ヘルプデスクはフルリモートで働ける?在宅でできる問い合わせ対応

ヘルプデスクがフルリモートで働けるかどうかは、職種名では決まらず、その求人にどの業務が含まれるかで分かれます。ヘルプデスク(IT)の業務は、電話・メールでの問い合わせ対応や、利用者のPCへの遠隔接続による障害対応のほか、出向いての対応も含みます*1。
在宅で働く場合は、情報漏えいを防ぐ環境づくりが勤務者の役割になり*2、通話料や通信費を誰が負担するかは労使で決める事柄です*4。業務の中身とこの2点を求人票と照らすと、応募の前に在宅の範囲が見えてきます。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- ヘルプデスクの業務には、電話・メール・遠隔接続のように利用者のもとへ行かずに済むものと、出向いての対応があります*1。どちらの業務をどれだけ受け持つかは求人ごとに違うので、業務内容の欄で見分けます。
- 在宅では、のぞき見や大声のオンライン会議による情報漏えいが起きない環境で作業し、自宅の無線LAN機器やルーターの対策も行います*2。個人情報の漏えい時は、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務です*2。
- 会社が通話料を支給した場合の課税は、国税庁が示しています*3。誰が負担するかは別の話で、労使で話し合って決めます*4。
リラシクの強み
求人票の業務内容を読んで、在宅で進められる仕事かどうか迷う段階でも、エージェントとの面談は受けられます。転職するかどうかが決まっていなくても構いません。
リラシクが扱う求人は、すべてリモートワークに対応した正社員求人です。エージェントとの面談も企業との面談も、すべてオンラインで行います。
リモートワーク対応の正社員求人|Relasic(株式会社LASSIC運営)
在宅で進められる業務が多い応募先は、リモートワーク対応の正社員求人からも選べます。
1. ヘルプデスクの在宅可否は業務ごとに分かれる
ヘルプデスクの業務は、電話・メール・遠隔接続のように利用者の場所へ行かずに進められるものと、出向いて対応するものに分かれます*1。どの業務をどれだけ受け持つかは求人ごとに違うため、フルリモートの可否は、募集の業務内容と勤務場所を読んで見分けます。在宅で進められる業務の比重が大きい求人ほど、在宅の働き方と相性のよい業務構成です。出向く対応を含む求人では、出社や訪問が発生します。
ヘルプデスク(IT)は、システムや情報機器の利用者から、疑問・トラブル・クレームなどの問い合わせを受け、電話、メール、あるいは出向いて対応する仕事です*1。別名は社内サポートデスク、社内ヘルプデスクです*1。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には、業務として電話・メールの対応、1次切り分け、エスカレーションがあります*1。パソコンのセットアップと、遠隔接続での障害対応も業務に含まれます*1。
この中で、働く場所に関わるのは「出向いて対応する」の部分です。電話・メール・遠隔接続が中心の求人なら、在宅の働き方を取りやすい業務構成です。反対に、出向く対応が業務に含まれる求人では、勤務形態の欄に在宅と書かれていても、訪問のたびに外へ出る場面が出てきます。
国土交通省の令和7年度調査では、雇用されて働く人のうちテレワークをしている人(雇用型テレワーカー)の割合は25.2%でした*5。業種別では、情報通信業が74.1%と最も高い値です*5。
74.1%は情報通信業という業種全体の値であり、ヘルプデスクという職種の在宅割合を示すものではありません。ヘルプデスクの求人が在宅で働けるかどうかは、業種の数字では読めないので、求人票ごとの業務内容で見分けます。
2. 利用者の場所へ行かずに進められる業務と出向く業務

「ユーザーのPCやPOSにリモート接続して、障害に対応する」という業務は、名前に「リモート」が付いていても、働く場所の話ではありません*1。利用者の機器へ遠隔から入って障害へ対応する作業を指しています*1。求人票に「リモート接続」と書かれていたら、自分が自宅から働けるという意味ではなく、利用者のPCを遠隔で操作する業務があるという意味で読みます。
電話・メールの受付、トラブルの1次切り分け、専門担当への連絡は、いずれも、利用者のもとへ行かなくても成り立つ業務です。1次切り分けは、問い合わせの内容を見て、トラブルの種類ごとに仕分ける作業です*1。エスカレーションは、その仕分けの結果を受けて、専門の担当者へ連絡する作業にあたります*1。
出向いての対応は、利用者の場所へ行く業務です*1。この業務が求人に含まれる場合、週に何日出社するかとは別に、訪問先へ移動する日が生まれます。求人票では、業務内容の欄に「訪問」「現地対応」といった語があるかどうかを読みます。
パソコンのセットアップとソフトのインストールは、どちらの側にも入りえる業務です*1。利用者の機器を手元で扱う方法なら出向く側に近く、遠隔から行う方法なら在宅で進められます。job tagには方法が書かれていないので、求人ごとに業務内容の説明を読み、どちらの方法で行うかを面接で聞くことになります。
あわせて読みたい | ヘルプデスク兼務の求人|件数と深さで重さが決まる
3. ヘルプデスク(IT)の業務を在宅の可否で分けた表
job tagの業務を一覧にして、求人票で読む点を並べました。右の2列は、業務の性質から編集部が分けたものです。
ヘルプデスク(IT)の業務と、在宅で進められるか
| 業務(*1の記載) | 在宅で進められるか | 求人票で読む点 |
|---|---|---|
| 電話・メールでの問い合わせ対応 | 進められる | 問い合わせを受ける窓口の種類 |
| トラブルの類別仕分け(1次切り分け) | 進められる | 自分で解決する範囲か、専門担当へ回す範囲か |
| エスカレーション対応(専門担当に連絡) | 進められる | 連絡先の専門担当がどの部署か |
| パソコンのセットアップ、ソフトのインストール | 方法による | 機器を手元で扱うのか、遠隔で行うのか |
| ユーザーのPCやPOSへのリモート接続による障害対応 | 進められる | 接続先の機器の種類 |
| 出向いての対応 | 進められない | 出向く頻度と範囲 |
表の「進められる」は、業務の性質上、利用者の場所へ行かなくても成り立つという意味です。求人の勤務条件が在宅であることとは別の話で、同じ業務でも、会社が出社を求める場合はあります。
「方法による」の行は、募集要項の書き方で在宅の可否が変わります。「利用者のPCをお預かりして設定」と書かれていれば手元で機器を扱う業務で、「遠隔で設定」と書かれていれば在宅で進められる業務です。どちらの書き方もなく、業務名だけが並ぶ場合は、面接で方法を聞きます。
業務が複数並ぶ求人では、在宅で進められる業務の割合を聞きます。割合が答えられなければ、1週間の業務の例を説明してもらうと、出向く日の有無が分かります。
4. 在宅で働くときに守る情報漏えい対策

総務省のテレワークセキュリティガイドライン第5版(令和3年5月)は、勤務者の基本的な役割を、管理者が作成したルールを理解して守ることとしています*2。作業の場所は、のぞき見(ショルダーハッキング)、大声のオンライン会議による情報漏えい、機器の盗難が起きない環境にします*2。
自宅で作業するときは、無線LAN機器やルーターのセキュリティ対策も適切に行います*2。自宅でも、離席中に子どもが意図せず操作する、家族が撮った室内写真に情報が写り込むといったことがありうるので、十分な注意が必要です*2。電話で問い合わせに対応する仕事では、通話の内容が家族に聞こえない部屋を選ぶ必要が出てきます。
個人情報の扱いにも決まりがあります。2022年4月から、個人情報が漏えいしたときは、個人情報保護委員会への報告と被害者への通知が義務になり、罰則も引き上げられています*2。
ガイドラインは、アクセスできる個人情報の有無、アクセスできる利用者と端末、保管場所を検討し、対応を強化するよう求めています*2。問い合わせ対応で個人情報に触れるかどうかは職場ごとに違うため、面接では、触れる場面の有無と、端末への保存の可否を聞きます。
5. 在宅の通話料と通信費の負担は労使の話し合いで決まる
会社に在宅の通話料や通信費の負担を義務づける規定は、今回使った資料にはありません。厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトのQ&Aによると、通信費や水道光熱費の扱いは、会社ごとの業務内容や貸与状況で異なります*4。労働者に過度な負担が生じることは望ましくなく、労使でよく話し合って決めるよう案内されています*4。労働者に負担させる定めをするなら、労働基準法第89条第1項第5号により、就業規則への記載が必要です*4。
会社が通話料を支給したときの課税関係は、国税庁のFAQが示しています。業務のための通話料は、通話明細書などで金額を確認できるので、その金額を会社が従業員に支給しても、給与として課税する必要はありません*3。基本使用料やデータ通信料は、業務に使った部分を合理的に計算する必要があります*3。
計算の算式は、従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等に、その従業員の1か月の在宅勤務日数を該当月の日数で割った値と、2分の1を掛けるものです*3。例として、10,000円×20日÷30日×1/2で3,334円(1円未満切上げ)と示されています*3。ヘルプデスクの求人に在宅勤務手当がある場合も、この算式で出した額なら課税されません*3。
業務のための通話を頻繁に行う業務は、通話明細書による金額の代わりに、算式で通話料を出して差し支えありません*3。この業務は、営業担当や出張サポート担当など、顧客や取引先と電話で連絡を取り合う機会が多い業務として会社が認めるものです*3。ヘルプデスクがこれにあたるかどうかは、会社が認めるかどうかで決まります。
在宅勤務に使わなかった場合でも返還が要らない手当は、毎月5,000円を渡し切りで支給するものが例で、給与として課税されます*3。実費を精算する形であれば課税されません*3。国税庁の資料が示すのは会社が支給したときの課税関係であり、支給する義務の有無ではありません。支給するかどうかは、*4のとおり労使で話し合って決めます。
応募先には、通話料や通信費の支給の有無、支給するなら渡し切りか実費精算か、負担の定めが就業規則にあるかを聞きます。電話の対応が多い仕事では、通話料の扱いが月々の手取りに響くので、内定の前に聞いておきます。
6. よくある質問
Q1. ヘルプデスクの仕事は在宅で完結しますか
A. 業務によって異なります。電話・メールでの対応と遠隔接続での障害対応は在宅で進められますが、出向いての対応は利用者の場所へ行く業務です*1。求人にどちらが含まれるかは、業務内容の欄で読みます。
Q2. 求人票の「リモート接続」は在宅勤務という意味ですか
A. 在宅勤務の意味ではありません。job tagの「ユーザーのPCやPOSにリモート接続して、障害に対応する」は、利用者の機器へ遠隔から接続して障害に対応する業務を指します*1。働く場所は、勤務形態の欄で読みます。
Q3. 在宅勤務の通話料は会社が支払ってくれますか
A. 支払うかどうかは、労使で話し合って決める事項です*4。負担させる定めがあるなら、就業規則に書く必要があります*4。
Q4. 会社から通話料を支給されると税金がかかりますか
A. 通話明細書などで業務の通話料と確認できる金額なら、課税されません*3。使い道を問わず渡し切りで払う手当は、給与として課税されます*3。
Q5. 自宅で作業するときは何に気をつけますか
A. 作業する部屋は、のぞき見されず、オンライン会議の声が外へ漏れない場所にします*2。自宅の無線LAN機器やルーターの対策も必要で、離席中は子どもが画面を操作しないよう注意します*2。
Q6. 未経験でもヘルプデスクから転職を始められますか
A. 未経験からリモートで働ける職種や、先に身に付けておくことは、別の記事でまとめています。
あわせて読みたい | IT未経験からのリモート転職|人気の職種とコツ
7. まとめ:業務の中身と費用の扱いを求人ごとに読む
ヘルプデスクの在宅可否を読む点
- ヘルプデスクの業務は、電話・メール・遠隔接続と、出向いての対応に分かれる*1
- 「リモート接続」は利用者のPCへの遠隔操作を指し、在宅勤務の意味ではない*1
- 在宅では、のぞき見や大声のオンライン会議が起きない環境と、無線LAN機器やルーターの対策が要る*2
- 通話料の課税は国税庁が示し*3、誰が負担するかは労使で決める*4
在宅の範囲は、職種名ではなく、求人ごとの業務で分かれます。求人票の業務内容に出向く対応があるか、通信費の支給があるかを読み、面接で業務の方法と費用の扱いを聞くと、在宅の範囲が分かります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 職業情報提供サイト job tag「ヘルプデスク(IT)」(厚生労働省)
*2 テレワークセキュリティガイドライン 第5版(総務省)
*3 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)(国税庁)
*4 テレワーク実施の際に要した通信費用・水道光熱費などの費用は会社が負担すべきでしょうか(厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイトQ&A)
*5 令和7年度テレワーク人口実態調査 調査結果(国土交通省)
転職ノウハウ その他の記事
もっと読む 〉-
テレワーク実施率の業種別ランキング|IT企業の割合
令和7年度テレワーク人口実態調査で、雇用型テレワーカーの割合が最も高い業種は情報通信業の74.1%です*1。次いで学術研究、専門・技術サービス業が54.0%、最も低いのは宿泊業・飲食業の6.0%です*1。雇用型には、正社 […] -
内定の比較表|年収と休日と働き方を並べる書き方
内定の比較表は、会社ごとに同じ行で並べ、行の名前を労働条件通知書の項目にします*4。契約期間、就業場所と変更の範囲、業務と変更の範囲、始業と終業の時刻、休日、休暇、賃金、退職は、会社が書面で示す項目です*1。年収と休日と […] -
土日休みでフルリモートの正社員|年間休日と休日出勤の決まり
土日休みかどうかは、求人票の週休二日制の欄が「毎週」かどうかと、休日の欄で見分けます*4。「毎週」は完全週休2日制のことで、休みの曜日までは決まっていないため、土曜と日曜かどうかは面接で聞きます。フルリモートの正社員求人 […] -
インフラエンジニアの資格一覧|サーバーとネットワークとクラウド
インフラエンジニアの資格は、情報処理推進機構(IPA)の国家試験と、各社・各団体が認定するベンダー資格の2系統に分かれます。国家試験は基本情報技術者からITサービスマネージャまで7つ、ベンダー資格は6つです。ベンダー資格 […]