文字起こしの議事録の扱い|残る記録とリモート会議の運用
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

会議や打ち合わせの音声を自動で文字にする仕組みを使う職場が増えています。ただ、そこで作られた文字起こしの記録がそのまま議事録として扱われるのか、直すのは誰か、直す前と後のどちらを正の記録とするのか、どのくらいの期間残るのかは、仕組みを入れただけでは決まりません。参加していない人にも見えるのかも、同じく別に決めることです。
この記事が中心に置くのは、自動で作られた文字起こしの記録がそのまま議事録になるのかどうかと、直す前と後のどちらを正とするか、残る期間や参加していない人にも見えるかを、社内の案内でどこまで決まっているかを確認する場所です。文字にする仕組み自体の精度や、録音についての法令の解説は、扱いが決まっているかとは別の話のため、ここでは扱いません。
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この記事のポイント
- 自動で作られた文字起こしの記録がそのまま議事録になるかどうかは、社内の案内や規程を読むと分かります
- 直す前と直した後のどちらを正の記録とするかは、案内に書かれた範囲で決まります
- 残る期間や参加していない人にも見えるかは、記録を管理する部署の案内で確認できます
1. 文字起こしが議事録になるかは案内で決まります
自動で作られた文字の記録が、そのまま議事録として扱われるかどうかは、社内の案内や規程を読むと分かります。会議の音声を自動で文字にする仕組みは、話した内容をその場で文字として残しますが、その記録を議事録として使うかどうか、誰が直すかは仕組みの外で決まっていることです。まずは扱いがどこで決まっているかを見ていきます。
自動で文字にする仕組みは、会議で話された言葉をそのまま文字に変えます。話した内容が文字として残る点は共通していますが、その文字の記録がそのまま議事録になるのか、直してから議事録になるのかは、会社や部署によって扱いが分かれます。
文字起こしという言葉は、話した言葉を文字に変える作業全体を指します。自動で作られた直後の記録は、話した内容に近い形をしていますが、聞き取りにくい部分や言い直しもそのまま文字になっているため、直す作業を挟んで初めて議事録の形に整うことがあります。
直す作業を誰が担うかは、会議を開いた部署や参加者の間で、あらかじめ決めておく事柄です。決めておかないと、文字の記録をそのまま置いておくだけで、誰かが直すのを待つ間、議事録として扱われない状態が続くことになります。
働き方が年齢や勤務形態によって変わることは、賃金の統計にも表れています。女性の賃金は45〜49歳・55〜59歳の層でピークとなり、月額305.7千円です*1。この数字は賃金の統計であり、記録の扱いを決めるものではありませんが、年齢や勤務形態によって働き方が変わる人がいる以上、同じ会議に毎回全員がそろうとは限りません。会に出られない人が出てくるほど、記録の見える範囲をどう扱うかが問題になります。
参加していない人にも見える記録かどうかは、次に見る「直したかどうか」との組み合わせで、扱いの重さが変わります。
2. 残る記録を『直したか』と『見る人』で分ける
文字起こしで作られた記録は、直したかどうかと、それを見る人の範囲で、扱いの重さが変わります。2つを掛け合わせて見ていきます。
そのまま残す×参加者だけの組み合わせは、直っていない部分があっても、参加した人であれば聞いた内容と照らして読めるため、扱いの重さは比較的軽くなります。
そのまま残す×参加者の外の組み合わせは、直っていない部分がそのまま、会議に出ていない人にも渡ることになります。聞き取りにくかった箇所や言い直した箇所も文字としては残るため、扱いが決まっているかをまず確認しておきたい組み合わせです。
人が直してから残す×参加者の外の組み合わせは、直したあとの内容が正の記録として渡ります。誰がどこまで直したかが、記録の質を左右します。
自分の会議がどの組み合わせに当たるかは、案内や規程を読むと分かることがあります。会議の参加者が毎回同じとは限らない場合は、そのときの参加者の範囲によって、どちらの区分に当たるかが変わることもあります。次はその案内がどこにあるかを見ていきます。
3. 扱いを書いた案内がどこにあるかを並べる
文字起こしで作られた記録の扱いは、複数の案内や規程に分かれて書かれていることがあります。4つの項目に分けて見ていきます。
【表1】確かめること
| 確かめること | どこで確かめられるか | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 直す人 | 会議の運営規程・部署ごとの案内 | 参加者の中で決まっている場合と、別の担当が決まっている場合があります |
| 正になるのはどちらか | 文書管理の規程・議事録の取り扱い基準 | 直す前の記録を控えとして残す会社と、直した後のものだけを残す会社があります |
| 残る期間 | 文書管理規程の保存期間の表 | 記録の種類によって期間が分かれている場合があります |
| 見える範囲 | 共有先の設定・アクセス権の案内 | 参加していない人にも共有する範囲が、部署やチームの単位で分かれることがあります |
直す人と、残る期間の2つが同じ案内に書かれていれば探しやすいですが、会議の運営規程と文書管理規程が別のページに分かれている会社もあります。見当たらないときは、複数の案内を順に見ていきましょう。
残る期間は、貸与品を返す期限と同じように、あらかじめ決まっている項目のひとつです。文書管理規程の保存期間の表に、記録の種類ごとの期間がまとまっている場合があります。
見える範囲は、参加していない人にも共有するかどうかを、部署やチームの単位で決めている会社があります。共有先の設定やアクセス権の案内を見ておくと、扱いの範囲が分かります。
案内が複数のバージョンに分かれているときは、更新日が新しいものを優先して見ます。古い案内がそのまま残っていることもあるため、更新日は必ず確認しておきましょう。
案内を読んで初めて分かることは、直す人や見える範囲だけではありません。
あわせて読みたい | 貸与品を返すとき|期限と状態と記録
4. 文字起こしは直す前と直した後で扱いが変わります
文字起こしで最初に作られる記録は、話した言葉をそのまま文字に変えたものです。聞き取りにくい部分があれば、そのまま文字として残ります。直す作業を挟むと、言い直しや聞き取りにくい部分が整い、読みやすい形になります。
直す前と直した後、どちらを正の記録とするかは、案内や規程で決まっている事柄です。直した後のものだけを議事録として残し、直す前の記録は破棄する会社もあれば、両方を控えとして残す会社もあります。
直す担当が変わると、直し方の範囲も変わることがあります。参加者の一人が直す場合と、記録を管理する部署が直す場合とでは、直す範囲の決め方が異なる場合があります。
直した後の記録は、後から加わった人や、引き継ぎを受けた人が読むこともあります。何を残すかという点では、引き継ぎ資料の考え方に近いところがあります。
直す作業のあいだ、直す前の記録をどう扱うかも決めておく点のひとつです。上書きして消す会社もあれば、直す前の記録を別に控えておく会社もあります。
あわせて読みたい | 引き継ぎ資料に何を残すか|後任が困らない順
5. 会が終わってから記録が残るまでの4段階
会議が終わった直後の文字起こしは、自動で文字にする仕組みがそのまま出した記録です。この時点では、まだ議事録として使える形になっているとは限りません。
直す人がその記録を読む段階では、聞き取りにくかった部分や言い直した部分を整えます。誰が直すかは、会議の運営規程や部署の案内で決まっています。
正の形が決まる段階で、直す前と直した後のどちらを残すかが確定します。ここまでの2段階を経て、初めて記録が議事録としての扱いを受けます。
決められた置き場所に記録が残る段階では、残る期間や参加していない人にも見えるかどうかも、同じ案内の中で決まっています。
6. 扱いが分かっていない時に見る先を挙げる
案内や規程を読んでも、文字起こしの扱いが分からないときは、聞く先を変えると早く分かることがあります。
問い合わせ先の候補
- 文書管理の窓口:残る期間や、直す前の記録を控えとして残すかどうかを聞けます
- 会議を運営する部署:直す担当が誰かや、直す範囲について聞けます
- 共有先を管理する担当:参加していない人にも見えるようにするかどうかを聞けます
- 直前の会議の運営担当:同じ形式の会議であれば、前回の扱いを知っている場合があります
窓口ごとに詳しい範囲が違うため、聞く順番を変えるだけで、同じ質問でも答えが早く見つかることがあります。まずは案内に担当として書かれている窓口から確認しましょう。
直す人や正になるのはどちらかを聞く相手に迷ったら、まずは会議を運営する部署に聞くのが確実です。記録の扱いについても案内していることがあります。
複数の窓口に同じ質問をすると、案内どおりの答えとずれる場合があります。まずは案内に書かれた担当窓口から確認し、そこで分からない点だけ他の窓口に聞くと、答えのずれを避けられます。
扱いが決まっていない状態のまま会議を重ねると、記録の残し方が会議ごとに変わってしまうことがあります。最終出社の日までに済ませることを区分で整理するのと同じように、記録の扱いも項目ごとに分けて確認しておくと、後から見返しやすくなります。
聞いて分かった内容は、次に同じ会議を開くときのために控えておくと、毎回同じ問い合わせを繰り返さずに済みます。
あわせて読みたい | 最終出社の日までに済ませること|4つの区分
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 自動で作られた文字起こしは、そのまま議事録として使ってよいですか。
A. 会社や部署の案内によります。直す作業を挟まずに使う場合と、直してから使う場合があるため、どちらを正の記録とするかを案内で確認します。
Q2. 記録を直す人は、どこで確認できますか。
A. 会議の運営規程や部署ごとの案内に書かれています。見当たらない場合は、会議を運営する部署に確認します。
Q3. 参加していない人にも文字起こしの記録が見えることはありますか。
A. 共有先の設定や案内によります。参加者だけに絞る会社もあれば、参加していない人にも共有する会社もあるため、共有先の設定を確認します。
Q4. 直す前の記録と直した後の記録は、両方残りますか。
A. 会社によります。両方を控えとして残す場合と、直した後のものだけを残す場合があるため、文書管理の規程で確認します。
8. まとめ:残る記録の扱いを社内の案内で確認する
この記事の要点
- 自動で作られた文字起こしの記録がそのまま議事録になるかどうかは、社内の案内や規程を読むと分かります
- 直す前と直した後のどちらを正の記録とするかは、案内に書かれた範囲で決まります
- 残る期間や参加していない人にも見えるかどうかは、記録を管理する部署の案内で確認できます
- 案内を読んでも分からないときは、会議を運営する部署や文書管理の窓口に問い合わせます
文字起こしで作られる記録は、話した内容を文字に変えるところまでは共通していても、そのまま議事録になるかどうかは会社ごとの扱いによって変わります。直す前と直した後のどちらを正とするか、残る期間、参加していない人にも見えるかどうかは、社内の案内や規程を読むと分かります。分からないときは、会議を運営する部署や文書管理の窓口に確認すれば、扱いが決まっているかどうかを確かめられます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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