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ネットワークエンジニアの転職|AI時代に必要なスキル

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

ネットワークエンジニアの転職イメージ

「ネットワークエンジニアは将来どうなるのか」——その問いを、あなた自身も一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。ルーター設定、スイッチ管理、監視ツールの運用。長年積み上げてきたスキルが、クラウドとAIの時代にどれだけ価値を持ち続けるのか。

でも、少し角度を変えて見てみると、答えは違って見えてきます。ネットワークの基礎を深く知るエンジニアだからこそ、クラウドネットワーキングとゼロトラストセキュリティで大きな強みを発揮できる時代がきています。

この記事では、2026年版のネットワークエンジニア転職市場の実態と、AI時代に価値が上がるスキル戦略をお伝えします。

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この記事のポイント

  • ネットワークエンジニアの市場は二極化が進んでいます。機器設定・監視中心のスキルは自動化で代替リスクがある一方、クラウドネットワーキング・SASE・ゼロトラスト領域は需要が急増しています
  • AI時代は「コードが書けるだけでは不十分」で、ネットワーク設計力+クラウド+セキュリティの掛け算が転職市場での高評価につながります
  • ネットワークエンジニアはリモートワーク対応求人が拡大しており、Relasicでは居住地を問わないリモート正社員転職の支援が可能です

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1. ネットワークエンジニア転職の現在地|市場の二極化と将来性

ネットワークエンジニア転職市場の二極化のイメージ

ネットワークエンジニアの転職市場は、2026年現在、明確な二極化が進んでいます。「縮小するスキル領域」と「拡大するスキル領域」の分岐を正確に把握することが、転職戦略の出発点です。

縮小しているのは、従来型のオンプレミスネットワーク機器の設定・監視・障害対応を主とする業務です。自動化ツール(Ansible、Python)の浸透、クラウドへの移行、SD-WANによる拠点間接続の簡素化によって、こうした作業は徐々に自動化・代替されつつあります。

一方で拡大しているのが、クラウドネットワーキング(VPC設計、Transit Gateway、PrivateLink)、SASE(Secure Access Service Edge)、ゼロトラストネットワーク、SD-WANの導入・設計・運用です。総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、サイバー攻撃件数は10年前比で約10倍に増加しており*1、セキュリティ強化とネットワーク再設計への投資が続いています。

1-1. ネットワークエンジニアの年収レンジ(2026年・正社員転職市場)

表1|ネットワークエンジニアの年収レンジ(スキル・役割別、2026年・正社員転職市場)

スキル・役割年収レンジの目安市場コメント
オンプレネットワーク運用・監視(〜中級)350万〜550万円自動化で代替が進んでいます。スキルシフトが急務です
CCNA/CCNP保有・設計経験あり(中級)450万〜650万円資格+設計経験で評価されます。方向性の定め方が重要です
ネットワーク+クラウド(VPC・ネットワーク設計)600万〜850万円クラウド移行案件で引き合いが強い傾向があります
ネットワーク+SASE・SD-WAN(設計・導入)650万〜900万円テレワーク普及を背景に需要が急増しています。専門家が少ない状況です
ネットワーク+ゼロトラスト・セキュリティ設計700万〜1,000万円サイバー攻撃増加で需要が高い状況です。人材が希少です
ネットワークアーキテクト・設計統括900万〜1,200万円超大規模設計・顧客折衝を担える人材が少ない領域です

上記は国内正社員転職市場の傾向をもとにした編集部調べです。厚生労働省 job tagに掲載されている「システムエンジニア(基盤システム)」の有効求人倍率は2.28倍で、全職種平均(2024年:1.25倍)を大きく上回っています*2。インフラ系エンジニアへの需要は構造的に高い水準にあります。

年収レンジを見ると、「オンプレ運用・監視」から「クラウドネットワーキング+セキュリティ」へのシフトによって、年収帯が約2倍になる可能性があることがわかります。では、このシフトを実現するために何が必要でしょうか。

2. AI時代にネットワークエンジニアが価値を上げる「スキルシフト戦略」

スキルシフト戦略のイメージ

「ネットワークの基礎がわかるからこそ、強くなれる領域がある」——これが、2026年のネットワークエンジニア転職の核心です。ルーティング・スイッチング・冗長化・トラフィック制御の深い理解は、クラウドネットワーキングやゼロトラスト設計において、クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアが簡単には追いつけない土台になります。

2-1. ① クラウドネットワーキング:オンプレ知識が最大の武器になります

AWSのVPC設計(サブネット分割・ルートテーブル・NAT Gateway)、Azure Virtual Network、GCPのVPC Peeringは、オンプレネットワークの設計思想を深く理解するエンジニアにとって親和性の高い領域です。BGP、OSPF、スパニングツリーなどのプロトコル知識は、クラウドの仮想ネットワーク設計にそのまま活きます。

「オンプレからクラウドへの移行プロジェクト」は国内で継続的に発生しており、オンプレとクラウドの両方を理解するネットワークエンジニアへの需要は2026年現在も高い水準にあります。AWS Advanced Networking SpecialtyやAzure Network Engineerなどの資格が、スキルの証明として有効です。

2-2. ② SASE・ゼロトラスト:テレワーク時代の最重要アーキテクチャ

SASE(Secure Access Service Edge)は、ガートナーが2019年に提唱したネットワークとセキュリティを統合するアーキテクチャです。SD-WAN(Software-Defined WAN)とSSE(Security Service Edge)を組み合わせ、どこからでも安全にクラウドやアプリケーションにアクセスできる環境を提供します。テレワークの普及とクラウドシフトが重なった2020年代以降、SASE・SD-WANの導入需要は急拡大しています。

ゼロトラストネットワークは「内部ネットワークも信頼しない」という原則に基づき、すべてのアクセスを認証・認可する設計思想です。従来のVPN中心のセキュリティ設計を刷新する動きは、大企業から中堅企業へと広がっています。ZTNA(Zero Trust Network Access)の設計・導入経験があるネットワークエンジニアは、転職市場で高い希少価値を持ちます。

2-3. ③ ネットワーク自動化(Python・Ansible):AIと共存するための必須スキル

AIがコーディングを補完する時代に、ネットワークエンジニアに求められるのは「ネットワーク設定を自動化できるプログラミング力」です。Pythonを使ったネットワーク機器のAPI操作(Netmiko、NAPALM)、Ansibleによるコンフィグ管理、CI/CDパイプラインへのネットワーク設定の統合は、「ネットワーク×自動化」の組み合わせとして採用市場で高く評価されます。

「コーディングができるだけでは不十分」という文脈において、ネットワーク設計の深い知識とプログラミング力の両方を持つエンジニアは、AIには代替しにくい判断力と実装力を兼ね備えた存在として重宝されます。

表2|ネットワークエンジニアのスキルシフト前後の比較(市場評価・年収・将来性)

項目従来型(オンプレ運用中心)シフト後(クラウド×セキュリティ×自動化)
主な業務ルーター・スイッチ設定、監視、障害対応クラウドVPC設計、SASE導入、ゼロトラスト設計、IaC
年収レンジ350万〜550万円650万〜1,000万円以上
AI・自動化による代替リスク高い(設定・監視は自動化が進んでいます)低い(設計・判断・セキュリティは代替が困難です)
市場での需要横ばい〜縮小傾向急拡大(セキュリティ投資増加を背景として)
転職優位性競合が多い状況です人材が希少で引き合いが強い状況です
リモートワーク対応オンプレ機器管理のため出社が多い傾向がありますクラウド・ソフトウェア定義のためリモート対応しやすい環境です

スキルシフトが進むほど、「ネットワークの深い知識+クラウド・セキュリティの理解+自動化の実装力」という希少な組み合わせが完成します。この三位一体のスキルを持つエンジニアへの需要は、2026年時点で供給が大幅に不足しています。

スキルシフトを始める具体的な第一歩として、クラウドネットワーキングは各クラウドプロバイダーの無料枠を活用したVPC設計の実践が最も効率的です。PythonとNetmiko(ネットワーク機器操作ライブラリ)は公式ドキュメントとGitHub上のサンプルコードで独学が可能です。SASEについては主要ベンダー(Palo Alto Networks、Zscaler、Cisco)がホワイトペーパーや無料のオンラインセミナーを提供しており、まず概念設計の理解から始めることをおすすめします。現職のネットワーク知識を活かしながら学習を進める具体的な方法については、エージェントとの面談でご相談いただけます。

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3. ネットワークエンジニア転職で押さえるべき4つのポイント

スキルの方向性が定まったら、次は転職活動の進め方を整えましょう。ネットワークエンジニアとして次のステップに進むために、エージェントとして現場で蓄積してきた実践的なポイントをお伝えします。

3-1. ポイント1:職務経歴書に「設計判断の理由」を書く

ネットワークエンジニアの職務経歴書で最もよくある失敗は「使用した機器・プロトコルの列挙だけ」になることです。採用担当者が評価するのは「なぜその設計を選んだか」「どのトレードオフを検討したか」「結果として何が改善したか」というエンジニアの判断力です。設計の背景・判断根拠・定量的な成果(遅延削減・可用性改善・コスト削減)を記述することで、書類選考の通過率が大きく変わります。

3-2. ポイント2:CCNAからCCNP・クラウド資格への展開でアピールを補強する

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は転職市場で一定の信頼性があります。ただし、CCNA単体では「入口」として認識されることが多く、転職先のポジションや年収交渉で差が生まれやすいのも事実です。CCNP(上位資格)への展開、またはAWS Advanced Networking SpecialtyやCCNPセキュリティなどのクラウド・セキュリティ資格を組み合わせることで、書類選考での評価が上がります。

3-3. ポイント3:リモートワーク対応求人を積極的に視野に入れる

ネットワークエンジニアは従来、オンプレミス機器の管理のため出社が前提とされてきました。しかし、クラウドネットワーキング・SASE・SD-WANの普及により、ネットワーク設計・構成管理の多くがリモートで対応できるようになっています。Relasicが保有するリモートワーク対応の正社員求人は3,790件(うちフルリモート1,428件)で、インフラ・ネットワーク系のポジションにもリモート対応の選択肢があります。

3-4. ポイント4:「将来性」を武器にする転職タイミング

ネットワークエンジニアの転職は、スキルシフトの過渡期にある「今」が転職しやすいタイミングといえます。クラウドネットワーキング・SASEを扱えるエンジニアへの需要が高い一方、まだ人材の絶対数が少ない状態です。この需給ギャップが大きい時期に転職活動を進めることで、年収交渉での優位性も高まります。

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4. ネットワークエンジニアのリモートワーク転職と将来キャリア設計

「ネットワークエンジニアはリモートで働けないのでは」という認識は、2026年現在では改める必要があります。クラウドファーストの時代に移行した企業では、ネットワーク設計・管理の多くがクラウドコンソールやソフトウェアで完結し、リモートワークとの相性が以前より大幅に高まっています。

経済産業省の試算では、2030年のIT人材不足は高位シナリオで約79万人に達する見込みです*3。ネットワーク・セキュリティ系のインフラエンジニアへの需要はその中でも特に安定しており、スキルシフトを進めた人材には、リモートワーク対応の高年収ポジションへの転職機会が広がっています。

4-1. ネットワークエンジニアのキャリアパス選択肢

表3|ネットワークエンジニアの主なキャリアパス(2026年版)

キャリアパス主なスキル年収レンジの目安リモート対応
クラウドネットワークエンジニアAWS/Azure VPC設計、クラウド移行600万〜850万円○ 対応しやすい
ネットワークセキュリティエンジニアゼロトラスト、SASE、IDS/IPS、CSPM700万〜1,000万円○ 対応しやすい
SASEアーキテクト・コンサルタントSASE設計、SD-WAN、ベンダー折衝800万〜1,100万円○ 多くがリモート対応
ネットワーク自動化エンジニアPython、Ansible、CI/CDパイプライン650万〜900万円◎ リモート親和性が高い
ネットワークアーキテクト大規模設計統括、顧客折衝、提案力900万〜1,200万円超△ 対面折衝もある

どのキャリアパスに進むかは、現在の経験・得意領域・希望する働き方によって異なります。転職活動を始める前に、エージェントとの面談で自分の強みを整理し、どの方向性が市場ニーズと重なるかを確認されることをおすすめします。

4-2. リモートワーク対応求人への応募で確認すべきこと

  • ネットワーク機器へのリモートアクセス環境:本番機器にVPN・OOB(帯域外管理)経由でアクセスできるか
  • インシデント対応のプロセス:障害発生時の連絡フロー・オンサイト対応が必要なケースがあるか
  • 設計・構成変更の承認フロー:変更管理がリモートで完結するか
  • クラウドネットワーク環境の整備状況:どの割合がクラウドに移行済みか

5. まとめ:ネットワークエンジニア転職で成果を出す方法

この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアの転職市場は二極化が進んでいます。オンプレ運用中心は代替リスクが高く、クラウドネットワーキング・SASE・ゼロトラスト領域は需要が急拡大しています
  • 年収を上げる鍵は「スキルシフト」です。クラウド+セキュリティ+自動化(Python)の組み合わせで、年収帯が350万円台から700万〜1,000万円以上へと大きく変わります
  • AI時代は「設定・監視作業」は自動化される一方、「設計判断力・セキュリティ設計・組織課題の解決」は人が担う領域として評価が高まっています
  • 職務経歴書には設計の理由・判断根拠・定量的な成果を記載することが書類選考通過の分岐点になります
  • クラウドネットワーキング・SASE系のポジションはリモートワーク対応が進んでおり、居住地を問わない転職選択肢が広がっています

ネットワークの基礎を深く知るエンジニアの強みは、クラウドとセキュリティの時代にこそ活きます。スキルの方向性を定め、転職活動をどう進めるか——その一歩を、一緒に考えさせてください。

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出典・参考情報

*1 総務省「令和6年版 情報通信白書」(2024年公表)
*2 厚生労働省 job tag「システムエンジニア(基盤システム)」有効求人倍率(令和6年度)
*3 経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」(2019年3月公表)

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