選考辞退の理由の伝え方|転職活動で角が立たない例文
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

選考を途中でやめる場合、内定が出る前の段階であれば、応募者からの申し出として進められます。決める時点と、誰にどこまでの理由を伝えるかは、選考の進み方によって変わります。ここでは、内定が出る前の段階に絞って、選考を途中で終える判断と、伝える範囲の線引きを整理します。
線引きの中心は、いつ辞退を決めるかと、誰にどこまでの理由を伝えるかです。応募先ごとに、選考の進み方は違います。
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この記事のポイント
- 選考を途中でやめる判断は、内定が出る前であれば応募者からの申し出として進められます
- 伝える理由は選考を続けられない事実の範囲に留め、比較した他社名や条件の詳細までは伝えません
- 条件の比較に絶対の基準はありません。優先順位を決めてから、伝える範囲を選びます
1. 選考の途中で辞退するとき、何を先に決めますか
選考の途中で辞退するときは、まず選考を続けられない事実があるかを確かめ、その後で誰に伝えるかを決めます。伝える理由は、比較した他社名や条件の詳細まで伝える必要はなく、選考を続けられない事実の範囲で足ります。
選考の途中でやめる場面とは、書類選考の通過後や、面接の日程調整をしている途中など、内定が出る前の段階を指します。内定が出た後の辞退は、選考の途中とは進め方が異なるため、ここでは選考の途中に限って整理します。
決める時点で確かめるのは、選考を続けられない事実があるかどうかです。日程の調整が難しい、選考で聞かれた内容が想定と違う、ほかの選考の結果が先に出たなど、事実として言えることを先に確かめます。
事実が確かめられたら、続けるか辞退するかを決めます。迷いが残っている段階で連絡すると、後で気持ちが変わったときに伝え直す手間が生まれるため、決めた後に連絡する順番を守ります。
連絡の手段は、それまでのやり取りに合わせます。メールでやり取りしていた選考であればメール、電話でやり取りしていた選考であれば電話で伝えると、窓口側も同じ手段で確認しやすくなります。
対応の丁寧さを保つことは、同じ企業に別の求人で改めて応募する場面にも関わります。辞退の連絡だからといって省略しすぎず、これまでの選考でのやり取りと同じ丁寧さを保ちます。
2. 辞退の連絡は、4つの順番で進みます
4つの順番は、決めてから連絡し、残りの選考を整理するまでの流れです。順番を逆にすると、迷いが残ったまま伝えたり、整理を後回しにしたまま連絡だけ済ませたりすることになります。
伝える相手は、選考の進み方によって変わります。書類選考の段階であれば採用担当の窓口、面接が進んでいる段階であれば、直前の面接を担当した窓口に伝えます。複数の窓口とやり取りしている場合は、最後にやり取りした窓口に伝えます。
短く伝える段階では、辞退する事実と、可能であれば連絡した時点を伝えます。理由の詳細まで伝える必要はなく、選考を続けられない事実が伝われば足ります。
残りの選考を整える段階では、次の面接の予定や、提出を求められていた書類の扱いを確認します。予定が残っている場合は、辞退の連絡と同じタイミングで、日程を取り消してもらえるか伝えます。
連絡する時間帯にも配慮できる点があります。窓口の営業時間内に連絡すると、当日中に内容を確認してもらえる可能性が高くなります。夜間や休日に送った連絡は、次の営業日まで確認されない場合があります。
3. 辞退を決めた理由によって、伝える範囲は変わります
辞退を決めた理由が何であっても、伝える範囲は同じ形に収まります。
辞退理由と、伝える範囲の対応
| 辞退を決めた理由 | 伝える範囲 | 伝えないほうがよい書き方 |
|---|---|---|
| 日程の調整が難しくなった | 日程の都合により選考を続けられない旨 | 具体的な予定の内容まで詳しく説明する書き方 |
| 選考の進み方が想定と違った | 今回は選考を辞退する旨 | 選考のどの部分が想定と違ったかを具体的に指摘する書き方 |
| ほかの選考の結果が先に出た | 今回は選考を辞退する旨 | 比較した他社の名前や条件を挙げる書き方 |
| 求人の条件を確認し、希望と合わないと判断した | 条件の面で今回は難しいと判断した旨 | どの条件がどう合わないかを細かく列挙する書き方 |
表の左列は、辞退を決めた理由の例です。理由が違っても、中央の列に示した伝える範囲は、選考を続けられない事実に留まる点で共通しています。
右列は、伝えないほうがよい書き方の例です。理由を詳しく説明しようとすると、比較した他社名や、選考のどこに不満があったかまで書いてしまうことがあります。詳しさは、伝わりやすさとは別の話です。
面接の場でのやり取りに理由がある場合も、伝える範囲は変わりません。面接でどのような質問を受けたか、どのような雰囲気だったかは辞退の連絡には含めず、選考を続けられないという事実だけを伝えます。
伝える範囲を事実の一文に収めておくと、連絡する側も、受け取る側も、やり取りが短く済みます。理由を尋ねられた場合も、決めた事実を繰り返す形で答えられます。
辞退の連絡を電話で済ませた場合でも、あとから同じ内容を短いメールで残しておくと、伝えた事実と時期が記録として残ります。書面のやり取りが多かった選考ほど、この記録が役立ちます。
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4. 求人ごとの条件を比べるとき、賃金の数字をどう使いますか
選考を途中でやめる理由が求人の条件面にある場合は、比較の基準をどこに置くかが問題になります。求人票に書かれている月給や年収を、ほかの選考で示された条件と並べて見比べる場面があります。
比較の際に、公表されている賃金の統計を目安にすることもできます。一般労働者の賃金は全国計で月340.6千円です*1。ただし、この数字は全産業・全職種を合わせた平均であり、職種別の水準を示すものではありません。
条件を比べる基準は、応募している求人が置かれている職種や地域によって変わります。全国計の数字は、今回の選考で示された条件が高いか低いかを判断する絶対の基準にはならず、条件を見比べるときの目安の一つとして扱う数字です。
条件面を理由に辞退を決める場合も、伝える範囲は変わりません。求人の条件を確認した結果、今回は難しいと判断した旨を伝える範囲に収め、どの数字をどう比較したかまでは伝える必要がありません。
求人票に書かれている月給や年収は、固定残業代や手当の有無によっても総額の見え方が変わります。数字だけを単純に並べると、内訳が異なる金額を同じ基準で比べてしまうことがあります。
比較した内容は、メモに残しておくと、後で辞退の理由を振り返る際の手がかりになります。メモは自分の判断を整理するための記録であり、伝える相手に見せる必要はありません。
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5. 伝える内容は、3段で組み立てます
伝える内容を組み立てる際は、土台から順に積み上げます。土台にあたるのは、選考を続けられない理由が、実際に事実として言えるかどうかの確認です。
中段にあたるのは、残っている予定や選考との優先順位です。同時に進んでいる選考が複数ある場合、どちらを先に扱うかを決めておくと、伝える順番も定まります。
頂点にあたるのは、誰に何を伝えるかという範囲の決定です。土台と中段が固まったうえで、最後に伝える範囲を決めると、決めた後に内容が揺れることを防げます。
3段の順番を逆にして、範囲だけを先に決めてしまうと、後から事実の確認が漏れていたことに気づく場合があります。積み上げる順番を守ることが、組み立ての要になります。
土台の事実確認をした後に、新しい事実が分かった場合は、伝える前にもう一度確かめ直します。決定を伝えた後に事実が変わっても、伝えた内容をあとから覆すことは難しくなります。
同時に複数の選考が進んでいる場合は、優先順位を先に書き出しておくと、伝える順番で迷いにくくなります。順位が変わったときは、その都度書き直しておきます。
6. 連絡する前に、確認しておける3点があります
選考を辞退する連絡をする前に、確認しておくとやり取りが短く済む点を3つに整理します。
連絡する前に確認しておける3点
- 連絡先の確認:直前にやり取りした窓口の連絡先を、あらためて確かめておきます
- 予定の確認:次に控えている面接や提出物の予定を、辞退の連絡と合わせて確認します
- 時期の確認:連絡する時期が早いほど、残りの選考の調整に余裕が生まれます
3点はいずれも、連絡する前に確認できる範囲です。確認してから連絡すると、1回のやり取りで伝える内容がまとまります。
連絡先の確認では、最後にやり取りした窓口がどこだったかを確かめます。書類選考の段階と面接の段階で窓口が変わっている場合、直前の窓口に伝えるのが基本です。
予定の確認では、次の面接の日程や、提出を求められていた書類が残っているかを確かめます。残っている予定がある場合、辞退の連絡と同じタイミングで扱いを伝えます。
時期の確認では、決めた時点から連絡までの期間を確かめます。決めてから連絡までの期間が空くほど、残りの選考の調整に影響が及びやすくなります。
確認した内容は、簡単な記録として残しておくと、同じ応募先に改めて応募する場合の参考にもなります。連絡先や窓口の名前も、記録に含めておくと次に生かせます。
3点は、選考の早い段階からメモしておくと、辞退を決めた時点でまとめて振り返れます。あとから振り返ると、抜けている点にも気づきやすくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 選考を途中でやめることは、応募先にどのように伝わりますか。
A. 内定が出る前の段階であれば、応募者からの申し出として進められます。伝える内容は、選考を続けられない事実の範囲で足ります。
Q2. 辞退の理由は、詳しく伝えたほうがよいですか。
A. 詳しさは必須ではありません。選考を続けられない事実が伝わる範囲であれば、理由の詳細まで伝える必要はありません。求人票や面談で確認した内容をもとに、続けられないと判断した事実があれば足ります。
Q3. 面接が複数回進んでいる場合、途中でやめることはできますか。
A. 内定が出る前であれば、面接が複数回進んでいても、途中で辞退する連絡をすることができます。伝える相手は、直前の面接の窓口になります。
Q4. 条件を理由に辞退する場合、比較した他社の名前を伝える必要はありますか。
A. 伝える必要はありません。条件の面で今回は難しいと判断した旨を伝える範囲で足り、比較した他社名や条件の詳細は伝えなくても選考は進められます。窓口は辞退の申し出として受け取り、その後の手続きに進みます。
8. まとめ:選考の途中の辞退は、範囲を決めて短く伝えます
この記事の要点
- 選考を途中でやめる判断は、内定が出る前であれば応募者からの申し出として進められます
- 伝える理由は選考を続けられない事実の範囲に留め、他社名や条件の詳細までは伝えません
- 一般労働者の賃金は全国計で月340.6千円ですが、職種別の水準を示す数字ではありません*1
- 伝える内容は、事実の確認・優先順位・範囲の決定という3段で組み立てられます
- 連絡する前に、連絡先・予定・時期の3点を確認しておくと、やり取りが短く済みます
選考を途中でやめる場面では、事実を確かめ、伝える範囲を決めてから連絡することが、選考を短く終える一歩になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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