志望動機がまとまらない?転職で並べる順序と書き方の型
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

志望動機を書こうとしても、材料はあるのに文章がまとまらないと感じる場面があります。まとまらない理由は、材料の量ではなく、材料を並べる順番が決まっていないことである場合があります。自分が変えたいこと、相手の募集の記載から読み取れること、その二つが重なる点という順に材料を置くと、事実の並びとして形になります。
志望動機がまとまらないときは、並べる順番を先に決めると、材料は事実として形になります。
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この記事のポイント
- 志望動機がまとまらないのは、材料の量ではなく、並べる順番が決まっていないからである場合があります
- 変えたいこと・募集の記載から読み取れること・重なる点という順に材料を置くと、事実の並びとして伝わります
- 確かめていない部分は、無理に埋めずに質問として残すと、材料の不足を装わずに整理できます
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1. 志望動機がまとまらないのは、材料の順番が決まっていないからです
志望動機がまとまらないのは、材料の量ではなく、材料を並べる順番が決まっていないからである場合があります。自分が変えたいこと、相手の募集の記載から読み取れること、その二つが重なる点という順に並べると、事実の並びとして形になります。
志望動機を書こうとして、書き出しても文章がまとまらないと感じる場面があります。材料を思いつくままに並べると、話の重心がどこにあるのか自分でも分からなくなることがあります。
まとまらない状態を、熱意の量が原因だと考えてしまう場合があります。しかし熱意の量を増やしても、材料の並びが整理されていない限り、文章としては形になりません。
必要なのは、材料を並べる順番を先に決めることです。自分が変えたいこと、相手の募集の記載から読み取れること、その二つが重なる点という順に材料を置くと、事実として伝わる並びになります。
重ならない部分やまだ確かめていない部分も出てきますが、それは書けない材料ではなく、質問として残す材料です。無理に埋めずに残すことも、並べ方の一部です。
ここから、材料を並べる四つの手順、動機が熱意ではなく事実の並べ方で伝わる理由、材料の種類と取り出す場所、確かめた事実と募集の重なりの見分け方、残った質問の組み立て方、よくある質問という順に見ていきます。
2. 変えたいことと募集の記載を、四つの手順でつなげます
変えたいことと募集の記載を重ねる作業は、変えたいことを絞る、記載を書き出す、重なる点を1文にする、残りを質問に回すという四つの手順に分けられます。順番を守ると、材料が重複しません。
変えたいことを絞る手順では、いま働いている環境の中で変えたいことを1つに絞ります。複数を並べたままにすると、次の手順で重ねる対象が定まりません。変えたいことをどう見つけるかそのものは、別の記事で扱っています。
記載を書き出す手順では、応募する募集の記載を読み、そこから読み取れることを書き出します。職務内容の説明、使用する技術、募集の背景など、記載されている文章そのものを材料にします。
重なる点を1文にする手順では、絞った変えたいことと、書き出した募集の記載を見比べ、重なっている部分を1文で書きます。1文にならない場合は、まだ重なりがはっきりしていないということです。
残りを質問に回す手順では、重ならなかった部分や、記載だけでは分からない部分を、質問として残します。無理に文章に組み込まず、確認する対象として分けておくと、志望動機に使う材料と、質問に回す材料がはっきり分かれます。
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3. 動機は熱意の量ではなく、確かめた事実の並べ方で伝わります
志望動機は、熱意の量で評価されると考えられがちです。しかし読む側が見ているのは、熱意そのものではなく、書かれている事実がどれだけ具体的に並んでいるかという点です。
熱意を強調しようとすると、抽象的な言葉が増えます。抽象的な言葉は、材料が十分に用意できているかどうかにかかわらず使えてしまうため、書いている側の実感と、読む側に伝わる内容がずれやすくなります。
確かめた事実とは、伝聞や推測ではなく、自分が経験した場面や、募集の記載に書かれている文言そのものを指します。「〜と聞いた」ではなく「〜と書かれている」「〜を担当した」という形で言えるかどうかが、確かめられているかどうかの目安になります。
転職は、珍しい出来事ではありません。厚生労働省の調査では、転職入職率は9.7%です*1。求められているのは、特別な言葉ではなく、確かめられた事実の並びです。
変えたいことは、これまでの働き方に対する実感から出てくる場合もあれば、辞めたい気持ちを分解した先に出てくる場合もあります。その分解の進め方は、別の記事で扱っています。
確かめた事実を、募集の記載と重ねて並べる。この作業を積み重ねると、志望動機は熱意の強さではなく、事実の並べ方で伝わるようになります。
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4. 材料の四つの種類を、取り出す場所ごとに揃えます
材料は、四つの種類に分けられます。種類ごとに取り出す場所が違うため、揃える前にどこから取るかを分けておきます。
材料の種類・取り出す場所の対応
| 材料の種類 | どこから取るか |
|---|---|
| 変えたいこと | 自分がこれまでの働き方で感じてきた実感 |
| これまでにやったこと | 職務経歴・担当した業務の記録 |
| 募集の記載から読み取れること | 募集要項・職務内容の説明文 |
| 確かめないと分からないこと | 面接や問い合わせで直接聞く場 |
表の四行は、変えたいこと、これまでにやったこと、募集の記載から読み取れること、確かめないと分からないことという順に並んでいます。材料は、この四つのどこかに当てはまります。
変えたいことは、募集要項を読んでも出てきません。自分がこれまでの働き方で感じてきた実感から取り出します。実感を言葉にする作業そのものは、別の記事で扱っています。
これまでにやったことは、職務経歴や担当した業務の記録から取り出します。ここで取り出した内容は、次の重ねる作業で、募集の記載と結び付ける材料になります。技術や業務の知識を分けて語る進め方は、別の記事で扱っています。
募集の記載から読み取れることは、募集要項や職務内容の説明文そのものが材料です。書かれている文章を読み替えずに、そのまま材料として書き出します。
確かめないと分からないことは、書面には出てきません。面接や問い合わせで直接聞く場に回し、表の四行の中では最後まで空欄のまま残ってかまいません。
四つの種類を揃えたら、次は変えたいことと募集の記載を重ねて、志望動機として書ける部分を見分ける作業に進みます。
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5. 確かめた事実と募集の重なりを、四象限で見分けます
変えたいことと募集の記載を重ねると、重なりがはっきりしている部分と、まだはっきりしていない部分に分かれます。この分かれ方を、確かめたかどうかと、重なるかどうかという二つの軸で見分けます。
縦の軸は、募集の記載と重なるかどうかです。横の軸は、その重なりを事実として確かめたかどうかです。どちらも別の軸なので、重なって見えても確かめていなければ、まだこの象限には入りません。
右上の象限は、事実として確かめており、募集の記載とも重なっている部分です。志望動機として書けるのは、この象限に入った材料だけです。
左上の象限は、重なるように見えても、まだ確かめていない部分です。書きたくなる材料ですが、確かめる前に書くと、面接で聞かれたときに答えが揃わないことがあります。
右下の象限は、事実として確かめてはいるものの、募集の記載とは重ならない部分です。この応募先では使わず、他の応募先の材料として残しておく分け方もあります。
左下の象限は、確かめてもおらず、重なりも見えない部分です。無理に動機に組み込まず、材料の外に置いてかまいません。
6. 確かめていない項目は、聞く角度ごとに組み立てます
確かめていない項目を質問にするときは、聞く角度をあらかじめ分けておきます。
質問にするときの角度
- 業務の範囲:任される業務がどの単位まで及ぶかを聞きます
- 評価の基準:成果をどの基準で見るかを聞きます
- 体制:一緒に働く人数や役割分担を聞きます
- 働き方の運用:出社の頻度や連絡の取り方を聞きます
確かめていない項目は、そのままにしておくと、曖昧な言い方になりがちです。曖昧な言い方を避けるには、聞く角度を先に分けておく進め方があります。
業務の範囲についての角度は、任される業務がどの単位まで及ぶかを聞きます。募集の記載に業務内容が書かれていても、単位まではっきりしない場合があります。
評価の基準についての角度は、成果をどの基準で見るかを聞きます。基準が分からないまま話を進めると、面接の後半で条件の理解がずれることがあります。
体制についての角度は、一緒に働く人数や役割分担を聞きます。募集の記載だけでは、実際の体制まで読み取れない場合があります。
働き方の運用についての角度は、出社の頻度や連絡の取り方を聞きます。運用の細部は、書面に書かれないことがあります。
聞いた内容は、その場で書き留めておきます。時間が空くと、聞いた内容を自分の言葉に置き換えてしまい、確かめたはずの事実があいまいに戻ることがあります。
四つの角度に分けて質問を組み立てると、聞く内容が重複せず、確かめた結果を志望動機の材料としてそのまま戻せます。
7. よくある質問|材料の並べ方について
Q1. 材料が重ならない場合は、志望動機として書けませんか。
A. 重ならない材料は、その応募先では使わない材料として分けておきます。重なる材料が別にあれば、その部分から書けます。
Q2. 変えたいことが1つに絞れない場合はどうすればよいですか。
A. 複数のまま重ねようとすると、重なる点も複数に散らばります。絞り方に迷う場合は、変えたいことの整理そのものを扱った記事があります。
Q3. 確かめていない部分を、推測で埋めてもよいですか。
A. 推測で埋めると、面接で聞かれたときに答えが揃わないことがあります。確かめていない部分は、質問として残す進め方があります。
Q4. 志望動機は、面接でそのまま話せばよいですか。
A. 面接では、話し方の型が別に関わります。ここでは材料を並べる段階までを扱っています。
8. まとめ:志望動機は、確かめた順に並べると整います
この記事の要点
- 材料の量ではなく、並べる順番が決まっていないことが、まとまらない理由である場合があります
- 変えたいこと・募集の記載から読み取れること・重なる点という順に材料を並べます
- 確かめた事実と募集の記載が重なる部分だけが、書ける材料になります
- 確かめていない部分は、無理に埋めず、聞く角度を分けて質問に回します
- 転職は珍しい出来事ではなく、求められているのは特別な言葉ではなく確かめられた事実の並びです
志望動機がまとまらないときは、変えたいこと、募集の記載から読み取れること、その二つが重なる点という順に材料を並べます。確かめた事実と募集の記載が重なる部分だけが書ける材料であり、確かめていない部分は聞く角度を分けて質問に回します。この順番で材料を並べると、事実の並べ方として形になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
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