定により実施する心身障害者扶養共済制度の掛金が入ります*1。
  • 欄が2段書きでなければ、「内」の部分を入力する必要はありません*2。年の途中で転職して年末調整を通算した場合は、前の勤め先で引かれた社会保険料等の金額も含まれます*1。

手元の源泉徴収票を開いて、欄の数字が1つか2つかを先に数えてください。2つあれば、上の額を「内」の欄へ写し、下の額はそのまま社会保険料等の金額です*2。

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出典・参考情報

*1 国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 ─ 「社会保険料等の金額」欄」(2026年確認)
*2 国税庁 確定申告書等作成コーナー「社会保険料等の金額が2段で記載されている場合」(2026年確認)
*3 国税庁 タックスアンサー「小規模企業共済等掛金控除」(2026年確認)

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