圧迫面接を受けたときに見るべきもの|会社の選び方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

「圧迫面接」に出会うと、その場をどう乗り切るかにばかり気を取られがちです。この記事で扱うのは、切り返し方や気持ちの持ち方ではありません。面接で見えたことを、会社を選ぶかどうかの材料として扱う考え方です。厳しい場面ほど、かえって会社の実際の姿が見えることがあります。
この記事の中心にあるのは、圧迫面接で見えたことを、会社を選ぶ判断材料として使うという視点です。切り返しの話術やメンタルの持ち方ではなく、記録して比べる考え方だけを扱います。
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この記事のポイント
- 圧迫面接では、応募者だけでなく会社の姿勢も見えます。感じた圧迫の種類によって、その後に見るべき点が変わります
- 面接は会社を見る場でもあります。公正な採用選考は、応募者の適性と能力に基づいて行うという考え方が示されています*2
- 記録・推測・判断という順番で考えると、その場の感想だけで応募をやめる判断をしなくなります。厳しい面接を受けた1社だけに判断を委ねる必要はありません
1. 圧迫面接で確かめられるのは、こちらの側でもあります
圧迫面接とは、厳しい質問や沈黙を重ねる面接です。ここで扱うのは切り返し方ではなく、そこで見えたことを会社選びの材料にする視点です。情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍で*1、応募先は一つに絞る必要はありません。
2. 感じた圧迫の種類によって、次にすることが変わります
圧迫面接という言葉は、厳しい質問や沈黙の総称として使われますが、中身は一様ではありません。感じた圧迫がどの種類に近いかを見分けておくと、その後にすることが変わります。
同じ言葉で語られていても、選考のために意図された演出なのか、担当者個人の言葉づかいなのかでは、読み取れることが違います。圧迫の種類を先に分けておくと、次にどの情報と合わせて見ればよいかが見えてきます。
会社の姿勢と、一人の面接官の癖は、必ずしも同じではありません。選考として組み込まれた演出であれば、その後の選考にも共通する方針として扱えますが、担当者個人の言葉づかいであれば、配属先が変われば状況も変わります。
3つのどれにも当てはまらないと感じることもあります。その場合は無理に分類せず、次の面接まで判断を保留しておくというやり方もあります。1回の面接だけで、どちらに近いかを言い切る必要はありません。
圧迫の種類を見分けることは、相手を疑うためのものではありません。起きたことを整理して、次に何を確かめるかを決めるための下準備です。
見分けた種類は、その場で終わらせず、次の面接や説明会に持ち越して答え合わせをする材料になります。1回だけで結論を出さないという姿勢は、このあとの章でも共通します。
3. 面接は、会社を見る場でもあります
面接は、会社が応募者を確かめる場であると同時に、応募者が会社を確かめる場でもあります。圧迫面接に限らず、面接で交わされたやり取りは、入社後にどう働くかを想像する手がかりになります。答えにくい質問への向き合い方は、日常の面談や会議の進め方にも表れやすい部分です。厳しい場面のほうが、普段は見えにくい部分が出やすいとも言えます。
厚生労働省は、採用選考について、応募者の適性と能力に基づいて行うという考え方を示しています*2。厳しい言い方の質問であっても、業務で起こり得る場面を想定した確認である場合があります。適性・能力に関係のない事柄まで踏み込む質問が続く場合は、その面接がどのような基準で組み立てられているかを考える材料になります。この考え方は、圧迫面接に限らずすべての面接に共通するものです。
圧迫面接の場で交わされたやり取りを、その場限りのものとして忘れてしまうと、あとで比べる材料が残りません。何を聞かれ、何を確かめられたと感じたかを、面接が終わった直後に書き残しておくと、複数の会社を比べるときに使えます。時間が経つほど、細かい言い回しやその場の空気は薄れていきます。
面接そのものの受け方や進め方は、別の記事で扱っています。ここでは、面接という場そのものが持つ、応募者から会社を見るという側面に絞って扱います。
あわせて読みたい | 転職面接の完全ガイド|定番5問の意図・通過率データ・Web面接の作法
4. 圧迫的だった場面と、そこから読み取れること
圧迫面接で起きたことを、印象だけで終わらせずに整理すると、読み取れることが見えてきます。感じ方は人によって違うため、まずは起きたことそのものを行に当てはめてみます。
圧迫的だった場面と、読み取れること
| 面接で起きたこと | 読み取れること | その後にできること |
|---|---|---|
| 回答の途中で遮られ、否定的な相槌が続いた | 評価の手法として組み込まれている場合と、進行の癖である場合があります | 次の面接や説明会で、同じ傾向が続くかを見ます |
| 経歴や転職理由について、繰り返し理由を尋ねられた | 深掘りの意図か、繰り返し自体に狙いがあるかは面接だけでは分かりません | 聞かれた内容を記録し、他の会社の面接と比べます |
| 沈黙のあとに、急に話題を変えられた | 間の置き方が評価の一部として設計されている場合があります | 違和感が残った点を、選考後の連絡内容と合わせて見ます |
| 最初は穏やかで、途中から質問の調子が変わった | 段階を分けて確かめる設計である場合と、対応する人が変わった場合があります | 調子が変わった前後で、質問の内容自体も変わったかを振り返ります |
表に挙げた場面は、どれも1回だけでは判断がつきにくいものです。同じような場面が別の面接でも続くかどうかまで見て、初めて会社の傾向として扱えます。
表の右列は、いずれも『こうと決まっている』という言い切りではありません。同じ場面でも、会社によって当てはまる読み取り方は変わります。自分が経験した場面に近い行を手がかりに、次に何を見るかを考える材料として使います。
一方で、表に挙げた行だけで会社の全体像が決まるわけではありません。ここで読み取れるのは、その面接という1回の場面から見えた範囲までです。
表は、1社の面接を振り返るためだけでなく、複数の会社の面接を比べるときにも使えます。同じ行に当てはまる場面が続くようなら、自分にとって見過ごせない傾向として扱えます。
5. その場でできる3つの受け止め方
厳しい面接の最中に、切り返し方を考える必要はありません。うまく話せたかどうかとは別に、その場でできることは、次の3つです。
その場でできる3つのこと
- 事実だけを覚えておく:感じた印象ではなく、実際に聞かれた質問と言葉を覚えておきます
- その場で結論を出さない:厳しい面接だった印象だけで、応募を続けるかを決めません
- 次の情報と合わせて見る:次の面接や書類のやり取りで、同じ傾向が続くかどうかを見ます
3つとも、その場での話し方や切り返し方を求めるものではありません。あとで判断するための材料を、その場では減らさずに残しておくという考え方です。
3つのうち、事実だけを覚えておくことがもっとも土台になります。実際に聞かれた言葉をそのまま覚えておけば、あとから振り返るときに、印象だけで判断する必要がなくなります。
どれか1つだけを実行すればよいわけではありません。事実を覚え、結論を急がず、次の情報と合わせて見るという流れ自体が、その場でできる受け止め方です。
3つに共通するのは、その場でうまく話すための技術ではないという点です。うまく答えられたかどうかと、その会社を選ぶかどうかの判断は、別の軸にあります。
あわせて読みたい | 面接の逆質問で差がつく!|実際に使える質問例やNG質問について
6. 判断の順番を決めておくと迷いません
感じたことをそのまま結論にせず、順番を決めて考えると、判断がぶれにくくなります。焦って頂点から考え始めないことが大切です。
土台にあたる事実の記録がないと、理由の推測も応募の判断も、あとから組み立て直せません。まず記録から始めます。
中段の理由の推測は、事実だけからは決まりません。同じ言葉づかいでも、選考の設計として意図されたものか、担当者個人の癖かによって、読み取れる意味が変わります。ここで急いで一つに決める必要はありません。
頂点の応募の判断は、記録と推測の両方がそろって初めて置けます。順番を飛ばして頂点だけを先に決めると、あとになって根拠が説明できなくなります。推測の段階で答えが出ないときは、次の情報が増えるまで頂点に進まないという選び方もできます。
3段の順番は、1回の面接だけで終わるものではありません。複数の面接を経るたびに繰り返し、同じ土台の上に新しく確かめた事実を積み増していく形になります。
同じ型は、圧迫面接に限らず、通常の面接を振り返るときにも応用できます。段階を意識するだけで、その場の感想だけに流されにくくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 圧迫面接は、必ず避けるべき面接ですか。
A. 面接の形式そのものより、そこで何を確かめられ、何が見えたかのほうが判断の材料になります。厳しい質問があったことだけで、応募を続けるかどうかを決める必要はありません。厳しかったという印象だけでなく、具体的に何を聞かれたかを振り返ることが判断の出発点になります。
Q2. 圧迫面接を受けたら、その場で結論を出してもよいですか。
A. その場で急ぐ必要はありません。感じたことをいったん記録し、次の面接や書類のやり取りと合わせて見てから判断する方法もあります。書き残しておけば、後日振り返ったときにも同じ材料で考えられます。
Q3. 厳しい質問と、答えにくい質問は同じ意味ですか。
A. 同じではありません。厳しい言い方であっても、業務で起こり得る場面を確かめる質問である場合があります。答えにくさの理由が、質問の意図によるものか、関係のない事柄への踏み込みによるものかを分けて考えます。同じ質問でも、聞かれた文脈によって意味合いが変わることもあります。
Q4. 圧迫面接を受けた会社について、周囲に相談してもよいですか。
A. 記録した内容をもとに、信頼できる相手に聞いてみる方法があります。同じ会社の選考を受けた人がいれば、感じ方の違いも参考になります。ただし、聞いた話をそのまま結論にせず、自分が実際に体験したことと分けて扱います。
8. まとめ:圧迫面接は、会社を見極める材料になります
この記事の要点
- 圧迫面接で確かめられるのは、応募者側の受け答えだけではありません。会社がどのような場を作るかも見えてきます
- 感じた圧迫の種類によって、次に見るべき点が変わります。演出なのか、個人の言葉づかいなのか、内容そのものへの否定なのかを分けて考えます
- 面接は会社を見る場でもあります。公正な採用選考は、応募者の適性と能力に基づいて行うという考え方が示されています*2
- 事実の記録、理由の推測、応募の判断という順番で考えると、その場で結論を急ぐ必要がなくなります。順番は1回の面接で終わらせず、次の面接のたびに積み増していきます
- 情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.92倍で*1、厳しい面接を受けた1社だけに判断を委ねる必要はありません
圧迫面接を、切り返しの上手さで乗り切る場面としてではなく、会社を選ぶための材料として見ておくと、選考が進んだあとの判断がしやすくなります。厳しい面接を受けた直後ほど、記録を残しておく価値があります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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