山梨のエンジニア転職|物価38位と住居16位のずれ
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

山梨に住み続けながら、ITエンジニアとして正社員のまま年収の水準を上げたいと考えたとき、「地方だから生活費が安い」という前提だけでは判断できません。物価を費目ごとに見ると、順位が一致しない場合があります。
山梨県の物価は総合が全国38位、住居は全国16位で、費目によって位置が食い違います*1。生活費全体は低めでも、住居だけが中位に上がるのは、東京圏に近いことが価格に表れやすいためです。リモートワーク対応の正社員求人まで視野を広げれば、この位置を踏まえたうえで年収の水準を考えられます。
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この記事のポイント
- 物価地域差指数は、総合が97.7で全国38位、住居が94.4で全国16位です。総合は低い順位でも、住居だけは中位より上に上がります*1。
- テレワークを導入している企業の割合は47.3%ですが、雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です。導入と実際の利用には差があります*2*3。
- 山梨は東京圏に近い県ですが、その近さは通える距離があるという意味にとどまります。利用するかどうかは、求人ごとの条件によって変わります。
1. 山梨は総合38位でも住居だけ16位に上がります。
山梨在住のITエンジニアが年収の水準を上げるには、リモートワーク対応の正社員求人を候補に加える方法があります。総務省の消費者物価地域差指数(2024年)では、総合の物価指数が97.7で全国38位、住居の物価指数が94.4で全国16位でした*1。総合は低い順位でも、住居だけは中位より上に上がるという、費目による食い違いがあります。テレワークを導入している企業の割合は47.3%です*2。生活費の位置を踏まえたうえで、住み続けながら年収の水準を上げる方法として、リモート正社員という選び方があります。
山梨の生活費は、総合の順位だけでは説明できません。総合の物価地域差指数は97.7で全国38位、住居は94.4で全国16位と、費目によって順位が食い違います*1。
総合の順位から見ると生活費を抑えやすい位置にありますが、住居だけを見ると中位より上に上がります。求人票に書かれた勤務地の条件を確認しないまま応募先を絞ると、この食い違いに気づく前に生活費の見積もりを決めてしまうことになります。
リモートワーク対応の正社員求人を選べば、住んでいる自治体の企業数に選択肢を縛られません。住み続けながら、賃金水準の高い地域の企業に所属するという選び方が現実的になります。
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2. 総合と住居の順位がずれる理由を、2軸で整理します。
物価を総合と住居に分けて全国順位で見ると、位置が一致しない場合があります。2つの軸に整理すると、どの組み合わせに当たるかが分かります。
山梨県は、総合の物価地域差指数が97.7で全国38位、住居の物価地域差指数が94.4で全国16位です*1。総合の順位から見ると生活費を抑えやすい位置にありますが、住居だけを見ると中位より上の順位に上がります。
この食い違いは、山梨県が東京圏に近い位置にあることと関係していると考えられます。近さがそのまま生活費全体を押し上げるわけではなく、住居という費目に表れている点が特徴です。
総合の順位だけを見て生活費を判断すると、住居費の実際の位置を見落とします。転職後の生活費を見積もるときは、費目ごとの順位を分けて確認しておく必要があります。
3. 物価とテレワークの数字を、表で確認します。
山梨県の物価と、テレワークに関する数字を並べて確認します。総務省の消費者物価地域差指数(2024年)と、総務省・国土交通省のテレワーク関連調査から、費目と実施状況の位置を数字で見ていきます。
【表1】物価地域差指数とテレワークの数字(2024年)
| 指標 | 対象地域 | 比較対象 | 順位・備考 |
|---|---|---|---|
| 総合の物価指数 | 97.7 | 全国平均=100 | 全国38位*1 |
| 住居の物価指数 | 94.4 | 全国平均=100 | 全国16位*1 |
| テレワーク導入企業の割合 | ― | 全国47.3% | *2 |
| 雇用型就業者のテレワーク実施率 | ― | 全国15.6% | *3 |
表のとおり、山梨県の総合の物価指数は97.7で全国38位です。全国平均の100.0を下回り、順位としても下位に近い位置にあります*1。
一方、住居の物価指数は94.4で全国16位です。総合よりも指数の値そのものは低いにもかかわらず、順位は中位より上に上がります*1。テレワークを導入している企業の割合は47.3%ですが、雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%にとどまり、導入と実際の利用の間には差があります*2*3。
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4. 東京圏への近さは、通える範囲という意味ではありません。
山梨県が東京圏に近い位置にあることは、通勤の可否とは別の意味を持ちます。住居の物価指数が中位より上に上がっている背景には、近さが価格に表れているという事実があります*1。
近さを通勤の材料として使うかどうかは、個人の選び方の話です。ここで確認したいのは、近さが生活費の内訳にどう出ているかという点にとどまります。
総合の物価指数が全国38位と低い順位にあるからといって、住居費まで同じ順位で低いとは限りません。費目ごとに順位が動く前提を持っておくことが、暮らしの見通しを誤らないための土台になります。
リモートワーク対応の正社員求人であれば、勤務地を山梨から動かさないまま、企業の所在地の相場を基準にした年収を検討できます。近さを利用するかどうかとは関係なく、選べる求人の範囲が変わります。
テレワークを導入している企業の割合は47.3%ですが、実際に利用する雇用型就業者の実施率は15.6%です*2*3。導入されているという事実だけでは、実際に在宅で働けるとは言えません。求人ごとに条件を確認する必要があります。
総合38位と住居16位という順位の差は小さくありません。同じ県の中でも、費目によってこれだけの差が生まれる場合があるという例として、位置づけを確認しておく意味があります*1。
5. 求人を探す4つの段階で、確認する点が変わります。
リモートワーク対応の正社員求人を探すとき、段階によって確認する点が変わります。
山梨に住んだまま応募する場合も、確認する内容は上記の4段階と同じです。段階を追って確認すれば、条件のずれに後から気づく事態を防げます。
とくに給与水準の基準がどこにあるかは、山梨に住み続けながら年収の水準を上げられるかどうかを左右します。求人票だけで分からない場合は、面談で確認する必要があります。
6. リモートワーク対応の求人を探すときの確認点を一覧にします。
山梨に住み続けながら求人を探すために、確認しておきたい点を整理します。
暮らしを変えずに求人を探すための確認点
- 求人の範囲:全国どこからでも勤務可能な求人かどうかを、求人票で確認します。
- 勤務地の条件:出社が必要な頻度や、対象となる勤務地域を事前に確認します。
- 賃金水準の基準:給与が企業の所在地の相場に基づくのか、居住地に基づくのかを確認します。
- 生活費の前提:総合の物価指数は低くても、住居費だけは中位に上がる位置であることを踏まえて、生活費の計画を立てます。
求人票に「全国どこからでも勤務可」と書かれていても、実際の運用は企業によって異なります。過去の採用実績や、対象となる勤務地域を面談で確認しておくと、判断のずれを防げます。
給与水準の基準が居住地ではなく企業の所在地に基づく求人であれば、住み続けたまま、賃金水準の高い地域の相場に沿った年収を目指せます。
総合の物価指数が全国38位という順位は、生活費全体を抑えやすい位置にあることを示します。ただし住居の物価指数は全国16位で、中位より上に上がる点は別に確認しておく必要があります*1。
4つの確認点はどれも単独では判断材料として不十分です。求人の範囲・勤務地の条件・賃金水準の基準・生活費の前提をあわせて確認することで、暮らしを変えない転職の全体像が見えてきます。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 住んでいる地域を変えずに、県外企業のリモートワーク対応求人に応募できるか。
A. 応募できます。「全国どこからでも勤務可」と明記された求人であれば、居住地は選考の妨げになりません。過去の採用実績や対象となる勤務地域を、求人票や面談で確認しましょう。
Q2. 山梨県の住居費が中位に上がるのは、東京への通勤を前提にした価格だからか。
A. 指数だけでは、価格が形成される理由までは分かりません。総務省の消費者物価地域差指数は、地域ごとの価格水準を示すものであり、通勤の有無を条件に調査したものではありません*1。
Q3. テレワークを導入している企業の割合と、実際の実施率が異なるのはなぜか。
A. 指標が指しているものが違うためです。導入企業の割合は制度がある企業の比率、実施率は雇用型就業者のうち実際に在宅などで働いている人の比率です*2*3。制度があっても、全員が利用しているとは限りません。
Q4. 実務経験は何年あればリモートワーク対応の求人に応募できるか。
A. 目安は実務3年です。リモート環境では自走力が重視されるため、指示がなくてもタスクを進められる経験の厚みが問われます。3年未満でも、複数の技術を掛け合わせた経験があれば評価される場合があります。
Q5. 給与水準は、勤務先の所在地と居住地のどちらで決まるか。
A. 求人ごとに異なります。企業の所在地の相場を基準にする求人もあれば、居住地の相場を踏まえる求人もあるため、求人票や面談で基準を確認しておく必要があります。
Q6. テレワークの実施率が低いなら、住んだままの転職は難しいか。
A. 実施率の低さは、雇用型就業者全体の平均であり、リモートワーク対応の求人に絞り込めば影響を受けにくくなります。求人票に条件が明記されているかどうかを、実施率の数字より先に確認する必要があります*2*3。
8. まとめ:山梨は総合と住居の順位が食い違う県です。
この記事の要点
- 総合の物価地域差指数は97.7で全国38位、住居は94.4で全国16位です。総合は低い順位でも、住居だけは中位より上に上がります*1。
- テレワークを導入している企業の割合は47.3%ですが、雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です。導入と実際の利用には差があります*2*3。
- 順位の食い違いは、東京圏に近いことが住居費の位置に表れていると考えられます。近さは通勤のためだけでなく、条件次第で使わないという選び方も含みます。
- リモートワーク対応の正社員求人であれば、住み続けたまま、賃金水準の高い地域の企業に所属するという選び方ができます。
山梨を選ぶ理由は、生活費の安さだけでは説明できません。次の一歩は、これまでの経歴がリモートワーク対応の求人でどう評価されるかを知ることです。総合と住居、それぞれの順位を数字で確認したうえで、転職の設計を組み立てていきましょう。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省統計局「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果-」(2025年6月公表)
*2 総務省「通信利用動向調査」(2025年公表)
*3 国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(令和7年3月公表)
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