在宅の会議と生活音|道具より運用で決まる
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

在宅で会議に参加していると、周囲の生活音が入ってしまう場面があります。防音のための道具に頼るよりも、発言が求められる場面かどうかを分け、時間帯を選び、事前に共有するといった会議の運用に絞るほうが、折り合いをつけやすくなります。求人選びで確かめておきたい観点を整理します。
生活音との折り合いで効くのは、道具ではなく、発言する場面と聞くだけの場面を分けて時間帯を選ぶ運用です。
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この記事のポイント
- 生活音と折り合うために効くのは、道具に頼ることよりも、発言する場面と聞くだけの場面を分け、時間帯を選び、事前に共有するという会議の運用です
- 発言が多い会議と聞くことが中心の会議とでは、折り合わせ方が変わります。会議の型を見極めることが、運用を選ぶ最初の手がかりになります
- 転職者数は330万人、転職等希望者数は1023万人です*1。人数の規模は在宅の会議の運用と結びつくものではなく、転職市場の前提として参照します
1. 生活音との折り合いは、道具ではなく会議の運用で決まります
在宅の会議で生活音と折り合うために効くのは、防音などの道具ではなく、発言する場面と聞くだけの場面を分け、時間帯を選び、事前に共有するという会議の運用です。道具を増やす前に、運用でできることを整理します。
在宅で会議に参加していると、周囲の生活音が入ってしまう場面があります。近くを通る車の音、配達の呼び鈴、隣室からの物音など、完全に防ぐことが難しい音は少なくありません。
こうした音を消そうとすると、道具を増やす方向にまず目が向きます。ただし、発言が求められる場面かどうか、時間帯を選べるかどうかという会議の運用に目を向けると、道具だけでは対応できなかった場面にも手が打てます。
ここで整理するのは、発言が多い会議と聞くことが中心の会議を分けたうえで、時間帯の選び方と事前の共有という2つの運用です。周囲の環境そのものを変えることは前提にせず、会議側の進め方を調整する範囲に絞ります。
カメラをオンにする運用の会議では、音だけでなく身の回りの映像も映るため、発言の有無にかかわらず影響が及ぶ場面があります。カメラをオフにできるかどうかも、確かめておきたい観点の一つです。
以下では、会議の型による折り合わせ方の違いから、事前に共有するときの伝え方まで、順に整理します。
2. 発言が多い会議と聞くことが中心の会議で、折り合わせ方が変わります
会議には、発言が多い会議と、聞くことが中心の会議という2つの型があります。同じ生活音でも、どちらの型かによって、効く対策が変わります。
発言が多い会議では、声を出す時間そのものが長いため、周囲の音がそのまま伝わりやすくなります。時間帯を選べる会議であれば、生活音が入りやすい時間帯を避けて設定すると、折り合いがつけやすくなります。
聞くことが中心の会議では、マイクをオフにしたままでも進められる場面が多く、時間帯を選べなくても対応しやすくなります。チャットでの応答に切り替える運用も使えます。
1つの会議の中で、序盤は聞くだけで進み、後半に発言が求められる場面へ変わることもあります。この場合は、発言が求められる場面が始まる前に、時間帯や共有の観点を切り替える判断が必要になります。
会議の型を見極めることが、生活音との折り合い方を選ぶ最初の手がかりになります。次の項目では、事前に共有する運用について整理します。
3. 事前の一言が、その場での判断を減らします
在宅で働いていると、配達の呼び鈴や外の工事音など、あらかじめ予測しにくい生活音が会議の最中に入ることがあります。こうした音を道具で完全に消すことは難しく、会議の運用でどう扱うかを決めておくほうが現実的です。
効くのは、音が入りそうな場面を会議が始まる前に一言伝えておくことです。「この時間は配達の予定があります」のように事前に共有しておけば、実際に音が入ったときも、その場でどう扱うかを考える必要がなくなります。
伝える相手は、会議の主催者やチームのチャットで足ります。伝える内容は、音が入りそうな時間帯と、その間はカメラをオフにしたい、あるいは発言を後回しにしてほしいといった希望までで十分です。
事前に共有するタイミングは、会議が始まってからではなく、始まる前が要になります。始まる前であれば、相手も落ち着いて受け止められ、会議の最中に慌てて説明する場面を減らせます。
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4. 場面ごとに起きやすいことと、運用でできることを整理します
生活音との折り合い方は、会議の場面によって変わります。
下の表は、場面ごとに起きやすいことと、運用でできることをまとめたものです。
場面・起きやすいこと・運用でできること
| 場面 | 起きやすいこと | 運用でできること |
|---|---|---|
| 発言が求められる会議 | 声を出す直前に音が入り、聞き取りにくくなる | 発言の直前だけマイクの状態を確かめる |
| 聞くことが中心の会議 | マイクをオフにしていても通知音が入る | 会議の前に通知をオフにしておく |
| 時間帯を選べない会議 | 音が入るタイミングを事前に予測しにくい | 発言が少ない役割に回るか、事前に一言共有する |
| 長時間に及ぶ会議 | 途中で音が入る場面が増える | 休憩の時間を決め、音が入りやすい用事はその間に済ませる |
表の4つの場面は、求人票の記載だけでは判断がつかないことが多くあります。「在宅勤務可」という一文の裏に、まったく違う会議の運用が隠れています。
発言が求められる会議では、声を出す直前の状態を確かめておくことが、聞き取りにくさを防ぐ手がかりになります。
聞くことが中心の会議や、時間帯を選べない会議では、事前の一言共有と、通知や役割の調整で対応できる場面が多くなります。
長時間に及ぶ会議では、途中で音が入る場面そのものが増えます。休憩の時間を決めておくと、音が入りやすい用事をその間に済ませやすくなります。
会議の予定そのものが、決まった書式でカレンダーに残る職場もあれば、口頭やその場のチャットだけで伝わる職場もあります。後者では、事前に共有した内容が埋もれやすくなるため、伝える相手を絞っておくと伝わりやすくなります。
4つの場面のどれに当たるかは、会議の型と時間帯の組み合わせで変わります。次の項目では、面接や入社時に確かめておきたい視点を整理します。
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5. 面接や入社時には、会議の運用を確かめます
生活音との折り合い方は、入社してから初めて分かる部分が多くあります。面接や入社時に、会議の運用について確かめておく視点を3つに整えます。
面接や入社時に確かめる3つの視点
- 会議の型を確かめる視点:発言が求められる会議と聞くことが中心の会議が、どのくらいの割合であるかを確かめます
- 時間帯の柔軟性を確かめる視点:会議の開始時間をどの程度調整できるか、固定か柔軟かを確かめます
- 共有の文化を確かめる視点:音が入りそうな場面を事前に伝える運用が、チームに浸透しているかを確かめます
3つの視点は、いずれも「在宅勤務は可能ですか」という聞き方より具体的です。会議の運用まで踏み込んで聞くと、入社後の戸惑いを減らせます。
会議の型を確かめる視点は、発言が求められる会議の割合を聞く聞き方です。割合が分かれば、時間帯を選ぶ機会がどのくらいあるかも見えてきます。
時間帯の柔軟性を確かめる視点は、会議の開始時間をどの程度動かせるかを聞く聞き方です。固定に近い職場もあれば、都度調整できる職場もあります。
共有の文化を確かめる視点は、事前に一言伝える運用がどの程度受け入れられているかを聞く聞き方です。運用が浸透していれば、伝えたときの受け止め方も想像しやすくなります。
聞く相手は選考の段階によって変わります。配属が決まる前は人事や採用担当者に一般的な傾向を尋ね、配属が決まった後は上長やチームのメンバーに実際の運用を尋ねると、実態に近い回答を得やすくなります。
3つの視点をすべて同じ面接で使う必要はありません。選考の段階に応じて、聞きやすい視点から使うと、質問が唐突に響きにくくなります。
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6. 発言の必要性と時間帯を選べる幅で、備え方が分かれます
会議での生活音との折り合い方は、発言が求められるかどうかと、時間帯を選べるかどうかという2つの軸で位置づけられます。
2つの軸を組み合わせると、いま向き合っている会議がどの位置にあるかが見えてきます。位置が変われば、効く備え方も変わります。
発言が不要で時間帯も選べる会議は、備えの負担が最も軽い位置です。生活音が入りやすい時間を避けて予定を組めば、それだけで対応できることが多くなります。
発言が必要でも時間帯を選べる会議では、音が入りやすい時間を外して設定することで、折り合いをつけやすくなります。
発言が必要で時間帯も選べない会議は、備えの負担が最も重い位置です。この位置では、事前に一言共有しておくことが、その場での判断を減らす備えになります。
同じ会議でも、参加する人によって発言が求められるかどうかが違う場合があります。位置を判断する基準は、会議全体ではなく、自分が担う役割に置くと見立てやすくなります。
位置づけはあくまで目安です。実際にどこまで備えが必要かは、会議の内容や参加人数によっても変わります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 在宅の会議で生活音が入ってしまった場合、選考や評価に影響しますか。
A. 評価への影響は会社や状況によって異なるため、断定はできません。気になる場合は、配属先の上長やチームに、会議の運用についてどう考えているかを確認しておくと、判断の材料になります。
Q2. 会議中に生活音が入りそうなときは、カメラをオフにしてもよいですか。
A. 可否は会社やチームの運用によって異なるため、断定はできません。事前にカメラの扱いについて確認しておくと、必要な場面で判断しやすくなります。
Q3. 在宅勤務の環境整備について、会社から支援を受けられますか。
A. 支援の有無や内容は会社ごとに異なるため、断定はできません。制度がある場合の対象や金額については、人事や配属先の担当者に確認する手順になります。
Q4. 生活音が入りやすい時間帯を、会議の主催者に伝えてもよいですか。
A. 伝え方や頻度は職場によって異なるため、断定はできません。事前に一言共有する運用がどの程度浸透しているかを、面接や入社時に確認しておくと、実際に伝えるときの判断材料になります。
8. まとめ:生活音とは、道具ではなく会議の運用で折り合います
この記事の要点
- 生活音と折り合うために効くのは、道具に頼ることよりも、会議の運用に絞ることです
- 発言が多い会議と聞くことが中心の会議とでは、折り合わせ方が変わります
- 音が入りそうな場面は、会議が始まる前に一言共有しておくと、その場での判断を減らせます
- 発言の必要性と時間帯を選べる幅を組み合わせると、場面ごとに必要な備えが見えてきます
- 転職者数は330万人、転職等希望者数は1023万人です*1。人数の規模は会議の運用とは別に、転職市場の前提として参照します
在宅の会議で生活音と折り合うには、特定の道具に頼るよりも、発言が求められる場面かどうかや時間帯を選べるかどうかを見極めて、会議の運用に落とし込むことが手がかりになります。事前に一言共有しておく進め方は、その場での判断を減らし、参加する側の負担も抑えます。求人を選ぶ際は、こうした運用がどの程度定着しているかも、面接や入社時に確かめておきたい観点の一つになります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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