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休職からそのまま退職すると有給消化はできる?

休職からそのまま退職すると有給消化はできる?のイメージ写真

休職からそのまま退職日を迎えると、その日まで残っていた年次有給休暇(有給)の権利は消えます*1。会社が休みの日をほかの日へずらせる権利(時季変更権)も、退職日を越えては使えません*2。だから、有給をどうするかは退職日が来る前に会社と決めるしかありません。

決める場面は2つあり、休職に入る前と復職したあとです。休職に入る前であれば、有給を先に使ってから休みに入る相談ができます。復職したあとであれば、働く日が戻るので希望する日を出せます。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 休職に入る前なら、有給を先に使ってから休みに入る相談ができます。休む日をいつにするかを出すのは、まず働く側です*1
  • 復職したあとは働く日が戻るので、希望する日を出せます。会社がその日をずらせるのは、事業の正常な運営を妨げるときに限られます*1
  • どちらも動かないまま退職日が来たら、欠勤として処理された日の扱いを会社と話します。事後の請求でも双方が合意すれば有給扱いにできるとされています*3

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1. 有給を決められるのは退職日より前だけ

有給を使うかどうかを会社と決められるのは、退職日より前の労働日が残っている間だけです*1*2。有給の権利は退職とともに消えるため、会社は日をずらす形で先送りすることもできません*1。大阪労働局は、休みを与える時季を変えられても退職日を越えては変えられないと答えています*2。残っている労働日がどこにあるかで、話を進められる場面が決まります。

まず、退職日より前に労働日が残っているかを見ます。休職に入る前なら、出勤する日がまだ決まっています。復職したあとも、勤務する日が戻ってきます。この2か所には、休む日を申し出る相手も手続きもそろっています。

一方、休職が続いたまま退職日まで来てしまうと、会社と決められる場面そのものが残りません。決める場面が無くなれば、残っていた有給もそのまま消えます*1。まずは退職日と、そこまでに残る勤務日を紙に書き出してください。

実際、休職のまま退職する人が最初に数えるのは、退職日までに残る勤務日の数です。この数より多くの日を有給に充てることはできません。1日も残らなければ、申し出る先の日がありません。数えるのは、休みを除いた出勤の予定がある日です。

2. 動かせるのは休職に入る前と復職したあとの2回

そのため、時間の並びで見ると動かせる場所は限られます。休みに入る前には、まだ出勤の予定が立っています。休職中は復職するかどうかを会社と話す期間です。復職したあとは勤務が戻り、退職日でいったん区切られます。

ただし、この並びは会社ごとの就業規則で細かく変わります。休職できる期間や復職の手続きは、就業規則に書かれているからです。退職を申し出る時期も、社内の決まりに沿って進みます。並びを先に紙で押さえておいてください。

休みに入る前と復職したあとに有給を申し出られる 休みに入る前 有給を先に使ってから 休みに入る相談ができます 休職中 会社と復職するかどうかを 話します 復職したあと 働く日が戻るので希望日を 出せます 退職日 残っていた有給はここで 使えなくなります 退職日より後ろに有給を動かすことはできません

実際に動くときは、退職日がいつになるかを先に決めます。退職日が決まっていなければ、残っている労働日の数も出せません。休職に入る前の段階なら、休みに入る日と退職日の両方を同じ場で相談できます。順番が前後すると、会社へ聞き直す回数が増えるだけです。

とはいえ、休職のまま退職すると決めきれないうちに休みへ入る人もいます。その場合は復職したあとが2回目の場面です。復職してから退職日までに何日働くのかを数えて、そこから希望する日を出します。残りの日数は自分で数えておきます。

3. 休みに入る前なら有給を先に使う相談ができる

まず、休みに入る前は、まだ働く日が残っている状態です。年次有給休暇は原則として、働く人が請求した時季に与えなければならないものです*1。会社が先に日を決めて割り振る形ではありません。希望する日を出すところから始まります。

そのため、休みに入る前の面談では、希望する日を口で言うだけにしないでください。就業規則のどこに有給の申請が書かれているかを読み、様式があればその紙に書いて出します。控えを手元に残しておけば、あとから日付をたどれます。紙に残すところまでが1回の申請です。

ただし、休みに入る前は日程を細かく決めにくい場面でもあります。復職の見通しが立たないうちは、退職日そのものが決まりません。その段階では、有給が何日残っているかだけを会社に聞いておきます。日数が分かれば次の相談が短く済みます。

実際、聞いておくのは2つだけです。1つは有給が何日残っているか、もう1つは休職できる期間が就業規則でどう決まっているかです。この2つが分かれば、復職したあとに出す希望日も自分で組み立てられます。

最後に、休みに入る前に決まらなかったことは、紙に書き出して残します。有給の残り日数、休職できる期間、退職を申し出る時期の3つです。この3つは復職したあとの相談でもそのまま使えます。

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4. 復職したあとは働く日が戻るので希望日を出せる

次に、復職したあとの場面です。勤務が戻れば、働く日に対して休みを申し出る形が取れます。会社がその日を別の日へ動かせるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます*1。年末など特に忙しい時季や、同じ時期に多くの人の希望が重なった場合が、これに当たる例です*1。

そのため、希望する日を出しても、繁忙期と重なれば別の日に回ることがあります。回った先が退職日より後ろの日になると、そこはもう労働日ではありません*2。復職したあとに出す日は、退職日から逆算して置きます。

就業規則を読んでから希望日を紙で出す 書面で残す 認められた日を書面で受け取ります 紙で出す 希望する日を申請の様式に書いて出します 就業規則を読む 休職と有給の決まりが書かれた条を読みます 下から順に進めると希望日の返事が残ります

実際の進め方は3段です。土台は就業規則で、休職と有給の申請がどの条に書かれているかを読みます。次に希望する日を紙に書いて出し、最後に会社の返事を書面で受け取ります。口頭の返事だけでは日付が残りません。

ただし、就業規則に復職するときの手続きが細かく書かれている会社もあります。復職の届け出と有給の申請を同じ日に出すと、受け取る側も処理をまとめやすくなります。どちらの様式が社内のどこにあるかを先に聞いておいてください。

実際、退職日が近づくほど、会社が休みを回せる先は減ります。退職日を越えた日へは回せないからです*2。残った勤務日に希望を出したとき、会社が代わりに示せる日も少なくなります。早めに出すほど、選べる日は多く残っています。

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5. 休む前と復職後で会社に出せるものが変わる

一方、2つの場面では出せるものが違います。休みに入る前に相談できるのは、これから有給に充てる日です。復職したあとは、戻った勤務日のうち何日を休みに充てるかを出せます。

とはいえ、どちらの場面でも返事がいつ来るかは会社によって違います。申請を出すときに、いつまでに返事をもらえるかも一緒に聞いてください。期日が決まれば、退職日から逆算した予定も立てやすくなります。

2つの場面で出せるもの

見るところ休みに入る前復職したあと
有給を申し出られる日休みに入る前の勤務日復職から退職日までの勤務日
一緒に出す届け出休職の届け出復職の届け出
会社が休みを移せる日退職日より前の日だけ*2退職日より前の日だけ*2
申請の前に聞くこと残っている有給の日数退職日までに働く日の数

実際、表で見ると2つの場面は一緒に出す届け出のところで分かれます。休みに入る前は休職の届け出と、復職したあとは復職の届け出と組み合わせて出す形です。有給の申請に使う様式がどれかは出す前に人事へ聞いておき、2つの様式が別の窓口で配られていることもあるので、出す先も合わせて尋ねます。

ただし、どちらの場面でも会社が日をずらせるのは退職日より前に限られます*2。退職日を越えた先へ回されることはありません。回す先が無い以上、残った日を使うかどうかは退職日までに決まります。決まらないまま日が過ぎれば、使える日は残りません。

6. どちらも動かないまま退職日が来たとき

逆に、休みに入る前も復職したあとも話が進まないまま退職日が来ることがあります。その日で有給を使う権利はなくなります*1。残っているのは、休んだ日の扱いを会社と話し直す道だけです。まずは人事か上司のどちらに話すかを決めます。

退職日が来る前にやること

  • 就業規則で休職と年次有給休暇の申請がどの条に書かれているかを読む
  • 残っている有給の日数と、退職日までに働く日の数を自分で数える
  • 希望する日は口頭で言わず、申請の様式に書いて出す
  • 会社から返ってきた返事は、日付が分かる形で書面に残す

ただし、休んだ日を後から有給として扱えるかどうかは、会社との話し合い次第です。年次有給休暇は事前に請求するのが原則です*3。事後に請求されたものでも、働く人と会社の双方が有給として処理することに合意すれば、有給扱いにして差し支えないとされています*3。

実際、休職のまま退職したあとで相談する場合は、欠勤として処理された日が何日あるかから話が始まります。この扱いは会社が一方的に決めるものでも、働く人が一方的に決めるものでもありません*3。まず何日分が欠勤として処理されているかを人事に聞いてください。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 休職のまま退職すると有給はどうなりますか

A. 退職日をもって年次有給休暇の権利は消えます*1。退職日より後ろの日へ会社が休みをずらすこともできません*2。残っている日を使うかどうかは、退職日が来る前に会社と話して決めます。

Q2. 退職日を後ろにずらせば有給を使い切れますか

A. 退職日をいつにするかは会社との話し合いで決まるため、働く側の希望だけでは動きません。使える日が増えるかどうかは、退職日までに働く日が残るかどうかで変わります。就業規則に退職を申し出る時期が書かれていないかを先に読んでください。

Q3. 有給の申請は口頭で伝えてもいいですか

A. 口頭でも伝わりますが、いつ何日分を申し出たのかが残りません。申請の様式があれば書いて出し、控えを手元に置きます。会社からの返事も、日付が分かる形で受け取ってください。

Q4. 復職の届け出と有給の申請はどちらを先に出しますか

A. 同じ日に出せれば、受け取る側もまとめて処理できます。順序が決まっているかどうかは社内の手続きによるので、出す前に人事へ聞いてください。様式は2つとも手元にそろえてから聞きに行きます。

Q5. 有給の申請を出したのに返事が来ないときはどうしますか

A. 出した日と日数が分かる控えを手元に置いたうえで、返事の期日を人事へ聞いてください。退職日が近づくほど、別の日へ回す先そのものが減ります*2。止まったままなら、上司ではなく人事へ出し直します。

8. まとめ:休職のまま辞めるなら退職日より前に決める

この記事のまとめ

  • 休職のまま退職日を迎えると、年次有給休暇の権利はその日で消えます*1
  • 会社が休みの日をほかの日へずらせるのは、退職日より前の日に限られます*2
  • 動かせる場面は2つで、休みに入る前と復職したあとです
  • どちらも進まないまま退職日が来たら、欠勤として処理された日の扱いを会社と話します*3

残っている日数と、退職日までに勤務する日の数を数えてから、希望する日を紙で出してください。返事は日付が分かる形で受け取ります。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇(2026年確認)
*2 大阪労働局「年次有給休暇(年休・有休)について」(2026年確認)
*3 鹿児島労働局「年次有給休暇についてのよくあるご質問」(2026年確認)

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