ハローワークの再就職手当のもらい方|就職の翌日から1か月以内

再就職手当をもらうには、就職の翌日から1か月以内に、ハローワークへ申請書を出します*1。基本手当(いわゆる失業手当)の受給資格が決まったあと、早い時期に就職した人が対象です*1。給付率は、就職日の前日までの失業の認定のあとに残る基本手当の日数(支給残日数)で変わります*1。
支給残日数が所定給付日数(基本手当を受け取れる日数の上限)の3分の1未満だと支給されません*1。待期(受給資格が決まった日を含む7日間)の間の就職も対象外です*1。入社日を決める前に支給残日数を数えてください。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 申請の期限は就職した日の翌日から1か月以内です*1。申請書は本人が出すほか、代理人か郵送でも提出できます*1。
- 受け取れる額は、基本手当日額に支給残日数と60%か70%を掛けた額です*1。所定給付日数の3分の2以上を残して就職すると70%になります*1。
- 前の会社や、前の会社と資本・人事などで密接な関わりがある会社への就職は対象外です*1。1年を超えて勤務することが確実であることも要件です*1。
1. 再就職手当のもらい方と申請の期限
再就職手当は、就職した日の翌日から1か月以内に「再就職手当支給申請書」をハローワークへ出すと受け取れます*1。受け取れるのは、所定給付日数の3分の1以上を残して就職し、8つの要件をすべて満たした人です*1。額は基本手当日額×支給残日数×60%か70%で、1円未満は切り捨てます*1。給付率は、3分の2以上を残して就職した人が70%、3分の1以上の人が60%です*1。
まず、就職日は待期が明けたあとの日にしてください*1。次に、就職日の前日の分まで失業の認定を受けます*1。申請書を出す期限は、就職日の翌日から数えて1か月です*1。
申請書の出し方は3つで、本人がハローワークへ持っていくほか、代理人に頼むか郵送でも出せます*1。どの方法を選んでも、就職日の翌日から1か月という期限は変わりません*1。入社日が決まった時点で、その翌日から1か月後の日付を手帳やカレンダーに書いておいてください。
あわせて読みたい | 失業給付の待期期間とは?7日間の意味と転職活動の進め方
2. 給付率は支給残日数で70%か60%に分かれる
給付率を決めるのは、就職した時点で所定給付日数のどれだけが残っているかです*1。基本手当を受け取った日が増えるほど支給残日数は減るので、就職日が遅れると給付率が70%から60%に下がることがあります。さらに遅れて3分の1を下回れば、再就職手当そのものが支給されません*1。
そのため、内定が出たら、所定給付日数の3分の2と3分の1に当たる日数を先に計算してください。その2つの日数と、就職日の時点で残る支給残日数を比べれば、70%と60%のどちらになるかが分かります*1。入社日を会社と相談できる場合は、支給残日数が3分の2を下回る前に入社できるかを聞いてください。入社日を動かせない会社なら、決まった入社日で支給残日数を出し、受け取れる額を見積もっておいてください。
3. 基本手当日額の上限は離職したときの年齢で変わる
額の計算に使う数字は、基本手当日額・支給残日数・給付率の3つです*1。このうち基本手当日額は1日分の基本手当の額で、計算に使える額には離職したときの年齢で分かれた上限があります*1。60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円で、どちらも令和9年7月31日までの基本手当日額の上限です*1。上限額は毎年8月1日に改定されます*1。
たとえば、4,000円の基本手当日額はどちらの上限よりも低いので、その額のまま掛け算に使います*1。逆に、自分の基本手当日額が上限より高い人は、上限の額に置き換えて計算してください。離職した日に60歳以上65歳未満だった人は、基本手当日額の上限を5,454円として計算します*1。
4. 所定給付日数270日の例で見る支給残日数と額
ハローワークが出している計算例の人は、基本手当日額が4,000円、所定給付日数が270日です*1。この人は、受給資格決定日(受給資格が決まった日)から数えて50日目に就職しています*1。待期は受給資格決定日を含めて7日で、その間は基本手当が出ません*1。そのため、就職日の前日までに受け取った基本手当は42日分です。
228日は270日の3分の2以上なので、給付率は70%です*1。再就職手当の額は4,000円×228日×70%で、63万8,400円になります*1。同じ人が100日目に就職すると、支給残日数は178日に減って3分の2を下回るため、給付率は60%に下がります*1。額は4,000円×178日×60%で42万7,200円です*1。支給残日数が減るうえに給付率も下がるので、額は日数の減り方よりも大きく下がります。
実際には所定給付日数が人ごとに決まっているため、270日の例の数字をそのまま自分に当てはめることはできません。自分の額を出すときは、所定給付日数から入社の前日までに受け取る基本手当の日数を引いてください。出てきた支給残日数が3分の2以上か3分の1以上かで給付率を選び、基本手当日額と掛け合わせます。入社日の候補が2つ以上あるなら、それぞれの日で同じ計算をして額を並べてください。
5. 再就職手当が支給される8つの要件
再就職手当は、雇用保険の被保険者になる就職などで、次の8つの要件のすべてに当てはまると支給されます*1*2。1つでも欠けると受け取れないので、内定を承諾する前に8つを順に照らし合わせてください。④に出てくる給付制限とは、離職理由によって基本手当が支払われない期間のことです。
再就職手当の支給要件(すべて必要)
| 要件 | 満たす内容 |
|---|---|
| ①待期のあとの就職 | 受給手続きのあと、7日間の待期期間が満了してから就職している |
| ②支給残日数 | 就職日の前日までの失業の認定を受け、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある |
| ③前の会社との関係 | 離職した前の事業主や、前の事業主と資本・資金・人事・取引の面で密接な関わりがある事業主に雇われたのではない |
| ④就職の経路 | 給付制限がある人は、求職の申込みから待期満了後1か月の間の就職が、ハローワークか職業紹介事業者(求人を紹介する事業者)の紹介による |
| ⑤勤務の見込み | 1年を超えて勤務することが確実である |
| ⑥雇用保険 | 原則として雇用保険の被保険者になっている |
| ⑦過去の受給 | 過去3年以内の就職で、再就職手当か常用就職支度手当を受けていない |
| ⑧内定の時期 | 受給資格決定(求職の申込み)より前から採用が内定していた事業主に雇われたのではない |
まず、④の決まりは給付制限がある人だけにかかります*1。求職の申込みから待期満了後1か月までの間に就職するなら、ハローワークか職業紹介事業者の紹介を通していなければなりません*1。転職エージェントを通した応募は、そのエージェントが職業紹介事業者であれば、この紹介に当たります。この1か月の間に内定が出そうなときは、その応募がどの経路を通っているかを先に確認してください。
次に、⑧は在職中に内定をもらってから退職した人にかかわります。受給資格が決まる前、つまり求職の申込みより前から内定していた会社に入っても、再就職手当は支給されません*1。その会社に入ると決めているなら、再就職手当を受け取らない前提で、入社日と当面の生活費を組み立ててください。
残る要件のうち、⑤と⑥は内定先との雇用の条件にかかわります*1。⑤は1年を超えて勤務することが確実であること、⑥は原則として雇用保険に入って被保険者になっていることです*1。内定が出たら、契約期間と雇用保険への加入を内定先に書面で示してもらってください。
あわせて読みたい | 失業保険の振込日は自己都合だと待期7日と給付制限のあと
6. 再就職手当を受けたあとの3つの決まり
再就職手当を受け取ったあとにも、入社した会社を辞めたとき・賃金が下がったとき・次に転職するときにかかわる決まりがあります*1。
再就職手当を受け取ったあと
- 入社した会社を辞めたとき:離職して失業状態になれば、再就職手当の分を除いた残りの日数の基本手当を受給できる可能性があります*1
- 賃金が下がったとき:再就職先に6か月以上雇われ、その6か月の賃金が離職前より低ければ「就業促進定着手当」を受けられます*1
- 次に転職するとき:今回の就職から3年以内に次の就職をすると、その就職では再就職手当を受け取れません*1
たとえば、リモートワークを条件に選んだ会社で賃金が前の会社より下がっても、6か月以上勤めれば就業促進定着手当の要件に当たります*1。比べる賃金は、離職前の賃金と入社から6か月の間の賃金です*1。入社から6か月がたったら、その間の給与明細を離職前のものと突き合わせてください。
あわせて読みたい | 失業保険の手続きと転職活動|窓口と必要書類の進め方
7. よくある質問
Q1. 再就職手当の申請書はいつまでに出せばよいですか
A. 期限は、入社した日の次の日から数えて1か月です*1。提出は本人のほか代理人や郵送でもできるので、入社してすぐ窓口へ行けない人も期限に間に合わせられます*1。入社日が決まった時点で、期限の日を控えておいてください。
Q2. 知人の紹介で就職しても再就職手当はもらえますか
A. 給付制限が無い人なら、待期が明けたあとの就職は経路を問わず、知人の紹介でも要件を満たします*1。給付制限がある人は、待期満了後1か月の間の就職をハローワークや職業紹介事業者を通したものにする必要があります*1。その1か月を過ぎたあとなら、知人の紹介による就職でも④の要件にはかかりません。
Q3. 前の会社の関連会社に就職した場合はどうなりますか
A. 前の会社と資本・資金・人事・取引の面で密接な関わりがある会社に入る場合は、再就職手当を受け取れません*1。前の会社そのものに戻る場合も同じで、離職した前の事業主に再び雇われる就職は要件から外れます*1。関連会社から声がかかったときは、前の会社との資本や人事のつながりを先に聞いておいてください。
Q4. 求職の申込みより前に応募していた会社から内定が出た場合はどうなりますか
A. ⑧で問題になるのは内定が出た時期です。応募が求職の申込みより前でも、内定が申込みのあとに出たなら⑧の要件は満たします*1。内定がいつ出たかを示せるように、内定通知のメールや書面を残しておいてください。
Q5. 再就職手当は転職のたびにもらえますか
A. 3年以内に続けて受け取ることはできません。過去3年以内の就職で再就職手当か常用就職支度手当を受けた人は、次の就職では受け取れません*1。次の転職を考えるときは、前回の就職日から3年がたっているかを先に数えてください。
8. まとめ:入社日を決める前に支給残日数を数えておく
再就職手当を受け取るまで
- 待期の7日が明けたあとの日を就職日にする*1
- 就職日の前日の分まで失業の認定を受ける*1
- 就職した日の翌日から1か月以内に「再就職手当支給申請書」を出す*1
- 所定給付日数の3分の2以上を残して就職すると給付率は70%になる*1
- 給付制限がある人は、待期満了後1か月の間の就職をハローワークか職業紹介事業者の紹介にする*1
- 求職の申込みより前に内定していた会社に入る場合は、再就職手当を受け取れない*1
つまり、額は支給残日数で決まるため、内定が出たら入社日の候補ごとに支給残日数と給付率を出して並べてください。3分の2と3分の1を下回る日が分かれば、70%で受け取れる入社日がいつまでかを自分で言えるようになります*1。給付制限のある人は、待期が明けてから1か月のうちに出る内定について、紹介の経路も見ておいてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
転職ノウハウ その他の記事
もっと読む 〉-
テレワーク実施率の業種別ランキング|IT企業の割合
令和7年度テレワーク人口実態調査で、雇用型テレワーカーの割合が最も高い業種は情報通信業の74.1%です*1。次いで学術研究、専門・技術サービス業が54.0%、最も低いのは宿泊業・飲食業の6.0%です*1。雇用型には、正社 […] -
内定の比較表|年収と休日と働き方を並べる書き方
内定の比較表は、会社ごとに同じ行で並べ、行の名前を労働条件通知書の項目にします*4。契約期間、就業場所と変更の範囲、業務と変更の範囲、始業と終業の時刻、休日、休暇、賃金、退職は、会社が書面で示す項目です*1。年収と休日と […] -
土日休みでフルリモートの正社員|年間休日と休日出勤の決まり
土日休みかどうかは、求人票の週休二日制の欄が「毎週」かどうかと、休日の欄で見分けます*4。「毎週」は完全週休2日制のことで、休みの曜日までは決まっていないため、土曜と日曜かどうかは面接で聞きます。フルリモートの正社員求人 […] -
インフラエンジニアの資格一覧|サーバーとネットワークとクラウド
インフラエンジニアの資格は、情報処理推進機構(IPA)の国家試験と、各社・各団体が認定するベンダー資格の2系統に分かれます。国家試験は基本情報技術者からITサービスマネージャまで7つ、ベンダー資格は6つです。ベンダー資格 […]