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学歴不問の求人で準備するのは学歴の説明ではない

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

学歴不問の求人で準備するのは学歴の説明ではないのイメージ写真

学歴不問と書かれた求人であっても、選考の材料がなくなるわけではありません。エンジニア採用で実際に見られているのは、担当した範囲を自分の言葉で説明できるかという点と、その過程を示す記録が手元に残っているかという点です。学歴の説明を準備するよりも先に、この2点を書き出しておくほうが、選考では効きます。

転職入職者のうち、賃金が「増加」した割合は40.5%です*1。転職で賃金の水準を上げている人は、求人の条件を問わず一定数います。

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数字で見る、転職と賃金の位置 この記事の要約 転職で賃金が増えた割合 *1 40.5% 転職入職者のうち 令和6年・厚生労働省調査 賃金が上がる人は一定数いる 転職で賃金が変わらない割合 *1 28.4% 転職入職者のうち 令和6年・厚生労働省調査 変わらない人も少なくない 一般労働者の賃金(25〜29歳) *2 279.4千円 月額 2025年調査 年代による賃金の目安 転職で賃金がどう動くかは、割合と年代の賃金目安の両方で見ておく必要があります *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 転職入職者のうち、賃金が「増加」した割合は40.5%、「変わらない」は28.4%です*1。転職で賃金がどう動くかは、割合で見ておくと実感しやすくなります。
  • 一般労働者の賃金は25〜29歳で月279.4千円です*2。年代によって賃金の目安は変わるため、若い年代ほど水準は控えめになります。
  • 選考で実際に見られるのは、担当した範囲を自分の言葉で説明できるかという点と、手元に記録が残っているかという点です。学歴不問という表記があっても、準備すべきことは学歴の説明ではなく、この2つです。

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1. 学歴不問という表記は、選考材料をなくすわけではありません。

学歴不問という表記があっても、選考で見られる材料が消えるわけではありません。厚生労働省の調査では、転職入職者のうち賃金が「増加」した割合は40.5%でした*1。応募できる範囲が広がるだけで、選考そのものが軽くなるわけではありません。実際の選考では、担当した範囲を自分の言葉で説明できるかという点と、その過程を示す記録が手元に残っているかという点が見られています。

この表記は、募集要項の応募資格を広げる条件です。応募できる人の範囲が広がる一方で、選考の段階で聞かれる内容が減るわけではありません。

書類や面談で聞かれるのは、学歴の説明ではなく、担当した範囲の中身です。何を任されたか、どこまで自分の判断で決めたかという点が、選考の材料になります。

手元に記録が残っていれば、任された範囲や決めた内容を、そのときの言葉で説明できます。記録がなければ、後から振り返って言葉にする作業が必要になります。

求人票には、この条件と一緒に、実務経験の目安が示されている場合があります。条件だけを読んで応募資格を判断するのではなく、あわせて示されている条件も確認しておく必要があります。

応募資格の条件を確認したうえで、実際に選考へ進むかどうかを決めるときは、担当した範囲を言葉にする準備と、記録を集める準備の両方が済んでいるかを、自分自身で確かめておくと安心です。

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2. 転職で賃金がどう動くかを、先に確認しておきます。

求人を検討する前に、転職で賃金がどう動くかを、全体の実測から確認します。

転職入職者の賃金の変化(増加・変わらないの割合) 賃金が増えた転職者 40.5% 賃金が変わらなかった転職者 28.4% 転職しても、賃金の水準がそのまま続く人も一定数います *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

厚生労働省の調査では、転職入職者のうち賃金が「増加」した割合は40.5%、「変わらない」は28.4%でした*1。転職をきっかけに賃金が上がる人は4割程度で、変わらない人も3割近くいます。

学歴不問という表記は、この割合を大きく動かす条件ではありません。賃金が上がるかどうかを分けているのは、選考でどれだけ具体的に自分の仕事を説明できたかという点です。

この条件だからといって、賃金の交渉で不利になるとは限りません。担当した範囲の説明と記録がそろっていれば、賃金の話し合いでも同じように材料として使えます。

この2つの割合は、特定の求人条件に絞った数字ではなく、転職者全体の実測です。この条件の求人だけに当てはまる数字ではない点を踏まえておく必要があります。

3. 書けるものの中身が、学歴不問の求人では選考材料になります。

学歴不問という条件が付いていても、選考で聞かれる内容が大きく変わるわけではありません。変わるのは応募できる人の範囲であって、選考で見られる観点ではありません。

見られているのは、担当した範囲を自分の言葉で説明できるかという点です。何を任されたか、どこまで自分の判断で決めたか、その決定がどういう結果につながったかという3点が、具体的に言葉になっているかが確認されます。

記録が手元に残っていれば、当時の判断や対応を、そのときの言葉のまま説明に使えます。設計で何を選んだか、障害にどう対応したか、直した結果どうなったかという記録は、面談で聞かれたときにそのまま使える材料になります。

学歴不問という表記だけを見て安心してしまうと、選考の準備が学歴の説明のままで止まってしまいます。準備の対象を、担当した範囲の言葉と記録の2つに切り替えることが、選考を進めるうえでの土台になります。

学歴不問という条件は、未経験可という条件とは意味が異なります。前者は応募資格から学歴を外すという条件で、後者は実務経験の年数を問わないという条件です。求人票では別々の条件として書かれている場合があるため、読み分けておく必要があります。読み分けたうえで、自分がどちらの条件にあてはまるかを確認しておくと、応募先を絞り込む段階での判断がしやすくなります。

担当した範囲を書き出すときは、どのような経緯で任されたかと、そのなかで自分が決めたことを分けて書くと、選考の相手に伝わりやすくなります。経緯と判断を一緒に書いてしまうと、どこまでが自分で考えた部分なのかが伝わりにくくなります。

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4. 担当した範囲の言葉と記録を、2つ並べて整理します。

担当した範囲を説明する言葉と、手元に残る記録を、それぞれ何を指すかで並べて確認します。

【表1】選考で確認される2つの材料

材料指すもの書き出す例
担当した範囲の言葉何を任され、どこまで自分の判断で決めたか「〇〇機能の設計を任され、△△の方法を選んだ」
手元に残る記録設計の判断・障害の対応・直した結果の記録設計メモ、対応ログ、修正前後の比較

担当した範囲の言葉と、手元に残る記録は、それぞれ役割が異なります。前者は何を任されたかを説明する言葉で、後者はその説明を裏付ける具体的な記録です。

表の書き出す例のように、抽象的な言葉ではなく、具体的な機能名や判断の内容を入れておくと、後から見返したときにそのまま使える形になります。

この求人に応募する前に、この2つを書き出しておくと、書類選考や面談で聞かれたときに、その場で言葉を組み立てる必要がなくなります。

表の書き出す例は一例です。実際に書き出すときは、担当した機能や場面をできるだけ具体的な言葉に置き換えておくと、後から見返してもそのまま使えます。

5. 賃金の目安は、25〜29歳の水準を先に見ます。

賃金の目安として、25〜29歳の一般労働者の賃金を確認します。過度に高い数字を期待しないための確認です。

一般労働者の賃金(月額・25〜29歳) 25〜29歳の賃金 新卒に近い水準 経験を重ねた水準 月279.4千円(2025年調査)*2 最初の給与は、この先の実績によって動いていきます

厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金は25〜29歳で月279.4千円でした*2。学歴不問という条件と、この年代の賃金水準は、直接結びついているわけではありません。

学歴不問という表記を見て、賃金が特別に高くなると期待すると、実際の数字との差に後で気づくことになります。賃金の目安は年代によって変わるものであり、この条件だけで決まるものではありません。

賃金の交渉で効くのは、担当した範囲の言葉と記録です。学歴の説明ではなく、この2つを準備しておくことが、賃金の話し合いでも材料になります。

この279.4千円という数字も、全国計の平均であり、業種や職種を絞った数字ではありません。エンジニアの求人に限定した数字ではないことを踏まえておく必要があります。

求人票に示された給与の条件は、企業ごとに幅があります。この年代の賃金の目安を先に知っておくと、面談で条件を聞いたときに、その数字が高いのか低いのかを自分の中で判断しやすくなります。

6. 書き出す作業を、2つの手順に分けます。

この求人に応募する前に、書き出しておく作業を2つの手順に分けて整理します。

書き出しておく2つの作業

  • 担当した範囲を言葉にする:何を任され、どこまで自分の判断で決めたかを、具体的な機能名や場面とともに書き出します。
  • 手元の記録を集める:設計で選んだ理由、障害への対応、直した結果が分かるメモやログを、当時のまま集めます。

この2つの作業は、学歴の説明を用意する作業とは別のものです。学歴不問という条件のもとでは、こちらのほうが選考で効く材料になります。

書き出す順番は、担当した範囲の言葉を先に整理し、それを裏付ける記録を後から集める順が進めやすくなります。

2つの作業を書き終えたら、書類選考や面談の場で、そのまま使える形になります。

書き出した内容は、面談で聞かれる前に一度声に出して確認しておくと、当日に言葉が詰まりにくくなります。

書き出した言葉と記録は、応募する求人が変わっても使い回せます。1社ごとに書き直すのではなく、共通の土台として手元に残しておくと、次の準備にかかる時間を減らせます。

手元の記録は、チケット管理システムの起票内容や設計メモ、障害対応のログといった形で残っている場合があります。まずこれらの記録がどこに残っているかを洗い出すところから始めると、書き出す作業が進めやすくなります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 学歴不問と書かれた求人では、学歴を聞かれることはないか。

A. 学歴を聞かれない保証はありません。応募資格として学歴を問わないという意味であり、面談で経歴の一部として触れられる場合はあります。ただし選考の中心は、担当した範囲の説明と記録です。

Q2. 担当した範囲を説明するとき、何を先に書けばよいか。

A. 何を任されたかを先に書きます。そのうえで、どこまで自分の判断で決めたか、その決定がどういう結果につながったかを続けて書くと、話の流れが伝わりやすくなります。

Q3. 記録が手元にほとんど残っていない場合はどうすればよいか。

A. 断片的な記録でも書き出しの材料になります。当時のメモやチャットのやり取り、修正前後の比較が残っていれば、そこから当時の判断を言葉に戻せます。

Q4. この条件の求人は、賃金の交渉で不利になるか。

A. この条件だけで、賃金の交渉が不利になるとは限りません。担当した範囲の言葉と記録がそろっていれば、賃金の話し合いでも同じように材料として使えます。

Q5. 学歴不問と書かれていない求人には応募できないか。

A. 応募できないとは限りません。この条件が明記されていなくても、選考の中心が学歴以外の材料であることは珍しくありません。求人票に学歴の条件が具体的に書かれているかどうかを確認する必要があります。

8. まとめ:中身を書き出す準備は、選考が始まる前に済ませます。

この記事の要点

  • 学歴不問という表記は、応募できる範囲を広げる条件であり、選考の材料をなくすものではありません。
  • 選考で見られているのは、担当した範囲を自分の言葉で説明できるかという点と、手元に記録が残っているかという点です。
  • 厚生労働省の調査では、転職入職者のうち賃金が「増加」した割合は40.5%、「変わらない」は28.4%でした*1。
  • 一般労働者の賃金は25〜29歳で月279.4千円です*2。この条件と、この数字は直接結びついているわけではありません。

この表記に安心して終わるのではなく、担当した範囲の言葉と手元の記録という2つを、先に書き出しておくことが、選考を進めるうえでの準備になります。書き出す作業に締め切りはありません。応募を決めた時点から始めても十分に間に合います。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)

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