短期離職の説明の書き方|職務経歴書と面接での伝え方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

エンジニアの転職活動では、在籍期間が短い職歴をどう書けばよいか迷う場面があります。書類や面接で聞かれるのは、辞めた理由そのものだけではありません。ここでは、在籍期間の説明を、次に何を選ぶかという言葉に置き換える書き方を、書類と面接の場面に分けて整理します。
在籍期間が短いときに書類や面接で示せるのは、そこで何を選び、次に何を選ぶかという判断の軸であり、期間の長さそのものではありません。
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この記事のポイント
- 在籍期間の説明は、理由の当てはめではなく、次に何を選ぶかという言葉に置き換えられます
- 書類に書くことと面接で聞かれることを分けて整理すると、答え方の軸が揃います
- 一般労働者の賃金は55〜59歳で396.2千円、60〜64歳で329.3千円です*1。年齢によって賃金水準の前提が変わる例として参照します
1. 在籍期間の短さは、次に何を選ぶかで説明できます
在籍期間が短い職歴があっても、書類や面接での説明は、理由の当てはめではなく、次に何を選ぶかという言葉に置き換えられます。ここでは、在籍中にやったことを言葉にし、書類と面接での置き方に絞って整理します。
エンジニアの転職活動で、在籍期間が短い職歴をどう書けばよいか迷う場面があります。書類には在籍期間がそのまま残り、面接でも在籍期間の短さについて聞かれることがあります。
在籍期間の短さだけを取り上げて、有利か不利かを判断することはできません。書類や面接で示せるのは、在籍中に何をして、次に何を選ぶかという判断の軸です。理由そのものの正しさを競う場ではありません。
在籍期間を書かずに省いたり、担当した範囲を実際より大きく書いたりする必要はありません。在籍した期間はそのまま書き、そのうえで、在籍中に何を選び、次に何を選ぶかを言葉にする書き方に絞ります。
在籍期間は、履歴書の入社日と退職日から自動的に分かります。書類の中で隠すことはできないため、期間そのものを取り繕うより、次に何を選ぶかという説明に重心を置くほうが、書類にも面接にも一致した話になります。
以下では、在籍中にやったことを書き出す手順から書類に載せるまでの流れを整理したうえで、書類での書き方と面接での答え方を分けて見ていきます。
2. 書類に載せるまでの流れを4段でつなぎます
在籍期間が短い職歴を書類に載せるまでの流れは、4つの段に分けられます。順番に進めると、理由の当てはめに時間を使わずに整理できます。
最初の段は、在籍中にやったことを書き出すことです。担当した業務や関わった内容を、期間の長さに関係なく書き出します。短い期間であっても、担当した範囲を実際より大きく書く必要はありません。
書き出しに迷ったときは、在籍期間を月ごとに分けて振り返ると具体的になります。担当した業務が変わった時期や、関わる範囲が広がった時期が見えやすくなります。
次の段は、そのときに何を優先して選んだかを言葉にすることです。選んだ理由が思い出しにくい場合は、在籍中に判断に迷った場面を振り返ると、優先していたことが見えてきます。
3つ目の段では、選んだ理由を、次の転職先を選ぶときの条件に置き換えます。最後の段で、その条件を書類の中で在籍期間の説明と結び付けて載せます。
3. 在籍期間の説明より、次の選び方を示します
書類や面接を読む側、聞く側が知りたいのは、在籍期間が短くなった理由が正しいかどうかではありません。次にどこを選び、そこで何を続けるつもりかという点です。
理由の正しさを説明しようとすると、前の職場での出来事を細かく振り返る書き方になりがちです。前の職場について詳しく書くほど、次に何を選ぶかという話からは離れていきます。
在籍期間が短くなった事情に、病気や家庭の事情、職場の人間関係が関わることもあります。そうした事情に触れるかどうかは、本人が決めることです。触れない場合は、在籍中にやったことと次に選ぶ条件だけで説明を組み立てられます。
前の職場について話すときも、良し悪しを評価する言い方は使いません。担当した業務や在籍期間といった事実に触れる範囲で、次に何を選ぶかという話につなげれば十分です。
在籍中の判断を次に選ぶ条件に置き換えておくと、入社が決まった後に確認したいことも整理しやすくなります。入社してからどう過ごすかは、選考とは別に確認していく内容になります。
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4. 書類と面接での置き方を対応させます
書類に書くことと、面接で聞かれることは、必ずしも同じではありません。
下の表は、書類と面接、それぞれで置くことと、答え方の軸を対応させたものです。
書類・面接・答え方の対応
| 書類に書くこと | 面接で聞かれること | 答え方の軸 |
|---|---|---|
| 在籍期間と担当した業務 | 在籍期間が短くなった理由 | 理由の当てはめではなく、在籍中にやったことから話します |
| 在籍中に取り組んだ内容 | 在籍中に優先していたこと | そのときに何を優先して選んだかを言葉にします |
| 次の応募先を選んだ理由 | 次の職場に何を求めているか | 在籍中の判断を、次に選ぶ条件に置き換えて答えます |
| 在籍期間についての事実 | 在籍期間の長さそのもの | 期間の長さを事実として認め、そこから次の話につなげます |
表の4行は、書類に書くことと面接で聞かれることを、それぞれ対応させたものです。答え方の軸を先に決めておくと、書類と面接で話がずれません。
在籍期間と担当した業務は、書類にそのまま書きます。面接では在籍期間が短くなった理由を聞かれることがありますが、理由の当てはめではなく、在籍中にやったことから話す軸で答えます。
在籍中に取り組んだ内容は、書類に具体的に書きます。面接で在籍中に優先していたことを聞かれた場合は、そのときに何を優先して選んだかを言葉にします。
次の応募先を選んだ理由は、書類の中でも触れられます。面接で次の職場に何を求めているかを聞かれたときは、在籍中の判断を、次に選ぶ条件に置き換えて答えます。
在籍期間についての事実は、書類でも面接でも変えずに伝えます。在籍期間の長さそのものを聞かれた場合は、期間の長さを事実として認め、そこから次の話につなげます。期間を短く見せるための書き方は使いません。
退職理由を書く欄が設けられている書類もあれば、設けられていない書類もあります。欄がある場合はその指示に従い、ない場合は在籍期間と担当した業務だけを書いて、理由は面接で答える形でも進められます。
4つの軸に共通しているのは、在籍期間の説明を、理由の正しさではなく、次に何を選ぶかという話に置き換えている点です。次の項目では、在籍期間の長さによって整理の仕方をどう変えるかを見ていきます。
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5. 在籍期間の長さによって整理の仕方を変えます
在籍期間の長さによって、整理の仕方は少し変わります。ここでは、在籍が数か月の場合、1年前後の場合、在籍期間が短い職歴が複数回ある場合の3つに分けて整理します。
在籍が数か月の場合は、担当した業務の幅が狭くなりやすくなります。その分、期間内に取り組んだ内容を具体的に書き出すことが軸になります。担当した範囲を実際より大きく書く必要はありません。
在籍が1年前後の場合は、一定の業務を経験していることが多くなります。その中で優先して取り組んだことを整理する軸になります。
在籍期間が短い職歴が複数回ある場合は、1回ごとの理由を説明しようとすると、書類も面接も理由の当てはめに時間がかかります。複数回を通じて、次に何を選ぶ基準にしてきたかを整理する軸に置き換えます。
どの型に近くても、前の職場を比較して優劣を語る書き方は使いません。整理の軸は、在籍中にやったことと、次に選ぶ条件の2つです。
6. 言葉にするときの型を3つ用意します
在籍中にやったことや選んだ理由を言葉にするとき、書き方の型を用意しておくと整理しやすくなります。
言葉にするときの3つの型
- 担当した内容から話す型:在籍中に担当した業務や関わった内容を先に述べ、そこから次に選ぶ条件へつなげます
- 優先したことから話す型:在籍中に優先して選んだことを先に述べ、その優先軸が次の職場選びにも続くことを示します
- 次の条件から話す型:次の職場に求める条件を先に述べ、その条件が在籍中の判断から導かれたことを添えます
3つの型は、どこから話し始めるかが違うだけで、伝える内容は同じです。在籍中にやったこと、優先したこと、次に選ぶ条件の3つを、話す順番だけ入れ替えます。
担当した内容から話す型は、書類の職歴欄のように、事実を先に置きたい場面に向きます。担当した業務や関わった内容を先に述べ、そこから次に選ぶ条件へつなげます。
優先したことから話す型は、面接で選んだ理由を聞かれた場面に向きます。在籍中に優先して選んだことを先に述べ、その優先軸が次の職場選びにも続くことを示します。
次の条件から話す型は、次の職場に求めることを先に聞かれた場面に向きます。次の職場に求める条件を先に述べ、その条件が在籍中の判断から導かれたことを添えます。3つのうち、どれを使うかは、聞かれ方に合わせて選んで構いません。
3つの型は組み合わせて使うこともできます。書類では担当した内容から話す型を使い、面接で優先したことを聞かれたら、そこで型を切り替えて答える進め方もできます。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 在籍期間が短い理由は、書類に書く必要がありますか。
A. 書く必要があるとは限りません。書類では在籍期間と担当した業務を事実として書き、理由については、聞かれた場合に面接で答える形でも進められます。
Q2. 面接で理由を聞かれたとき、詳しく話さなければなりませんか。
A. 詳しさの程度は決まっていません。在籍中にやったことと次に選ぶ条件を伝えれば、理由そのものを細かく話さずに答えを組み立てられます。
Q3. 在籍期間が短い理由に病気や家庭の事情が関わる場合、話すべきですか。
A. 話すかどうかは本人が決めることです。話す場合も話さない場合も、在籍中にやったことと次に選ぶ条件を軸にすれば、説明は組み立てられます。
Q4. 前の職場について、選考中に聞かれたら答えてよいですか。
A. 聞かれた内容には答えて差し支えありませんが、前の職場を評価する言い方は使わず、在籍中の事実を伝える形にとどめます。
8. まとめ:在籍期間は次に選ぶ理由の材料になります
この記事の要点
- 在籍期間の説明は、理由の当てはめではなく、次に何を選ぶかという言葉に置き換えられます
- 書類と面接では、書くことと聞かれることが異なるため、答え方の軸を先に決めておきます
- 在籍期間が数か月・1年前後・複数回のどの型に近くても、整理の軸は在籍中にやったことと次に選ぶ条件の2つです
- 言葉にする型は3つあり、担当した内容・優先したこと・次の条件のどこから話し始めるかを選べます
- 一般労働者の賃金は55〜59歳で396.2千円、60〜64歳で329.3千円です*1。年齢によって賃金水準の前提が変わる例として参照します
在籍期間が短い職歴があっても、書類や面接で示せるのは、そこで何を選び、次に何を選ぶかという判断の軸です。在籍した期間や担当した業務は事実のまま書き、理由の当てはめに時間を使うより、次に選ぶ条件を言葉にすることに時間を使うほうが、書類にも面接にもつながります。触れるかどうかを迷う事情がある場合は、本人が決めたうえで、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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