ヘルプデスク兼務の求人で残る時間を先に見積もる方法
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

求人票に「ヘルプデスク」と別の仕事が並んで書かれていることがあります。ヘルプデスクと構築・運用、あるいは社内システムの改善が一緒になった求人では、1日のうちどれくらいが問い合わせに取られるのかが気になります。判断の材料は、対象となる人数と、どこまで自分で原因を解くかの2つです。
DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。ヘルプデスクと別の仕事を兼ねる求人が生まれる背景には、こうした人手の不足があります。件数と、どこまで解くかが分かれば、兼務の重さを具体的に見積もれます。
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この記事のポイント
- ヘルプデスクの対応件数は、従業員数と対応する人数の比率で見えてきます。何百人を数人で見る形なら、問い合わせが1日の中心になります。
- 受けて振るだけか、原因の切り分けまで担うかで、1件あたりの時間は数倍変わります。求人票の役割の書き方から、その深さを読み取れます。
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です*2。給与欄の水準と仕事の重さを、あわせて確認しておく必要があります。
1. 兼務のヘルプデスクは、件数と深さで重さが決まります。
1つの求人の中でヘルプデスクと別の仕事が並ぶとき、兼務の重さは対応件数と、どこまで自分で解くかの2つで決まります。IPAの調査では、DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%でした*1。人手が十分でない現場ほど、1人が複数の役割を担う求人が増えます。件数と深さの2つを確認すれば、残りの時間で別の仕事にどれだけ振れるかが見えてきます。
求人票に「ヘルプデスク」と、構築・運用や社内システムの改善といった別の仕事が並んで書かれている場合があります。名前だけを見ても、1日のうちどれくらいが問い合わせに取られるのかは分かりません。
判断の材料は2つです。1つは対応件数、もう1つはどこまで自分で原因を解くかです。この2つが分かれば、残りの時間で別の仕事がどれだけできるかを見積もれます。
DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%でした*1。人手が十分でない現場ほど、専任を置けずに兼務で埋め合わせる求人が生まれやすくなります。
同じ「ヘルプデスクと構築・運用の兼務」という書き方でも、対象人数が10人の職場と、500人の職場では重さがまったく違います。件数と深さの2つを求人票から読み取れば、書き方だけでは分からなかった実際の重さに近づけます。
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2. 1日の時間配分を、内訳の例で示します。
ここからは、対応件数と切り分けの深さが、1日の時間配分にどう表れるかを見ていきます。検証済みの比率はないため、考え方を示す一例として示します。
上の内訳は一例です。実際の比率を示す検証済みの数字はないため、考え方を示すための仮の数字として見てください。
問い合わせに使う時間の割合は、対応件数と、どこまで自分で解くかの2つで動きます。件数が多いほど、また切り分けまで担うほど、この割合は大きくなります。
残りの時間で別の仕事にどれだけ振れるかは、この割合の裏返しです。求人票を読むときは、この割合を左右する2つの材料に注目します。
この目安が55%より大きく動く方向は2つあります。対象人数が多い方向と、切り分けまで担う深さが増す方向です。どちらも1つだけを見ていては気づけないため、次の項目で深さの違いを具体的に見ていきます。
3. 振るだけか、原因まで切り分けるかで時間は変わります。
問い合わせを受けて担当部署に振るだけの対応と、原因の切り分けまで担う対応とでは、1件あたりに使う時間が大きく違います。
振るだけであれば、聞き取りと連絡だけで対応が終わります。原因の切り分けまで担う場合は、環境の確認や再現の試行が加わり、1件の対応時間は数倍になります。
求人票には、この深さが直接書かれていないことも多くあります。手がかりになるのは、他部署との役割の書き方です。切り分けの手順が他部署の仕事として明記されていれば、対応は受付と一次判断までにとどまる可能性があります。
反対に、切り分けや原因調査までが挙げられている場合は、1件あたりの時間を長めに見ておく必要があります。求人票の記載を、件数の多さと合わせて読むことが判断の助けになります。
面談で深さを確かめるときは、直近の問い合わせを1件挙げてもらい、受付から解決までの流れを聞くと具体的に分かります。誰が原因を切り分けたか、どこで手が離れたかを聞くだけで、書かれていない深さが見えてきます。
深さは、対応する相手の範囲にも影響します。社内の限られた部署だけを対象にする場合と、全社の社員を対象にする場合とでは、同じ「切り分けまで担う」という記載でも、聞かれる内容の幅が変わってきます。
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4. 対象人数と給与の目安を、表で確認します。
求人票を読むときに手がかりとなる数字を、ここでまとめて確認します。IPA・厚生労働省・パーソル総合研究所の調査から、兼務の背景と給与の目安につながる数字を並べます。
【表1】兼務の重さを見積もる手がかりとなる数字
| 指標 | 数値 | 出典 | 備考 |
|---|---|---|---|
| DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業 | 50.1% | IPA(2025年度) | 人手不足が兼務の背景にあります*1 |
| 一般労働者の賃金(40〜44歳) | 364.3千円 | 厚生労働省(2025年) | 給与欄の目安になります*2 |
| 情報通信業のテレワーク実施率 | 56.3% | パーソル総研(2025年) | リモート対応の求人も含まれます*3 |
表のとおり、DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%でした*1。専任を置けない現場では、ヘルプデスクと別の仕事を兼ねる求人が生まれやすくなります。
3つの数字は、それぞれ違う角度から兼務の求人を裏付けます。人手の不足は求人が生まれる理由、賃金は応募するかどうかを判断する目安、テレワーク実施率は働き方の幅を示します。1つの数字だけで判断せず、3つを合わせて読むことが大切です。
一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です*2。経験を重ねた層がこうした兼務の求人に応募する際、給与欄の水準を確認する目安になります。
情報通信業のテレワーク実施率は56.3%で、業種別では最も高い水準です*3。ヘルプデスクを含む兼務の求人でも、リモートワーク対応のものが含まれます。
この表に挙げた3つの数字は、いずれも公表元の調査結果です。求人票に書かれていない背景を数字で補うことで、記載だけでは判断しにくい兼務の重さに、根拠を添えて近づけます。
5. 重さを見積もる3つの手順をたどります。
ここまでの2つの材料を、求人票を読むときの手順として並べます。
最初に見るのは対象人数です。従業員数と対応する人数の比率が大きいほど、問い合わせが1日の中心になります。
次に、振るだけの対応か、原因の切り分けまで担う対応かを確認します。切り分けまで担う場合は、1件あたりの時間を長めに見ておきます。
最後に、残りの時間で別の仕事にどれだけ振れるかを見積もります。この3つの手順を踏むと、求人票だけでは分からなかった兼務の重さが具体的になります。
3つの手順は、求人票を読む段階と、面談で確認する段階のどちらでも使えます。求人票で分かる範囲を先に埋めておくと、面談で聞くべき質問が絞られ、限られた時間を無駄にしません。
6. 求人票で確認しておきたい記載を整理します。
ヘルプデスクと別の仕事が並ぶ求人票を読むときに、確認しておきたい記載を整理します。
求人票で確認しておきたい記載
- 対象人数の書き方:従業員数や拠点数など、対応する範囲の規模がどう書かれているかを確認します。
- 他部署との役割の書き方:一次対応と切り分けの、どこまでが自分の仕事として書かれているかを確認します。
- 記録が残る仕組み:問い合わせの記録がどこに残るか、記録の仕組みがあるかどうかを確認します。
- 給与欄の水準:一般労働者の賃金(40〜44歳・月364.3千円)*2を目安に、仕事の重さと給与が合っているかを確認します。
記録が残る仕組みがある求人では、対応件数や内容が後から振り返れるため、兼務の重さを入社後も確認しやすくなります。記録が残らない場合は、面談で対応件数の目安を直接尋ねる必要があります。
情報通信業のテレワーク実施率は56.3%です*3。ヘルプデスクを含む兼務の求人でも、リモートワーク対応のものは少なくありません。出社の頻度も、あわせて確認しておく項目です。
4つの記載を確認すれば、求人票だけでは見えにくかった兼務の重さが、ある程度の輪郭を持って見えてきます。
確認した内容は、面談の場でそのまま質問に使えます。対象人数を尋ね、役割の書き方について具体例を求め、記録の仕組みがあるかを尋ねるだけで、求人票の記載と実際の運用のずれに気づけます。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. ヘルプデスクと別の仕事が並ぶ求人票は、なぜ増えているのか。
A. 人手が十分でない現場が、1人に複数の役割を担わせているためです。DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%でした*1。専任を置けない分を、兼務で埋め合わせている求人が見られます。
Q2. 対象人数は、求人票のどこで確認できるか。
A. 従業員数や拠点数、対応する部署の範囲といった記載から読み取れます。数字が書かれていない場合は、面談で対応件数の目安を尋ねる必要があります。
Q3. 切り分けまで担う仕事かどうかは、どう見分けるか。
A. 他部署との役割の書き方を確認します。切り分けや原因調査が他部署の仕事として明記されていれば、自分の仕事は受付と一次判断までにとどまる可能性があります。
Q4. 給与欄の水準は、何を目安にすればよいか。
A. 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です*2。経験を重ねた層がこの水準からどれだけ離れているかを、仕事の重さと合わせて確認する目安になります。
Q5. 面談では、対応件数についてどう質問すればよいか。
A. 1日あたりの平均件数と、月の中で件数が増える時期があるかを尋ねます。平均だけでなく増減の幅を聞くことで、忙しい時期に別の仕事がどれだけ止まるかが見積もれます。
8. まとめ:兼務のヘルプデスクは、件数と深さで判断します。
この記事の要点
- 兼務の重さは、対応件数と、どこまで自分で解くかの2つで決まります。
- DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。人手不足が、兼務の求人が生まれる背景にあります。
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です*2。給与欄の水準を、仕事の重さと合わせて確認します。
- 情報通信業のテレワーク実施率は56.3%です*3。ヘルプデスクを含む兼務の求人でも、リモートワーク対応のものが含まれます。
求人票に書かれた対象人数と、他部署との役割の書き方、そして記録が残る仕組みの3つを確認すれば、兼務の重さはおおよそ見積もれます。数字で確認したうえで、応募するかどうかを判断していきましょう。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 IPA「DX動向2026」
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 パーソル総合研究所「第十回テレワークに関する調査」
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