在職中の転職活動の進め方|応募の記録と連絡のタイミング
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

在職中に応募を進めるとき、選考先からの連絡が勤務時間にかかることがあります。対応できる時間帯を決めていないと、返信の締切に気づかないまま時間が過ぎたり、社内にどこまで伝えたかを思い出せなくなったりします。連絡がつく時間帯、社内に伝える範囲、やり取りを集める場所という3つを先に決めておけば、選考が動き出してからも落ち着いて対応できます。
在職中に応募するときに最初に決めたいのは、連絡がつく時間帯を、選考が始まる前に自分で決めておくことです。
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この記事のポイント
- 在職中に応募するときは、連絡がつく時間帯、社内に伝える範囲、やり取りを集める場所を先に決めておくと、対応が乱れにくくなります
- 決めておくことは4つあります。連絡の手段、返せる時間帯、社内に伝える範囲、記録の置き場所です
- 有給休暇や中抜けを選考の時間に使う場合は、勤務先の規程に沿って申請する形になります
1. 在職中の応募は、連絡と記録の設計から始めます
在職中に応募を進めるときは、連絡がつく時間帯、社内に伝える範囲、やり取りを集める場所という3つを先に決めておくと、選考が動き出してからも対応が乱れません。
在職中に応募する場合、選考先からの連絡は勤務時間にかかることがあります。着信や返信の締切に気づかないまま時間が過ぎると、選考の日程そのものに影響します。
対応が乱れやすくなるのは、複数の応募先を同時に進めているときだけではありません。1社だけを進めている場合でも、連絡の窓口や記録の置き場所を決めていないと、どこまで話したかを思い出すのに時間がかかります。
先に決めておくことは3つに分けられます。1つ目は連絡がつく時間帯、2つ目は社内に伝える範囲、3つ目はやり取りを集める場所です。この3つは、選考が始まる前に自分で決められます。
在職中に応募すること自体は、多くの人が通る手順です。会社に知られないまま進める方法を探すよりも、決めておくことを先に固めておくほうが、連絡が増えたときにも落ち着いて対応できます。
有給休暇や勤務時間の中抜けを選考の時間に使う場合もありますが、扱いは勤務先の規程によって変わります。使う場合は、規程に沿って申請する形になります。
ここから、応募までの動きを4つの段に分ける流れ、社内に伝える範囲の決め方、募集の状況を示す数字、決めておく項目の一覧、記録の活かし方、よくある質問という順に見ていきます。
2. 応募までの動きを、4つの段に整えます
応募までの動きは、連絡がつく時間帯を決める、社内に伝える範囲を決める、やり取りを1か所に集める、次の予定を自分のカレンダーに置くという4つの段に分けられます。
在職中に応募を進める人が、連絡がつく時間帯を決める際は、勤務時間中に対応できない時間を把握し、休憩時間や勤務後など、実際に対応できる時間帯を選考先に伝えます。時間帯を決めておくと、着信や返信の締切に気づかないまま時間が過ぎる場面を減らせます。
社内に伝える範囲を決める段階では、誰にどこまで伝えるかを先に決めます。決め方は次のセクションで扱います。
やり取りを1か所に集める段階では、応募先ごとの連絡手段や日程、担当者の名前をひとつの記録にまとめます。メールと電話が別々に進むと、どこまで話したかを思い出すのに時間がかかります。
次の予定を自分のカレンダーに置く段階では、決まった面談や連絡の予定を、勤務先の予定とは別に、自分の管理する場所へ記録します。複数の応募先を同時に進めている場合、日程が重なることもあります。複数社の日程を調整する考え方は、別記事で扱っています。
4つの段は、一度にまとめて決める必要はありません。連絡がつく時間帯だけを先に決めて、残りは選考が進む中で決めていく方法もあります。
あわせて読みたい | 複数社の日程を調整する|記録と伝える範囲
3. 社内に伝える範囲は、先に決めておきます
社内に伝える範囲は、応募先や選考の段階によって変えるものではなく、在職中に応募を進めると決めた時点で、先に決めておく事項です。伝える範囲を後から広げたり狭めたりすると、誰が何を知っているかが分からなくなります。
伝える範囲には、大きく分けると2つの選び方があります。1つは、直属の上長など限られた相手にとどめる範囲です。もう1つは、選考の状況に応じて周囲にも伝える範囲です。どちらを選ぶかは、勤務先の状況や本人の考え方によって変わります。
範囲を決めるときに気をつけたいのは、伝えた相手によって、その後の対応が変わる点です。上長にだけ伝えた場合、他の同僚から連絡について尋ねられたときの答え方も、あらかじめ決めておくと対応に迷いません。
伝える範囲を決めずに進めると、聞かれたときにその場で判断することになります。判断がその都度変わると、伝えた内容が食い違って見えることがあります。先に範囲を決めておけば、聞かれた場面でも同じ答え方を保てます。
選考課題の提出が絡む場合は、期日をどう決めるかという別の判断が加わります。課題提出の期日をどう決めるかは、別記事で扱っています。
面談のために外出する理由を、同僚から尋ねられる場面も想定されます。伝える範囲をあらかじめ決めておけば、聞かれた場面でどう答えるかも同時に決まっているため、その場で言葉を選ぶ必要がなくなります。
あわせて読みたい | 課題提出の期日をどう決めるか|伝える順番
4. 募集の状況を、背景として置きます
社内に伝える範囲の決め方から少し離れて、募集の状況を示す数字を背景として2つ並べます。
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍、全職業の有効求人倍率は1.26倍です*1。募集の状況から、在職中に動く場面は起こりやすいと言えます。
この数字は募集の状況を示すもので、進め方を決めるものではありません。在職中に応募をどう進めるかは、社内に伝える範囲や連絡の設計によって決まるものであり、募集の多さとは別の話です。
連絡や記録の設計そのものは、応募先の数や募集の状況に関わらず、同じ考え方で進められます。決めておくことを先に固めておけば、募集の動きが増えても対応の仕組みは変わりません。
5. 決めておくことを、一覧にします
ここまでの内容を、決めておくことと、決めておくと防げることの一覧にまとめます。
決めておくこと/決めておくと防げること
| 決めておくこと | 決めておくと防げること |
|---|---|
| 連絡の手段 | 折り返しの遅れで、選考の日程がずれること |
| 返せる時間帯 | 業務中に無理に対応して、連絡が漏れること |
| 社内に伝える範囲 | 誰にどこまで伝えたか、あとで分からなくなること |
| 記録の置き場所 | やり取りが複数の場所に散らばり、思い出せなくなること |
決めておくことは4つあります。連絡の手段、返せる時間帯、社内に伝える範囲、記録の置き場所です。
連絡の手段を決めておくと、折り返しの遅れで選考の日程がずれることを防げます。電話とメールのどちらを主にするかを、応募先に伝える前に決めておきます。
返せる時間帯を決めておくと、業務中に無理に対応して、連絡が漏れることを防げます。休憩時間や勤務後など、実際に対応できる時間帯を先に把握しておきます。
社内に伝える範囲を決めておくと、誰にどこまで伝えたかが、あとで分からなくなることを防げます。伝える範囲の決め方は、前のセクションで扱いました。
記録の置き場所を決めておくと、やり取りが複数の場所に散らばり、思い出せなくなることを防げます。応募先ごとの連絡手段や日程をひとつの記録にまとめておきます。
在職中に応募を進める場面では、4つのうちどれか1つが欠けても、残りの3つで必ず補えるとは限りません。4つはそれぞれ別の場面で効く、独立した項目です。
4つの項目は、決めたら固定というものではありません。担当者が変わったり、連絡の手段が変わったりした場合は、その都度書き直しておくと、記録が古い内容のままにならずに済みます。
6. 記録は、こう活かせます
決めた記録は、書いて終わりにするものではありません。連絡が重なったときや、選考が長引いたときにも活かせます。
記録を活かす3つの場面
- 連絡が重なったとき:記録を見れば、どの応募先とどこまで話したかを思い出せます
- 担当者が変わったとき:それまでのやり取りが記録に残っていれば、説明し直す手間が減ります
- 予定を組み直すとき:決めた時間帯と記録を合わせて確認すれば、無理なく調整できます
記録を活かす場面は、応募先が1社だけのときにも当てはまります。1社であっても、連絡の回数が増えれば、どこまで話したかを覚えておくのは簡単ではありません。
在職中に応募を進める間、選考が長引くこともあります。長引く場面では、記録をどう活かすかとは別に、待つ間にできることがあります。選考が長引くときの過ごし方は、別記事で扱っています。
記録に残す内容は、日付、応募先の名前、話した内容の3点で足ります。多く書き込む必要はなく、あとで見返して分かる程度で十分です。
記録を見返して、聞いていた内容と違うと感じる場合もあります。そのときは記録全体をやり直すのではなく、違うと感じた点だけを応募先に確認し直す方法もあります。
あわせて読みたい | 選考が長引くとき|待つ間にできること
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 在職中の応募は、社内に伝えないまま進められますか。
A. 一律には言えません。何も伝えずに進める場合と、早い段階で一部を伝える場合があり、どちらを選ぶかは勤務先の状況や本人の考え方によって変わります。伝える範囲を先に決めておくことが、対応の乱れを防ぐ点では共通しています。
Q2. 連絡がつく時間帯は、どう決めればよいですか。
A. 勤務時間中に対応できない時間を先に把握し、休憩時間や勤務後など、実際に対応できる時間帯を選考先に伝える形が扱いやすくなります。時間帯を決めておくと、返信の締切に気づかないまま時間が過ぎる場面を減らせます。
Q3. やり取りを1か所に集めるとは、具体的に何をすることですか。
A. 応募先ごとの連絡手段や日程、担当者の名前をひとつの記録にまとめることです。メールと電話が別々に進むと、どこまで話したかを思い出すのに時間がかかるため、記録の置き場所を先に決めておきます。
Q4. 有給休暇や中抜けを選考の時間に使ってもよいですか。
A. 扱いは勤務先の規程によって変わるため、断定はできません。使う場合は、勤務先の規程に沿って申請する形になります。
8. まとめ:記録と連絡の設計は、応募を落ち着かせます
この記事の要点
- 在職中に応募を進めるときは、連絡がつく時間帯、社内に伝える範囲、やり取りを集める場所を先に決めておきます
- 応募までの動きは、時間帯を決める、範囲を決める、窓口を集める、予定を置くという4つの段に分けられます
- 決めておくことは、連絡の手段、返せる時間帯、社内に伝える範囲、記録の置き場所の4つです
- 記録は、連絡が重なったとき、担当者が変わったとき、予定を組み直すときに活かせます
- 有給休暇や中抜けを選考の時間に使う場合は、勤務先の規程に沿って申請する形になります
在職中に応募を進める手順に、決まった正解はありません。扱いは勤務先の状況や規程によって変わるため、決めたことは書面や記録に残しておき、必要な場面で確認できるようにしておきます。連絡がつく時間帯と社内に伝える範囲を先に決めておけば、応募先とのやり取りが増えても、落ち着いて対応できます。1つずつ決めて記録に残していく積み重ねが、選考が進むあいだの落ち着きにつながります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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