離職票が届く前に失業保険の手続きはできる?届かないときの相談先

失業保険の受給資格の決定には、離職票の提出が要ります*1。離職票が届かず受給資格があると見込まれる場合は、退職日の翌日から12日目以降に、受給申込みを仮に受け付ける「仮決定」を行うハローワークがあります*2*3。仮決定とは、離職票がなくても申込みを仮受付し、離職票が出たあとに仮受付の日から手続きを進める扱いです*2。
仮決定は大阪労働局などの案内にある手続きで、全国共通かは確認できていません。最初の問い合わせ先は退職した会社で、応じないときの相談先は住居地のハローワークです*1*4。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 通常の手続きは、離職票を出してから受給資格が決まります*1。届かない場合は、仮決定を受け付けるハローワークがあります*2。
- 仮決定をしても、離職票は後日提出します。認定日(失業状態を確認する日)には来所します*3。
- 最初の問い合わせ先は退職した事業所で、応じないときの相談先は住居地のハローワークです*1*4。
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1. 離職票が届く前でも仮決定を受け付けるハローワークがある
離職票が届く前でも、仮決定という仮の受付が行われることがあります。仮決定は大阪労働局・ハローワークの案内とハローワーク墨田のQ&Aに書かれた手続きで、全国のハローワークで同じ基準かは確認できていません*2*3。受け付けが始まるのは12日目以降で、仮決定をしない場合の受給の申込みは、離職票を出した日から始まります*2。
通常の手続きは、住居を管轄するハローワークで求職の申込みをしてから、離職票(-1、-2)を提出する順です*1。離職票は離職後に届き、受け取りに行く場合もあります*1。ハローワークは受給要件を満たしているかを見たうえで、受給資格の決定を行います*1。離職票が手元にない間は、通常の流れでは受給資格の決定まで進めません。
仮決定(受給資格の仮決定手続き)とは、離職票の交付が遅れていて受給資格が見込まれるときに、受給申込みを仮で受け付ける手続きです*2。仮決定をしておくと、後日離職票が交付されて受給資格があると判断できたとき、仮決定をした日から手続きが始まったものとして進められます*2。仮決定をしない場合は、初めてハローワークに離職票を出して申し込んだ日が、手続きの始まりの日です*2。申込みが遅れると、失業給付の支給が遅れるほか、受給期間によっては受給できなくなる可能性があります*2。
仮決定の受付は、ハローワークごとに先に電話で聞いておくと、出向いてから断られる行き違いを避けられます。
2. 退職日の翌日から12日目以降に届かなければ仮決定を相談する

離職票が届かないときの動きは、退職日の翌日から数えた日数で分かれます。仮決定ができるのは12日目以降で、その前の期間は、離職票の到着を待ちながら会社の手続きの進み具合を聞く時期です*2*4。
事業所が離職手続きを行う期限は10日以内です*4*5*6。ハローワークへ行く前に、まず事業所へ連絡します*4。電子申請で手続きを済ませたのか、離職票の発送がいつになるのかを、そのとき尋ねておきます。
日数の数え方には、大阪労働局・ハローワークの案内に例があります。離職日が3月31日の場合は、4月12日以降に手続きができます*2。閉庁日と重なったときは、その翌開庁日が手続きの日です*2。ハローワーク墨田のQ&Aにも、退職日の翌日から12日以上たってもまだ離職票が届かない場合に限り、仮決定で受給資格の確認を始められるとあります*3。
仮決定を受けたあとも、離職票は後日提出が必要です。ハローワーク墨田のQ&Aでは、そのため退職した会社に督促の連絡を入れるよう案内されています*3。同じQ&Aには、仮決定でも認定日には来所するようにという注意も載っています*3。実際の扱いは住居地のハローワークで聞いてください。
3. 通常の手続きと仮決定は申込みの始まりと離職票の扱いが違う
離職票が届いてから手続きをする場合と、仮決定を使う場合とでは、受給の申込みが始まる日と、離職票を出す時期が変わります。資料に書かれている違いを並べました。
通常の手続きと仮決定の違い
| 項目 | 通常の手続き | 仮決定 |
|---|---|---|
| 使える時期 | 離職票が届いたあと*1 | 退職日の翌日から12日目以降で、離職票が届いていないとき*2 |
| 受給の申込みの始まり | 初めて離職票を出して申し込んだ日*2 | 仮決定をした日。後日離職票が交付され、受給資格があると判断されたとき*2 |
| 離職票 | 申込みのときに提出する*1 | 後日提出が必要*3 |
| 認定日 | 資料に記述なし | 来所する*3 |
| 申込みが遅れたとき | 支給が遅れ、受給期間によっては受給できなくなる可能性*2 | 同左*2 |
仮決定の条件には、受給資格の見込みが入っています*2。見込みがあるかどうかを判断するのはハローワークなので、退職の事情が分かる書類があれば、窓口へ持っていきます。
離職票を待ち続けて日が過ぎるより、12日目になった時点で住居地のハローワークに連絡しておくほうが、申込みの遅れは小さく済みます。
4. マイナポータルの離職票は3つの条件がそろったときだけ届く
2025年1月から、希望する離職者のマイナポータルに離職票を直接送るサービスが始まっています*5。次の3つがそろった場合に、離職票が送られます。1つ目は、届け出たマイナンバーが雇用保険の被保険者番号と適切に紐付いていることです。2つ目に、本人がマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定を行っている必要があります。3つ目に、事業主が電子申請で離職手続きを行っている必要があります*5。
事業所が電子申請で離職手続きを行い、ハローワークが処理を終えしだい、離職票はマイナポータルに送信されます*4。連携設定は、一度完了すれば、解除するまで有効です*4。連携設定を行っていないときは、事業所が電子申請をしても送信されず、従来どおり事業所から離職票が送られます*4。
マイナポータルに離職票が見当たらないときは、お知らせの容量が上限を超えているなどの送信エラーの可能性があります*4。その場合は、ハローワークの窓口に問い合わせます*4。離職票の電子データ(PDFファイル)は、スマートフォンなどの画面に表示してハローワークの窓口で見せれば、印刷は要りません*4。
5. 届かないときの相談先は最初が会社で次が住居地のハローワーク

離職票が届かないときは、まず退職した事業所に問い合わせます*4。事業所による離職手続きの期限は10日以内なので、期限を過ぎていれば、手続きがどこまで進んだかを尋ねられます*4*5。問い合わせた日付と相手の名前のメモは、あとで窓口へ説明するときの手がかりです。
会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合などは、住居地を管轄するハローワークに問い合わせます*1。仮決定を受け付けているかどうかも、このときに聞けます。退職日の翌日から12日目を過ぎているなら、その日数と、会社へ問い合わせた経過を窓口で伝えると話が早いです。
広島県の労働相談の案内には、会社に離職票の交付の手続きを求めても聞き入れられないときは、会社の所在地が管轄のハローワークへ申し出て相談するようにあります*7。これは県の案内で、ハローワークや労働局が出した資料ではありません。窓口は住居地の管轄と会社の所在地の管轄とで資料の書き方が分かれるため、どちらの窓口に行くかは、先に電話で聞いておきます*1*7。
同じ広島県の案内には、被保険者であった離職者は、いつでも被保険者でなくなったことの確認を請求できるとも書かれています。根拠は雇用保険法第8条です*7。会社が離職票を出さない理由が分からないときは、この確認の請求を窓口で相談する手があります。
あわせて読みたい | 離職票はいつ届く?退職後10日〜2週間の目安と届かない時の対処
6. よくある質問
Q1. 離職票が届く前に失業保険の手続きはできますか
A. 通常の手続きでは離職票の提出が先で、届く前は受給資格が決まりません*1。ただし、退職日の翌日から12日目以降なら、仮決定を受け付けるハローワークがあります*2*3。
Q2. 仮決定はどのハローワークでも受け付けてもらえますか
A. 書かれているのは大阪の案内と墨田のQ&Aで、全国共通の基準かは確認できていません*2*3。住居地のハローワークに、先に電話で聞きます。
Q3. 仮決定をすれば離職票は出さなくてよいですか
A. 出さなくてよいわけではありません。離職票は後日提出が必要で、認定日(失業状態を確認する日)にも来所します*3。
Q4. 退職日の翌日から12日目はいつですか
A. 離職日が3月31日なら、4月12日以降です。その日が閉庁日なら、次に開く日になります*2。
Q5. マイナポータルに離職票が届かないときはどうしますか
A. 送信エラーの可能性があるため、ハローワークの窓口に問い合わせます*4。連携設定を行っていなければ、事業所から離職票が送られます*4。
Q6. 会社が離職票を出してくれないときはどこへ相談しますか
A. 最初の相談先は、住居地が管轄のハローワークです*1。広島県の案内では、相談先として会社の所在地のハローワークも挙げています*7。
7. まとめ:届く前は仮決定を住居地のハローワークで聞く
この記事のまとめ
- 受給資格の決定には離職票の提出が要ります*1。届かない場合の仮決定は、一部のハローワークが受け付けています*2*3。
- 仮決定は大阪労働局などの案内にある手続きで、全国共通かは確認できていません。仮決定のあとも、離職票は後日提出し、認定日には来所します*3。
- 相談先は、事業所が先で、住居地を管轄するハローワークが次です*1*4。
- マイナポータルに届かないときは、送信エラーの可能性があるため、ハローワークの窓口に問い合わせます*4。
退職日の翌日から数えて12日目になっても届いていなければ、住居地のハローワークに仮決定の受付があるかを電話で聞いてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 雇用保険手続きのご案内(ハローワークインターネットサービス・厚生労働省)
*2 退職した事業所から離職票が届かない場合の受給資格の仮決定手続きのご案内(大阪労働局・ハローワーク)
*3 失業給付受給に関するQ&A(ハローワーク墨田・東京労働局)
*4 マイナポータルを利用した離職票の受け取りFAQ(厚生労働省)
*5 2025年1月から、希望する離職者のマイナポータルに「離職票」を直接送付するサービスを開始します!(厚生労働省)
*6 雇用保険の手続き一覧(厚生労働省)
*7 会社が離職票を交付してくれない(広島県の労働相談)
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